2003年10月10日
[2003年12月1日補正]

東北大学法科大学院に関する説明会(資料1)



「平成16年度(2004年度)東北大学法科大学院学生 募集要項(概要) 」を公開しました。[2003年11月28日]
「東北大学法科大学院予定教官紹介」を公開しました。 [2003年11月28日]


 司法制度改革の一環として全国各地で法科大学院の設置が検討されているが、 東北大学(大学院法学研究科)も、平成16年(2004年)4月に法科大学院を開設する予定で準備を進めている。

 以下では、現在検討中の構想の概要を説明することとする。なお、これらの内容は、今後の検討によってさらに変更・修正されることもありうるので、留意されたい。

1 教育の内容・方法

 法科大学院では、学部レベルで法学を学んだ者のほか、学部で法学以外の学問を学んだ者をも受け入れて、法曹を養成する。そこで、3年間の教育課程のうち、1年次は、法学を学んだことのない者を主たる対象として法学の基礎を徹底的に教え、2年次・3年次で、実務法曹として必要な能力を鍛えることになる。法科大学院入学までに法学部等で十分な法学の基礎を身につけている者については、1年次に課される科目の履修を免除してただちに2年次の課程からスタートすることを認める(つまり2年間での修了を認める)。

 開講科目としては、以下のようなものを予定している。

1年次科目(計30単位)
 法学の基礎を学ぶための科目群。具体的には、公法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の各科目。
2年次・3年次科目(計66単位。但し、1年間にとれる最大単位数は36単位。)
基幹科目(28単位・必修)
実務民事法、実務刑事法、実務公法
実務基礎科目(8単位必修、2単位選択必修)
法曹倫理(必修)、民事・行政裁判演習(必修)、刑事裁判演習(必修)、
民事要件事実基礎、刑事事実認定論、リーガル・リサーチ
リーガル・クリニック、ローヤリング、エクスターンシップ、模擬裁判な ど
基礎法・隣接科目(4単位選択必修)
日本法曹史演習、西洋法曹史、実務法理学、実務外国法I・II、法と経済学など
展開・先端科目(24単位以上選択必修)
現代家族法、現代契約法、現代不法行為法、消費者法、医事法、環境法、 証券取引法、金融法、経済法実務、経済法理論、民事執行・保全法、倒産法、 国際民事訴訟法、実務労働法、社会保障法、知的財産法I・II、国際知的財産法 、企業課税論、刑事実務演習I・II・III、少年法・刑事政策、 国際法発展、 国際法発展演習、国際人権・刑事法、トランスナショナル情報法、国際私法、 国際家族法、国際取引法、民法発展演習、企業法務演習、ジェンダーと法演習など

 授業の方法・形式は、各科目の特性に応じて多様でありうるが、多くの科目において、学生による十分な予習を前提としたうえで、教員と学生との対話(あるいは学生相互間の対話)を通じて、学生の知識・理解を深めるとともに、コミュニケーション能力の涵養を図ることが予定されている。

2 入学定員と入学者選抜

 入学定員は1学年100名の予定である。

 入学者選抜については、次のような方法を採る。

 3年間での修了を予定する者(以下「法学未修者」という)と、2年間での修了を予定する者(以下「法学既修者」という)の人数枠をあらかじめ固定的に定めずに、100名の入学を認める。

 入学志願者は、入学申請にあたって、2年間での修了を希望するか否かを示す ものとする。100名の入学許可者のうち2年間での修了を希望した者について は、法学の修得状況に鑑みて2年間での修了が可能であると判断された場合に法 学既修者としての入学を認め、そうでない場合には法学未修者としての入学を認 める。

 入学者選抜にあたっては、以下の資料を総合的に考慮する。

志願者全員について
㈰全国規模で実施される法科大学院入学適性試験の成績
今年度は、「大学入試センター」及び「日弁連法務研究財団」が、それぞれ法科 大学院入学適性試験を行う予定である(大学入試センターの適性試験は平成 15年8月31日(日)・11月9日(日)、日弁連法務研究財団の適性試験は平成15年8月3日(日)に、それぞれ全国規模で実施される)。

東北大学法科大学院を受験するためには、このうち、大学入試センターの実施す る適性試験は、必ず受験しておかなければならない。また、日弁連法務研究財団 の実施する適性試験を受験するか否かは、志願者の任意であるが、日弁連法 務研究財団の適性試験を受験して好成績をおさめた者については、その成績も評 価の対象とする。

㈪大学における成績の証明書
㈫志願理由書
㈬小論文試験(思考力、表現力等を問うもの)

志願者のうち、2年間での修了を希望する者については、上記のもののほか
㈭法科大学院法学既修者試験(憲法/民法/刑法/民事訴訟法/刑事訴 訟法の5科目)
「法科大学院法学既修者試験」は、日弁連法務研究財団・商事法務研究会主 催/法学検定試験委員会による短答式試験であり、今年度は、平成15年11月16 日(日)に全国規模で行われる予定である。
㈮法学(基本的な科目)に関する筆記試験
公法(憲法・行政法)/民法/刑法/商法/民事訴訟法/刑事訴訟法の6科目
[参考]2年間での修了を希望する者(法学既修者)に対する法学筆記試験(法律科 目試験)について


※ なお、入学志願者の数が募集人員を大幅に上回り、上記㈬㈮の筆記試験を適 切に実施できない場合には,志願者から約250〜300名を 書類選考による第1段階選抜で選抜し,その合格者に対して第2次試 験を行う。第1段階選抜は、法学未修者に対しては、上記㈰㈪㈫の成績を総合評価し、 法学既修者に対しては、上記㈰㈪㈫及び㈭の成績を総合評価することにより行う。



3 試験日程

平成16年度(2004年度)東北大学法科大学院入学試験は、次の日程で行う予定で ある。
  • 平成15年(2003年) 8月3日(日) 法科大学院統一適性試験(日弁連法務 研究財団)
  • 同 8月31日(日) 法科大学院適性試験(大学入試セン ター)
  • 同 11月9日(日) 法科大学院適性試験<特別措置>(大学入試センター)
  • 同 11月16日(日) 法科大学院法学既修者試験(日弁 連法務研究財団)(法学既修者のみ)
  • 同 12月1日(月) 募集要項発表、配布開始(法学研究 科教務掛窓口)
  • 12月12日(金)〜19日(金) 願書受付期間 (なお,郵送の 場合,12月20日(土)以後に到着した出願書類は,12月17日(水) まで の発信局消印のある場合に限り,受け付ける。)
  • 平成16年(2004年) 1月13日 第1段階選抜結果発表
  • 同 1月24日(土) 法学(基本的な科目)に関する筆記試験(法学既修者のみ)
  • 同 1月25日(日) 小論文試験 (法学未修者・法学既修者)
  • 同 2月20日(金) 最終合格者発表




4 提出書類等

[1] 入学願書及び履歴書  本研究科所定用紙
[2] 「大学入試センター」法科大学院適性試験成績カード
  (なお,希望者は,「日弁連法務研究財団」の法科大学院統一適性 試験成績書を添付することができる。)
[3] 日弁連法務研究財団・商事法務研究会主催/法学検定試験委員会が 実施した法科大学院既修者試験(憲法/民法/刑法/民事訴訟法/刑事 訴訟法の5科目)の成績証明書(2年間での修了を希望する者のみ)
[4] 受験票及び写真票  本研究科所定用紙
[5] 大学(学部)の成績証明書  注1を参照のこと。
[6] 健康診断書  本研究科所定用紙
なお,東北大学在学中の学生は,東北大学保健管理センターから発行される通常 の健康診断書を提出してもよい。また,本学在学中で定期健康診断を受 けている学生については,本研究科において一括して健康診断の審査を 行うので,診断書は不要。
[7] 志願理由書  本研究科所定用紙
[8] 卒業(見込)証明書又は学位授与(申請)証明書
 出身大学(学部)長の発行する卒業(見込)証明書又は大学評価・学位授与機 構が発行する学士の学位授与証明書若しくは短期大学長又は高等専門学 校長の発行する学位授与申請(予定)証明書。
 なお,修士又は博士の学位を有するか,その見込みの者は,当該学位授与(見 込)証明書も提出すること。 注1を参照のこと。
[9] 検定料30,000円
郵便普通為替証書とし,指定受取人欄には記入しないこと。
また,外国からの場合は,国際郵便為替として送付すること。
[10] 外国人登録原票記載事項証明書
本邦に在留している外国人で入学を志望する者(在留期間が90日を超えない者を 除く。)は,市区町村長が発行したものを提出すること。
[11] 受験票送付用封筒(長3)
  出願者の住所,氏名及び郵便番号を記入し,350円切手を貼ったもの。
[12] あて名シール
  出願者の住所,氏名及び郵便番号を記入したもの。


注1:本学法学部を卒業した者及び平成16年3月卒業見込みの者は,[5] 及び[8]の書類は不要




5 修了と修了後の進路等

 法学未修者は3年間以上、法学既修者は2年間以上在学して、所定の単位 (法学未修者は96単位、法学既修者は66単位) を修 得することによって、法科大学院を修了し、法務博士(専門職)の学位を取得する。

 司法制度改革の今後の動向にもよるが、法科大学院修了者の多くは、新司法試験(ただし、法科大学院修了者以外の者も予備試験に合格することによって新司法試験の受験資格を得るルートが設けられる予定である)を受験してそれに合格し、司法修習を経て、法曹資格を得ることが予定されている。

以上





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東北大学大学院法学研究科ネットワーク運用委員会 <webmaster @ law.tohoku.ac.jp>

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