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2005年04月23日

Tracking Stock

一昔前に大流行して,今は,全然はやらなくなってしまったネタの一つに,Tracking Stockがある。SonyによるTS発行を唯一の事例として日本で全く使われなくなったのは,SonyのTSがあまりうまく機能しなかったことにあるけれど,では,何でうまく機能しなかったのか? 裏側の問いとして,何でUSではTS発行の事例が続いているのか?

理由は色々考えられるけれど,考えられる理由の一つは,USでの実際の発行事例を観察してみると推測できる。

SonyのTS導入時に,「USでの発行事例」としてよく援用されていたのが,GMによるEDSとHughes買収時に発行されたClass E株式とClass H株式。どちらのTSも,見てみると,SonyのTSとは状況が大きく違うことにきづかされる。
- どちらも,買収時に,ターゲット会社株主に対して,買収の対価として提供された
- どちらの場合も,EDSの大株主・Hughesの大株主とのnegotiationの上で発行された
- Hughesの場合には大株主との間でgurantee contract(TSの市場価格が一定額を下回ったら,GMはその差額を補填しなければならない),EDSの場合にはnontransferable note(満期時にTSの市場価格が当初の価格を下回っていたならば,GMはその差額を補填しなければならない)が発行された
こういう風に見ると,
- 単に資金調達のために,子会社業績をtrackさせて一般に発行した
- 何のprotectionもなし
というSonyのTSとは全然違う。

周知のように,TSはvoting rightが実質ゼロでdebtに近い,けれどもdefaultがないのでdebtの特徴を備えているとも言い難い,という「危ない」存在だ。だから,debtのcovenants同様,契約的な手当が色々と必要になるわけだけれど,例えば,「子会社の業績に連動させて配当します」と書いたとしても,「子会社の業績」の(会計)操作なんて簡単にできてしまうわけで,裸のTSは,バブリーな存在だ(少なくとも自分で買おうとは絶対に思わない)。
GMのアレンジメントは,こういった問題点を,
- guranteeの設定
- 大株主というモニター(その能力もインセンティヴもある)の存在
という形で乗り越えているのだけれど,Sonyは,そういった点を全く配慮しなかった,ということになる。

もちろん,以上の議論は,「あり得る」説明の一つにすぎず,これが正しいという保証はない。でも,例えば,一定期間のTSの価格変化を,大株主の存否・guranteeの有無というdummyでregressしてみるとかすると面白いかもしれない。まあ,他にも色々なvariablesをcontrollする必要がありそうだし,「企業買収防衛策りだっくす」で引用したBarber-Lyonの次のLyon-Barber-Tsai, "Improved Methods for Tests of Long-Run
Abnormal Stock Returns" (JF1999)なんかを見ても,結構面倒くさいけれど。

ソスソスソスeソスソス hatsuru : 2005年04月23日 14:27

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ソスソスソスフエソスソスソスgソスソスソス[ソスフトソスソスソスbソスNソスoソスbソスNURL:
http://www.law.tohoku.ac.jp/~hatsuru/cgi-local/mt/mt-tb.cgi/308

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誤解を招くかもしれないので,追加。

「大株主というモニター(その能力もインセンティヴもある)の存在」と書いたけれど,当然,guranteeがつけば,モニターのインセンティヴは減少します。それを入れる段階,という風に理解してください。

ソスソスソスeソスソス hatsuru : 2005年04月24日 06:15