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March 15, 2009

●rewinding cost

法ルールが定めたのと異なる状態が一定期間以上長く続いた場合に,元の「正しい」状態に回復させるのではなく,今現在の状態を適法な状態として認めてしまおうという制度は,たとえば,民法上の取得時効・消滅時効のようにいくつかあって。

何でそういう制度が存在しているのか,ということの合理的な説明はなかなか難しい(というよりかは,いろんな理由が複合的に一つの制度の中に入り込んでいるがために説明が難しいというべきかも)わけだけれども,最も簡単には,次のように説明することになる:

違法な現状を元の状態に巻き戻すのにかかるコスト(a) > 違法な現状を適法と認めてしまうことで,そのような違法行為に踏み出すインセンティヴを強めることによって発生する社会的コスト(b)

この(a)の方は,時間の経過とともに次第に増加していくのに対し,(b)の方は,時間の経過とともに次第に減少していく(適法性が認められるのに長い時間がかかれば,その分,適法性が認められるのに大きなコストがかかることになり,インセンティヴが弱められる)。両者が交差するところで,時効とか除斥期間を設定するのが最適だ,ということになる。

なんてことを考えたのは,ここ数日メディアを騒がしている例の事件を,法制度設計の観点から考えるとどうなるのかなぁ,と考えてみたから。

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