●smoking and salience
本日からたばこ値上げ,たばこ嫌いなオイラとしてはヽ(´ー`)ノマンセーなのだけれど,それはともかくとして。
たばこを止められない人に対して,「たばこって××だけ健康に害があるんですよ」と説教しても,あまり有効な戦略ではない。って,これは,米村さんが喫煙者(たとえば河上せんせ)に対していつもやってることなのだけど,今までの河上せんせの行動を見る限り,米村戦略が功を奏しているとはとうてい思えないw
で,おそらくその理由は,「健康に対する被害」というのが,かなり遠い将来の事象であり,かつ,確率的に発生する事象(健康被害を発症する人と発症しない人とがいる)なので,その害を実感することがなかなか難しいからだ。吸ってる人からすれば,「今が楽しければヽ(´ー`)ノマンセー」で,そういう風に行動も変わる(←Beckerのrational addiction)。
そんなときに行動を変えさせるためには,喫煙によって発生する害をよりsalientな形で提示してみせることが,一つだ。とはいっても,健康被害ってのを目に見せるのはなかなか難しい。そこで,有効とされる戦略が,
禁煙すると,これだけお金が浮きますよ
っていう説得らしい。たとえば,1日2箱900円x30日=2万7000円,1年で32万4000円,3年で100万円弱,なんて説得すると,いくら健康被害の深刻さを説明しても翻意しない人が,説得されてしまうケースが結構あるらしい(もちろん,それでも説得されない人もいる)。
というわけで,お金っていうのは,目に見えないものを目に見える形にして意思決定の支えになってくれることがある。hedonic regressionもこの一種かな。
コメント
履行利益(逸失利益)と信頼利益(出捐額)の区別は意外に合理的だよ、ということでしょうか?
Posted by: 故元助手A.T. | October 2, 2010 1:02 AM
それは普通は全然違うロジック(契約に対する投資のインセンティヴ)で説明されるものだと思うけど。
Posted by: hatsuru | October 2, 2010 8:45 AM
すみません、言葉足らずでした。
取引的不法行為の場合には信頼利益のみで履行利益賠償は認めないという古典的定式について
そもそもこの区分自体が理解できなかったのですが
信頼利益(タバコ代)のほうが目に見えるので
裁判官が認めやすくて
逸失利益(将来の健康)は目に見えないので
認めにくいということなのかな
と思っただけです。
(そうなると信頼利益、履行利益の区別もあるべき状態をそもそも契約を結ばなかったか、あるべき契約を結んだか、ではなくて直感で目に見えるといえるかどうかになるんでハラハラドキドキなことになってしまうんですが)
そして、そもそも「合理的」かどうかの話ではないですね
間違いでした
Posted by: 故元助手A.T. | October 8, 2010 3:11 PM
no importa.
Posted by: hatsuru%なぜに今頃になって夏日orz | October 11, 2010 8:03 PM