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2011年05月15日

price or language?

契約は意思の合致で成立するわけだけれど,合致した意思の内容(合意内容)を特定することは(あるいはそもそも合致してないかもしれないんだけれども),簡単じゃない。

たとえば,次のような仮想事例を考えてみる:

- SがBに対して牛肉を販売する
- 牛肉を生食するためには,トリミングが必要だけど,トリミングによって可食部分が減るためにコスト高になる
- SB間売買契約には,「生肉として使用できます」と明示してある
- 他方で,売買価格は,competitiveな市場価格からするとトリミングしてある牛肉としては考えられないほど安価であり,SだけでなくBも,トリミングしていない牛肉であると容易に想定できる価格になっている
- というわけで,この牛肉を,最終的にトリミングなしでBが顧客に提供していたら,確率的に食中毒が起こる

どこかで聞いたことがあるような話である点については,気にしない

で,こういう取引がなされているときに,トリミングなしで客にサーブして食中毒を発生させるリスクっていうのは,Sが負担するという合意だったんだろうか,それとも,Bが負担するという合意だったんだろうか,という点。

もちろん,顧客に対する関係では,SはBの履行補助者なので,とりあえずBが全部責任を負担することに問題はないと思うけれど,SとBとの間の内部負担については,いろいろと議論が立ちそうだ。

ポイントは,契約書の文言っていう,合意内容の探求の手がかりと,売買価格っていう合意内容の探求の手がかりとで,矛盾が発生している場合に,どっちを重視して合意内容を認定するんだろうか,というところ。
合意内容の探求の仕方については,確か沖野せんせーが昔書いていたような気がするんだけれど,内容を覚えてない。ただ,直感的な予想を言うと,法律家はやっぱり契約書の文言重視になるけれど,「言葉は嘘をつく,でも,行動は嘘をつきにくい」っていう社会科学者的発想だと価格重視になりそうな気がする。

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