後継者養成コース

 後継者養成コースは、将来法科大学院における法学教育に研究者教員又は実務家教員として携わる人材の養成を目的として、博士後期3年の課程に設置されています。本コースは、司法試験合格者を対象としています。

 後継者養成コースの入学試験では、「研究者型」と「実務家型」に分けて学生募集を行っています。いずれも司法試験(旧司法試験を含む。)合格者を対象としていますが、修士の学位又は専門職学位を有する場合は「研究者型」、司法修習を終えた(又は終える見込み)場合は「実務家型」に出願することができます。

 上述のように、出願にあたって法科大学院の修了(専門職学位)は必須ではありませんが、法科大学院修了者であれば、博士後期3年の課程を最短2年で修了することが可能です。

1)後継者養成コース(研究者型)

 「後継者養成コース(研究者型)」では、異なる法分野を専攻する複数の教員が指導を行う体制により、比較法研究が重視されてきた従来型の法学教員の養成課程とは異なる教育を行います。これにより、複数の法分野を横断する先端的法領域に関わる研究及び実務的観点を重視した実践的な研究を遂行する能力を養います。

 本コースの学生には、高度かつ先端的な法領域について、分野横断的な理論的観点と実務的観点の双方に目配りをした博士論文を執筆することが期待されます。

 東北大学法科大学院在学中に司法試験に合格し、その直後の4月に「後継者養成コース(研究者型)」に進学した者については、入学料282,000円(予定)の納付は不要です。

 2)後継者養成コース(実務家型)

 「後継者養成コース(実務家型)」では、弁護士教員の下、一定期間にわたり、実際の事件処理に携わりながら、実務家として求められる知識、技術及び姿勢について指導を受けることのできる授業科目を設け、比較法研究が重視されてきた従来型の法学教員の養成課程にはなかった新たなカリキュラムで教育を行います。

 本コースの学生には、日々の実践の中で抱いた問題関心を、指導教員による研究指導や、学外の実務家や研究者も参加する研究会を経て明確にしながら、実務家としての経験・視点を生かした博士論文を執筆することが期待されます。

後継者養成コースフェロー制度

 後継者養成コースでは、大学院生に対する研究教育支援として、フェロー制度を設けています。

 フェロー制度とは、研究大学院後継者養成コースの大学院生の中から、教員の研究教育補助、法科大学院における教育の支援、法科大学院生に対する助言を行う者をフェローとして採用し、一定の給与を支給するものです。フェローは、自らの研究大学院における研究活動と並行して、法科大学院における実務基礎教育に参画することなどを通じて、実務家教員から実務の基礎を学ぶことができます。このように、フェローは、研究と実務の能力を総合的に修得することを通じて、博士号の取得後、法科大学院の教員をはじめとする実務、研究、教育に幅広く活躍する人材となることが期待されています。

 フェローの採用は若干名です。

 フェローの選考は、研究大学院後継者養成コースの大学院生(入学予定者を含む。)の中から、高度先端的法分野に精通した研究者又は実務家になるための適性を基準として行います。なお、休学した者については、復学の時点で、フェローの選考を実施します。

 フェローの任期は1年とし、1回に限り任期の更新を行うことができます。フェローの給与は、任期1年目及び更新後においてフェローが研究等に要する経費やフェローとしての勤務実態その他の事情を勘案して半期ごとに定めます。

 参考として、2020年度以降の支給実績は以下のとおりです。任期1年目の給与:年額約120万円、更新後の給与:年額約50万円。

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