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November 24, 2007

●property right

今日は,LS入試の試験監督@東京海洋大学(←鯨の骨標本すげー)でした。

その途中,受験生から「問題用紙破っていいですか?」と何度か聞かれて,試験監督なんて暇なんで,いったいどういう風に考えてみればいいんだろうと考えてみました。

うちの場合,「問題用紙は持ち帰ってください」ということなので,おそらく,問題用紙は既に受験生に所有権が移っているのではないかと。そうであれば,問題用紙は受験生の所有物なので,それを
- 破こうが
- ちぎろうが
- 食べてしまおうが(山羊か...)
- 煮ようが焼こうが
受験生の自由だ,ということになるのではないだろーか。もっとも,焼くという選択肢は,周りの人に危害を及ぼす危険があるのでお勧めしないけれども。

そうすると,次の問題は,じゃあいつ所有権は移るんだろうか,というところ。これは多分,試験時間直前に受験生に配布した時点で移るんでしょうね。他のタイミング(「はじめ」のかけ声,「回答をやめてください」のかけ声,「帰って結構です」のかけ声など)はちょっと不自然な気がします。

でも,そうするとちょっと困りそうなのが,問題用紙を配布した後,試験開始時まで問題用紙をあけてはいけないのはなぜか,というところ。所有権は移転してるんだから勝手にあけてもいいじゃないか,と言われそうです。
でも,そこのところは,所有権という物権関係とは別に,契約関係があると言えば何とかなりそうな気がします(*)。つまり,「受験契約」の中で,「問題用紙の扱い方については,入試実施校の定めたルールに従います。従わなかった場合は,失格等のサンクションが発動します」という合意がなされていて(実際の入試要項にはそこまで書いてないけど),その合意内容によって,試験開始時まで問題用紙はあけちゃいけないのだ,と。

そしてそう捉えると,最初の「所有権が移っているから,煮ようが焼こうが受験生の勝手だ!」というのは,実は正しくなかったことになります。そこのところも,受験契約のオーバーラップがかかっていることになるので,受験生が試験監督に対して質問したのは,それはまっとうな行動なんだ,といえそうです。

(*) 経済学とか社会学とか他の分野の人からすると法学が「ずるい」のは,こういう風に議論が何層にもなっていて,そのうちどこかで止めればいい,ということができてしまうからではないだろーか,という気がしてます。「法律家は悪しき隣人」という格言が出てくるのも多分同根かと。

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