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2015年12月20日

gateau magique

最近はやっているというらしい,「マジックケーキ」を作ってみるてすつ:

このレシピ通り(1カ所だけ変えた)作ったところ(ほかにもこれとかこれとか),見事に3層に。

作っている途中で,絶対にこれは2層にはなるな,というのは分かる(∵混ぜきらないメレンゲが牛乳主体の記事の上に浮かんでいるので,これが一番上のスポンジになる,と予測が付く)んだけど,その下が,カスタードとフランの2層に分離するのが,不思議。

仮説としては,
a) 比重の差で分離する
b) 凝固する速度の差で分離する
の2つが考えられて,どれがどう効いているんだろう,と相方と議論。

b)は,たとえばタンパク質の凝固速度の違いで層ができる,という仮説なんだけど,これが正しければ,下からだけでなく,側面からも層が分離していくはず。しかし,型の側面に沿って切り口を見ても,やはりきちんと3層になっている。それに,凝固速度の差でなるなら,こんなにきれいにフランとカスタードの層が分離しないはずだ。

そうすると,a)になりそうだけど,こちらも,うまい説明が今ひとつ難しい。この生地の特徴は,普通のフラン生地に比べると,バターが異様に大量に入っている(卵3個に対し90gも)ことだ。それと,低温・長時間焼成(150度50分。普通のアパレイユなら,180-200度で30-40分くらいのはず)。ほかにも,小麦粉90g,牛乳375ccというのも,ちょっと多めなんだけど,どちらも,分離というメカニズムを説明する直接のキーにはなりそうにない。
そうすると,すぐに考えつく仮説は,バター(油)が比重が軽くて上に行き,牛乳が下に行く,というものになるけれど,食べたときの味は,むしろ逆だ。一番下のフラン層にバターを感じ,真ん中のカスタード層は,油感がない。それに,このフラン層は,普通のフランと違って,かなり固い食感(で,あんまりおいしくないw)なので,小麦粉成分がここに集中しているんじゃないか,という推測をうむ。
そうすると,もうちょっと違う仮説が必要になる。一つ考えられるのは,バターの油が,小麦粉と結合して沈殿し,それ以外の小麦粉・牛乳成分が中間に浮かんでカスタードを形成する,というもの。しかし,バターにそんな効果があるなんてことは,今まで聞いたことがない。

というわけで,層が分離するメカニズムを解明するためには,バターの量を少しずつ変えて(あるいは牛乳や小麦粉も),いろいろと実験してみることなんじゃないか,という結論に落ち着いた。

味的には,上に書いたように,スポンジとカスタードはおいしいんだけど,一番下のフランがいまいちで,むしろ,フランがない2層のケーキの方がおいしいんじゃないか(ちょうど,チョコのないボストンクリームパイのやう),という気がするので,フラン層を消して,2層になるようなレシピを作り出した方が生産的かなーw
特別においしいケーキというわけじゃないんだけど,科学心をくすぐるケーキではあるw

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