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2005年04月06日

style of criticism

判例評釈や論文を書いているときの,批評対象判例や自分の考えとは異なる説の「批判」の仕方には,ときどきあれっと思うことがないでもない。

僕が助手のときに星野さんからよく言われたのは,「判例評釈をするときは,できるだけその判決を救えるように好意的に解釈してやれ。判決を狭く解釈して批判するのにはサルにでもできる。裁判官は時間ないのにだーっと書いているのだし,救うような解釈を提示した方が,それ以後の判決を書く裁判官がその評釈を読んだときにそのまま使ってくれやすい」ということ。もちろん一つの考え方でしかないけれど,似たような精神は学説の整理の際にも当てはまると思う(「時間云々」はいいわけになりにくいけれど)。

この行き方を徹底しているなぁといつも思うのが,身近なところでは商法の藤田先生。自分ではちょっとまねできない。想像力貧困なもので。自分の論文では,あまりちゃんとやってない(笑)。「株主間契約」では,宍戸先生から,抜き刷り渡した5分後に「自分の論文の扱いが不当だ!」とクレームが付いた(笑)。
逆に,ちょっとそれは狭く解釈しすぎだろう,とごく最近思ったのが,商事法務メルマガでの上村先生の発言。一部で有名になったこの発言,田中さんの「TOSTNet取引は違法との解釈は取り得ない」という部分について,「いや,違法という解釈は自分だって唱えている」と反論している訳だけれど,まあちょっと短気すぎないか。僕は,TOSTNetで自己株式取引等がされている現状は,あまりよろしくないけれど,実務は適法で動いているから仕方ないかといった程度に思っていて(確か以前の中間試案への意見書では金庫株利用でのTOSTNet使用は危険と書いた記憶がある),田中さんの文章も,当然彼がそういう反対説の存在を知りつつ,「実務上は」違法との解釈論はもはや取り得ない,という趣旨で書いたものと読んでいた。これに対し,上村先生の「批判」は,そういう田中さんの文章の読みを排除し,「学説上」違法説は存在し得ない,と狭く読んで展開されていることになる。せめて,「これこれという意味なら許せるが,それそれという意味ならダメだ」という風にかき分けられなかったのだろうか。まあ,週間メルマガへの意見で,どちらも「時間がなかった」というのが言い訳になるかな。

まあ,でも,これはましな方で,東北大にいた頃の研究会では,もっとすごいのに出くわしたことがある。ある研究者の論文報告で,大塚龍児先生(*)のある有名な論文の主張を批判している。ちょうど僕も読んだことのある論文で,僕の記憶と正反対のことが言われていたので,驚いて原典を見てみたら,ちょうど大塚先生が,「○○だとすれば,〜〜となるだろう」と,英文法でいう仮定法的に論理を展開しているところ(つまり,論理の展開の綾であり,大塚先生自身の主張ではない)を引用して,それを大塚先生の主張として扱っている。ここまで来ると,この人の日本語解釈能力ってどーよ,という気にさせられてしまう。

(*) 個人的には,この大塚先生と上柳克郎先生の論文は,読んでいてとても好きなタイプの論文の一つ。一番好きなところは,「ああでもない,こうでもない」とひたすら考え抜いていった足跡が,そこに残されていて,何というか,「伝統的な良き学者のあり方」というのを非常に良く残している(特に上柳先生の方が強い)。自分ではまねできないしまねしようとも思わないのだけれど,読んでいて,その純粋な姿勢にはいつも感動を受ける。

あと,やはり,学部生や院生の判例評釈の報告を聞いていると,どうしても,判決文の解釈が甘いよね。彼らは,しばしば,学説や先行裁判例の整理が大事な勉強だと考えて(もちろん大事でない訳ではない),判決文をどういう風に読むのか,という部分を後回しにしてしまう傾向が強い。まあ,さすがにみんな,最高裁判決だと,判決文の解釈をちゃんとやるのだけれど,下級審裁判例でもやってほしいよ。

ソスソスソスeソスソス hatsuru : 2005年04月06日 21:46

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ソスソスソスフエソスソスソスgソスソスソス[ソスフトソスソスソスbソスNソスoソスbソスNURL:
http://www.law.tohoku.ac.jp/~hatsuru/cgi-local/mt/mt-tb.cgi/282

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» 第4弾 from Gakによる「若干のコメント」
4回目のトラックバックである。 style of criticism http://www.law.tohoku.ac.jp/~hatsuru/webl... [ソスソスソスソスソスソスヌゑソス]

ソスgソスソスソスbソスNソスoソスbソスNソスソスソスソス: 2005年04月07日 11:06

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参考になりました。ゼミのレジュメを書く際に,反映させたいと思います。

ソスソスソスeソスソス 学部生 from Tohoku univ. : 2005年04月08日 22:28

上の人、メアドで誰かバレバレ(笑)
君もここ読んでたんですか。
森田先生、私はここのおかげでいい人脈を得ることができました。ありがとうございます。

ソスソスソスeソスソス 別の法学部生 : 2005年04月10日 20:29

「別の法学部生」さんへ:ちょっと誤解されているようなので,コメントを。

このブログは,別に匿名でも顕名でも投稿できますし(メールアドレスやURLに偽を書き込めばいい),匿名コメントを禁じるつもりも全くありませんが,今までのcommenterの素性は,少なくとも僕には分かっていました(=そういうメールアドレスの記入があった。もちろん,spamは除く)。僕から全く分からないのは,多分あなたが初めてです。

おそらく,「学部生 from Tohoku Univ.」さんは,その人のコメントだということをpublicにしたいために,正直にメールアドレスを書き込んだのでしょう。それは,その人その人の選択です。

ソスソスソスeソスソス hatsuru : 2005年04月11日 06:51