2003年度の記録 >> 研究会報告

Cクラスター(家族)主催 研究会

◇学内研究会 (民法研究会共催、担当:水野紀子教授)

2003年12月11日(木) 15:00〜17:30 法学研究科2階大会議室

「家族の契約化」
オーヴェルニュ(クレルモンフェラン第一)大学 ニコラ・マティ教授

*マティ報告は、フランスの家族法について、家族の契約化という観点から、これまでの歴史を概観するものであった。家族の堅固な制度であったフランス家族法が、離婚の自由化に始まり、事実婚の一般化、パクスの創設、人工生殖の承認にいたる展開の中で、当事者の自由にゆだねられる領域が増えてきたことが指摘された。しかし契約化の極として位置づけられる、裁判所の関与しない協議離婚は、弱者を守ることができないために、そこまでは契約化は及ばないという評価であった。報告後の質疑では、協議離婚が原則である日本法との比較、事実婚の効果、親権行使への裁判所の介入などについて、議論が行われた。