商法研究会

本研究会は、東北大学および東北地方の諸大学に属する商法研究者、 東北大学出身の商法研究者等から構成される研究会であり、商事法関係の研究報告や判例研究を行うことを通例としております。

直近の研究会

第4回商法研究会

今回の商法研究会は原則として対面で開催します。必要な方にはzoomでの中継も行いますが(事前に幹事まで申しこんでください),zoomでの中継は補助的なものであることをあらかじめご了承ください。

日時 2023年12月16日(土) 13:30より
場所 対面開催:東北大学法学研究科3Fの大会議室 場所:https://goo.gl/maps/wXD5EqqSZ2gTzTCF9
オンライン:zoomオンライン上(ZOOMで参加ご希望の方には、再度URLをお送り致します。)
13:30より
報告者 牧 真理子氏(福岡大学)
論題 東京電力株主代表訴訟第一審判決の判断枠組みについて
報告要旨 東日本大震災およびこれに伴う東京電力福島第一原子力発電所事故は、甚大な被害をもたらす災害となった。福島第一原子力発電所の事故に対しては、国家賠償訴訟において最高裁は国の責任を否定したが、株主代表訴訟第一審判決は、取締役に善管注意義務に違反する任務懈怠があったと示した。本件株主代表訴訟第一審判決については、先行研究において、既に訴訟ルートや取締役の経営判断の裁量などの問題点が指摘されている。本報告では、先行研究の示す問題点について、行政法的観点と関連付けて検討を試みる。
参考文献 • 大杉謙一「ソフトローと取締役の義務−東京電力株主代表訴訟事件・東京地裁判決を参考に−」商事法務2341号(2023年)4頁以下
• 後藤元「取締役の義務、経営判断原則、そしてステークホルダーの利益−東京電力株主代表訴訟第一審判決が提起する問題」松井秀征ほか編『商法学の再構築–岩原紳作先生・山下友信先生・神田秀樹先生古稀記念』(有斐閣、2023年)183頁以下
• 松井智予「東京電力株主代表訴訟はESGに係る経営陣の責任を変容させるか−前田陽一「環境規制と訴訟−民事訴訟(原子力)」を読んで−」商事法務2317号(2023年)4頁以下
• 山田泰弘「振り上げた『拳』の大きさ−東京地裁令和4年7月13日判決(東京電力ホールディングス株主代表訴訟)」法律時報94巻11号(2022年)5頁以下
• 弥永真生「経営判断原則からの事実上の離脱?−東京電力代表訴訟事件東京地裁判決」資料版商事法務461号(2022年)3頁
15:00より
報告者 脇田 将典氏(東北大学)
論題 市場外における支配株式取得に対する法規制
報告要旨 本報告では、まず、市場外における支配株式取得によって、どのような問題が生じるかを整理する。次いで、そのような問題に対応しうる法制度を列挙し、それぞれの機能を分析する。最後に、それぞれの問題に対してどのような法制度を用いるべきかを論じる予定である。
参考文献
・藤田友敬「支配株式の取得と強制公開買付―強制公開買付制度の機能」岩原紳作ほか編集代表『会社・金融・法〔下巻〕』33頁(商事法務、2013)
・従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会「支配株主及び実質的な支配力を持つ株主を有する上場会社における少数株主保護の在り方等に関する中間整理」https://www.jpx.co.jp/news/1020/nlsgeu000004x5pr-att/nlsgeu000004x9uu.pdf 

王孫博(幹事)
E-mail:business.law.seminargrp.tohoku.ac.jp

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