2004年度の記録 >> 研究会報告
Dクラスター(身体・セクシュアリティー)主催 研究会
◇公開研究会 (担当:齊藤豊治教授)
2004年4月28日(木) 15:00〜17:00 アエルビル28階「エル・ソーラ仙台」大研修室
「女性の身体と自己決定権 ─自己決定という問いを考える」
広島女子大学生活科学部 若尾典子教授

若尾報告は、女性の身体と自己決定権について、戦後からの日本の女性の動向を年代別にみながら、最新の話題まで含め、幅広く検討するものであった。「自己決定権」と「自己責任」の関係については、女性が自己決定権を主張しようとすると、ことに性に関する問題では、本来負う必要のない自己責任までをも負わされることになると指摘された。また、近年の医学の発達によって、妊娠・出産に関して、以前では問われることのなかった高度に専門的な事柄についても自己決定を女性が迫られる現状を報告された。
質問は売買春と女性の自己決定権に集中し、売買春の場であっても、夫婦間であっても、女性の性的自己決定権は女性本人のみがもつもので、いやだと思うことには常にノーと言えるような状態にならなくてはならないと述べられた。女性の性的自己決定権は女性本人のみがもつものであるから、それを侵害する仲介人は、その存在自体が許されないということも指摘された。