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June 26, 2007

●how to make a crossing?

某結婚ショックからようやく立ち直ったらしい某氏から,「横断歩道を渡れずに困ってる人がいても信号の場所を教えるのはもうやめました」との宣言が:
http://www.youtube.com/watch?v=CTgmeiBgwes

信号のない横断歩道を渡るとき(もしくは,横断歩道のないところを渡るとき=jaywalk),どうしたらいいんだろーか,という問題に対する回答は色々あり得ますが,ヘタレ的には

とりあえず渡り始めてみる

でいいんじゃないかと。なんでかっていうと,ここはまず,ドライバーの立場になって考えてみませう。前方に歩行者確認→このままブレーキ踏まずに突っ込んだ場合,人をひいてしまい,損害賠償責任とか刑事責任とか負う羽目になる→それはイヤだからブレーキを踏もう,と考えるのが普通のドライバーでしょう。ってことは,とりあえず渡ってみても,車が止まってくれるわけで,けがすることは(普通)あり得ません。
似たようなことは,京大の数学の先生だった森毅が,「赤信号一人で渡れば怖くない」というかなり昔のエッセイでも書いてました。曰く,みんなで信号無視をすると,無視している歩行者間でモニタリングのフリーライドが起こりかねないのに対し,一人で信号無視すると,ドライバーの方が注意してくれるからかえって安全だ,と。

てなわけで,僕も結構「とりあえず渡ってみる」をやってきましたが,確かに車は止まってくれて結構安全です。少なくとも日本では。この辺は相手と国によります。
上のロジックで効いているのは,「損害賠償責任とか刑事責任とか」のthreatですが,これが効きそうにないドライバだとヤバイ。刑事責任を何とも思わないそれ系の人とか,保険に入ってなくて損害賠償責任を重視しない人(←この辺を,ファイナンスの用語では,有限責任のもたらすasset substitution効果とも言う)とか。そういう車が近づいているときは,渡り始めない方がよい。それともちろん,こういった法ルールのエンフォースメントの実効性が低いところでも同じです。
それと,「損害賠償責任」の大きさは,「生命の価値」に依存して決まります。ってことは,Beckerの"Value of Life"のように,国によって生命の価値が違うから,生命の価値が低いところでは,ヤバイです。スワジランドとかペルーとか。
それと最後に,「損害賠償責任とか刑事責任とか」の発動の有無は,その国の交通慣習にも依存します。「歩行者は絶対に車が通っていない横断歩道しか渡らない」という慣習が成立している国で,車を無視して横断歩道を渡り始めたら,それでひかれても過失が認定してもらえない可能性があり,そうすると,そのことを予測するドライバーはブレーキを踏んでくれません。

だと思うんだけど。えぇ。

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コメント

NYの免許講習の講師(日本人)が言っていたのが、「アメリカ(NY?)では、親は子供に信号なんて信じるな、車を見ろ」と教えるという話をして妙に納得。
NYで荒っぽい運転をするcabといえば、過小資本で名高いので、運転者側に適切なインセンティブがない可能性もありますしねぇ(もっとも、一方で移民系ドライバーにとっては、居住権がかかっているという見方もありますが)。
あと、車を運転する側としては、渡りたそうな歩行者をいかに牽制するか(クラクションを鳴らせ)が大事とも教わりました。
日々の生活がゲーム理論で成り立っている国でしたねぇ・・・以上、雑談でした。

NYのタクシーといえば,Robert De Niro+若きJodie Fosterの↓を思い出しますが。
http://www.imdb.com/title/tt0075314/

ゲームで思い出したのは,日本の民法の不法行為のところで「信頼の原則」って習いますけど,あれって,各プレーヤに戦略的行動をとるインセンティヴを生じさせるルールなんですよね。一人一人で慣習を変えるのは大変なので,直ちにというわけにはいかないですが。
結構その辺の慣習ってすごくて,中南米の首都に行くと,どこも(アルゼンチン除く)すごい交通量で,車も歩行者も神業のような行動を見せますね。あれに比べたら,USなんてぬるいぬるい :-)

#一つ前のエントリにはコメント付けられないのは分かるんですが... 狙っていたのと違う人が釣れた orz

思わぬ大物がというところですねぇ(笑)
ところで、一つ前のエントリーについていえば、そもそも通常のライツ・プランと件の防衛策ではこれまた株主のインセンティブ構造が違う(もちろん有利発行とも異なるわけですが)というところも捨象して「買収防衛策」という括りになっているんですよね。
インセンティブといえば、Unocalの防衛策は、結構考えてましたよね。自社株買いアウトで、即刻廃れてしまいましたが(笑)

ええ,確かに。鰺を釣ろうとしていたら,アラが釣れました。

ところで,一つ前のエントリーの件の実際の仕組みをDLしてきて眺めてみたら,結構すごいですねぇ。色々と。大丈夫なのか...

そして第1ラウンドは:
ブルドック買収防衛策認める、東京地裁仮処分決定
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070628AT3Y2500C28062007.html

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