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2013年02月24日

treaties on the family

BeckerのA treaties on the familyの一つの大きなメッセージは,家族をめぐる人間行動のかなりの部分も経済学で説明できる,ってことで。

その中では,いろいろなモデルによってさまざまな社会現象が説明されているのだけれど,その中の一つに,「先進国における少子化」がある。

基本的なアイデアは,非常に単純で,子供の数と質とは,逆相関する。

それはなぜかというと,子供を育てるには,子供の人的資本を蓄積するために,人的資本のための投資を行わなければならない。で,人的資本投資に対するリターンが小さな社会(発展途上国)では,投資額が増えないから,一人あたりの子育てに必要な投資額が減り,子供の数が増える。
これに対し,人的資本投資に対するリターンが大きな社会(先進国)では,子供の人的資本投資がたくさん必要になり,そうすると,子供の数は減る。

Beckerの以上の説明(ちなみに,前提としては,親は子供の効用をも考えて投資する,ってのがもちろんモデルに入っている)は,発展途上国と先進国との対比を前提に展開されているのだけれど,そのロジックは,一つの国の中で違うタイプの親についても,あてはまるはずだ。

そうだとすると,子供に対する人的投資が大事だって考える人(あるいは,子供を持つことの機会費用が大きいために,相対的に投資コストが高くなってしまう人)は,子供の数が減るのに対し,子供に対する人的投資なんてどーでもいいや,って考える人は,家族計画なんてせずに,がんがん子供を作ることになる。

なので,「少子化対策」と名乗って政策を打ち出すならば,こういった層のうち,どの層にターゲットを定めて政策を打ち出すのか,っていうことが大事になるわけだ。

で。たとえば,中絶禁止なんてルールを導入するとどうなるか,っていう話は,Levittのlegalized abortion on crimeでも読んでから言って欲しいよねぇ,と思うわけなのです。

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