2004年度の記録 >> 韓国視察調査 >> [コラム] 韓国訪問の印象記
COEプログラム『韓国視察調査出張記』(2004.6.17〜20)
韓国訪問の印象記
齊藤 豊治
韓国は民選による大統領の選出以降、民主化が進展し、わが国の戦後民主化を彷彿とさせるような状況が見られる。大統領によるイニシアティブが各方面で発揮され、思い切った施策が各方面で立案、実施されつつある。ジェンダーの取り組みでも、日本に先行している領域も増えている。今回訪問した「女性部」は、日本に置き換えると「女性省」ということになる。儒教の影響で男尊女卑の観念が強いという韓国のイメージは、大きく変わりつつあるといえよう。
梨花女子大学では、COEプログラムとの交流につき積極的な反応が得られ、今後どのように発展させるか、具体的検討が必要となろう。私には特別に「男性なのに、なぜこのプログラムで活動するのか」という質問があり、これまでの経緯や、子どもの権利についての自分の研究が女性の権利の研究にも生かせることなどを説明した。
19日(土)には、ソウル大学法学部の冑國(Cho)助教授および刑事政策研究院の都重珍(Toh)教授と面談し、それぞれ韓国の刑事司法におけるジェンダーの問題に関してヒアリングと討論を行った。韓国での研究の状況、姦通罪をめぐる立法問題、性暴力犯罪特別法が1997年に成立したこと、強姦罪の成立の要件などが、テーマとなった。