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2013年07月26日

scraping

連載の次回を書いているところで,scrapingの適法性について,ちょこっと考えてみた。

連載でえんえんと書くようなものでもない内容なので,こっちに詳しい解説を書いておくことにします。

まず,対象サイトが,scrapingについて特に何も言っていない場合は,あまり難しくない。どしどしscrapingをやっておkだ。ただし,あんまりアクセスしすぎて,DoS攻撃になるような結果を招いてしまったならば,その場合は,業務妨害罪を構成する可能性があるし,民事的にも不法行為が成立するということになるだろう(このあたりは,岡崎市中央図書館事件が有名だ)。

次のケースは,対象サイトがscrapingを禁止するって宣言しているんだけれど,利用者との間で何らの契約も結んでいないケース。この場合も,1つめのケースとほとんど結論は変わらない。
もちろん,「scrapingやめてー」って言っているサイトに対してscrapingを行うことがモラル的にどうかという問題はあるけれども,契約関係にないのだから,法的な処理は1つめのケースと同じになる。

とはいえ,たぶん,そう宣言するサイトの方も,こういう法的処理になることは当然に分かっているはずで,技術的な対応をすることは可能だ。
実際,某G社のサイトは,scrapingをかけると,こちらのIPアドレスを判別して,当該IPアドレスをアクセス禁止にするっていう強硬措置をとってくることで悪名(?)高い。ま,確かにG社は,情報で生きている会社だからなー。

最後のケースは,有料サイトでよくあるけれど,利用者に対してIDとパスワードを発行するとともに,利用約款でscrapingを禁じているケース。
このケースは,たとえ,相手方のサーバに対し何らかの不都合を発生させていなくとも,scrapingをかけたというだけで,契約違反(債務不履行)を構成する。ただ,その場合にサイト運営者が利用者に対して何か言えるかっていうと,あまり選択肢はない。
損害賠償請求をするといっても,サーバダウンなどの具体的な問題が発生していない限り,サイト運営者側に損害はないのが普通だ。だから,できるとしたら,利用契約の解除だけだろう。それがどれほど意味があるか分からないけれども。
もちろん,DoS攻撃クラスになれば,業務妨害罪・不法行為が成立しうる点は,上の2つのケースと何ら変わりはない。

いぢゃう。

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