卒業生からのメッセージ

私の大学生活の中心は無料法律相談所の活動でした。

大島 麻衣さん 顔写真  私は現在、三菱東京UFJ銀行に勤務しています。自由が丘、田園調布を中心とする日本屈指の富裕層マーケットで、プロのプライベートバンカーになるべく、日々奔走しています。時間に追われ、人ごみをかきわけて歩く東京での新しい生活に少しずつ慣れてはきたものの、自由でのびのびとした仙台での生活がとても懐かしく感じられます。
 私の大学生活の中心は無料法律相談所の活動でした。弁護士でなければ携われない活動に、学生時代に携わることは、日々机上で学んでいる法が社会の中でどう生きているかを体感できる貴重な場であったと考えています。また、相談者の方の様々な言葉の中から相手が本当に何を考え求めているのかを理解し、対応させていただくということを通して、コミュニケーションの難しさとおもしろさを学ぶことができました。代表を務めさせていただいたことも含め、最後までやり遂げた自信が大きな成長につながったと思います。結果として、私が本気で悩みながらも就職という進路を自信をもって選択できたのも、この経験があって、自分のやりたいことと本気で向き合うことができたからこそだと実感しています。そして、この活動を通して得られた、先輩・後輩・かけがえのない10名の仲間との出逢いと絆が私にとって人生で一番の宝物です。
 緑多い法学部キャンパス、仙台の街は学生にとって大変住みやすく、納得するまで仲間と語り合い自分探しをするのに最適な環境にあると思います。人生で一番貴重な大学時代、東北大学を選んでよかった、そう思える充実した日々を送られることを心より願っています。

講義・ゼミやサークルなど、可能性を広げてくれるものがそろっています。

新村 晃一さん 顔写真  私は2005年に法学部を卒業し、2007年に東北大学法科大学院を修了しました。そして、2008年に司法修習を終え、現在は裁判官(判事補)として働き、主に民事事件を担当して
います。
 このような私ですが、もともとは法律家を目指していたわけではありません。私が法律家を目指したきっかけは、大学3年生のときに所属していた民法ゼミと民事訴訟法ゼミです。
私は、このゼミで、先生や他の学生と裁判例を素材に議論を繰り返していくうちに、法律が社会の出来事に深く関わっているものだということを実感しました。そして、将来は法律を専門的に扱う仕事をしたいと思い、法律家を目指しました。
 また、法学部内のサークル活動では、一生付き合える友人たちに出会い、たくさんの楽しい思い出を作ることができました。これも、大学時代の大切な経験です。
 最後になりますが、法学部には、いろいろな講義、ゼミ、サークルなど、入学した皆さんの可能性を広げてくれるものがたくさんあります。皆さんには、これらを十分活かして充実した学生生活を送って欲しいと思います。

アットホームな環境で、勉強やアルバイト、遊びに自由に楽しく打ち込めます。

荒木 昭子さん 顔写真  大学、法科大学院と、約6 年間の学生生活を仙台で過ごした後、2011年1月からは、はじめて住む東京で、弁護士として働いています。主に企業のお客様とご一緒に、個々のケースの最善の解決は何か、頭を悩ませつつ、充実した毎日を送っています。
 東北大学法学部の一番の特徴は「アットホーム」という点だと思っています。学生の人数が少ないため、ほとんどみんなが顔見知りの関係ですし、授業も比較的小人数で、教授との距離感も近いです。また、キャンパスのある仙台の街は、都会で洗練されているのに小ぢんまりとしていて、そういったところもアットホームな雰囲気をつくりだしている要因のひとつなのかな、と思います。そんな居心地のよい環境で、お勉強やアルバイト、遊びに自由に楽しく打ち込めた4年間は、とても密度の濃い時間でした。
 そのような濃い4年間の中でも、私が一番打ち込んだのは、ゼミでの活動です。私は、
憲法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、日本政治外交史など多くのゼミに所属しました。学生同士の距離、学生と教授との間の距離が近いので、分からないことがあれば、ゼミの時間はもちろん、時間外であっても、気軽に議論できます。ゼミの後には、頻繁に飲み会も開催され、時には教授も含めて朝まで飲み明かすということもありました。
 大学生活ほど自分のやりたいことを自由に実現できる時間は、そう多くはないと思います。みなさんにも、そんな自由な4年間を、東北大学法学部という素敵な環境で存分に謳歌してほしいな、と思います。

進路のきっかけを与えてくれた場所

細貝 拓也さん 顔写真  環境省に入省して、早5年が経ちました。今年の3月まで、北海道にある地方支分部局で、
約1年半の現場経験を積み、現在は、霞が関に戻って環境金融の担当をしています。目下、地域での低炭素化プロジェクトを促進するため、民間投資の呼び水となるファンドの構築に向けて準備を進めているところです。
 さて、学部時代を振り返ってみると、学友会に所属し、高校生だったときよりも部活漬けの毎日を送っていた思い出があります。一方、日々の講義やゼミでは、学問としては全く未知の法律という分野に触れ、知的好奇心を刺激されるばかりでした。ただ、法律を学ぶ中で、目の前の利害対立を今ある法律を駆使して如何に解決を図っていくか、というアプローチよりも、現実社会を良くするためにどんな法律が必要か、既存の法律をどう変えればよいか、ということに関心が移って行きました。その中で出会ったのが、環境法の講義です。社会問題化したアスベスト問題にわずか数カ月という前例にないスピードで新法制定にまで漕ぎつけた事例
など、今までの行政や法律のイメージを覆すのに十分なインパクトを持っていました。その
先生が、実は環境省から出向されてきた方で、今となれば、不思議な縁を感じているところです。
 大学という場所は、様々な分野の知識、バックグラウンドを持った方々と知り合える貴重な場所だと思います。アンテナを高く張り、皆さんの人生にとって大切な出会いを東北大で見つけていただければと思います。

法学部での経験や出会いから,国際的な舞台へ

井上 浩子さん 顔写真  私は現在、日本学術振興会特別研究員として国際関係論の研究・教育に携わる仕事をしています。私がこうした道を選ぶことになったのは、東北大学法学部・法学研究科での経験や様々な出会いによるものでした。
 私にとって東北大学法学部・法学研究科はとても刺激的な学びの場でした。私は特に演習と呼ばれる輪読と討論を主とする授業が好きで、政治学や国際関係論に関わる演習には多数参加しました。東北大学の素晴らしいところは、学生の疑問や議論に先生方がとことん付き合って下さるところです。古典と四つに組んでああでもないこうでもないと重ねる議論は限りなく楽しく、そこで得た知識や学問の方法は今でも私の大切な財産になっています。
井上 浩子さん 顔写真  東北大学は海外の大学との交流も盛んで学生生活は世界に開かれています。大学には各国からの留学生が在籍していますし、私自身も修士在学中に交換留学生としてオーストラリア国立大学に留学しました。また学部在籍中に国際関係担当の先生ご紹介で東ティモールという東南アジアの小さな国を訪れたことは、私にとって大きな転機になりました。自分とは全く異なる環境に生きる人々との出会いは大きな衝撃で、国際関係学をさら深くに勉強するために修士課程に進学することを決めました。修士修了後には、国連ミッションの一員として東ティモールで働いたり、オーストラリア国立大学の博士課程に進学したりする機会を得ましたが、これらはいずれも東北大学在学中の出会いや経験がもとになっています。
 大学・大学院で過ごす期間は自分の世界を広げ、将来の自分を形作るとても大切な時間です。各領域の最先端の知が集う東北大学法学部・法学研究科は、そのための素晴らしい場所をみなさんに提供してくれることと思います。また緑豊かな仙台は、友人を作り、学生にしかできない経験をするために二つとない素晴らしい環境です。みなさんが東北大学法学部・法学研究科で充実した学生生活を送られることを心から願っています。

卒業祝賀会

卒業祝賀会 写真  卒業が認められると,学士(法学)が授与されます。法学部では,
毎年3月,学位記授与式ののち,卒業祝賀会を開催しています。