平成13年度(2001年度)前期科目筆記試験問題
科目名 :  英 米 法 I

問題
次の2つの文章から1つを選択し、講義でとりあげた判例を使って、私たちにとって 「日米法文化摩擦」論についてどのようなアプローチをとるのが適切かということについて論じなさい。


(1)「カリフォルニア州民法典の定める懲罰的損害賠償(以下、単に「懲罰的 損害賠償」という。)の制度は、悪性の強い行為をした加害者に対し、実際に生 じた損害の賠償に加えて、さらに賠償金の支払を命ずることにより、加害者に制 裁を加え、かつ、将来における同様の行為を抑止しようとするものであることが 明らかであって、その目的からすると、むしろ我が国における罰金等の刑罰とほ ぼ同様の意義を有するものということができる。---(中略)--- 我が国においては、加害者に対して制裁を科し、将来 の同様の行為を抑止することは、刑事上又は行政上の制裁にゆだねられているの である。そうしてみると、不法行為の当事者間において、被害者が加害者から、 実際に生じた損害の賠償に加えて、制裁及び一般予防を目的とする賠償金の支払 を受け得るとすることは、右に見た我が国における不法行為に基づく損害賠償制 度の基本原則ないし基本理念と相いれないものであると認められる。」 (最高裁判所平成九年七月一一日第二小法廷判決 [「萬世工業」事件最高裁判決]より)


(2)「連邦裁判所は州法が適用される事件についても、州籍相違(diversity of citizenship)を根拠に管轄権を行使できる場合があり、異なる州の当事者間の訴訟について公平な法廷を提供する任務を歴史的には果たしてきたし、また現在でも、州籍相違管轄を廃止しないことで連邦裁判官が州裁判官や弁護士と共通の問題関心を維持して法律家としての一体性を保てる、という主張がなされるが、主たる任務は連邦問題事件に重心を移しつつあるといってよい。」 (浅香吉幹『現代アメリカの司法』86頁より )

 

 

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芹澤英明
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