このファイルの最終更新時刻: Monday, 30-Oct-2006 17:19:35 JST

ACLU v. Reno IIに関するリンク集


ACLU v. Reno II

1998.10.21 The Child Online Protection Act (H.R. 3783) 法案(COPA) が、Omnibus Appropriations Actの一部として法律として成立し、大統領によっ て署名された。
未成年者に対する有害な(harmful to minors)商事目的のWWWによる故意的通信を刑事 罰(5万ドルの罰金、6ヵ月の拘禁)及び民事罰(civil penalty)をもって禁止している。 (47U.S.C.§231)
一方、クレジットカードやアダルトアクセスコードの利用を要求すること、 デジタル的な年齢認証手段を設けること、 その他利用可能な技術による合理的な手段を使うことにより、 誠実に未成年者に対するアクセスを制限することが免責事由としてあげられている。

1998.10.22 この法律の違憲宣言及び執行差止を求めるACLU v. RenoII訴訟開始。
原告は、この法律が、 (1)憲法第一修正で保障されている成人の言論の自由権を侵害しており文面上違 憲である、
(2)憲法第一修正上の未成年者の言論の自由権を侵害しており文面上違憲である、
(3)漠然不明確ゆえ第一修正、第5修正上違憲である、などと主張していた。

その訴状[www.epic.org]

1998.11.19 連邦地裁:この法律の執行停止を命じるTRO(Temporary Restraining Order)を出した。

1999.2.1 連邦地裁:原告勝訴のpreliminary injunction(暫定的差止命令)を出し、法律の執行を差し止めた。
American Civil Liberties Union v. Reno, 31 F. Supp. 2d 473(ED Pa. 1999)
[連邦地裁判決文: preliminary injunction 1999.2.1][www.epic.org]

[判旨の理由づけ]
本件が言論の内容を規制する立法であることに鑑み、 違憲立法審査基準は、厳格審査を採用し、商事的言論や一部放送メディア規制 でとられてきた中間的審査基準をとらない。 したがって、政府の規制目的はやむにやまれぬものであり、かつ規制手段は目 的達成に必須のものに狭く限定されていなければいけない。
規制が言論に加える負担には経済的なものも含まれる。規制対象が営利目 的のプロバイダであるからといって規制のコストを負担 できるかどうかが問題なのではなく、内容規 制により、言論の自由市場からその内容の言論が排除される危険性が問題なので ある。年齢チェックの強制により、アクセスが制限され、その結果表現者の 経済的な通信提供能力が阻害されることが事実審理において立証される可能性 は高い。
一方、政府のやむにやまれぬ規制目的が未成年者保護にあることは肯定される。 問題は、規制手段が目的に対して厳格に制限されているかどうかである。 未成年者は、非商業的なサイトや外国のサイトに対し、 またhttp以外のプロトコルを利用 したアクセス手段によれば国内の商業サイトに対しても、 有害な情報にアクセスできる。また、未成年者がク レジットカード等を正当に入手しうる可能性があることも指摘されている。 規制が言論に対し最も非制限的な手段といえるかどうかに関しては、 究極的には、被告が、事実審理にお いて立証責任を負うとはいえ、現在の仮処分段階で本 法がこの要件を満たしていないと判断するのに十分な理由がある。



2000.6.22 連邦控訴裁判所(第3巡回区) 上訴棄却判決 (原告勝訴)
American Civil Liberties Union v.Reno, 217 F. 3d 162 (3rd Cir. 2000)
[連邦控訴裁判決文: 2000.6.22][www.epic.org]
地裁の判決理由とは全く異なり、 「同時代のコミュニティの基準」によって、素材が未成年者に有害かどうかを判 断するという条文が実質的に過度広範であるという理由だけで違憲とされた。 WWWの表現者は、インターネットユーザの地理的位置によってアクセスを制限す ることができないのだから、 結局、コミュニティの基準とは、もっとも厳格なピューリタンのコミュニティに よって有害であるとみなされるかもしれない素材も、クレディットカードその他 の年齢認証しなければ禁止されることになってしまう。 このことだけでも過度広範として違憲とされるという。

2002. 最高裁判所 破棄差戻判決 Ashcroft v. ACLU, 535U.S.202---(2002)

未成年者に有害であるこかどうかを、コミュニティの基準によって判断するとし た、この法律の条文は過度広範性によって違憲とされるわけではない。 他の論点について判断させるために破棄差戻し。

「同時代のコミュニティの基準」とは、特定の地理的な領域にあるコミュニティ によって定義されるものではない。 他のメディアにおいて猥褻表現を禁止する連邦刑事法がコミュニティの基準を含 んでおり、それらが合憲とされてきたのであるから、 未成年者保護のために インターネット上のWWWによる表現を規制する連邦刑事法についても、コミュニ ティの基準を使うことは違憲とはいえないはずである。 そう考えないと、これらの連邦刑事法は、WWWの猥褻表現に適用される限りにお いて違憲とされてしまうことになるだろう。






ACLU v. Reno I

1996.2.8 アメリカの新通信法(Telecommunications Act of 1996)成立
1996.6.11 連邦地裁が、 インターネット上の「品位のない(indecent)」表現を規制する部分 (通信品位法 Communications Decency Act of 1996)を 憲法第一修正の言論の自由に反するゆえに違憲無効 であるという判断を下した。
ACLU v. Reno, 929F. Supp. 824 (ED Pa. 1996) [地裁:判決文][www2.epic.org]

1997.6.26 合衆国最高裁は、この違憲無効判断を支持した。 (わいせつ表現の禁止部分は一部合憲にしている。)
Reno v. ACLU, 117S.Ct.2329(1997)[www.law. cornell]
[最高裁:判決文][www2.epic.org]


[参考文献]




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