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2016年12月24日

credit card fee

本日の日経朝刊の記事

手数料にメス 謎の内訳(下) カード「二重取り」横行 利用増、安心確保がカギ
2016/12/24付
日本経済新聞 朝刊

は,結構謎だ。

まず,何が「二重取り」なのか分からない。加盟店は,クレジットカード会社に手数料を取られる立場であって,手数料を取る立場ではないので,顧客から手数料を取っても,「二重取り」にはならない(この記事の加盟店は,10%の手数料をとっているので,3-5%の加盟店手数料と比較すると,取り過ぎ,っていう問題点はあるけれども)。ただの転嫁だ。

で,転嫁することが悪いのかって言うと(もちろん,加盟店規約に違反しているという点では,クレジットカード会社との間の関係では,債務不履行になるけれども),むしろ転嫁した方がいいんじゃないかという気がする。実際,海外旅行すると,クレジットカードで支払う場合に手数料を要求される国は結構ある(オーストラリアやヨーロッパなど。逆に,アメリカは請求されないことが多い)。

コストを消費者に転嫁した方が,(1)消費者がどれだけのコストを発生させているかを認識しつつ取引することになって,より効率的な意思決定がなされるし,(2)クレジットカードを使わない消費者とクレジットカードを使う消費者との間での利益移転(これは無駄)が発生しないので,望ましい。
現在の日本では,クレジットカード会社が,加盟店に対し,加盟店規約においてクレジットカード利用の際の差別的取り扱いの禁止を要求しているわけだけれど,このような規約自体,ひょっとすると,たとえば優越的地位の濫用に該当するかもしれない。

ちなみに,この記事でもう一つ,加盟店手数料が日本は高い,と言われているけれど,日本では,クレジットカード取引の9割が一括払い(マンスリークリア)であって,カード会社に利息収入が発生しないので(アメリカの場合,かなりの部分がリボルビングで,そこから利息収入が発生する),カード会社は加盟店手数料に頼らざるを得ない。さらに,一部の論者が主張しているように,マンスリークリア取引にも割賦販売法の抗弁の接続を拡張するという法改正がなされたら,もっと加盟店手数料を高めないとカード会社の商売が成り立たない,っていう話にもなりかねない。

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