教授
鹿子生 浩輝/KAKOO Hiroki

鹿子生 浩輝 顔写真

専門分野

政治思想史

主な担当科目

西洋政治思想史、公共哲学など

研究専門テーマ

ルネサンスの政治思想、マキァヴェッリ

学生へのメッセージ

政治学を学んでみませんか。私は西洋政治思想史という分野を研究しています。この分野は「すぐに直接、何かの役に立つ」学問というわけではないかもしれません。

この学問は、思想家たちがそれぞれの時代にどのような政治的問題に直面し、それを解決するためにどのように政治的現象を理解したかを明らかにする学問です。そうした思想家たちは、ほとんどの場合、現代のわれわれとはかなり異なる理念や理解を抱いています。

とはいえ、それらの思想家たちの知的格闘を丁寧にたどっていくことは、われわれの政治的な価値や認識を反省的に問い直し、われわれの政治のあり方や生活の質を高めることにつながる、と私は考えています。生きる意味とは何かという問題を含め、「すぐに直接、何かの役に立つ」わけではないものを学ぶということが大学生活の意義の一つではないでしょうか。

学歴および職歴

学歴

福岡県立黒木高等学校
西南学院大学法学部
九州大学大学院法学研究科 博士(法学)

職歴

ケンブリッジ大学ビジティング・スカラー(2018-2019)

学会及び社会における活動等

所属学会

政治思想学会、日本政治学会、イタリア学会、東北法学会

社会における活動事項

1. 市民講座「イタリア・ルネサンスのリベラルアーツ」東北大学 サイエンス・カフェ 2019年11月1日 。
2. ラジオ出演 :「人生100年ラボ」FM仙台 野村不動産×東北大学、 2019年12月7日 - 2019年12月28日。
3. 朝日新聞・インタビュー記事「民主主義は限界なのか――マキャベリが見通した「黄昏」」2020年6月28日。

研究業績等に関する事項

I. 著書
1. 『はじめて学ぶ西洋思想』(ミネルヴァ書房、2005年)。
2. 『征服と自由――マキァヴェッリの政治思想とルネサンス・フィレンツェ』(風行社、2013年)。
3. 『岩波講座 政治哲学第1巻(主権と自由)』(岩波書店、2014年)。
4. 『政治概念の歴史的展開』第8巻(晃洋書房、2015年)。
5.『マキァヴェッリ――『君主論』をよむ』(岩波新書、2019年)。

II. 学術論文
1. 「マキァヴェッリの政治思想――『君主論』と『リウィウス論』の統一的解釈」(博士論文)九州大学大学院法学研究科、2001年、全162頁。
2. 「マキァヴェッリにおける実践的意図とその一貫性」『政治思想研究』(政治思想学会)第5号、2005年5月、103-121頁。
3. 「帝国と都市国家――初期ルネサンスにおけるフィレンツェの政治イデオロギー」『政治研究』第54号、2007年3月、101-133頁。
4. 「マキァヴェッリの長期的視座――新君主の目的」『政治研究』第55号、2008年3月、143-173頁。
5. 「市民的君主とフィレンツェ――マキァヴェッリの『君主論』における君主類型」『政治研究』第56号、2009年3月、23-56頁。
6. 「マキァヴェッリとイタリア――イタリア解放の戦略」『年報政治学2010-II』(日本政治学会)2010年12月、278-299頁。
7. 「腐敗の克服――マキァヴェッリのフィレンツェ再生策」『政治研究』第60号、2013年3月、125-158頁。
8.「『君主論』第10章」(研究ノート)『政治研究』第62号、2015年3月、103-122頁。
9. 「『時間の政治学』――ポーコックと政治言説史」『思想――政治思想史の近代』(岩波書店)第1117号、2017年5月、109 - 128頁。
10.「思慮ある民主政――グィッチァルディーニの『対話』」『法学』 82(1) 、2018年4月、1 - 33頁 。
11. 「マキァヴェッリとグィッチァルディーニ――二つの共和国理論『法政研究』 85(3/4)、2019年3月、 481 - 506頁。