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研究大学院で学ぶ

 
 

研究大学院の概要

 研究大学院は,「前期2年の課程」(いわゆる修士課程)と「後期3年の課程」(いわゆる博士課程)とに分かれます。

 「前期2年の課程」では,法学・政治学の主要分野のほぼ総てを網羅する形で,多様な授業科目が開講されますが,いずれの科目も内容は極めて専門的であり,その授業形態も少人数の演習が中心です。学生は指導教員の指導のもと,自らの専攻分野と知的関心に則して,興味を持つ科目を複数履修し,そこで積み重ねた厳しい学問的トレーニングの成果を「修士論文」としてまとめます。

 さらに「後期3年の課程」では,学生はひき続き研鑽を重ね,より一層専門性の高い「博士論文」の完成に向けて邁進することが求められます。

 本研究科は,本研究科に対する多様なニーズに応えるため,研究大学院後期3年の課程に「後継者養成コース」,「国際共同博士課程コース」および「法政理論研究コース」の3コースを置いています。博士課程後期3年の課程の定員は,以上の3コース合わせて20名です。

(1)後継者養成コース

 本コースは,主として法科大学院修了者を対象とし,将来法科大学院における法学教育に研究者教員または実務家教員として携わる人材を養成することを目的とするものです。法科大学院における法学教育においては理論と実務の架橋が求められることから,本コースに入学した者には,原則として2年間,研究者教員および実務家教員双方の指導を受けながら,理論的に高い水準にあり,法実務に対しても重要な意義を持つ博士論文を執筆することが期待されます。

 本コースの入学者のうち優秀な者については,フェローとして採用し,東北大学法科大学院における教育支援や東北大学法律事務所における業務支援に従事することと引換えに一定の給与を支給します。

後継者養成コースの詳細はこちら

(2)国際共同修士・博士課程コース

 本コースは,法学・政治学分野において国際的に極めて高い評価を得ている海外の高等研究教育機関(海外連携機関)と本研究科が連携協定を締結して共同で修士・博士課程を運営するもので,国際的に活躍する研究者・高度専門職業人を養成することを目的とします。本研究科と海外連携機関の双方に1つの修士・博士論文(原則として英語)を提出し,両機関から修士・博士の学位を取得すること(ダブルディグリー)を目指すことになります。

 本コースの選抜を通じて本研究科に入学できるのは,海外連携機関の学生のみです。本研究科から海外連携機関に派遣されることを希望する学生は,まず,後継者養成コースまたは法政理論研究コースに入学することになります。なお,平成28(2016)年10月現在での海外連携機関は以下の通りです。

  • シェフィールド大学社会科学部東アジア研究科(イギリス)
  • ハイデルベルク大学哲学部(ドイツ)
  • リヨン高等師範学校(ENS-Lyon)(フランス)
  • リュミエール・リヨン第2大学(フランス)
  • 延世大学校大学院政治学科(韓国)
  • 国立台湾大学法律学院法律学系(台湾)
  • 清華大学研究生院政治学科(中国)
  • 清華大学法学院(中国)
  • 中国社会科学院政治学研究所(中国)
  • 中国社会科学院法学研究所(中国)

国際共同修士・博士課程コースの詳細はこちら

(3)法政理論研究コース

 本コースは,従来の研究大学院の伝統を最も直接的に受け継ぐものであり,法学及び政治学に関する高度な専門的知識を備え,卓越した思考力及び分析力に基づいて,多角的な視点から創造的かつ高度な教育研究を行うことのできる人材を養成することを目的とします。将来法科大学院における法学(実定法学を含む)教育に従事することを志す者であっても,外国語文献の読解能力や基礎法学的な素養の涵養に特に重点を置いた研究に従事することを希望する場合等,博士課程前期2年の課程(修士課程)を経た上で,本コースに入学するのが好ましいことがあります。法科大学院を経て後継者養成コースに入学することと,博士課程前期2年の課程を経て本コースに入学することのいずれが好ましいかはケースバイケースですから,法学の研究教育に従事することを志す者は,できるだけ早い段階で(可能であれば法学部在籍中に),将来指導を受けることを希望する教員に相談することが期待されます。

 

博士課程前期2年の課程

ディプロマ・ポリシー

 東北大学大学院法学研究科博士課程前期2年の課程法政理論研究専攻では、所定の期間在学し、
同課程の教育目標に沿って設定された授業科目を履修して修了要件単位以上を修得し、かつ、必要
な研究指導を受けたうえで、修士論文を提出してその審査及び最終試験に合格し、次に掲げる目標
を達成した学生に、修士(法学)の学位を授与する。なお、修士論文の審査及び最終試験は、「修士
論文及び博士論文の審査及び最終試験における評価項目」に明示された項目を総合的に評価して行
う。
① 広い視野と専門的知識に基づいて、法学・政治学の分野において独創的な研究を遂行する能力
又は高度に専門的な職業に従事できる能力を有している
② 社会的及び学問的ニーズを踏まえつつ、法学・政治学に関する諸課題を発見、探求し、高い倫
理と責任をもって、社会の発展に貢献することができる
③ 国際的視野とコミュニケーション能力を有し、それによって世界水準を目指す研究成果を発
信すること、又は高度に専門的な職業に活かすことができる

カリキュラム・ポリシー

 東北大学大学院法学研究科博士課程前期2年の課程法政理論研究専攻では、ディプロマ・ポリシ
ーで示した目標を学生が達成できるよう、以下の方針に基づき教育 課程を編成・実施する。
①不断に高度化し複雑化する現代社会で生じる法的・政治的問題を的確に認識・把握し、理論的
な考察を深めることができるよう、私法学、公法学、基礎法学、政治学の分野にわたって、多
様な専門科目及び学際的科目を提供し、広い視野と専攻分野に関する専門的知識の獲得を促進
する
②最先端の研究成果を学ぶ場とともに、各種研究会科目や論文指導科目等を通じて、研究遂行に
求められる高い倫理観を育む機会を提供する
③指導教員による論文指導科目を中心に、論文作成等に係る研究指導体制を整備し、研究遂行能
力の獲得及び研究成果の発信を促進する。
④授業科目の成績評価は、原則として、講義科目については筆記試験やレポート等を中心に評価
し、演習科目、研究会科目については、研究報告、質疑討論、レポート等に基づき評価を行い、
論文指導科目については、修士論文への取組の状況等を総合的に評価して行う。
⑤修士論文の評価は、論文主題の社会的・学問的価値、研究対象・研究方法の適切性、専攻分野
に関する専門的知見を踏まえた分析・検討、理論的思考力・表現力、学界または専門職におけ
る貢献度等を総合的に考慮して評価する(詳細は「修士論文及び博士論文の審査及び最終試験
における評価項目」参照)。

博士課程後期3年の課程

ディプロマ・ポリシー

 東北大学大学院法学研究科博士課程後期3年の課程法政理論研究専攻では、所定の期間在学し、
同課程の教育目標に沿って設定された授業科目を履修して修了要件単位以上を修得し、かつ、必要
な研究指導を受けたうえで、博士論文を提出してその審査及び最終試験に合格し、次に掲げる目標
を達成した学生に博士(法学)の学位を授与する。なお、博士論文の審査及び最終試験は、「修士論
文及び博士論文の審査及び最終試験における評価項目」に明示された項目を総合的に評価して行
う。
① 豊かな学識と高度の専門的知識・技能に基づいて、専攻分野において自立して独創的な研究を
遂行し指導できる能力、又は高度に専門的な職業に従事でき、その専攻する特定の領域におい
て卓越した能力を有している
② 社会的及び学問的ニーズを踏まえつつ、法学・政治学に関する諸課題を解決できる能力を有
5
し、独自の発想や高い倫理と責任をもって、社会及び学問の発展に貢献することができる
③ 高度な国際的視野とコミュニケーション能力を有し、世界水準の研究成果を発信し、それによ
って国内外における当該分野の研究を先導すること、又は高度に専門的な職域の発展に貢献す
ることができる

カリキュラム・ポリシー

 東北大学大学院法学研究科博士課程後期3年の課程法政理論研究専攻では、ディプロマ・ポリシ
ーで示した目標を学生が達成できるよう、以下の方針に基づき教育 課程を編成・実施する。
①不断に高度化し複雑化する現代社会で生じる法的・政治的問題を的確に認識・把握し、理論的
な考察を深めることができるよう、専攻分野に関する演習科目や上級エクスターンシップ科
目、各種研究会科目を提供し、豊かな学識と専攻分野に関する高度な専門的知識又は高度な応
用実務能力の獲得を促進する
②最先端の研究成果を学ぶ場とともに、各種研究会科目や博士論文指導科目等を通じて、研究遂
行に求められる高い倫理観を育む機会を提供する
③論文作成等に係る研究指導として、指導教員または副指導教員による「博士論文指導 A~D」
を提供し、独創的な研究遂行能力又は高度専門職業人としての卓越した能力の獲得と、研究成
果の発信を促進する。
④授業科目の成績評価は、博士論文指導 A~D については博士論文への取組の状況等を総合的に
評価し、その他の科目については、研究報告、質疑討論、レポート等に基づき、各科目の目的
及び到達目標等を考慮して評価する。
⑤博士論文の評価は、論文主題の社会的・学問的価値、研究対象・研究方法の適切性、専攻分野
に関する高度の専門的知見を踏まえた分析・検討、理論的思考力・表現力、学界または専門職
における貢献度、学術的・実践的意義等を総合的に考慮して評価する(詳細は,「修士論文及び
博士論文の審査及び最終試験における評価項目」参照)

研究大学院博士前期課程修了者の主な進路(2002年度以降)

公務員

外務省、総務省、文部科学省、厚生労働省、宮城県庁、神奈川県庁、岡山県庁、仙台市役所、横浜市役所、武蔵野市役所、仙台国税局、関東信越国税局、裁判所、外国の官公庁など

博士課程等への進学

東北大学大学院法学研究科・研究大学院博士課程後期3年の課程、東北大学法科大学院、他大学大学院(海外留学含む)

銀行・証券・保険

日本銀行、国際協力銀行、七十七銀行、損害保険ジャパンなど

その他

NEC、新日本製鉄、川崎重工、富士通、パナソニック、中部電力、ベネッセ、有斐閣、富士通総合研究所、イオンリテール、日立物流ソフトウェア、M&A研究所、三井物産株式会社、宮城県中学校教諭など

 

法学研究科法政理論研究専攻(研究大学院)における学位論文に係る評価基準

 東北大学大学院法学研究科博士課程前期2年の課程法政理論専攻及び後期3年の課程法政理論専攻に係るディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーを受け、修士論文及び博士論文(課程を修了せず論文提出によるものを含む。以下同じ。)に係る評価基準を、以下のように定める。

1.満たすべき水準

○修士論文

 ①広い視野と専門的知識に基づいて、法学・政治学の分野において独創的な研究を遂行する能力又は高度に専門的な職業に従事できる能力を有し、②社会的及び学問的ニーズを踏まえつつ、高い倫理と責任をもって、社会の発展に貢献することができ、かつ、③国際的視野とコミュニケーション能力を有し、それによって世界水準を目指す研究成果を発信すること、又は高度に専門的な職業に活かすことができることを証するに足るものであること。

○博士論文

 ①豊かな学識と高度の専門的知識・技能に基づいて、専攻分野において自立して独創的な研究を遂行し指導できる能力、又は高度に専門的な職業に従事でき、その専攻する特定の領域において卓越した能力を有し、②社会的及び学問的ニーズを踏まえつつ、独自の発想や高い倫理と責任をもって、社会及び学問の発展に貢献することができ、かつ、③高度な国際的視野とコミュニケーション能力を有し、世界水準の研究成果を発信し、それによって国内外における当該分野の研究を先導すること、又は高度に専門的な職域の発展に貢献することができることを証するに足るものであること。

2. 評価項目

○修士論文

 修士論文の審査及び最終試験においては、以下に掲げる項目を総合的に考慮して、評価を行うものとする。

  1. 論文の主題を究明することに社会的・学問的な必要が認められる。
  2. 研究対象である主題に即した研究方法が選択されている。
  3. 研究対象が、広い視野(歴史的・分野横断的・国際的な文脈)の下に捉えられている。
  4. 専攻分野に関して、独創的な研究を進めるために、又は、高度に専門的な職業に従事するために、必要とされる学識と専門的知識・技能を修得していることが示されている。
  5. 先行研究を踏まえた検討が行われており、関連する文献・史資料を的確に収集・処理・引証し、その出典を明確に示している。
  6. 要旨が明快で一貫しているとともに、適切な表現によって論述されている。
  7. 当該学界又は専門職における議論の深化・発展に貢献し得る、一定の学術的又は実践的意義を有している。

○博士論文

 博士論文の審査及び最終試験においては、以下に掲げる項目を総合的に考慮して、評価を行うものとする。

  1. 論文の主題を究明することに社会的・学問的な必要が認められる。
  2. 研究対象である主題に即した研究方法が選択されている。
  3. 研究対象が、広い視野(歴史的・分野横断的・国際的な文脈)の下に捉えられている。
  4. 豊かな学識と高度の専門的知識・技能を修得しており、それに基づいて、専攻分野において自立して独創的な研究を遂行し指導できる能力、又は高度に専門的な職業に従事でき、その専攻する特定の領域において卓越した能力を有していることが示されている。
  5. 先行研究を踏まえた検討が行われており、関連する文献・史資料を的確に収集・処理・引証し、その出典を明確に示している。
  6. 論旨が明快で一貫しているとともに、適切な表現によって論述されている。
  7. 既存の研究には見られない独創的な分析、解釈、提案等を行っており、当該学界又は専門職における議論の深化・発展に貢献し得る、先導的な学術的又は実践的意義を有している。

3.審査委員の体制

  1. 課程による学位論文の審査委員は2人以上とし、課程によらない学位申請の審査委員は3人とする。
  2. 審査委員は、法学研究科の専任の教員の中から選出する。
  3. 必要と認められるときは、前項の審査委員以外の者で本学の他研究科等、他大学の大学院又は研究所等の教員等を、審査委員に選出することができる。

4. 審査の方法

 学位論文を提出した者に対して、論文審査及び口頭による最終試験を行い、上記評価項目により総合的に評価する。

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