留学先:ハワイ⼤学マノア校(アメリカ) 期間:2024年1月〜2024年5月
1、初めに
私は2024年1⽉から5⽉にかけて、1セメスターの間ハワイ⼤学マノア校への留学を⾏いました。観光地であるハワイを交換留学先に選択しつつ、勉強に⼒を⼊れるという⽭盾を抱えた留学でしたが、⽬標を正確に設定することで無事成⻑に繋げることができました。以下では私の留学の⽬標、留学先での⽣活、学習内容と成⻑した点についてまとめています。ハワイ⼤学志望者、政治学、国際関係学志望の⽅の参考になりましたら幸いです。
2、留学の⽬標
専⾨である国際政治学、中国政治学における⽶国の⾒解を学ぶこと、授業内外での積極的な議論参加、専⾨語学⼒の獲得の3点が私の⽬標でした。東北⼤で中国政治学を専攻し、授業中の議論に積極的に参加してきた⾝として、⾃⾝の専⾨性を⾼めると同時に、⾃⾝の議論⼒がアメリカにおいても⼗分通⽤することができるのか、それを確かめることを⽬標に積極的な議論参加を⼼掛けました。また、アメリカの中でも中国研究が盛んなハワイ⼤学で、中国政治や国際政治の研究者と積極的にかかわりを持ち、⾃⾝の専⾨性に磨きをかけることを強く意識していました。
3、留学先での⽣活
留学先のハワイ⼤学は州都ホノルルの郊外に位置しており、私は⼤学のもっとも価格帯の低い寮(4か⽉で45万円)で⽣活していました。(帰国間際に友⼈から教えられましたが、幽霊が出るそうです)。⽣活の中では、観光⽬的の留学にならないように意識し、頻繁に⼤学の友⼈と図書館で勉強するようにしたり、教授の研究室を頻繁に訪れるようにしていました。また⽇本⼈含むアジア系の学⽣が他地域と⽐較して多いこともハワイ⼤学の特徴でした。そのためできる限り⽇本語を使わないよう意識するとともに留学⽣交流団体に加盟し、中国・台湾・韓国出⾝の学⽣とも頻繁に交流を⾏うことで、アジアの国際政治に関して様々なバックグラウンドの友⼈と議論を⾏いました。
⽣活費に関しては、私は相当節約した部類かと思います。⽇本出国時にカロリーメイトを 4か⽉分持ち込むことで毎朝の⾷費を浮かせつつ、基本的にバイキングスタイルの学⾷で⾷事を持ち帰ることで、昼⾷と⼣⾷を⼀度に確保する貧乏学⽣のような⽣活をしていました。カロリーメイト代と週7回の学⾷費を含めなければ、当時円安であったにもかかわらず⾷費はおそらく4.5か⽉で5万円程度だったかと思います。気軽に勧めることはできませんが、相当に切り詰めた⽣活も楽しいものでした。
4、留学先での学習内容
学習内容に関しては、中国政治論、国際政治学の授業を中⼼に履修していました。アメリカでの留学であったため、毎授業に⼀回は質問・議論の機会が⽤意されており、上述した⽬標の達成のため、毎回発⾔することで⾃⾝の議論⼒に磨きをかけていきました。また当然ながら事前資料の量は⽇本の2から3倍近いものであったため、資料の要点をつかむ訓練も同時に積むことができました。授業外においては、教授の研究室で授業内容を質問することに加え、アジア研究の機関であるイーストウェストセンターの講演に頻繁に参加していまし た。これは駐⽇⼤使や本⼟の⼤学からの講演者を招いたものであり、アジア政治に対するアメリカの⽬線を理解するうえで⾮常に有⽤なものでした。
5、成⻑できたこと
第⼀に、議論⼒と英語⼒を⼤幅に向上させることができました。留学前の時点である程度の議論経験は積んでいましたが、英語での議論を⾏う⽣活を繰り返す中で、単に⾃⾝の意⾒を述べるのみならず、他の参加者の意⾒に対して反論、補⾜を⾏うなどより対応⼒を⾼めることができたと考えています。セメスター最後には初開催された外交シミュレーションゲームに参加、ドイツ役として交渉に臨み、総合2位の評価を得ることができました。帰国後も専攻する中国政治論の授業に継続的に参加し、授業内の議論の深化に貢献することで、さらに議論⼒と意⾒表明⼒を⾝に着けたいと考えています。
第⼆に、国際政治、中国政治に対する⽶国の視点も広く学ぶことができました。アメリカの中国に対する2000年代初期の論調は協調的なものであることは東北⼤ですでに学んでいましたが、留学時(2024年)にはそのような⾒解は息をひそめ、巨⼤化した中国のリスクにいかに対応するか、という論調が授業や講演の内容の前提となっていました。参加者の中にも中国は脅威ではない、アメリカの優位は将来的にも当然のものである、という⾒解を持つ⼈はおらず、どのように⽇⽶は振舞うべきかについて深い議論を⾏うことができました。
6、最後に
留学を通して様々な学びを得ることができましたが、私はこれが実現した理由を、⾃⾝が積極的に⾏動したからであると考えています。教授の研究室を訪れること、講演会に参加すること、授業で毎回質問すること、いずれも主体性がなければ出来ないことです。「主体性があれば⼤きく成⻑が可能」という留学の特徴を⽣かし、積極的に多くの活動に参加することで、⾃⾝の⽬標を達成してもらえれば幸いです。