ごあいさつ >> COE平成18年度研究プログラムのスタートにあたって

COE平成18年度研究プログラムのスタートにあたって

拠点リーダー 辻村みよ子

 COEの研究教育活動も4年目に入り、中間評価や外部評価結果を踏まえていっそう成果の蓄積を図ると同時に、最終的な仕上げにむけて準備を進める段階になりました。
 2005年9月にパリ拠点で「両性平等と積極的差別是正措置」をめぐるシンポジウムを主催した成果が、このほど340頁余の単行本としてフランスで出版され、外国でも我々の活動が知られるようになってきました。2006年3月にミラノ大学法学部でジェンダー法学の講義をした際にも、聴講していた大学院生からさっそく短期留学の申し込みがあり、どこでもこの問題への関心が高いことを知りました。
 2006年2月10日に日経ホールで開催した東北大学100周年記念セミナーでは、上野千鶴子東京大学教授と八代尚宏国際基督教大学教授に第2部で講演していただき、その内容を研究年報第3号に掲載しています。全部で12巻を刊行する予定の「ジェンダー法・政策研究叢書」のほうも、現在第6巻から第9巻の刊行作業が進められています。2007年7月29−31日に仙台国際センターで開催予定の国際シンポジウムの準備も進めており、これらの成果を含めて諸外国と日本の男女共同参画政策と基礎理論に関する調査・研究の結果を第10-12巻にまとめたいと考えています。
 今年は、日本学術会議でも、「学術とジェンダー」委員会と科学者委員会男女共同参画分科会の共催で2006年7月8日に「身体・性差・ジェンダー一生物学とジェンダー学の対話」と題する公開講演会が開かれ、本COE拠点が後援する予定です。このほか、本拠点でも7月から10月にかけて、理系分野の男女共同参画やジェンダーの基本問題に関連するシンポジウムや国際セミナーを開いて検討を深めてゆきます。基礎理論と政策との架橋をめざして、研究活動のウイングを拡大しつつ、同時に成果の集積をはかるよう、着実に歩を進めて参ります。今後ともどうぞよろしく御願いいたします。