商法研究会の活動内容

本研究会は、東北大学および東北地方の諸大学に属する商法研究者、 東北大学出身の商法研究者等から構成される研究会であり、商事法関係の研究報告や判例研究を行うことを通例としております。

2017(平成29)年度の研究会の報告者・論題

第3回商法研究会

日時 2017年9月16日(土)13:30より
場所 東北大学川内キャンパス 法学研究科棟2階 演習室2
13:30より
報告者 品川 仁美氏(帝京大学)
論 題 「コーポレート・ガバナンスの収斂論に関する検討」
内 容 「2000年頃アメリカを中心に、世界のコーポレート・ガバナンス制度が収斂するのかについての議論が活発に行われた。その後2007年頃再び話題にのぼったものの、現在アメリカにおいて収斂論はあまり大きな議論とはなっていない。わが国においても、2000年頃および2003年頃に多少の議論があったものの、その後はほとんど扱われていない。しかしここ数年のわが国のコーポレート・ガバナンス制度の発展は目を見張るものがあり、この状況をアングロ・アメリカ型への収斂という観点から分析することに一定の意味があると考える。しかしながらこれまでの収斂論は、言葉の定義や対象・分析方法のセレクト等について統一性がなく、比較分析が困難であった。そこで本報告では、これまでの収斂論の整理を行い、近年のわが国のコーポレート・ガバナンス制度の分析を行う上での示唆を得ることを試みる。」
参考文献 なし
15:30より
報告者 得津 晶氏(東北大学)
論 題 「保険販売における2つのコンバージェンス」
内 容:日本では2014年に保険業法が改正され、欧州では2016年1月にEU保険販売指令が成立した。日欧において、ほぼ同時期に、保険募集に関する規制が改正され、保険販売セクターへの義務が加重された。これは偶然なのか必然なのか、国際的なコンバージェンスの傾向を探る。他方で、日本の保険業法改正によって導入された情報提供義務等は、他の金融商品販売規制と平仄を合わせた側面もある。ここには、国内の金融商品間で規制内容の統一または標準化がなされており、分野間でのコンバージェンスがなされているとみることができる。このように2つの異なるコンバージェンスの可能性が指摘できるところ、現在の法改正の動機はどちらの原理に基づいているのか、また、2つのコンバージェンスはどのような関係にあるのかを探る。
参考文献 ・山下徹哉「保険募集に係る業法規制について―平成26年保険業法改正を中心に―」生命保険論集193号71頁-102頁

第2回商法研究会

日時 2017年7月15日(土)13:30より
場所 東北大学川内キャンパス 法学研究科棟3階 大会議室
13:30より
報告者 森田 果氏(東北大学)
判例評釈 東京高判平成28年9月14日判時2323号101頁
東京地判平成28年1月26日判時2313号55頁(原審)
15:30より
報告者 伊藤 吉洋氏(近畿大学)
議題 「公開買付けに引き続き実施された株式売渡請求に係る売買価格が公開買付価格と同額とされた事例」(静岡地裁沼津支部決定平成28年10月7日判例集未登載(LEX/DB文献番号25544091))
参考文献 ・北村雅史「本決定判批」法学教室438号137頁
・山本真知子「本決定判批」新・判例解説Watch商法No.97
・「本件抗告審」(東京高裁決定平成29年1月30日判例集未登載(LEX/DB文献番号25544950))
・拙稿「利益相反構造のある二段階買収における公正な価格-ジュピターテレコム(JCOM)事件最高裁決定などについての検討-」近畿大学法学64巻3=4号75頁

第1回商法研究会

日時 2017年5月20日(土)13:30より
場所 東北大学川内キャンパス 法学研究科棟3階 大会議室
13:30より
報告者 郭 遠氏(東北大学大学院MC)
論題 「福岡高裁平成26年6月27日判決(金判1462号18頁)」
参考文献 1) 弥永真生「全部取得条項種類株式の全部取得決議等と決議の無効・取消し」ジュリスト1473号3頁
2) 田中亘「事業再生から見た会社法の現代化(2・完)」NBL823号23頁
15:30より
報告者 長畑 周史氏(横浜市立大学)、小泉 和之氏(横浜市立大学)
議題 「非営利法人の内部統制構築に関するアンケート調査の分析」
要旨 平成18年に改正された一般社団法人及び一般財団法人に関する法律は、会社法の規定を多く取り込み従来の制度から大きく変化した。本研究では、その中で内部統制に関する規定に注目し、平成26年に非営利法人に対して内部統制構築度に関するアンケート調査を実施した。その成果はすでに下記論文2および3で公表しているところであるが、本報告では、アンケート調査で得られたデータを共同研究により、さらに詳細な分析を試みる。
参考文献 1) 長畑周史「非営利法人のガバナンスの問題点についての試論」横浜市立大学論叢社会科学系列65巻1号235頁(2014年)
論文公開URL:http://doi.org/10.15015/00000344
2) 長畑周史=大澤正俊「非営利法人の内部統制構築状況に関する調査と分析」横浜市立大学論叢社会科学系列67巻1号135頁(2016年)
論文公開URL:http://doi.org/10.15015/00000492
3) 長畑周史「非営利法人における内部統制構築度(業種・規模別)の分析」横浜市立大学論叢社会科学系列68巻1号43頁(2016年)
論文公開URL:http://id.nii.ac.jp/1246/00000469/
4) 長畑周史「非営利法人における利害関係者の利益と責任追及の動機不均衡」法学研究88巻3号41頁(2016年)
論文公開URL:http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00224504-20160128-0267

 

2016(平成28)年度の研究会の報告者・論題

第6回商法研究会

日時 2017年3月11日(土)13:30より
場所 東北大学川内キャンパス 法学研究科棟3階 大会議室
13:30より
報告者 牧 真理子 氏(大分大学)
論題 「事業譲渡と債権者保護ー商号続用規定の検討」
要旨 事業譲渡における債権者保護の一類型である商号続用規定の性質を、詐害性の観点から捉えるとき、平成26年改正会社法に新設された詐害的事業譲渡の規定との関係が問題となる。
本研究では、これまで会社法22条の商号続用規定により解決が図られてきた事象や、同条の意義が、平成26年改正会社法の新設規定により影響を受けるのか、ドイツ法を比較法として用いつつ検討する。
参考文献 1)大山俊彦「商号続用と営業譲受人の責任についてードイツにおける最近の論争を踏まえてー」法学研究653号(2000年)1頁2)西内康人「団体論における契約性の意義と限界(3)ードイツにおける民法上の組合の構成員責任論を契機としてー」法学論叢165巻5号(2009年)1頁
15:30より
報告者 関 俊彦 氏(東北大学名誉教授)
論題 「「株主権の不可侵」株式は憲法上どのように保護されるか。」
要旨 憲法29条1項は、「財産権は、これを侵してはならない」と規定している。この「財産権」に「株主権」を代入すると、「株主権は、これを侵してはならない」となるが、これはどういう意味であろうか。この疑問は商法学のみならず、憲法学においても70年間、検討されることはなかった。株主権に関する立法をする場合に、常に憲法適合性を検討しければならないが、29条1項がどのような内容のものかがはっきりしないと、前に進めない。しかし、「所有権は、これを侵してはならない」に関しては歴代の憲法学において様々な議論がある。そこで、既存の財産権に関する議論を参考にして株主権不可侵の意味を探ろうと考える。
参考文献 憲法書の29条に関する叙述、最高裁判例(昭和62年4月22日)民集41巻3号408頁(共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に分割請求権を否定した(旧)森林法186条は憲法29条2項に違反して無効であるとした)

第5回商法研究会

日時 2016年12月10日(土)13:30より
場所 東北大学川内キャンパス 法学研究科棟3階 大会議室
13:30より
報告者 温 笑侗 氏 (東北大学)
論題 「新株発行と手取金の使途」
参考文献 吉本健一「新株発行のメカニズムと法規制のあり方」経済理論204号17頁。
拙稿「不公正発行と不公正ファイナンス」法学80巻2号115頁。
田原泰雅「金融審議会ディスクロージャーワーキング・キング・グループ報告の概要」商事法務2105号7頁。
15:30より
報告者 吉原 和志 氏 (東北大学)
論題 「特別利害関係を有する理事が加わってされた漁業協同組合の理事会決議の効力(最二小平成28年1月22日民集70巻1号84頁)」
参考文献 弥永真生・判批・ジュリ1491号2頁。
高橋英治・判批・法教430号141頁。

第4回商法研究会

日時 2016年9月10日(土)12:30より
場所 東北大学川内キャンパス 法学研究科棟2階 演習室5
12:30より
報告者 川路 耕司 氏(東北大学DC)
論題 「東京高判平成27年3月25日金判1468号8頁」
14:00より
報告者 深澤 泰弘 氏(岩手大学)
論題 「責任保険契約における保険者の防御義務・解決義務に関する検討」
要旨 責任保険契約における保険者の防御義務・解決義務は、被保険者・保険者双方にとって利点があるものの、場合によっては両者の間に利益相反を引き起こすことがある。そこで、このような利益相反を防止するためには、防御義務・解決義務についてどのようなルールが望ましいのか。この点に関し多数の裁判例が存在し、議論の蓄積のある米国法を中心に検討することで、我が国におけるこの問題について一定の示唆を得ることが本報告の目的である。
参考文献 1) 拙稿「防御義務の有無に関する判断基準尾検討―アメリカ法の近時の動向―」保険学雑誌632号147頁(2016年)。
2) 拙稿「責任保険者の解決義務に関する一考察」損害保険研究78巻2号33頁(2016年)。

第3回商法研究会

日時 2016年8月10日(水)15:00より
場所 東北大学川内キャンパス 法学研究科棟3階 大会議室
報告者 蔡 昌憲 氏 (國立清華大學科技法律研究所・副教授)
報告内容 Legal Transplantation of Legal Innovation? Equity-Crowdfunding Regulation in Taiwan after Title III of the U.S. JOBS Act
参考文献 LEGAL TRANSPLANTATION OR LEGAL INNOVATION? EQUITY-CROWDFUNDING REGULATION IN TAIWAN AFTER TITLE III OF THE U.S. JOBS ACT
使用言語 英語(通訳はありません)

第2回商法研究会

日時 2016年7月9日(土)13:30より
場所 東北大学川内キャンパス 法学研究科棟3階 大会議室
13:30より
報告者 品川 仁美 氏(帝京大学)
論 題 「大阪地裁平成23年10月31日(判時2135号121頁)判決の検討」
参考文献 金澤大祐・新・判例解説Watch16号131頁(2015年)
15:30より
報告者 伊藤 吉洋 氏(近畿大学)
論 題 「MBOの実施における取締役の善管注意義務違反に基づく損害賠償責任が認められた事例」(大阪高判平成27年10月29日金融・商事判例1481号28頁)」
参考文献 1)阿南剛「シャルレMBO株主代表訴訟事件控訴審判決」商事法務2095号32頁。
2)鳥山恭一「MBOにおいて取締役が負う義務-シャルレ事件判決-」法律のひろば2016年6月号54頁。

第1回商法研究会

日時 2016年4月30日(土)
報告者 森田 果氏(東北大学)
論 題 「あえて言おう,カスであると!ーー会社訴訟・証券訴訟で利用されるマーケットモデルはどこまでロバストなのか?」

内 容
参考文献

内容・参考文献をご希望の方は,是非幹事までご一報下さい。
報告者 得津 晶 氏(東北大学)
論 題 「会社法人格否認の法理の原構成」
内容 江頭憲治郎『会社法人格否認の法理』は判例の濫用型、形骸化型の分類を激しく批判した。そして、この批判は大要において学説に受容されたものの、判例法理の受け入れられるところとはなっていない。判例において江頭説が受容されない理由はどこにあるのかを分析する。
参考文献 江頭憲治郎『会社法人格否認の法理』(1980年、東京大学出版会)
弥永真生「法人格否認の法理」倉沢康一郎=奥島孝康『昭和商法学史』271- 290頁(1996年、日本評論社)

 

2015(平成27)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月9日(土))
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: ”Underwriter’s Liability toward Issuer”
内 容: CNDC共催。引受人の発行者に対する責任の是非を検討する。
参考文献: なし
報告者: 得津 晶 氏(東北大学)
論 題: 「濫用的会社分割に対する直接履行請求権の主要な論点」
内容: 平成26年会社法改正で導入された濫用的会社分割に対する直接履行請求権の主要な論点を検討する。特に、民法詐害行為取消権の近時の議論、債権法改正との関係を検討する。
参考文献: 得津晶「会社分割等における債権者の保護」商事法務2065号15-27頁
日時 第2回(7月11日(土))
報告者: 温 笑侗氏(東北大学)
論 題: 「未然防止型上場管理の意義について考える」
内 容: 金融商品取引所は、上場規程への違反行為に対して、事後的な対処に加え、違反行為の未然防止にも注力している。未然防止型上場管理は、具体的にどんな基準と仕組みで行われているか、どんな意義を持つのかを検討する。
参考文献: 1.東京証券取引所自主規制法人上場管理部「上場管理業務について―不適切な第三者割当の未然防止に向けて―」平成22年9月

http://www.jpx.co.jp/regulation/comlec-publication/publication/tvdivq0000000qv4-att/index_pdf_09.pdfからダウンロード可能

2.日本取引所自主規制法人「エクイティ・ファイナンスのプリンシプル―事例と解説―」
平成26年12月

http://www.jpx.co.jp/regulation/comlec-publication/publication/tvdivq0000000qv4-att/principle.pdfからダウンロード可能

報告者: 関 俊彦 氏(東北大学)
論 題: 「株式制度の変容」
内容: 最近、伝統的な株式とは異なる株式を実務化する事例が目立っている。株式会社制度は伝統的に、株主には出資額に比例した発言権(一株一議決権の原則)と、比例配当を認めることによって資本集結を図り、株式譲渡を自由にして、より効率的な経営をしようとする買収者の参入を認めることによって価値増殖を図ることを根幹として社会に定着してきた。しかし、新種の株式を構想しようという最近の株式制度の動きは、このような伝統的株式構造に新たな問題を提起しているように思われる。その背後関係を探りながら、以下の三つの事例を取り上げる。フランスの二倍議決権制度(フロランジュ法)、10倍議決権制度(サイバーダイン)、元本保証株式(トヨタ自動車)。
参考文献: なし
日時 第3回(9月12日(土))
報告者: 周 遊 氏(北京大学DC、東北大学研究生)
論 題: ”The Separation Mechanism of Interests of Shareholder’s Rights in China”
内 容: The shareholders were considered as the same entities according to the traditional corporate law theory. This idea, however, is far away from the reality. Each shareholder has his own demand of interests when shareholding. It will probably seek a more rational approach and cater to the human-joining and capital-joining characteristics of corporation when we rethink the nature of shareholder’s rights and the property relations and personal relations hidden in the interests. Alibaba partnership and many other examples tell us that it is possible and pivotal to establish the separation mechanism of interests of shareholder’s rights.
参考文献: 1) An introduction to Alibaba partnership: http://www.alibabagroup.com/cn/ir/governance_9
2) Arianna Pretto-Sakmann, Boundaries of Personal Property: Shares and Sub-Shares, Hart Publishing, 2005, pp. 64-65.
3) Grant M. Hayden and Matthew T. Bodie, One Share, One Vote and the False Promise of Shareholder Homogeneity, 30 Cardozo Law Review 445(2008).
報告者: 長畑 周史 氏(横浜市立大学)
論 題: 「非営利法人における最終的な利益の享受者について」
内容: 非営利法人(ここでは、主に一般社団法人、一般財団法人とする)には、営利企業と異なり、法人の持分を有するような出資者は存在しない。このため、法人の理事等の任務懈怠により法人が債務超過に陥り機能停止したとしても、責任追及する利益を持つ者がいないか、いたとしてもその動機付けは高くない。本報告では、非営利法人の最終的利益の享受者は誰であるのか、また当該問題意識からどのようなことが言えるのかについて検討を試みる。
参考文献: 長畑周史「非営利法人のガバナンスの問題点についての試論」横浜市立大学論叢社会科学系列65巻1・2・3号235頁(2014年)
日時 第4回(12月12日(土))
報告者: 牧 真理子 氏(大分大学)
論 題: 「ドイツ法における「詐害」の意義ー組織再編法、債権者取消権法、倒産法の検討」
内 容: 濫用的会社分割の「詐害」の意味に関連し、ドイツ法上のエンフォースメントの状況等について検討を試みる。
参考文献: 下森定「第5章 債権者取消権制度をめぐる近時の動向」『詐害行為取消権の研究』(信山社、2014)
報告者: 吉原 和志 氏(東北大学)
論 題: 「組織再編差止請求と総会決議取消の訴え」
内容: 平成26年会社法改正により略式組織再編以外の組織再編についても株主の差止請求権が規定され(784条の2第1号・796条の2第1号・805条の2)、差止めの対象となる「法令違反」の範囲について議論が展開している。特に支配従属会社間の組織再編に際して従属会社の株主総会において支配会社が議決権を行使したことによって著しく不当な比率・条件の組織再編が承認されたような場合(831条1項3号の決議取消事由に該当するような場合)の扱いについて考えてみたい。
参考文献: 1) 松中学「子会社株式の譲渡・組織再編の差止め」神田秀樹編『論点詳解平成26年改正会社法』191頁(商事法務、2015)[初出=商事法務2064号14頁(2015)]
2)田中亘「各種差止請求権の性質、要件および効果」神作裕之ほか編『会社裁判にかかる理論の到達点』2頁(商事法務、2014)
 ほか
日時 2016年1月7日(木)
報告者: Charles W. Mooney, Jr.
(Charles A. Heimbold, Jr. Professor of Law, University of Pennsylvania Law School)
論 題: 「Prospects and Possibilities for Revision of Japanese Secured Transactions Law」
使用言語: 英語(通訳はありません)

2014(平成26)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月10日(土))
報告者: 森田 果氏(東北大学)
参考文献: 森田果「株主総会白書データから読み取れる株主総会の実像――2011〜2013年データによる分析――」旬刊商事法務掲載予定(添付PDFファイル)
報告者: 白井 正和 氏(東北大学)
論 題: 「ホリプロ株式取得価格決定申立事件の検討」
参考文献: 東京地決平成25年3月14日金判1429号48頁および東京高決平成25年10月8日金判1429号56頁とその評釈・解説類
日時 第2回(7月19日(土))
報告者: 得津 晶 氏(東北大学)
論 題: 「取締役の利益相反取引の範囲」
内 容: 取締役の利益相反取引について日本の会社法の条文の解釈論としての疑問点を論じる。
参考文献: なし
報告者: 関 俊彦 氏(東北大学名誉教授)
論 題: 「平成26年の会社法改正におけるキャッシュ・アウト」
内 容: 6月20日の参議院での可決によって平成26年の会社法改正が成立した。新法はキャッシュ・アウトに関して、特別支配株主の株式売渡請求の規定を新設し、かつ、全部取得条項付種類株式の規定を改正したが、このうちの、特別支配株主の株式売渡請求制度(会社法179条〜179条の10、および、846条の2〜846条の9)に関して、その内容、立法ないし解釈上の問題点について報告する。主な検討項目は順不同で以下の4点である。
(1)特別支配株主の株式売渡請求とインサイダー取引
(2)少数株主の権利を侵害する株式売渡請求
(3)株式売渡請求の撤回の自由と限度
(4)公開買付ないし株式譲渡制限との関係
参考文献: 商事法務2017号(法律案の概要と新旧対照条文の臨時増刊号)なお、該当条文のコピー(参考文献の29頁〜35頁、および、109頁〜110頁)は当日配布いたします。
日時 第3回(9月13日(土))
報告者: 牧 真理子 氏(大分大学)
論 題: 「ドイツにおける組織再編の決議無効確認の訴えと決議取消しの訴えの検討」
内 容: 日本において平成26年6月20日に改正会社法が成立し、組織再編行為等の差止請求規定が新設された。このことを契機として、ドイツ法上、組織再編行為の差止めに関係すると考えられる諸規定について観察し、議論状況の分析を試みる。
参考文献: なし
報告者: 吉原 和志 氏(東北大学)
論 題: 「会社従業員の過労死と取締役個人の責任」
参考文献: 京都地判平成22年5月25日判時2081号144頁(一審判決)、大阪高判平成23年5月25日労判1033号24頁(二審判決)とその評釈・解説類
日時 第4回(12月13日(土))
報告者: 深澤 泰弘氏(岩手大学)
論 題: 「東京地裁平成26年4月17日判決(資料版商事法務362号174頁、金判1444号44頁)の検討」
参考文献: (1)弥永真生「種類株主総会決議の取消し」ジュリスト1469号2頁(2014年)
(2)山田和彦「アムスク株主総会決議取消請求事件と実務への影響」商事法務2039号17頁(2014年)
報告者: コーエンズ 久美子氏(山形大学)
論 題: 「証券口座の担保化について」
内 容: 「社債、株式等の振替に関する法律」において振替証券に譲渡担保を設定する場合は、譲渡担保権設定者の口座から譲渡担保権者の口座に振り替える必要がある。これによると一般の譲渡担保のように、譲渡担保権設定者が担保目的物を利用・処分することができないが、そのような権利を設定者が有する担保取引が多くの場面で当事者のニーズに応えるのではないかと思われる。アメリカ統一商法典第8編やユニドロア条約の規定等を参照しながら検討したい。
参考文献: (1)日本銀行金融研究所「顧客保護の観点からの預かり資産を巡る法制度のあり方」(「金融取引における預かり資産を巡る法律問題研究会」報告書)59頁〜65頁(2013年)
(2)神作裕之「電子化された有価証券の担保化―「支配」による担保化」金融法務研究会『有価証券のペーパレス化等に伴う担保権などの金融取引に係る法的諸問題』(2013年)
日時 第5回(3月14日(土))
報告者: 品川 仁美氏(東北大学助教)
論 題: 「大阪地判平成25年12月26日判決(判時2220号109頁、金判1435号42頁)の検討」
参考文献: 1.松井秀樹「セイクレスト監査役責任追及事件判決の検討」金判1439号2頁(2014年)
2.高橋均「監査役の対会社責任と責任限定契約の適用」ジュリスト1469号104頁(2014年)
報告者: 清水 真希子氏(東北大学)
論 題: 「会社の事業継続計画(BCP)策定義務」
内 容: 東日本大震災発生後、企業の事業継続のありかたが注目された。わが国においては、引き続き、各種の大規模災害が予想されるところであり、会社法の観点から事業継続計画の策定義務の有無および内容について検討する。
参考文献: なし

2013(平成25)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月11日(土))
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論題: 種類株式
要 旨: 種類株式のサーベイ
参考文献: なし
報告者: 横田 尚昌 氏(東北学院大学)
論 題: 「傷害保険事故の外来性と偶然性との関係―吐物誤嚥事故の裁判例をめぐって―」
要 旨: 被保険者が嘔吐した際、その吐物を誤嚥しため気道閉塞により窒息死した場合、傷害保険金請求権成立の要件である事故の外来性が認められるかが争われた事件の大阪高判平成23・2・23判時2121号134頁で、外来の事故とは「外部からの作用が直接の原因となって生じた事故をいう」と判示するが、この場合何が直接原因で何が間接原因であるのか、この点に着目して事故の外来性の意義を検討し併せて偶然性との関係を考察する。
参考文献: 土岐孝宏「判批」法学セミナー684号129頁(2012)
山野嘉朗「吐物誤嚥事故と傷害保険における外来性要件の法的評価」損保研究74巻1号63頁(2012)
白井正和「嘔吐・誤嚥による窒息死と傷害保険契約における外来性の要件」損保研究74巻1号263頁(2012)
潘阿憲「傷害保険における外来性要件の判断基準」損保研究74巻3号(2012)
竹濱修「判批」私法判例リマークス45(2012〈下〉)90頁
日時 第2回(7月13日(土))
報告者: 深澤 泰弘 氏(岩手大学)
論 題: 「東京高決平成24年7月12日の検討(金判1400号52頁、資料版商事法務341号27頁)」
参考文献: (1)弥永真生「本件判批」ジュリ1447号2頁
(2)白井正和「本件判批」ジュリ1453号97頁③和田宗久「本件判批」金判1415号2頁
報告者: 関 俊彦 氏(東北大学名誉教授)
論 題: 「法定利率をどうする?」
要 旨: 変動制をとっているフランスの本年の法定利率が0.04%になった(4%ではない)。日本の商事法定利率とは、実に150倍の差がある。法定利率に関しては、(1)民事利率と商事利率を統一するか、(2)契約利率と不法行為利率を統一するか、(3)単利か複利か、(4)利率を固定制とするか変動制とするか、(5)制裁的利率は必要かなどの論点がある。
今回は、これらのうち、(1)について、商事消滅時効制度、商事留置権制度と比較しながら民事規定に加えて商事特別規定を設ける意味を考える。さらにこれに加えて、(6)増幅型の局面における法定利率と、割引型の局面における法定利率とを区別する議論を提唱する。その過程で、損害賠償請求における逸失利益の計算において中間利息を控除するのに5%の法定利率を肯定した最高裁の判決(最判平成17年6月14日)にも言及する。
参考文献: 関俊彦「民事・商事法定利率制度論」法学44巻2号70頁(1980年)
日時 第3回(9月14日(土))
報告者: 長畑 周史 氏(横浜市立大学)
論 題: 「日債銀粉飾決算事件差戻審判決(東京高判平成23年8月30日判時2134号127頁、資料版商事法務331号153頁)」
内 容: 主に会計処理の基準と経営判断の関係について検討する。
参考文献: 志谷匡史「経営裁量の射程―近年の最判例を素材に―」商事法務1989号4頁(2013年)
報告者: 吉原 和志 氏(東北大学)
論 題: 「商品先物取引の勧誘・受託について、受託会社の従業員に説明義務違反、適合性原則違反、助言・指導義務違反等があった場合において、取締役に、内部統制システムの整備・運営義務違反があったとして、会社法429条1項にもとづく損害賠償責が認められた事例(名古屋高判平成25年3月15日判時2189号129頁、金法1974号91頁)」
参考文献: 山田泰弘「投資取引における従業員の不当勧誘に関する取締役の第三者責任」立命館法学299号513頁(2005)
日時 第4回(12月14日(土))
報告者: コーエンズ 久美子 氏(山形大学)
論 題: 「受託者の信託違反と救済」
内 容: 受託者の権限外行為や善管注意義務違反、忠実義務違反の場合に、受益者が求めることができる救済、つまり信託法の物上代位、損害賠償請求の規定の解釈、適用等についてイングランド法も参照しつつ考えてみたい。
参考文献: (1)佐久間毅「受託者の『権限』の意味と権限違反行為の効果」信託法研究34号31頁
(2)道垣内弘人「さみしがりやの信託法第9回」法学教室340号132頁
(3)道垣内弘人「さみしがりやの信託法第19回」法学教室353号85頁
(4)木村仁「12受託者の損失てん補責任・原状回復責任」金融・商事判例1261号68頁
報告者: 牧 真理子 氏(大分大学)
論 題: 「株式移転における株式買取請求と公正な価格(テクモ株式買取価格決定申立事件)最高裁平成24年2月29日第二小法廷決定 民集66巻3号1784頁、金判1394号34頁」
参考文献: (1)柳明昌「株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る『公正な価格』の意義等」私法判例リマークス46号94頁
(2)森まどか「株式移転における株式買取請求と公正な価格」ジュリスト1453号101頁
日時 第5回(3月8日(土))
報告者: 品川 仁美 氏(東北大学大学院DC)
論 題: 「委員会設置会社採用企業はなぜ増えないのか」
要 旨: 委員会設置会社の導入以来、採用企業が増加していないことを背景に、現在新しいガバナンスシステムが導入されようとしている。しかし委員会設置会社が普及しなかった理由について、論理立った説明はなされないままである。そこで本研究では、新たな視点を用いることで、その理由の論理的な説明を試みる。
参考文献: なし
報告者: 山脇 千佳 氏(中央学院大学)
論 題: 「平成23年10月18日 東京地裁民事8部判決 平成23年(ワ)第20508号(金融・商事判例1421号60頁)」
参考文献: (1)弥永真生「取締役と会計帳簿資料等閲覧請求」ジュリスト1450号2頁
(2)鳥山恭一「取締役会設置会社の取締役による会計帳簿の閲覧謄写請求」法学セミナー703号146頁
(3)大塚和成 「個々の取締役の業務・財産調査権(消極)」銀行法務21 762号71頁

2012(平成24)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(7月14日(土))
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: 種類株式
要 旨: 種類株式のサーベイ
参考文献: なし
報告者: 白井 正和氏(東北大学)
論 題: ライブドア事件最高裁判決の検討(最判平成24年3月13日 金判1390号16頁)
参考文献: 本件の第一審(東京地判平成20年6月13日 金判1297号42頁)・控訴審(東京高判平成21年12月16日 金判1332号7頁 )とその評釈・解説類
日時 第2回(9月8日(土))
報告者: 長畑 周史氏(横浜市立大学)
論 題: 新設会社分割において、新設会社が法人格否認の法理により分割会社と同様の責任を負うとされた事例(福岡地判平成23年2月17日、判タ1349号177頁、金法1923号95頁、金商1364号31頁)
参考文献: (1)高橋英治「濫用的会社分割と法人各否認の法理」ジュリスト1440号105頁(2012年)
(2)高間佐知子「会社分割が濫用であるとして法人格否認の法理が認められた事例」法学新報118巻11・12号193頁(2012年)
報告者: 吉原 和志氏(東北大学)
論 題: 善管注意義務違反にもとづく取締役の責任--経営判断原則再考
要 旨: 最判平成22年7月15日判時2091号90頁は、最高裁の民事事件において初めて、取締役の経営判断について善管注意義務違反があったか否かを裁判所が審査する際の基準として、いわゆる経営判断原則を位置づけた判決である。しかし、経営判断原則の実質的根拠は何か(他の専門家の責任と比べて、なぜ取締役だけが特別に扱われるのか)、最高裁が示した審査基準と従来の下級審裁判例にみられる審査基準との間にはどのような違いがあるのか、経営判断の過程の審査と内容の審査は、どうあるべきか、またどのように関係するのかなど、なお議論は収束していないように思われる。改めて考えてみたい。
参考文献: なし
日時 第3回(11月17日(土))
報告者: 野田 耕志 氏(上智大学)
論 題: 「証券開示規制における引受証券会社の責任(その2)」
要 旨: アメリカにおける最近の理論状況を参考に引受証券会社の責任を検討する。
参考文献: 野田耕志「論文紹介:Andrew F. Tuch, Multiple Gatekeepers, 96 Va. L.Rev 1583-1672 (2010)」アメリカ法[2011-2]533頁-539頁(2012年)
報告者: 関 俊彦 氏(東北大学名誉教授)
論 題: 「DCF法の効用と限界」
要 旨: 企業や株式を評価する先進的方法としてDCF法が各分野で広く検討され導入されているが、同法が法律的評価を必要とするあらゆる状況に適合する磐石の評価方法であるのかどうかを、その論理と実際の適用状況に照らして検証したい。結論として、同法を適用するに際しては、同法を適用するに相応しい場であるかどうかを吟味しなければならないし、特に同法が資産の稼動効率を考慮していないことからくる「DCF法の自爆」ともいうべき状況に配慮すべきことを主張する。
参考文献: なし
日時 第4回(12月15日(土))
報告者: コーエンズ 久美子 氏(山形大学)
論 題: 「手形の商事留置権と弁済充当」
要 旨: 銀行が顧客から取立委任を受けた手形を、当該顧客に民事再生手続が開始された後、当該手形を手形交換により取立て、自己の債権に充当することができるかについて争われてきたが、最高裁平成23年12月15日判決はこれを認めた。取立金に対する銀行の留置権能や銀行取引約定書の弁済充当規定の適用、民事再生法の相殺の規定等につき整理したうえで、手形に対する商事留置権の取扱いについてさらに検討してみたい。
参考文献: (1)内海博俊「手形に関する銀行の商事留置権と債務者の民事再生手続」ジュリスト1445号109頁
(2)伊藤眞「手形の商事留置権者による取立金の弁済充当」金融法務事情1942号22頁
報告者: 牧 真理子 氏(大分大学)
論 題: 「濫用的会社分割における残存債権者保護-ドイツ法の分析」
要 旨: 濫用的会社分割の局面における残存債権者の保護の問題は、平成24年8月1日、法制審議会会社法制部会において取りまとめられた「会社法制の見直しに関する要綱案」において、立法的解決が目指されている。濫用的会社分割の局面における残存債権者の保護の手法は、「詐害性」「偏頗性」に関連して、要綱案と破産法上の否認権及び債権法改正にかかる詐害行為取消権との平仄が十分に検討される必要がある。本報告では、日本法の検討に先立ち、関連するドイツ法について検討する。
参考文献: (1)郡谷大輔「会社分割法制上の法際問題」事業再生と債権管理132号58頁
(2)ドイツ組織再編法を紹介するものとして、早川勝「ドイツにおける会社分割規制-株式会社の分割手続を中心として-」同志社法学48巻5号94頁
日時 第5回(3月9日(土))
報告者: 品川 仁美 氏(東北大学大学院DC)
論 題: 「取締役会の多様性」
要 旨: 欧米において取締役会の多様化が推進される傾向にあるという背景をふまえた上で、アメリカにおける議論を中心に、なぜ取締役会の多様性が望ましいと考えられているのか、そしてそれは本当に効果があるのかについて考察したい。
参考文献: なし
報告者: 清水 真希子 氏(東北大学)
論 題: 「運送取引実態調査について」
要 旨: 法務省の委託調査で今年度に実施した運送取引実態調査について報告する。
参考文献: なし

2011(平成23)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月14日(土))
報告者: 岩本 学氏(東北大学助教)
論 題: 国際海上物品運送法の適用および共同海損分担金保証債務請求権を受働債権とする相殺の可否(東京地判平成20年10月27日判例タ1305号223頁)
参考文献: (1)小林登「船主の共同海損分担金保証債務履行請求権と相殺の可否」ジュリスト1403号(2010)180頁
(2)高桑昭「本船の不堪航にもとづく荷主の損害賠償請求権を取得した貨物保険者による共同海損分担金請求権に対する相殺を認めた事例」私法判例リマークス41号(2010)142頁
報告者: 伊藤 吉洋氏(東北大学助教)
論 題: サイバードホールディングス全部取得条項付株式取得決議反対株主の株式取得価格決定申立事件抗告審決定(東京高決平成22年10月27日資料版商事法務322号174頁)
参考文献: (1)太田洋「サイバードホールディングス事件東京高裁決定の検討」商事法務1921号27頁
(2)中東正文「サイバード事件東京地裁決定から学ぶべきこと」金融・商事判例1329号2頁
(3)北川徹「MBOにおける価格決定申立事件再考〔上〕〔下〕」商事法務1889号4頁・1890号4頁
(4)林天宇「MBOにおける全部取得条項付種類株式の株式取得価格」ジュリスト1408号176頁
日時 第2回(7月16日(土))
報告者: 牧 真理子氏(東北大学大学院DC)
論 題: 敵対的企業買収と労働者利益
要 旨: 企業買収の局面における労働者利益の配慮は、専ら労働法の分野に委ねるとするのが一般的な見解である。本報告では、それ以外に、企業買収完了前における労働者利益の調整の可否についても検討する余地があると考え、企業買収法制の下での労働者利益の保護のあり方、そして労働者利益の保護を目的とした買収防衛策の構築が果たして可能であるのかについて、ドイツ法の議論を参照しつつ考察を行う。
参考文献: (1)高橋英治「会社法と労働者利益」企業会計161巻12号(2009年)129頁ドイツ企業買収法の内容に言及する文献として、
(2)佐藤文彦「ドイツ有価証券取得及び支配獲得法(WpüG)と敵対的企業買収における将来の局外株主の利益保護」獨協法学58号(2002年)69頁
(3)公益財団法人日本証券経済研究所「ヨーロッパM&A制度研究会報告書」(2010年9月13日、http://www.jsri.or.jp/web/publish/other/pdf/005.pdf )
等がある。
報告者: 関 俊彦氏(東北大学名誉教授)
論 題: 脱株主総会の検証
要 旨: 最近の株主総会の現象面、立法面の変化から脱株主総会をどのように扱うか、コーポレート・ガバナンスの観点からホールディングス体制、社外取締役制度などを考える。
参考文献: (1)関俊彦「社外取締役と会社法」柴田和史・野田博編著『会社法の実践的課題』(法政大学出版局、2011年) ※抜刷を当日配付
日時 第3回(9月10日(土))
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: 船舶金融(予定)
要 旨: 近時の船舶金融について
参考文献: (1)森田果「造船とファイナンス」落合誠一等編集代表『海法大系』(商事法務、2003年)137-169頁
報告者: 長畑 周史氏(青森中央学院大学)
論 題: 全部取得条項付種類株式制度を用いて締め出された株主の原告適格と株主総会決議取消請求(東京地判平成22年9月6日金商1352号43頁、判タ1334号117頁)
参考文献: (1)福島洋尚「全部取得条項付種類株式を用いた少数株主の締め出しと株主総会決議の瑕疵」金融・商事判例1359号16頁
(2)藤原俊雄「全部取得条項付種類株式と株主総会決議取消訴訟の原告適格」商事法務1921号14頁
日時 第4回(12月10日(土))
報告者: コーエンズ 久美子 氏(山形大学)
論 題: 会社分割に係る新設会社が分割に伴う承継の対象とされなかった分割会社の債務について責任を負わないとされた事例(大阪地判平成22年10月4日・金法1920号118頁)
参考文献: (1)弥永真生「新設分割と会社法22条」ジュリスト1424号54頁
報告者: 品川 仁美氏(東北大学大学院DC)
論 題: アメリカにおける社外取締役の発展とその有効性
要 旨: アメリカにおいて社外取締役がいかに発展していったのか、そして社外取締役にはどのような有効性があるのかについて概観し検討を加える
参考文献: (1)Jeffrey N. Gordon, The Rise of Independent Directors in the United States,1950-2005: Of Shareholder Value and Stock Market Prices, 59 STAN. L. REV. 1465 (2007)
(2)川口幸美『社外取締役とコーポレート・ガバナンス』(弘文堂・2004年)
日時 第5回(3月10日(土))
報告者: 深澤 泰弘氏(岩手大学)
論 題: 会社法8条と他人の商標(東京地判平成23年7月21日裁判所HP)http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110801095540.pdf
参考文献: (1)弥永真生「判批」ジュリスト1430号28頁
報告者: 横田 尚昌氏(東北学院大学)
論 題: 被告の株主である原告が、本件株主総会における各決議について、被告が原告の株主提案権を妨害し、また、本件株主総会での取締役等の説明には説明義務違反があるなどとして、本件株主総会の招集手続に法令違反があるなどと主張して、会社法831条1項1号に基づき、その取消しを求めた事例(東京地判平成23年4月14日資料版商事法務328号64頁)
参考文献: (1)清水円香「株主総会の議案の否決と決議取消しの訴え」金融・商事判例1383号

2010(平成22)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月8日(土))
報告者: 品川 仁美氏(東北大学大学院DC)
論 題: 日経新聞株式譲渡ルール事件上告審判決(最判平成21年2月17日、金判1312号30頁)
参考文献: (1)弥永真生「日刊新聞紙を発行する新聞社における従業員持株制度における合意の有効性」ジュリ1374号22頁
(2)森本滋「判批」リマークス2010年<上>106頁
報告者: 森田 果氏 (東北大学)
論 題: 険契約者による保険金請求と任意的訴訟担当
要 旨: 判例解説(東京高裁平成8年3月25日判決判タ936号249頁)
参考文献: 東京地判平成7・10・3判時1579号138頁(原審)
日時 第2回(7月10日(土))
報告者: 長畑 周史氏(青森中央学院大学)
論 題: A銀行が、再建資金の融資を計画している県からの要請でE社につなぎ融資をした後、追加融資をしなければE社が倒産する可能性が高く、つなぎ融資まで回収不能となる恐れがある状況で、E社に対して追加融資した場合において、その追加融資の一部についてA銀行取締役らの善管注意義務違反が認められた事例(四国銀行株主代表訴訟事件)(最判平成21年11月27日、判例時報2063号138頁)
参考文献: (1)弥永真生「貸出しにおける善管注意義務」ジュリスト1396号44頁
(2)清水真=阿南剛「四国銀行株主代表訴訟事件最高裁判決の検討」商事法務1899号59頁
(3)曽我幸男「銀行の取締役に融資責任を認めた最高裁平成21年11月27日判決」銀行法務21・716号4頁
報告者: 白井 正和氏(東北大学)
論 題: 友好的買収の場面における取締役に対する規律づけの一考察
要 旨: 支配・従属関係のない当事者間の友好的買収の場面を対象に、買収対象会社の取締役に対するあるべき規律づけの仕組みについて検討を試みる
参考文献: (1)森本滋「新株の発行と株主の地位」京都大学法学論叢104巻2号1頁(1978年)
(2)洲崎博史「不公正な新株発行とその規制(二・完)」民商94巻6号721頁(1986年)
(3)田中亘「募集株式の有利発行と取締役の責任」新堂幸司=山下友信編『会社法と商事法務』143頁(商事法務、2008年)
(4)弥永真生「著しく不当な合併条件と差止め・損害賠償請求」江頭憲治郎先生還暦記念論文集『企業法の理論(上巻)』625頁(商事法務、2007年)
(5)Barnard Black & Reinier Kraakman, Delaware’s Takeover Law:The Uncertain Value Search for Hidden Value, 96 NW. U. L. REV. 521 (2002)
(6)Richard E. Kihlstrom & Michael L. Wachter, Corporate Policy and the Coherence of Delaware Takeover Law, 152 U. PA. L. REV. 523 (2003)
(7)Guhan Subramanian, Go-shops vs. No-shops in Private Equity Deals: Evidence and Implications, 63 BUS. LAW. 729 (2008)
(8)Leo E. Strine, Jr., Categorical Confusion: Deal Protection Measures in Stock-for-Stock Merger Agreements, 56 BUS. LAW. 919 (2001)
日時 第3回(9月11日(土))
報告者: 山脇 千佳氏(名古屋大学研究生)
論 題: 株式会社の一人株主である取締役が、任務違背行為により会社に損害を与えた場合に、取締役の会社に対する善管注意義務又は忠実義務違反による責任が生じないとはいえないとされた事例(東京地判平成20年7月18日・判例タイムズ1290号200頁)
参考文献: (1)山下眞弘・本件評釈・金融・商事判例1329号23頁(2009)
(2)潘阿憲・本件評釈・ジュリスト1392号192頁(2010)
報告者: 吉原 和志氏(東北大学)
論 題: 代表訴訟によって追及しうる取締役等の責任の範囲
要 旨: 従前から全債務説と限定債務説の対立があったこの論点について、昨年、最高裁の初めての判断が示されたが、その理由付けや射程範囲については必ずしも明確でない。改めて考えてみたい。
参考文献: (1)最判平成21年3月10日民集63巻3号361頁とその評釈・解説類
(2)東京地判平成20年1月17日判時2012号117頁とその評釈・解説類
日時 第4回(12月11日(土))
報告者: 横田 尚昌氏(東北学院大学)
論 題: 被保険者の自殺が疑われる場合の傷害(定額)保険金請求
要 旨: 傷害(定額)保険の約款は、被保険者が急激かつ偶然な外来の事故によって死傷したことを保険金支払事由に定めており、保険法が施行された現在もこの点の変更はみられない。これに対して、保険法80条1号は、被保険者の故意による事故招致を免責事由として定めている。両者の関係について、「偶発的な事故」と「自殺」は択一的関係(表裏の関係)といわれていることと事故の外来性に関する判例解釈とを踏まえつつ考察する。
参考文献: (1)志田原信三『最高裁判所判例解説民事篇平成13年度』442頁(事故の偶然性についての最判平成13年4月20日民集55巻3号682頁)
(2)中村心「最高裁判所判例解説」法曹時報62巻3号187頁(事故の外来性についての最判平成19年7月6日民集61巻5号1955頁)
報告者: 深澤 泰弘氏(岩手大学)
論 題: 保険約款規定と消費者契約法‐無催告失効条項は不当条項か?‐
要 旨: 東京高判平成21年9月30日は、生命保険における一般的な約款規定である「無催告失効条項」が消費者契約法10条により無効であると判断した。そこで、本報告では、無催告失効条項の法的性質や消費者契約法10条の趣旨・要件等を確認し、上記判決の妥当性や上記判決が及ぼす影響等について検討を行う。
参考文献: (1)東京高判平成21年9月30日金融・商事判例1327号10頁(2009年)
(2)山下友信「生命保険契約における継続保険料不払いと無催告失効条項の効力‐東京高判平21.9.30を契機として‐」金融法務事情1889号12頁(2010年)
(3)山本哲生「保険料の不払いと保険契約の失効」金融・商事判例1336号240頁(2010年)
(4)山下典孝「生命保険約款中の無催告失効条項が消費者契約法10条により無効とされた事例」TKCローライブラリー速報判例解説商法No.38(2010年)
(5)遠山聡「保険料の不払いと失効条項の有効性」保険事例研究会レポート245号1頁(2010年)
日時 第5回(1月8日(土))
報告者: 鬼頭 俊泰氏(八戸大学)
論 題: 被保険者の自殺が疑われる場合の傷害(定額)保険金請求
要 旨: 入札要項の交付を媒介契約の申込みと解し、入札書の提出を承諾と解して、入札参加者である買主と不動産仲介業者との間の媒介契約の成立を認定した事例(東京地判平成21年12月9日・金判1331号52頁)
参考文献: なし
報告者: 清水 真希子氏(東北大学)
論 題: 海運同盟に対するEU競争法適用除外の廃止について
要 旨: EU(EC)では、海運同盟について競争法の適用除外を認めてきた1986年の理事会規則(Council Regulation(EEC)No 4056/86)が、2006年の理事会規則(Council Regulation (EC) No 1419/2006)により廃止され、2年間の移行期間を経て、2008年10月より、定期船についても競争法が適用されるに至っている。このような動きは日本船社ならびに日本の法制に直接間接に影響を与えるものであり、本報告ではEUが上記適用除外を廃止するに至った経緯について報告する。
参考文献: 小塚荘一郎「海運同盟と競争政策」江頭憲治郎・落合誠一編『海法大系』所収

2009(平成21)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月9日(土))
報告者: 牧 真理子氏(東北大学大学院DC)
論 題: 会社支配権争奪と権限分配
参考文献: (1)Reiner R. Kraakman et al., The Anatomy of Corporate Law ,157 et seq.(Oxford Univ. Pr. 2004)
(2)田中亘「敵対的買収に対する防衛戦略についての覚書」
『企業買収防衛戦略Ⅱ』(商事法務 2006年)245頁以下
(初出:民商法雑誌131巻4・5号622頁以下、6号800頁以下(2005年))。
(3)Lucian A. Bebchuk, The Case for Increasing Shareholder Power, 118 Harv. L. Rev.833 (2005)
報告者: 森田 果氏 (東北大学)
論 題: 手形法の教科書でも書いてみるか
要 旨: 手形法の教科書を書いたとしてみるとどういうことが起こるか語ってみる
参考文献: 手形法の教科書なら何でも
日時 第2回(7月11日(土))
報告者: 鬼頭 俊泰氏(八戸大学ビジネス学部専任講師)
論 題: オートバックスセブン新株予約権付社債発行差止却下決定(東京地決平成19年11月12日・金判1281号52頁[申立て却下])
参考文献: 弥永真生「会社法判例速報 新株予約権付社債の有利発行・不公正発行」ジュリ1369号86頁
田邊宏康「会社判例プラザ(37・完)」判タ1268号73頁
報告者: 長畑 周史氏(青森中央学院大学専任講師)
論 題: 会計帳簿閲覧請求において会計帳簿の特定が必要とされた事例(東京高判平成18年3月29日・判タ1209号266頁)
参考文献: 正井章筰「株主からの会計帳簿等の閲覧請求が一部認められた事例」金商1269号16頁
日時 第3回(9月12日(土))
報告者: 徐 進 氏(中国浙江大学光華法学院)
論 題: 「中国におけるベンチャー企業の法整備」
内 容: ベンチャー企業関連の中国の最近の立法、政策を紹介しその課題を検討する。
参考文献: (1)江頭憲治郎『株式会社法』(有斐閣〔第2版〕・2008年)
(2)王元等?『中国????投??展?告2008』(??管理出版社・2008年)
報告者: 関 俊彦 氏(法政大学)
論 題: 「企業結合の意味を有しない組織再編の功罪」
要 旨: 従前から全債務説と限定債務説の対立があったこの論点について、昨年、最高裁の初めての判断が示されたが、その理由付けや射程範囲については必ずしも明確でない。改めて考えてみたい。
内 容: 新設分割と株式移転は、一社のみが行う限り、企業結合の意味を有しない、単なる会社の組織いじりである。そこには一社の意思のみで100%の親子会社関係が成立する。これに子会社による第三者割当発行と親子会社間の株式交換を加えると、取締役による会社財産の収奪、企業防衛障壁の構築ともいうべき効果が発生する。このことが第三者発行規制、組織再編規制に対して投げかける意味を検討する。
参考文献: 特になし
日時 第4回(11月7日(土))
報告者: テイケツ 氏(東北大学大学院MC)
論 題: 「有価証券報告書の虚偽記載と損害との間の因果関係(東京地裁平成20年4月24日判決・金判1293号42頁[請求一部認容])」求
参考文献: (1)黒沼悦郎「西武鉄道事件判決の検討(上)(中)(下)」商事法務1838号4頁、1839号20頁、1840号39頁
(2)松嶋隆弘「有価証券報告書等に虚偽記載があることが発覚し、上場廃止となった株主からの損害賠償請求―西武鉄道株主集団訴訟事件(1.事件)同機関投資家事件(2.事件)第一審判決」 判例時報2024号184頁
(3)石塚洋之「西武鉄道株主損害賠償請求訴訟東京高裁判決の検討(上)(下)」商事法務1868号4頁、1869号16頁
日時 第5回(12月12日(土))
報告者: 山脇 千佳 氏(名古屋大学研究生)
論 題: 「会社法429条第1項に基づき救済を受ける株主の範囲」
要 旨: 会社法429条第1項に基づく株主の直接請求の可否について、学説における従来の多数説の帰結と、裁判所の下してきた諸事案における判断との齟齬は何故生じるのか。そして、如何なる損害を被った、如何なる株主が本条文によって救済を受けるべきなのか、考察を試みる。
参考文献: (1)黒沼悦郎「取締役の投資家に対する責任」商事法務1740号17頁
(2)川島いづみ「取締役の対第三者責任における『第三者』」立命館法学302号427頁
(3)伊藤雄司「会社財産に生じた損害と株主の損害賠償請求権(三)(四)」法学協会雑誌124巻1号1頁、3号649頁
(4)田中亘「募集株式の有利発行と取締役の責任-会社の損害か株主の損害か-」新堂幸司=山下友信編『会社法と商事法務』(商事法務、2008年)143頁
報告者: 吉原 和志 氏(東北大学)
論 題: 「取締役の対会社責任について再び考える」
要 旨: 会社法423条3項と428条1項をどのように整合的に理解するか議論が錯綜している。取締役の会社に対する責任について再び考えてみたい。
参考文献: 吉原和志「取締役等の会社に対する責任の範囲と性格」会社法の争点154頁(2009年)およびその中で引用する文献
日時 第6回(1月9日(土))
報告者: コーエンズ 久美子 氏(山形大学)
論 題: 「会社の代表取締役が事実上主宰する別会社を利用して競業取引を行った場合における同人に対する競業避止義務違反に基づく損害賠償請求において、代表取締役個人およびその家族の報酬合計額の5割を損害額とするのが相当であるとされた事例」(名古屋高判平成20年4月17日、金判1325号47頁)
報告者: 深澤 泰弘 氏(岩手大学)
論 題: 「サンスター株式取得価格決定申立事件抗告審決定」(大阪高決平成21年9月1日、金商1326号20頁)
参考文献: (1)弥永真生「全部取得条項付種類株式の価格決定」ジュリ1387号104頁(2009年)
(2)中東正文「非訟事件における手続保障-サンスター事件高裁決定への疑問-」金判1326号1頁(2009年)
(3)十市崇「サンスター事件大阪高裁決定の検討(上)(下)」商事法務1880号4頁、1881号12頁(2009年)
日時 第7回(3月13日(土))
報告者: 松井 智予 氏(東北大学)
論 題: 「貸金業者の取引履歴開示拒否について、開示義務を負わない特段の事情があるとは認められないとして、取引履歴開示義務違反が認められた事例」(東京高判平成19年1月25日金法1805号48頁)
報告者: 伊藤 吉洋 氏(東北大学大学院DC)
論 題: 手続的側面を重視した少数株主締め出し規制
要 旨: 組織再編等によって支配株主が少数株主を締め出す行為について、少数株主が利用することができる事後的な救済措置において手続的側面を重視した運用を行うべきことを提案し、当該手続の細部を明らかにすることを試みる。
参考文献: (1)太田洋「日興コーディアルグループ株式買取価格決定申立事件東京地裁決定の検討」商事法務1869号4頁以下(2009)
(2)加藤貴仁「レックス・ホールディングス事件最高裁決定の検討(上・中・下)」商事法務1875号4頁以下・1876号4頁以下・1877号24頁以下(2009)
(3)Ronald J. Gilson & Jeffrey N. Gordon, Controlling Controlling Shareholders, 152 U. Pa. L. Rev. 785 (2003)
(4)Guhan Subramanian, Fixing Freezeouts, 115 Yale L.J.2 (2005)
(5)Lucian Arye Bebchuk & Marcel Kahan, Fairness Opinions: How Fair Are They and What Can Be Done About It?, 1989 Duke L.J. 27 (1989)

2008(平成20)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月10日(土)
報告者: 牧 真理子氏(東北大学大学院DC)
論 題: モリテックス株主総会決議取消請求訴訟東京地裁平成19年12月6日判決、平成19年(ワ)第16363号
参考文献: 金融商事判例1281号37頁、金融商事判例1285号2頁、商事法務1823号21頁
報告者: 森田 果氏 (東北大学)
論 題: 経営判断原則の再検討
要 旨: 経営判断原則の理論的基礎をまじめに考えてみよう
参考文献: なし
日時 第2回(7月12日(土))
報告者: 小嶋 孝文氏
論 題: 一株一議決権原則に関する一考察
要 旨: 一株一議決権原則の合理性、同原則の有用性について考察する。
参考文献: (1)加藤 貴仁「株主間の議決権配分(一)〜(四)」
法学協会雑誌123巻1号121〜204頁、123巻7号1219〜1304頁、124巻7号1662〜1742頁、124巻8号1938〜2025頁(=同『株主間の議決権配分』(商事法務 2007)所収)
(2)柳 明昌「差別的議決権の理論的検討」法学67巻6号65〜93頁
(3)葉玉 匡美「議決権制限株式を利用した買収防衛策」商事法務1742号28〜35頁
報告者: 柳 明昌氏(筑波大学)
論 題: 株式買取請求権及び新株予約権買取請求権制度における論点
要 旨: 株式買取請求権及び新株予約権買取請求権制度において問題となる論点(買取請求が認められる範囲、反対株主の意義、公正な価格の意義等)を可能な限り広く取り上げ、各論点について検討を加えたい。
参考文献: 報告の要旨に鑑み、特に指定はしない。
日時 第3回(9月13日(土))
報告者: 伊藤 吉洋氏(東北大学大学院DC)
論 題: 株主名簿閲覧謄写請求事件抗告審決定東京高裁平成20年6月12日決定、平成20年(ラ)第844号
参考文献: 金融商事判例1295号12頁
報告者: 関 俊彦 氏(法政大学)
論 題: 純粋持株会社と会社法
要 旨: 設立が容易になった純粋持株会社に対して、単体の会社を前提に論じられてきた伝統的な会社法の法理はどのように適用されるのか。会社法が改正されたばかりの現在、とりあえず立法論ではなく解釈論を考える。定款の目的、利益相反、競業避止義務、特別利害関係、責任免除・・・などをとりあげる。
日時 第4回(12月20日(土))
報告者: 山脇 千佳氏(東北大学大学院DC)
論 題: カネボウ少数株主損害賠償請求事件抗告審判決東京高判平成20年7月9日、平成19年(ネ)第3361号(上告・上告受理申立て)、金融商事判例1297号20頁
参考文献: 松尾拓也「種類株式に対する公開買付規制の適用」商事法務1847号26頁
報告者: 清水 真希子氏(東北大学)
論 題: 偽造ハイウェイ・カードと交換になされた分割再発行の錯誤無効、および再発行カードの即時取得について判断された事例東京地判平成19年6月8日、平成17年(ワ)12793号、判例時報1997号84頁
要 旨: 特になし
日時 第5回(3月14日(土))
報告者: 品川 仁美氏(東北大学大学院DC)
論 題: レックス株式取得価格決定申立事件抗告審決定東京高決平成20年9月12日金判1301号28頁
参考文献: 東京地決平成19年12月19日金判1283号22頁(原決定)
太田洋「レックス・ホールディングス事件東京高裁決定の検討」旬刊商事法務1848号4頁
報告者: 吉原 和志 氏(東北大学)
論 題: 会社の行為とその附属的商行為性二小判平成20年2月22日民集62巻2号576頁
参考文献: 伊藤雄司・本件評釈・NBL882号30頁(2008)
絹川泰毅・本件解説・ジュリスト1369号101頁(2008)ほか

2007(平成19)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月12日(土))
報告者: 山脇 千佳氏(東北大学法学研究科DC)
論 題: 判例評釈 少数株主の検査役選任請求における株式保有要件
報告者: 森田 果氏 (東北大学)
論 題: 「equitable subordination: 文脈的アプローチ」
日時 第2回(7月14日(土))
報告者: 牧 真理子氏 (東北大学大学院DC)
論 題: 判例評釈 少数株主による取締役解任の訴え
報告者: 吉原 和志氏 (東北大学)
論 題: 判例評釈 食品衛生法上使用が認められていない添加物を使用した商品が販売されていたことを後から認識した取締役の義務と責任-ダスキン株主代表訴訟事件控訴審判決
日時 第3回(9月8日(土))
報告者: 小嶋 孝文氏 (東北大学大学院DC)
論 題: 判例評釈 株主総会決議禁止等仮処分命令申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
報告者: 関 俊彦 氏(法政大学)
論 題: 「取締役会・総会の決議を欠く代表取締役の専決行為の効力」

2006(平成18)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月13日(土))
報告者: 小嶋 孝文氏(東北大学大学院DC)
論 題: 電子的支払手段の法的性質に関する一考察
報告者: 松井 智予氏(東北大学)
論 題: 判例評釈 失念株をめぐる不当利得返還請求事例(東京地裁平成16年7月15日判決 東京地方裁判所平成15年(ヮ)25528号 金融・商事判例1225号59頁)
日時 第2回(7月8日(土))
報告者: 深沢 泰弘氏(東北大学大学院DC)
論 題: 判例評釈 蛇の目ミシン株主代表訴訟上告審判決(平成18年4月10日最高裁第二小法廷判決、金融商事判例1240号12頁(2006年))
報告者: 関 俊彦氏(法政大学)
論 題: 組織再編規制と株式発行規制の交錯
日時 第3回(9月9日(土))
報告者: 山脇 千佳氏(東北大学大学院DC)
論 題: 判例評釈 決権の代理行使の勧誘に関する内閣府令違反の場合の株主総会決議取消請求事件(東京地裁平成17年7月7日 判例時報1915号150頁)
報告者: 清水 真希子氏(東北大学)
論 題: 判例評釈 受取人指定変更手続中途での被保険者の死亡と対抗要件(東京高裁平成18年1月18日判決 金判1234号17号
日時 第4回(12月15日(土))
報告者: 中田 英幸氏 (東北大学法学研究科助手)
論 題: 判例評釈 住友信託銀行対旧UFJホールディングス事件(東京地判平成18年2月13日・金判1238号12頁)
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: 会社法改正パブコメの実証分析

2005(平成17)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月14日(土))
報告者: 小嶋 孝文氏(東北大学大学院DC)
論 題: 流通証券の電子化に関する一考察
報告者: 松井 智予氏(東北大学)
論 題: 金融商品の多様化とレギュレーションの動向
日時 第2回(7月9日(土))
報告者: 土橋 章子氏(東北電力株式会社)
論 題: 子会社への敵対的M&Aとリスクマネジメント
報告者: 安達 巧氏(中央学院大学)
論 題: 新会社法431条について
日時 第3回(9月9日(金))
報告者: 深澤 泰弘氏(東北大学大学院DC)
論 題: 保険契約締結後の保険者の義務と責任-英国の判例法を参考に-
報告者: 野田 耕志氏(上智大学)
論 題: 証券引受人の機能と責任
日時 第4回(11月12日(土))
報告者: 徐進氏(東北大学大学院DC)
論 題: 閉鎖的企業における忠実義務の強行法規性
報告者: 吉原和志氏 (東北大学)
論 題: 新会社法の下での役員等の対会社責任
日時 第5回(12月17日(土))
報告者: 山脇千佳氏(東北大学大学院DC)
論 題: 事前の敵対的買収対抗策として行われた新株予約権発行が著しく不公正な発行に当るとされた事例-ニレコ新株予約権発行差止認容審決事件-(平成17年6月15日東京高裁第15民事部決定、金融・商事判例1219号8頁)
報告者: 梅津昭彦氏 (東北学院大学)
論 題: 会社が解散した結果、解雇された従業員が、商法266条ノ3に基づき会社の代表取締役に対してなした賠償請求が認容された事例(平成17年5月18日名古屋高裁金沢支部判決、判例時報1898号130頁)
日時 第6回(3月11日(土))
報告者: 石上敬子氏(東北大学大学院DC)
論 題: 保険契約者の行為義務違反に対する法律効果について-ドイツ保険契約法改正草案をめぐる議論より-
報告者: コーエンズ久美子氏 (山形大学)
論 題: 口座保有者と口座管理機関の法的関係と金融資産(仮題)

2004(平成16)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月21日(金))
報告者: 小嶋 孝文氏(東北大学大学院DC)
論 題: 売買代金の決済方法として用いられた信用状の通知銀行が受益者である売主に対して信用状の条件変更を船積期限に間に合うように通知しなかったことと売主の損害との間に相当因果関係がないとされた事例(最高裁平成15年3月27日判決、金融法務事情1677号54頁、金融・商事判例1169号39頁)
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: 対岸の火事 ― ヨーロッパ国際会社法の行方 ―
日時 第2回(6月17日(木))※民法研究会との共催
報告者: 松井 智予氏(東北大学)
論 題: 入会地の売却代金債権が入会権者らに総有的に帰属するとされた事例(最高裁平成15年4月11日判決、判例時報1823号55頁、判例タイムズ1123号89頁)
日時 第3回(7月16日(金))
報告者: 深澤 泰弘氏(東北大学大学院DC)
論 題: 生命保険契約において保険者の責任開始の日から1年以内に被保険者が自殺した場合には死亡保険金を支払わない旨を定めている保険契約の解釈(最高裁平成16年3月25日判決、金融・商事判例1194号2頁)
報告者: 梅津 昭彦氏(東北学院大学)
論 題: 株式会社の代表取締役に就任しても、単なる名目上の代表取締役にすぎない上、一人株主が会社の主宰者として経営全般を掌握し、経理会計事務についても担当者を直接指導監督しているような場合には、会社に対する関係においては、善管注意義務や監視監督義務の責任を負わないとされた事例(東京高判平成15・9・30判時1843号150頁)
日時 第4回(9月17日(金))
報告者: 山脇 千佳氏(東北大学大学院DC)
論 題: 商法275条ノ4と監査役の権限-農業協同組合が退任した理事に対して提起する訴えについての組合の代表理事の代表権の有無-(最高裁平成15年12月16日第三小法廷判決、民集57巻11号2265頁・判時1846号102頁・判タ1143号248頁)
報告者: 吉原 和志氏(東北大学)
論 題: UFJ経営統合協議差止仮処分事件について
日時 第5回(12月17日(金))
報告者: 土橋 章子氏(東北電力株式会社)
論 題: 株式交換に関する実務上の問題点と会社法制現代化の影響
報告者: コーエンズ 久美子氏(山形大学)
論 題: 証券の口座振替決済システムにおける投資家の物権的権利‐信託財産の公示方法を拠として-
日時 第6回(1月27日(木))
報告者: 深澤 泰弘氏(東北大学大学院DC)
論 題: 閉鎖会社における会計帳簿等の閲覧請求権の可否(最高裁平成16年7月1日判決、民集58巻5号登載予定、金融商事判例1204号11頁、判時1870号128頁)
報告者: 松井 智予氏(東北大学)
論 題: 国際会社法をめぐる議論の現在-法人格・社員の責任・社員間関係等
日時 第7回(3月18日(金))
報告者: 山脇 千佳氏(東北大学大学院DC)
論 題: 株式会社の業績悪化による株式の無価値化について株主が取締役に直接損害賠償請求した事例(東京高裁判決平成17・1・18、金融・商事判例1209号10頁)
報告者: 根本 伸一氏(弘前大学)
論 題: 一部上場会社において筆頭株主の持株比率を著しく低下させる新株発行について「著シク不公正ナル方法」によるものと認められなかった事例-ベルシステム24新株発行差止棄却決定事件-(東京高決平成16・8・4、金融・商事判例1201号4頁)

2003(平成15)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月16日(金))
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: 組織法の中の信託
報告者: 山脇 千佳氏(東北大学大学院)
論 題: 満期日白地手形の補充権の消滅時効と当事者間の合意(東京高判平成14年7月4日、判例時報1796号156頁)
日時 第2回(6月20日(金))
報告者: 土橋 章子氏(東北電力株式会社)
論 題: 「組織再編スキームの選択と決定―商法・税法の観点から」
日時 第3回(7月18日(金))
報告者: 名島 利喜氏(富士大学)
論 題: 「農業生産法人としての株式会社の適格性」
報告者: 梅津 昭彦氏(東北学院大学)
論 題: 損害保険代理店が保険契約者から収受した保険料のみを入金する目的で開設した普通預金口座の預金債権が損害保険会社にではなく損害保険代理店に帰属するとされた事例最判平成15・2・21金商1167号2頁
日時 第4回(9月19日(金))
報告者: 福原 祥人氏(東北大学大学院MC)
論 題: 新株発行不存在確認の訴えにおける出訴期間の制限の有無(最判平成15年3月27日、民集57巻3号84頁、判時1820号145頁)
報告者: 深澤 泰弘氏(東北大学大学院DC)
論 題: 保険契約者兼保険金受取人が会社である生命保険契約の被保険者を当該会社の取締役が故意に死亡させた場合に保険者が免責されないとされた事例(最判平成14年10月3日、民集56巻8号96頁、金判1166号17頁)
日時 第5回(11月21日(金))
報告者: 佐藤 健氏(東北大学大学院MC)
論 題: 「金融機関の破綻処理と責任」
報告者: 根本 伸一氏(弘前大学)
論 題: 信用協同組合に対する金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分と組合員が組合員代表訴訟を提起し追行する権限の帰趨(最判平成15年6月12日、判時1825号136頁、判タ1126号101頁など)
日時 第6回(12月19日(金))
報告者: 関 俊彦氏(東北大学)
論 題: 「エンロン事件と企業会計」
報告者: 永田 均氏(青森中央学院大学)
論 題: 「消費者取引の適正化と支払停止の抗弁」
日時 第7回(1月16日(金))
報告者: 徐 進氏(東北大学DC)
論 題: 慣行化されていた手続を経て決定され実質的に株主の利益が害されないなどの事情がある場合に会社は信義則上株主総会決議がないことを理由に取締役への退職金の支払いを拒めないとされた事例(東京高判平成15・2・24金融・商事判例1167号33頁)
報告者: 吉原 和志氏(東北大学)
論 題: 利益相反取引にもとづく取締役の責任
日時 第8回(3月18日(金))
報告者: コーエンズ 久美子氏(山形大学)
論 題: 講座振替決済システムにおける証券の特定性-アメリカ法の追及法理における特定性を手がかりとして-
報告者: 松井 智予氏(東北大学)
論 題: 商法266条の3に関する判例の状況整理(東京地裁平成14年12月25日判決)

2002(平成14)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月10日)
報告者: 徐 進氏(東北大学大学院)
論 題: 会社機会理論に関する判例・学説の最近の動向とその示唆
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: 株主代表訴訟における共同訴訟参加――最三判平成14年1月22日(判例時報1777号151頁)
日時 第2回(6月14日)
報告者: 野田 耕志氏(東北大学)
論 題: 商号でない営業主体表示と商法26条1項の類推適用の可否――東京地判平成13年3月30日(金融・商事判例1129号49頁)
日時 第3回(7月12日)
報告者: 名島 利喜氏(富士大学)
論 題: 遺産共有状態における会計帳簿等閲覧請求権行使の可否――東京高決平成13年9月3日(金融・商事判例1136号22頁)
報告者: 柴崎 暁氏(山形大学)
論 題: 除権判決の確定した手形の善意取得者による手形金請求――最一判平成13年1月25日(金融法務事情1608号45頁)
日時 第4回(9月20日)
報告者: 小嶋 孝文氏(東北大学大学院)
論 題: 株主代表訴訟の提起後に、第三者が会社から取締役らに係る損害賠償請求権を譲り受け、別訴を提起した場合に先行事件である株主代表訴訟を棄却すべきものとした事例――和歌山地判平成12年2月15日(判例時報1736号124頁)
報告者: 吉田 正之氏(山形大学)
論 題: ゴルフ場の営業譲渡と預託金返還債務の承継の有無――東京高判平成14年2月12日(金融・商事判例1148号39頁)
日時 第5回(11月15日)
報告者: 深澤 泰弘氏(東北大学大学院)
論 題: 保険仲介者の助言義務に関する一考察――米国の判例法を中心に
報告者: 関 俊彦氏(東北大学)
論 題: 企業法説の体系
日時 第6回(12月13日)
報告者: 梅津 昭彦氏(東北学院大学)
論 題: 株主代表訴訟において取締役の善管注意義務(従業員の行為に対する監視義務)違反が認められた事例――東京高判平成14年4月25日(判例時報1791号148頁、金融・商事判例1149号35頁)
報告者: 吉原 和志氏(東北大学)
論 題: 会社機関に関する商法改正の論点と課題
日時 第7回(平成15年1月17日)
報告者: 佐藤 健氏(東北大学大学院)
論 題: 現在の融資取引に関する問題点の検証
報告者: 根本 伸一氏(弘前大学)
論 題: 商品代金の立替契約がいわゆる空クレジット契約である場合に、同契約上の債務の保証人の意思表示に要素の錯誤があるとされた事例――最一判平成14年7月11日(裁判所時報1319号3頁)
日時 第8回(平成15年3月14日)
報告者: 柳 明昌氏(西南学院大学)
論 題: 差別的議決権について
報告者: 村上 裕氏(東北大学大学院)
論 題: 譲渡制限のある株式につき会社が譲渡の相手方を指定した場合に、譲渡請求者は譲渡通知の日から10日以内であっても先買権者指定 請求を撤回することができないとされた事例(福岡高決平成14年1月29日、判例時報1795号158頁)

2001(平成13)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月11日)
報告者: 村上 裕氏(東北大学大学院)
論 題: アメリカ型会社分割に関する一考察――利益配当として子会社株式を分配することの可否を中心に
報告者: 三浦 治氏(岩手大学)
論 題: 株主代表訴訟補助参加事件決定――最決平成13年1月30日(金融・商事判例1113号5頁(1109号3頁))
日時 第2回(6月8日)
報告者: 柴崎 暁氏(山形大学)
論 題: 手形行為の抽象(無因)性――日本法における実体的抽象性批判論の系譜
報告者: 吉田 正之氏(山形大学)
論 題: 議決権行使書の様式と白票の処理について――大阪地判平成13年2月28日(金融・商事判例1114号21頁)
日時 第3回(7月6日)
報告者: 名島 利喜氏(富士大学)
論 題: 株式の共同相続と名義書換
報告者: 吉原 和志氏(東北大学)
論 題: 会社法改正について考える
日時 第4回(9月14日)
報告者: 深澤 泰弘氏(東北大学大学院)
論 題: 交通事故の被害者が保有者に対して有する損害賠償請求権が転付された場合と被害者の直接請求権について――最判平成12年3月9日(民集54巻3号960頁)
報告者: 李 秀ビツ氏(愛知大学)
論 題: コーポレート・ガバナンスにおける機関投資家の役割―アメリカ法を中心として―
日時 第5回(11月16日)
報告者: 小嶋 孝文氏(東北大学大学院)
論 題: 電子取引法制への一考察――Electronic Agentに焦点を当てて
報告者: 関 俊彦氏(東北大学)
論 題: 株主優遇による株価浮揚策
日時 第6回(12月14日)
報告者: 村上 裕氏(東北大学大学院)
論 題: 株主代表訴訟において、株式移転により被告取締役の属する会社の株主の地位を失った原告は原告適格を喪失するとされた事例――東京地判平成13年3月29日(判例時報1748号171頁、金融・商事判例1120号53頁)
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: 利得禁止原則と高価品明告時の時価賠償ルール――違約罰論争からみた機能的分析
日時 第7回(平成14年1月11日)
報告者: 根本 伸一氏(弘前大学)
論 題: 利益相反取引と商法266条1項4号および5号(ネオ・ダイキョー株主代表訴訟上告審判決)――最判平成12年10月20日(民集54巻8号2619頁)
報告者: 梅津 昭彦氏(東北学院大学)
論 題: (1)場屋営業者の不法行為責任と商法595条の類推適用(積極)
(2)ホテルの従業員が、重過失により、客から運搬を頼まれたバッグを紛失した事案について、不法行為責任についても、宿泊約款上の責任制限特則の適用を受けるとされた事例――大阪高判平成13年4月11日(判例時報1753号142頁
日時 第8回(平成14年3月8日)
報告者: 土橋 章子氏(東北大学大学院)
論 題: 純粋持株会社における株主の法的地位に関する一考察
報告者: 関 俊彦氏(東北大学)
論 題: 証券取引法および商法における電子化

2000(平成12)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月12日)
報告者: 尚 得志氏(東北大学大学院)
論 題: 中国会社法上の監査制度と日本会社法からの示唆
報告者: 吉田 正之氏(山形大学)
論 題: 新株発行事項の公示制度をめぐる問題点
日時 第2回(6月9日)
報告者: 梅津 昭彦氏(東北学院大学)
論 題: 取締役でも使用人でもない外部の者が専務取締役と称することを許諾していた株式会社に、右外部の者の被雇用者に対する表見代表取締役の規定による責任(商法262条)は否定されたが、名板貸責任(商法23条)が認められた事例――浦和地判平成11年8月6日(判例時報1696号155頁金融・商事判例1089号45頁)
報告者: 吉原 和志氏(東北大学)
論 題: 定款による議決権行使の代理人資格の制限と弁護士等の代理出席――神戸地尼崎支判平成12年3月28日(金融・商事判例1090号24頁)
日時 第3回(7月14日)
報告者: 名島 利喜氏(富士大学)
論 題: 商法203条2項の適用範囲の再検討
報告者: 関 俊彦氏(東北大学)
論 題: インターネットによる議決権の行使
日時 第4回(9月14日)
報告者: 山脇 千佳氏(東北大学大学院)
論 題: 会社代表取締役のした取締役会の決議を欠く関連会社の債務の保証予約と銀行の過失――最決平成11年6月24日(金融・商事判例1070号10頁、原審=東京高判平成11年1月27日(金融・商事判例1062号12頁))
報告者: 伊藤 吉洋氏(東北大学大学院)
論 題: 秀和のいなげやに対する検査役選任申請抗告事件――東京高決平成10年8月31日(金融・商事判例1059号39頁)
日時 第5回(11月10日)
報告者: 小嶋 孝文氏(東北大学大学院)
論 題: M&A交渉と経営判断原則
報告者: 楊 衛民氏(東北大学大学院)
論 題: 船舶衝突の準拠法の選定問題に関する一考察――損害賠償分担の場合
日時 第6回(12月15日)
報告者: 徐 進氏(東北大学大学院)
論 題: Broz v. Cellular Info.,Sys.と「会社機会理論」の再検討
報告者: 森田 果氏(東北大学)
論 題: 株主間契約・定款・会社法
日時 第7回(平成13年1月12日)
報告者: 顔 廷棟氏(東北大学大学院)
論 題: 独占禁止法における無議決権株式の取扱いについて
報告者: 根本 伸一氏(弘前大学)
論 題: 会社が新株発行無効の訴えを提起した株主に対してなした担保提供の申立が却下された事例――大阪地決平成10年7月7日(判例時報1679号161頁、判例タイムズ1002号253頁)
日時 第8回(平成13年3月9日)
報告者: 柳 明昌氏(西南学院大学)
論 題: 株主代表訴訟の「監督是正」機能と取締役の責任――会社の被告側補助参加の理論的検討――その一
報告者: 山本 哲生氏(北海道大学)
論 題: 契約上の権利に関する保険者の代位について

1999(平成11)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(4月16日)
報告者: 吉田 正之氏(山形大学)
論 題: 商法280条ノ3ノ2に定める公告または通知を欠く新株発行につき著しく不公正な方法によるものではないとはいえず無効原因があるとされた事例――最判平成10年7月17日(裁判所時報1223号15頁、判例時報1653号143頁、金融・商事判例1057号15頁)
報告者: 梅津 昭彦氏(東北学院大学)
論 題: 手形につき商事留置権を有していた銀行が債務者の破産後に右手形を手形交換制度によって取り立てて弁済に充当する行為が破産管財人に対する不法行為とならないとされた事例――最判平成10年7月14日(民集52巻5号1261頁、判例時報1663号140頁、金融・商事判例1046号3頁)
日時 第2回(6月11日)
報告者: 周 劍龍氏(青森公立大学)
論 題: 日本商事株式インサイダー取引事件――最判平成11年2月16日(刑集53巻2号111頁、判例時報1671号22頁、金融・商事判例1067号22頁、商事法務1518号41頁)
報告者: 吉原 和志氏(東北大学)
論 題: 自民党の商法等改正案要綱をめぐって
日時 第3回(7月9日)
報告者: 柳 明昌氏(西南学院大学)
論 題: 取締役の責任緩和の論拠及び構造――株主代表訴訟の会社法への定位の試み
報告者: 関 俊彦氏(東北大学)
論 題: 電子データ交換による取引
日時 第4回(9月24日)
報告者: 根本 伸一氏(弘前大学)
論 題: カードローンの不正使用におけるリスク配分のあり方――最近の事例を契機にして
報告者: 三浦 治氏(岩手大学)
論 題: 取締役の責任を免除する株主総会決議の取消請求が棄却された事例――大阪高判平成11年3月26日(金融・商事判例1065号8頁)
日時 第5回(11月12日)
報告者: 野田 耕志氏(東北大学大学院)
論 題: 証券取引法166条2項1号にいう「業務執行を決定する機関」の意義、ならびに、同号にいう株式の発行を行うことについての「決定」の意義――日本織物加工株式インサイダー取引事件最高裁判決(最判平成11年6月10日・刑集53巻5号415頁、判例時報1679号11頁、金融・商事判例1072号16頁)
報告者: 吉田 正之氏(山形大学)
論 題: 新株発行の無効原因に関する学説の検討
日時 第6回(12月10日)
報告者: 亀井 忠行氏(東北大学大学院)
論 題: 金融機関が信用保証協会との間の信用保証取引に関する約定書中の「旧債振替禁止条項」に違反した場合における保証債務消滅の範囲――最判平成9年10月31日(民集51巻9号4004頁、判例時報1620号71頁金融・商事判例1033号3頁)
報告者: 柴崎 暁氏(山形大学)
論 題: 手形保証の独立性の普通法的基礎としての民法449条における「独立の債務」――フランス民法典2012条と締約請合契約の法理
日時 第7回(平成12年1月21日)
報告者: 周 劍龍氏(青森公立大学)
論 題: 子会社の重要な事項に対する親会社株主の議決権行使
日時 第8回(平成12年3月17日)
報告者: 王 静氏(東北大学大学院)
論 題: ベンチャー・ビジネスにおける会社支配の調整
報告者: 根本 伸一氏(弘前大学)
論 題: 代表取締役の会社に対する責任(商法266条1項5号)につき、会社の実質的な経営者に関する事情などを考慮し、過失相殺の法理の類推により責任額の減額を認めた事例――横浜地判平成10年7月31日(判例タイムズ1014号253頁)