
ごあいさつ
東北大学法科大学院で「優れた法曹」を目指そう

佐々木 弘通
東北大学法科大学院は、設立当初から「優れた法曹」の育成を目的としています(東北法科大学院規程第1条の2)。その「優れた法曹」が備えるべき6つの資質と能力に、「冷静な頭脳」だけでなくて事案の当事者に寄り添う「温かい心」を持つこと、何より知的エリートとしての「誇りを持ち」それに伴う「責務を自覚」すること、も含まれている点に注意を向けてください。法曹(裁判官・検察官・弁護士)になるには司法試験に合格しなければなりませんが、その司法試験合格は、それ自体が目的なのではありません。その関門を通った先で、着実に「優れた法曹」として社会において活躍できることこそが、法曹志望の皆さんにとっての本来の目的であるはずです。本法科大学院の研究者教員と実務家教員は、その本来の目的を常に念頭におきながら、司法試験合格に向けた勉強を皆さんが主体的に進めていくサポートを、全力で行います。
本法科大学院では、1学年50人を定員とする少人数教育を行っており、24時間開放の固定席付自習室などの良好な学習環境を提供しています。新型コロナウイルス・パンデミックに襲われた2020年度も、感染防止対策を徹底しながら、5月中には自習室などの施設利用を漸進的に再開し、後期には原則として対面式で授業を行いました。今(2021)年度も最大限、教員と学生、学生同士、また学生と修了生弁護士が対面で問答・対話を行える機会を確保していく所存です。
今年の夏から全国的に、法学部入学から最短5年間で法科大学院を修了できるための新たな入試制度――法学部の法曹コース修了見込者を対象とする法曹基礎課程特別選抜――が開始します。このように、法曹資格を得るまでの期間を短縮するルートを開く一方で、本法科大学院では、未修者が時間をかけて法学部卒業程度の基礎を固めるための長期履修制度を設けています。また、本法科大学院では、学生の経済的負担を和らげるための制度をいくつか用意しています。まず、入学試験の上位合格者には、入学料と初年度授業料に相当する額を給付します。また、同一年度の入学試験の2回目以降の受験について、検定料を免除します。さらに、毎年度の第1年次・第2年次の成績優秀者には、奨学金を給付します。
このページをご覧になっている法曹志望のあなたが、本法科大学院に進学して「優れた法曹」への道を歩まれることを、心から期待しています。