学生へのメッセージ
日本は、過去40年間にわたって中国との関係を積極的に発展させてきました。しかし、近年、中国との関係は、日本にとって難題と化した感があります。中国と今後どのように付き合っていくべきか。この問いに対して、日本の若い世代が導き出す答えが21世紀の日本の進路を大きく左右するといっても過言ではないでしょう。大学ほどこの問いについてじっくり考察し、気兼ねなく議論できる場所はありません。中国との付き合い方を模索するうえで重要となるのが、等身大の中国をなるべく正確に把握するという課題です。この課題が実はなかなか難しい。そもそも中国から発信される情報がどこまで正確かという問題があるうえに、広大な中国のどこを見るかによっても印象はだいぶ異なります。また、日本国内では、様々な価値観に基づいて中国が評価されるため、日本の言論空間では互いに矛盾するような中国像が飛び交っております。中国研究に携わる研究者の間でも見解の完全なる一致などは存在しません。見解の違いがあるからこそ、中国の実態と日本の採るべき姿勢をめぐる議論が活況を呈しているといえます。
そうした中国をめぐる議論で何が主要な論点になっているのか。また、対中関係において日本が問われているのは何か。中国政治論や中国政治演習などで、皆さんと一緒に考察し、議論をすることを楽しみにしております。