2014(平成26)年度の研究会の報告者・論題

日時 第1回(5月10日(土))
報告者: 森田 果氏(東北大学)
参考文献: 森田果「株主総会白書データから読み取れる株主総会の実像――2011〜2013年データによる分析――」旬刊商事法務掲載予定(添付PDFファイル)
報告者: 白井 正和 氏(東北大学)
論 題: 「ホリプロ株式取得価格決定申立事件の検討」
参考文献: 東京地決平成25年3月14日金判1429号48頁および東京高決平成25年10月8日金判1429号56頁とその評釈・解説類
日時 第2回(7月19日(土))
報告者: 得津 晶 氏(東北大学)
論 題: 「取締役の利益相反取引の範囲」
内 容: 取締役の利益相反取引について日本の会社法の条文の解釈論としての疑問点を論じる。
参考文献: なし
報告者: 関 俊彦 氏(東北大学名誉教授)
論 題: 「平成26年の会社法改正におけるキャッシュ・アウト」
内 容: 6月20日の参議院での可決によって平成26年の会社法改正が成立した。新法はキャッシュ・アウトに関して、特別支配株主の株式売渡請求の規定を新設し、かつ、全部取得条項付種類株式の規定を改正したが、このうちの、特別支配株主の株式売渡請求制度(会社法179条〜179条の10、および、846条の2〜846条の9)に関して、その内容、立法ないし解釈上の問題点について報告する。主な検討項目は順不同で以下の4点である。
(1)特別支配株主の株式売渡請求とインサイダー取引
(2)少数株主の権利を侵害する株式売渡請求
(3)株式売渡請求の撤回の自由と限度
(4)公開買付ないし株式譲渡制限との関係
参考文献: 商事法務2017号(法律案の概要と新旧対照条文の臨時増刊号)なお、該当条文のコピー(参考文献の29頁〜35頁、および、109頁〜110頁)は当日配布いたします。
日時 第3回(9月13日(土))
報告者: 牧 真理子 氏(大分大学)
論 題: 「ドイツにおける組織再編の決議無効確認の訴えと決議取消しの訴えの検討」
内 容: 日本において平成26年6月20日に改正会社法が成立し、組織再編行為等の差止請求規定が新設された。このことを契機として、ドイツ法上、組織再編行為の差止めに関係すると考えられる諸規定について観察し、議論状況の分析を試みる。
参考文献: なし
報告者: 吉原 和志 氏(東北大学)
論 題: 「会社従業員の過労死と取締役個人の責任」
参考文献: 京都地判平成22年5月25日判時2081号144頁(一審判決)、大阪高判平成23年5月25日労判1033号24頁(二審判決)とその評釈・解説類
日時 第4回(12月13日(土))
報告者: 深澤 泰弘氏(岩手大学)
論 題: 「東京地裁平成26年4月17日判決(資料版商事法務362号174頁、金判1444号44頁)の検討」
参考文献: (1)弥永真生「種類株主総会決議の取消し」ジュリスト1469号2頁(2014年)
(2)山田和彦「アムスク株主総会決議取消請求事件と実務への影響」商事法務2039号17頁(2014年)
報告者: コーエンズ 久美子氏(山形大学)
論 題: 「証券口座の担保化について」
内 容: 「社債、株式等の振替に関する法律」において振替証券に譲渡担保を設定する場合は、譲渡担保権設定者の口座から譲渡担保権者の口座に振り替える必要がある。これによると一般の譲渡担保のように、譲渡担保権設定者が担保目的物を利用・処分することができないが、そのような権利を設定者が有する担保取引が多くの場面で当事者のニーズに応えるのではないかと思われる。アメリカ統一商法典第8編やユニドロア条約の規定等を参照しながら検討したい。
参考文献: (1)日本銀行金融研究所「顧客保護の観点からの預かり資産を巡る法制度のあり方」(「金融取引における預かり資産を巡る法律問題研究会」報告書)59頁〜65頁(2013年)
(2)神作裕之「電子化された有価証券の担保化―「支配」による担保化」金融法務研究会『有価証券のペーパレス化等に伴う担保権などの金融取引に係る法的諸問題』(2013年)
日時 第5回(3月14日(土))
報告者: 品川 仁美氏(東北大学助教)
論 題: 「大阪地判平成25年12月26日判決(判時2220号109頁、金判1435号42頁)の検討」
参考文献: 1.松井秀樹「セイクレスト監査役責任追及事件判決の検討」金判1439号2頁(2014年)
2.高橋均「監査役の対会社責任と責任限定契約の適用」ジュリスト1469号104頁(2014年)
報告者: 清水 真希子氏(東北大学)
論 題: 「会社の事業継続計画(BCP)策定義務」
内 容: 東日本大震災発生後、企業の事業継続のありかたが注目された。わが国においては、引き続き、各種の大規模災害が予想されるところであり、会社法の観点から事業継続計画の策定義務の有無および内容について検討する。
参考文献: なし