●case comments
商事法務の最新号(11月25日号)に,
会社分割に伴う労働契約承継手続と同手続違反の効果
―日本アイ・ビー・エム上告事件―
□岩出 誠 千葉大学客員教授・弁護士
というのが載っているのを見て,ぱらぱらと眺めていたんだけど(学部の会社法の授業で解説予定の判例なので),これは「判例評釈」としてはかなりびみょーだ。
判例評釈の一般的な作法としては(もちろん「判民型」「民商型」という違いはあるのだけれども),普通は,①その判決が何を言っているのか(いわゆる「準則」)を明らかにした上で,②その準則をそれまでの判例や学説の流れの中に位置づけた上で,③その判決がもたらす影響(いわゆる射程)についても可能(必要)であれば言及する,という流れで行う。