教授
度山 徹/DOYAMA Toru

度山 徹 顔写真

専門分野

社会保障政策、年金政策、家族政策

主な担当科目

公共政策ワークショップⅠプロジェクトB「少子化の進行するわが国における家族政策を考える」
実務政策学D「社会保障論」
実務政策学E「社会保障政策演習」
実務政策学F「年金政策論」

学生へのメッセージ

2024年度は公共政策大学院の公共政策ワークショップⅠ-Bを担当します。1990年代から30年あまりにわたって、急速に進行する少子化(出生率の低下)をどのように克服するかが大きな課題となってきましたが、この趨勢を変えることはできず、2022年の合計特殊出生率は過去最低と並ぶ1.26を記録しました。こうした中、昨年末には、総額3.6兆円規模の次元の異なる少子化対策を実現すべく「こども未来戦略」が策定されるなど、今日、少子化の問題は国の最重要課題となっています。
この間、政策の規模はGDP比で1990年の0.34%から2020年には2.00%と5倍以上に拡大しています。それでも出生率の低下が続くのは、私たちの経済社会に、希望する家族形成や子育てを阻む構造的な問題が潜んでいるからではないでしょうか。世界一の育児休業制度と評価(UNICEF)されながら、職場での評価を気にして男性が育児休業を取得できない現実などが、国際機関の分析などでも指摘されています。
これから社会に進んでいく皆さんは、否応なくこの構造的な問題に直面することとなります。これからの社会を生きる世代として、何を考え、何を望むのか、構造的な問題に迫る議論を展開し、提言に結びつけることを目指します。

学歴および職歴

職歴

○ 1988年4月に厚生省(当時)に入省。
○ これまでの主な職歴、担当分野
《子ども・子育て支援》
2004.7~2007.8(雇用均等・児童家庭局(当時)総務課少子化対策企画室長)。地域子育て支援拠点(子育てひろば)の普及啓発のため全国各地で開催される研修会で講演を実施。2007年の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略の策定に当たっては、世界の家族政策の動向を分析したり、将来の社会構造の変化を踏まえた必要な対策の規模を試算するなど、中心的な役割を果たす。近年では、2022年の経済対策で打ち出された「伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施」(出産・子育て応援交付金)の立案にも関与。
《生活困窮者自立支援》
2009.7~2011.7(内閣府参事官(社会システム担当))。リーマンショック後の生活困窮者対策が課題となる中で、伴走型相談支援の制度化を模索し、現在の生活困窮者自立支援制度のベースとなった「パーソナル・サポート・サービス」のモデル事業を、全国の伴走型相談支援の先駆者とともに企画実施。
《年 金》
2000.7~2004.7(年金局企画課、年金課、総務課課長補佐)、2012.9~2016.6(年金局年金課長、総務課長)、2018.7~2020.8(大臣官房審議官(年金担当))と10年近く在籍。現在の年金財政フレームを確立した2004年の制度改正に、検討の初期段階から法案の成立まで関わったほか、2014年と2019年の年金財政検証、それらの結果を踏まえた2016年と2020年の制度改正に関わる。年金局在籍期間を通じて、経済界、労働界、年金関係団体等を対象に多数の講演を実施。
《社会保障政策全般》
2007.8~2009.7(社会保障担当参事官室政策企画官)、2016.6~2018.7(参事官(社会保障担当))、2020.8~2021.9(大臣官房審議官(総合政策担当)。社会保障政策全般を統括する部局に在籍し、経済財政諮問会議における社会保障関係の議論への対応、社会保障・雇用関係の税制改正への対応、社会保障と税の一体改革の推進、「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」のシミュレーション等にかかわる。
◯ 環境庁(当時)、内閣府、山口県に出向経験あり。
◯ 早稲田大学大学院法学研究科非常勤講師(2016年度より、春学期「年金制度と法」を担当)
◯ CFP®認定者(日本FP協会認定)