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研究年報第4号 (平成18(2006)年度)

はじめに
──21世紀COEプログラム「研究年報」第4号の刊行にあたって──

東北大学21世紀COEプログラム
「男女共同参画社会の法と政策」拠点リーダー
東北大学大学院法学研究科教授 辻村みよ子

 21世紀COEプログラム「男女共同参画社会の法と政策」研究年報第4号(平成18年度)をお届けいたします。
 平成18年度には,6つの研究クラスター(政治参画,雇用と社会保障,家族,身体,人間の安全保障,ジェンダー教育に関する研究クラスター)および3つの研究部門主催の研究会や国際セミナーを2006年4月から2007年3月末までに12回開催しました。とくに理系分野専攻の事業推進者・研究協力者を中心とする理系分野のジェンダー問題を検討するためのシンポジウムを開催して研究基盤を拡大することに努めました。このほか,学外でも,拠点リーダーのミラノ大学・オタワ大学での講演や研究員たちの種々の国際シンポジウム報告など,多様な活動を展開いたしました。
 この「研究年報」第4号では,国際セミナー「市民参加,多様性とジェンダー─日本・カナダ・フランスの比較研究」,東北大学「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」女性研究者フォーラムと共催の「理系分野の男女共同参画」,日仏女性研究学会と共催のシンポジウム「オランプ・ド・グージュ研究の新地平」の成果のほか,COE各クラスター・部門主催の研究会報告等を収録しています(日本語以外の報告および上記ミラノ大学等での講演の原文は,「欧文年報 Gender Law and PolicyAnnual Review」vol.4をご覧ください)。
 また,平成18年度の活動の成果として,「ジェンダー法・政策研究叢書」第6巻『家族─ジェンダーと自由と法』,第7巻『国際法・国際関係とジェンダー』,第8巻『政治参画とジェンダー』(東北大学出版会),ニューズレターNo.11-14号を刊行し,webサイト(5ヶ国語)でも公表しました。
 さらに,法科大学院・公共政策大学院で「ジェンダーと法」演習を開講するとともに,全学教育課程で「ジェンダーと人間社会」の講座を担当し,当初の目的を達成することができました。
 なお,平成19年度には,「ジェンダー平等と社会的多様性をめぐる国際的展望」をテーマとして,キャサリン・マッキノン教授らを多数招いた国際シンポジウムを開催し,「ジェンダー法・政策研究叢書」全12巻を完結させる予定であり,5年間のCOEの成果の総まとめのために,関係者一同,全力を尽くしてまいります。今後とも変わらぬお力添えをお願いいたします。