2003年度の記録 >> 研究会報告
Bクラスター(雇用と社会保障)主催 研究会
◇学内研究会 (担当:嵩さやか助教授)
2003年11月18日(火) 17:00〜19:00 法学研究科2階大会議室
「性別格差と平等政策 ─階層論の枠組による性別格差と平等政策の研究」
東北大学文学研究科 田中重人講師
田中報告は、性別による所得の配分格差とその解消を目指す平等政策を取り上げ、社会学の階層論の枠組から分析を行った。同報告は「性別→世帯内の地位→仕事への参加度→所得」という性別階層モデルを提示し、平等政策を各要素間の流れに沿って3類型に分類する。その上で同報告は、段階2(世帯内の地位→仕事への参加度)と段階3(仕事への参加度→所得)に働きかける従来の日本の平等政策が不十分であったと分析し、段階1(性別→世帯内の地位)に関する政策の必要性を主張した。参加者からは同報告に対し、「平等」の意味に関する質問や、多様化する世帯構造に当該モデルが適応できるのかといった質問が出され、活発な議論がなされた。