岩田理子さん

留学先:マラヤ大学(マレーシア) 期間:2024年2月~2025年2月

1. はじめに

私は、2024年2月から2025年2月までの1年間、マレーシアのマラヤ大学へ留学しました。中学三年次の公民の授業でフィリピンの児童労働の問題を知ったことがきっかけで、法や政治を通じた問題解決の手立てを考えるため、実際に自身が足を運んで現地事情を把握することが必要だと思い、東南アジアへの留学を志しました。加えて、将来のために海外での生活経験を積みたいという考えもありました。マラヤ大学については、多民族国家の観点から政治学に触れられること、東南アジアに関する授業が留学生向けに豊富に開講されていること、中国とASEANの国々の関係について学べることが決め手となりました。

 

2. 授業

東南アジアの政治や歴史、文化に関する授業を履修しました。授業は、講義形式の部分と演習形式の部分から構成されています。講義部分では基本的に教授が話しますが、演習部分では学生によるプレゼンテーションやディスカッションがあり、英語のスピーキング力が鍛えられました。いずれの授業も東北大学では学べない内容が多く、留学したからこそ東南アジアについての知見を広げることができました。

 

3. 生活

マレーシアは年間を通じて温暖な気候で、心地良い生活を送ることができました。私は大学の寮に住んでいましたが、学食が充実している寮やキッチンの設備が整っている寮に入ることができ、食事の面でも大きな苦労はありませんでした。大学は自然豊かな環境であったため、リスやネコ、サルなど動物と遭遇することがあり、少しのイレギュラーには動じないタフな精神も身に付けることができました。

寮から見たクアラルンプール市内の景色。手前のキャンパス敷地は自然豊かな環境が広がっている。

学食でよく食べていたNasi Goreng Thai(ナシゴレンタイ)

 

4. 課外活動

Universiti Malaya Global Buddiesと呼ばれる留学生支援団体の主催イベントに参加し、現地学生や他国からの留学生と交流を深めました。また、Universiti Malaya Japanese Student Associationに所属し、日本文化の発信を目的にイベントを開催したりパフォーマンスを行ったりしました。加えて、一般のオーケストラに所属し、合計で4回演奏会に参加しました。趣味の音楽を通じて学外の方々と交流できたことは、マレーシアについてより深く理解する貴重な機会でした。セメスター間の長期休みには、JICAマレーシア事務所でのインターンシップに参加しました。JICAについて、また、国際協力について学ぶことができ、将来のキャリアを考える上で重要な経験となりました。

 

5. 就職活動

私は将来家庭を持つ希望があること、社会人として経験を積んだ後に大学院へ進学したいことなどから卒業を遅らせたくないと考え、留学中に就職活動を進めました。幸いにもマレーシアは日本との時差が1時間しかありませんので、OB訪問や面接へ参加しやすく、両立が可能でした。また、マレーシアで働く日本人の方々にお話を伺う機会がありました。これまでの人生では出会えなかったような方々から刺激的なお話を聞き、海外で働くことの魅力を強く感じました。

 

6. 成果

まず、東南アジアに関する知見を獲得できたことが挙げられます。学問的にも社会的にも解像度を上げることができました。次に、明確なキャリアの展望を持ったことです。以前から関心のあった国際協力にどのように携わりたいか、自分なりのイメージを描くことができました。最後に、精神的な成長です。海外に一人で滞在している時にトラブルが発生しても何とかする底力が自信につながりました。また、多様な出会いを通じて異文化への理解力と適応力を高めることができました。

 

7. まとめ

留学を通じて、不確実性を増す社会を生きる上で自信になるような経験を積むことができました。状況が目まぐるしく変わる世の中では準備段階から実際の留学生活まで苦労が尽きないかもしれませんが、少しでも興味のある方はぜひ留学へ行きましょう。専門分野に関する知見を広げられることはもちろん、さまざまな変化を通じて精神的なタフネスを身に付けられます。後輩の皆さんが充実した留学生活を送ることができるよう願っています。最後までお読みいただきありがとうございました。

このページのTOPへ