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2005年01月09日

Theft and Taxes

今度のLE WSでGSBのZingalesが報告するpaper。
昨日の夜,パラパラと眺めていて,結構面白いと発見。一言で言えば「法人税の存在は,double monitoring modelで説明できるよ」ということなのだけれど(要約しすぎ?),モデルのシンプルさ(あんまり上手でない経済研究者の「力業」に頼ったモデルではない)もあいまって,ふーんという気にさせてくれる。日本の会社法でも,有名な「見なし配当課税論争」があったけれど(過去形なのは組織再編税制でほとんど消えたから),あそこでの議論に通じるところがあるようにも見える。法人税といえば吉村君の助手論があるけれど,あの中にこの視点は書かれていたっけ? 思い出せない(ちゃんと読んだはずなのに)ので,コメント付けて彼に情報提供しておこう。
ただ,気になるところもいくつかあって,
1) outcomeとしてのcorporate governanceと,独立変数としてのcorporate govenance systemとがときに混同して使われている。会社法研究者としては,corporate governance system自体をendogenousに捉えるモデルを作って解いてくれるとさらにありがたいけれど,それは高望みしすぎ?
2) IRSによるモニタリングのコストがゼロという前提がおかれていること(明示されてないけれど多分そう)。直感的には,IRSのモニタリングとアウトサイダーのモニタリングの釣り合いも影響しそうなので,無視していいのかはやや疑問。ただ,IRSの方がモニタリングの実効性がはるかに高い(この点は言及あり)から,現実的な前提と捉えていいのかも。
3) 実証については,LLSVみたいな形で独立変数を設定している。法学の側からは多分"notorious"なLLSVなのだけれど,ファイナンスの側からはLLSVはまともなんだろうか?
4) S corporationなんかだと,governance systemはまともでないので(γが小さい),逆の議論になるような気がする...
5) このタイトル,あの有名な"Debt and Taxes"をもじっているけれど,ちょっと無理がある気がする。「Harrisがこのタイトルを提案してくれた」とあり,確かにDebtとTheftで韻が共通していて語呂はいい。けれども,Theftはややremoteにすぎる。このタイトルだけ見ていると,「Beckerか中里先生か?」なんて思ってしまう。
といった点。

ところで,このZingales,spring quarterにとろうと思っているGSBのTheory of Financial Decision IIIの担当の一人。もう一人はDiamondで,おそらく,Diamondがbanking,Zingalesがinternal capital marketをやるんだと思う(二人の研究分野からして多分)。このTheory of Financial Decisionシリーズ,最初がEugene Famaの証券価格(←これはあんまり興味がなかったのでパス),次がKaplanのコーポレートファイナンス,そして最後にDiamond/Zingalesと,ため息が出るようなスーパー講師陣。UofCにいることの幸せを実感させられる。今出ているKaplanも,すごくいい(ただしMBAの人には勧めない)。assignされるpaperの選択も上手で,予習中にそれを読んでいるだけでとても勉強になる。昔読んだpaperであっても,また新たな発見があって,新鮮。

ソスソスソスeソスソス hatsuru : 2005年01月09日 08:10

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