2009(平成21)年度

日時 4月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 中島 宏 氏(山形大学)
事件 名古屋高判平成20年4月17日(平成18(ネ)499) 判例集未登載
イラクにおいて航空自衛隊が行っている空輸活動は,武力行使を禁止したイラク特措法2条2項,活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し,かつ,憲法9条1項に違反する活動を含むものではあるが,これによる控訴人らの平和的生存権に対する侵害は認められないとして,控訴人らによる自衛隊のイラク派遣に対する違憲確認の訴え及び派遣差止めの訴えを却下し,国家賠償請求を棄却した原判決を維持した事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 稲葉 馨 氏(東北大学)
事件 最大判平成20年9月10日(平成17(行ヒ)397) 民集62巻8号2029頁
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとされた事例
日時 5月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 茂木 洋平 氏(東北大学大学院)
事件 「Affirmative Action の司法審査基準」
報告者 飯島 淳子 氏(東北大学)
事件 最一判平成20年11月27日(平成19(行ヒ)215) 判例時報2028号26頁、判例タイムズ1286号96頁
県が職員の退職手当に係る源泉所得税を法定納期限後に納付し,加算税等を徴収された場合において,納付に必要な出納長に対する払出通知が遅滞したことにつき,同通知に関する専決権限を有する職員に重大な過失はなく,同職員は県に対して地方自治法(平成18年法律第53号による改正前のもの)243条の2第1項後段の規定による損害賠償責任を負わないとされた事例。
日時 6月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科片平第1号棟 第3講義室2階(会場が通例とは異なっております。会場の地図はこちらをご覧ください。)
報告者 西山 千絵 氏(東北大学大学院)
事件 名古屋高判平成20年4月7日(平成19(行コ)11)
白山市長が来賓として白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭の奉賛会発会式に出席し白山市長として祝辞を述べた行為が憲法20条3項の禁止する宗教的活動に当たり、これに関する費用等につき公金を支出することは違法であるとされた事例(白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭奉賛会損害賠償請求控訴事件)
掲載誌 判例時報2006,P53
報告者 三輪 佳久 氏(弁護士)
事件 横浜地判平成20年10月10日(平成20(行ク)41)
横浜市中区長が、申立人に対し、平成20年9月16日付けで横浜市公会堂条例2条に基づき同年10月14日及び同月16日における横浜市開港記念会館講堂の使用を許可したものの、同月1日付けで本件使用許可を取り消す旨の処分をしたため、申立人が本件取消処分の取消しを求めて訴訟を提起するとともに、同処分の効力を停止することを求めた事案。
掲載誌 未登載※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 7月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階大会議室
報告者 原田 いずみ 氏
事件 東京地判平成20年6月26日 判時2014号48頁
厚生労働大臣の定めた生活保護基準(昭和38年厚生省告示第158号)の改定により70歳以上で生活保護を受けている者に対する老齢加算が廃止されることに伴い,福祉事務所長が生活保護法25条2項に基づいてした保護費を減額する旨の保護変更決定が,適法とされた事例
報告者 稲村 健太郎 氏
事件 福岡高判平成20年11月27日 判例集未登載
被相続人が生前に提訴していた課税処分取消訴訟の地位を継承した相続人に取消判決の確定を受けて還付された過納金が、相続財産を構成するとされた事例
掲載誌 未登載※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 9月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室(今回の報告は行政法側、憲法側という順番で行われます。通常と逆になっておりますのでご注意ください。)
報告者 高野 修 氏(岩手大学)
事件 東京高判平成19年11月28日(平成18(ネ)3454) 判例時報2002号149頁
(1)地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものの勤務関係
(2)地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものに任用された者の再任用拒否と解雇権濫用法理の類推
(3)地方公共団体が地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものに任用された者を再任用しなかったことが国家賠償法上違法であるとされた事例
報告者 河北 洋介 氏(東北大学大学院)
事件 最一判平成20年3月5日(平成18(あ)2339) 判例タイムズ1266号149頁、 集刑293号689頁
殺人、銃砲刀剣類所持等取締違反被告事件について、被害者等から被害者特定事項の秘匿の申出があったという事案で、被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることが憲法37条1項の定める公開裁判を受ける権利を侵害し、ひいては、憲法32条の裁判を受ける権利そのものを空洞化するおそれがあるとの弁護人の主張を斥け、同決定は裁判を非公開で行う旨のものではないことは明らかであって、公開裁判を受ける権利を侵害しないとして、被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしないことを決定した事例。
日時 10月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室
報告者 小島 達也 氏(東北大学大学院)
事件 民集第62巻2号445頁
最三小判平成20年2月19日(平成15(行ツ)157)
(1)我が国において既に頒布され,販売されているわいせつ表現物を関税定率法(平成17年法律第22号による改正前のもの)21条1項4号による輸入規制の対象とすることと憲法21条1項
(2)輸入しようとした写真集が,関税定率法(平成17年法律第22号による改正前のもの)21条1項4号にいう「風俗を害すべき書籍,図画」等に該当しないとされた事例
報告者 中嶋 直木 氏(東北大学大学院)
事件 判例時報2013号61頁
東京地判平成20年2月29日(平19(行ウ)227号)
(1)出入国管理及び難民認定法50条1項4号の在留特別許可の義務付けを求める訴えが行政事件訴訟法3条6項2号にいう申請型義務付けの訴えと解された事例
(2)日本人との内縁関係にあった外国人の在留を特別に許可しなかった法務大臣等の判断が、裁量権の逸脱、濫用にあたるとして、原告の在留を特別に許可すべきことが命じられた事例
日時 11月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室
報告者 曽我 洋介 氏(東北学院大学)
事件 判例地方自治316号60頁
東京高判平成21年1月29日(平成18年(行コ)第169号)
横浜市保育所条例の一部を改正する条例(平成15年横浜市条例第62号)の制定によって市立保育所が廃止民営化されたことが、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例
報告者 高橋 司 氏(東北大学大学院)
事件 民集59巻10号2964頁
最二小判平成17年12月19日(平成15年(行ヒ)第215号)
外国税額控除の余裕枠を利用して利益を得ようとする取引に基づいて生じた所得に対して課された外国法人税を法人税法(平成10年法律第24号による改正前のもの)69条の定める外国税額控除の対象とすることが許されないとされた事例
日時 12月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室
報告者 荒木 修 氏(東北学院大学)
事件 最判平成20年10月3日(平成19(行ヒ)137)
判時2026号11頁
都市公園内に不法に設置されたキャンプ用テントを起居の場所としている者につき,同テントの所在地に住所を有するものとはいえないとされた事例。
報告者 佐藤 雄一郎 氏(長崎総合科学大学)
事件 東京地裁平成21年7月28日判決(平成19(ワ)13179)
判例タイムズ1303号81頁
(1)放送法32条及び日本放送協会放送受信料規約9条は、自由な意思に基づいて本件各放送受信契約を締結した被告らとの関係においては、憲法19条に反しないとした事例。
(2)放送法32条及び日本放送協会放送受信規約9条は、憲法21条1項並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約19条1項に違反しないとした事例。
(3)放送法32条及び日本放送協会受信規約9条は、憲法13条後段に違反しないとした事例。
(4)日本放送協会が負担する「豊かでよい放送を行う義務」は、法送受信契約の相手方個々人に対する義務ではないから、法送受信契約の相手方が負担する放送受信料支払義務とは牽連関係にないとした事例
日時 1月23日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室
報告者 岡本 寛 氏(東北大学)
事件 判例タイムズ1306号101頁
最大判平成21年9月30日(平成20(行ツ)第209号)
公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は、平成19年7月29日施行の参議院議員通常選挙当時、憲法14条1項に違反していたものということはできないとされた事例
報告者 大竹 隆 氏(東北大学大学院)
事件 判例地方自治262号74頁
東京高判平成16年11月17日(平成16(行コ)第166号)
市から受託した福祉事業や介護保険事業などを行っているNPO法人(特定非営利活動法人)がこれらの事業に加えて行った高齢者への有償ボランティア事業について、法人税法に規定する収益事業に当たり、これにより生じた所得は法人税の課税対象となるとした税務署長の処分が適法であるとされた事例
日時 2月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科棟3階 大会議室
報告者 岡田 順太 氏
事件 刑集62巻3号250頁
最決平成20年3月27日(平成18(あ)第348号)
参議院議員が、本会議における代表質問においてある施策の実現のため有利な取り計らいを求める質問をされたい旨の請託を受け、さらに、他の参議院議員を含む国会議員に対し国会審議の場において同旨の質疑等を行うよう勧誘説得されたい旨の請託を受けて金員を受領したことが、その職務に関し賄賂を収受したものとされた事例
報告者 高橋 正人 氏
事件 判例集未登載
最一判平成21年12月17日(平成20(行ヒ)第386号)
政務調査費の使途を問題とする住民監査請求に係る監査に際し、監査委員が区議会における会派から任意に提出を受けた文書に記録された政務調査活動の目的、性格、内容等に係る情報が、品川区情報公開・個人情報保護条例(平成9年品川区条例第25号)8条6号ア所定の非公開情報に当たるとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 3月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科棟3階 大会議室
報告者 佐藤 寛稔 氏
事件 判例時報1986号91頁
大阪地判平成19年2月16日(平成17(ワ)2726)
大阪市政記者クラブに所属しないフリージャーナリストに対し大阪市議会の委員会の傍聴を不許可とした委員長の処分が憲法21条1項、14条1項等に違反しないとされた事例
報告者 太郎良 留美 氏
事件 判例集未登載
名古屋高判平成17年10月27日(平成16(行コ)48)
航空機リース事業を目的とする組合契約を締結し、同事業による所得を不動産所得として、その減価償却費等を必要経費に算入した上で所得税の確定申告を行った者らに対し、同契約は民法上の組合契約ではなく、実質的には利益配当契約であり、これによる所得は雑所得であるから損益通算は許されないとして税務署長がした更正処分等の取消請求が、認容された事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら原審はこちら )をクリックして頂ければ入手できるようになっております。