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伊藤美怜さん

留学先:パダボーン大学(ドイツ) 期間:2022年8月〜2023年7月

 私は東北大学の交換留学制度を利用して2学期間ドイツのパダボーン大学経済学部で学習しました。高校生の頃からの夢であった海外での長期滞在と海外大学での生活を叶えるべく、学部1年生時に応募をしました。今回は私のドイツでの留学生活をいくつかのトピックに分けて紹介します。自分のコンフォートゾーンから抜け出し、環境を変えることで得られる経験や気づきはその後の人生の財産になります。私の経験がこれから留学に興味を持つ人を少しでも増やし、これから海外で勉強することを志す人たちの参考になれば幸いです。

パダボーンでの生活

 パダボーンは人口約15万人の中規模都市です。パーダー川に沿ったのどかな街並みは、昔ながらのドイツの美しい建造物を残しており、ゆったりとした時間を過ごさせてくれます。私がいくつか存在するドイツの協定校の中でもパダボーン大学を留学先に選んだ大きな理由の一つに、小中規模都市で移民と現地住民との共生がどのくらい進んでいるのかを自分の生活を通じて確かめたいと思ったことが挙げられます。パダボーンではほとんどの人が英語・ドイツ語話者であり、アジア人の自分にも親切に接し、コミュニティに歓迎してくれました。留学は長期間の滞在が可能なため、自分の興味があるテーマに沿って滞在場所を選択することをぜひおすすめします。 また、パダボーン大学は交換留学生への支援の手厚さで有名です。私が留学した時点ではありますが、留学生支援団体Eurobizという団体が留学生への支援をしています。希望をすればバディ登録をすることができ、現地学生が渡航前から連絡をこまめに取ってくれるシステムがあります。ドイツ到着後のビザ取得や住民登録といった手続きにも積極的に手助けをしてくれたため必要以上に不安を抱えずに留学を始めることができ、大変助かりました。また、留学中はキッチンバストイレ共同・個人部屋ありの寮に滞在しました。ルームメイトはスペイン人2人と日本人で、話したい時は共有スペースで話せるし、自分の空間で集中もできるというメリハリのある生活ができる大変良い環境でした。  

大学での学習内容

 パダボーン大学にはドイツ語開講科目の他に非常に多くの英語開講科目が存在します。私は英語で経営学や経済学を学びたいという思いと、ドイツの移民政策について理解を深めたいという思いがったため、留学生向けのドイツ語講座と並行してそれらに関連する授業を中心に履修していました。特に自分で論文を作成する科目では、「日本とドイツにおける移民政策の比較」をテーマとし、授業内で難民に関する行政手続き担当者や難民キャンプ管理者に直接ヒアリングをすることができました。日本にいてはわからない当事者の声を聞くことができ、自分のその後の興味分野をさらに具体化させることに繋がりました。加えてビジネスで実際に使える英語やリーダーシップ論など、日本ではあまり見られない科目も履修することができ、より実践的な学びを得ることができました。 私が受講したほとんどの授業の形式はレクチャーとエクササイズに分かれており、教授の講義を受けた翌日や次の時限に他の学生との意見の共有し学びをより内在的なものとすることが可能となる形式でした。授業に関して専門知識などわからないことは日本語で自習してから留学生の友達と英語で解き直し、授業本番に臨んでいました。履修登録や1科目の学習時間などは東北大学と似ており、スムーズに適応することができました。  

留学中に成長できたこと

  留学は自分の精神的にも体力的にも本当に大きく成長させてくれた経験だったと思います。ドイツで初めて自炊や一人暮らしに挑戦し、毎日大学の課題や友人と向き合う日々は目まぐるしくもある一方で、大量にある時間の使い方を改めて考えさせてくれるスローライフな期間でもありました。表にあるように、自分が予想していた通りには推移しなかった1年間でしたが、様々な時期を乗り越えることで確実に力になっていったと思います。

 さらに、私は休暇期間を利用してスペインやイギリス、フランスなどドイツ周辺の国やアメリカなど様々な国に一人旅をしました。隣り合っていても国が違えば全く異なる文化や言葉に驚きながら、起こるトラブルに自分で対処をすることで、判断力や行動力を身につけることができました。特に、ユースホステルで出逢った人々との一期一会や自分で街を探検してお気に入りの場所を見つけることは、時間がある学生時代だからこそできる旅の醍醐味だったと思っています。また幼少期に教科書で眺めていたような、数々の世界的名画を鑑賞する機会にも恵まれ、その国の歴史や画家の生涯に思いを馳せることもできました。

 

最後に

 留学経験は今後の自分のキャリアや人生設計を考える上でなくてはならない判断材料になりました。将来海外生活をしていく上でこれからさらに自分が学ぶべきことや、日本の良いところをたくさん再認識する機会になりました。きっと今後このかけがえのない経験が何倍にも膨らみ、活きて来るのだろうと思っています。そして、私は留学する前に本当にたくさんの人に相談をし、いくつも背中を押してもらう言葉をかけていただきました。アドバイスを下さった先生方、先輩方、友人には感謝してもしきれません。今、少しでも留学に興味を持っている学生にはぜひ、経験者や同じ気持ちを持つ周りの学生との情報共有をしていただきたいです。きっとより良い選択ができるようになるはずです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆さんが今後も素敵な学生生活を送られることを祈っています。      

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