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2010年12月01日

guidebook

来年度の大学案内(今年度のはこれ)を作成する全学の委員会に入れられていろいろと議論させられてるんだけど,いろいろと難しいよねぇ,と。

これは,学部を受験しようかと考える高校生や,その親,さらには高校の先生たちに見てもらうためのものなんだけど,理系と文系が大きく違うので,大学入学後のキャリアパスを統一的にプレゼンすることがなかなか難しい。

理系の場合だと,学部卒で4年で社会に出る人はごく少数だ。普通は,修士までやって6年かかってから,企業に就職する(あるいは,さらに3年を足して,PhDまでとるか)。理系で学部レベルなんて使い物にならないから,やっぱちゃんと修士くらいとってよね,ということになる(あ,東北大の場合はそれが普通なんだけど,私学で理系がある場合にそういうシステムになっているかどうかまでは知らない。案外,修士出ずに学部卒で就職が多かったりして)。それと医学部は別ね。
これに対し,文系の場合は,基本的には,学部卒で4年で社会に出る人が圧倒的に多い。もちろん,法科大学院や会計大学院なんかの2-3年を経てから社会に出る人もいるけれど,それは少数派だ。
だとすると,大学に入った後,社会に出るまでが4年という前提でキャリアを考えるのか,それとも,6年(ないし9年)という前提でキャリアを考えるのかは,全然違ってくる。

それと,就職先も結構違う。

理系の卒業者(もちろん,修士修了以上)だと,大手企業に研究者として採用される例が多い。これに対し,文系の卒業者(学部卒)だと,大手企業に就職する人もいるけれど,地方公務員(仙台なら,宮城県庁か仙台市役所)になったり,地元企業(七十七銀行とか東北電力とか)に就職する人の割合が高くなる。
自分が東京の大学で学部生生活を送った実感からすると,うちの文系はローカル指向が強いなぁ,という印象を受ける。今,こんな時代だからこそ,もっと外の世界をいろいろと見て欲しい――そしてそういう人材の方が求められる社会になりつつあるんぢゃないか――と思うんだけど,そういうどん欲な学生さんに会えることがあまり多くはないなぁ,という感がある(まぁ,日本全体で,out-boundな留学者数が減ってるわけだけども)。

その関係で,理系の先生たちは,大学案内にも,留学できるってことを強調して書いて,って言うんだけど,文系の場合には,それってどれほど魅力的なプレゼンテーションになるのかなぁ。だいたい,そろそろ留学しようかと思う3年生後期~4年生前期って,学部卒で就職を考える文系学部生にとっては,就職活動と時期が重なってしまうんだよね。学部卒で就職しない理系学部生にはちょうどいいんだけれども。なので,留学するための枠は結構あるんだけど,法学部の学部生でそれを活用する人ってなかなかいない。
とはいえ,そんなところまでは必ずしも入学前に見えていない高校生やその先生たちにとっては,「大学入学後にこれだけの留学チャンスが提供されている」っていう情報は魅力的に映るものなんだろうか?

それと書き方が難しいのが,学部と大学院の関係。法学部→法学研究科,なんてのはわかりやすいんだけれども,interdisciplinaryな大学院もあるし,それに,そもそも下に学部がぶら下がっていない付置研究所なんかもたくさんあって,キャリアパスのあり方はかなり複雑なんだけれども,その辺を高校生にどうわかりやすく説明するのか,って難しそうだ。うーむ。

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コメント

仙台って外からの刺激が少なく、学生にとっては温室ですから、あえて自分よりも入試の難しい大学の卒業生と競い合う白河以南へ進んで出ることをしなくてもまあいいか、地元に帰れば家もあるし、(長男の意識が残っていれば)親も面倒もあるしな、と逃げ場があり,楽にすぐ慣れてしまいます。文系のなかでも法と経はそうですよね。ちなみに外国語の話せる学生も大都会比少ないような。でも東北地方においては貴学は外界に出るトンネルですから発奮する人が増えると良いですね。

そうなんですよね。もっとがんばってくれーと言いたい。現状だと,交換留学は,就職活動の終わった4年生後半に半年,というのが一番現実的な選択肢になっていて,それはやや寂しいものがあります。

それに,僕自身は割とrisk takerで,安全性に問題のある発展途上国でバックパッカーで安宿を渡り歩く危険な旅のスリルと,頭を回転させていろいろなリスクを乗り越えていくのが結構好きなんですが,そういう人っておそらく今の日本では少数派なんでしょうね。

ちなみに,学内の会議で議論していると,意外に理系の先生はその辺の事情が見えていなかったりするのが意外な驚きです。

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