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2012年07月12日

preventing accounting fraud

今朝の日経の全面広告に,

TKCの記帳適時性証明書

というのが出てた。説明によると,
記帳適時性証明書は、会社法第432条に基づく会計帳簿作成の適時性及び継続性並びに月次決算の実施日及び決算書と法人税申告書等の作成に関してその事実を証明しています。

というもののようだけれども。

中小企業の計算書類なんてあてにならんよ,というのはよく知られた事実で,融資担当者もその辺を割り引いてみてる。特に,計算書類の方は思いっきり利益をかさ上げして,融資者に対し「うちはこんなにいい企業だぜ!」と見せかけながら,実は,赤字たくさんで法人税払ってない(→法人税申告書には,国税庁が怖いのと,税金をあまり払いたくないのとで,利益が出にくい)ってことはよくある。

そんな状況の下で,この証明書は,適時性・継続性と法人税申告書との同質性だけを保証しているもののようで,そうだとすれば,少なくとも,会社法上の計算書類と法人税申告書との乖離は消える。ただ,もちろん,適正性を保証しているわけではないので,粉飾決算してないことを保証はできないわけで(月次の巡回だけだものね),まぁ,国税と一蓮托生(というか,国税の恐怖感にフリーライドするw)のシステムだ。

うまく機能すれば,きちんと働きそうだけど,いくつか注意点もありそうだ:
- 「保証する」というのは,証明書を信頼して融資したけれど,実は証明書が間違っていた(たとえば会計士と債務者企業がグルだった)という場合に,保証したTKCの方は何らかの責任をおってくれるのだろうか?(追わないとすると,きちんとチェックするインセンティヴが減る。もちろん,レピュテーションによる歯止めはあるけど)
- 「金融機関の融資審査担当からも注目されてます」とあるけれど,実際,どこまで,融資者が考慮してくれるか(その分,利息を下げてくれるか),は分からない。もしかすると,利息減少分の方が,証明書取得のための手数料より高くなってしまう,っていうケースもあり得なくはない。
- ファイナンスにかかるコストという側面から見れば,信用保証協会保証と,部分的に,競争することになる。証明書を得るコストと,金利・手数料というコストの削減と,どちらが上回るかは,やってみないと分からないなぁ。

さてさて,将来的にはどうなっていくんでしょうねぇ。

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