コメント: discussion of bankruptcy lawyers

久しぶりにお邪魔します。

倒産法(民事訴訟法)もムラ社会、ということでしょう。

内部にいる人にとって、現状を不満に思いhatsuru先生のような主張をすることは、
ムラの中で生きていけなくなる(現在の既得権を失いかねない)。

もっとも、ムラの中で指導的立場にいる先生に関しては、
現状を不満に思ってhatsuru先生を凌ぐ人材を見つけて研究させることは可能だが、
誰も不満には思っていないからこうなっているということか?

新たに参入しようとする人にとっても、
倒産法の現状に不満を感じる人は、別のムラに行って、
そこで立場を固めて、倒産法の境界領域から侵攻した方がリスクは低い。

倒産法のムラの人たちがhatsuru先生(のムラ)を見ると、
「視野狭窄」「(別の意味で)頭が固い」"enfant"と感じるのかもしれませんね。

1月ももう終わりですが、hatsuru先生にとってよい1年でありますように。

あ,もちろん,きちんと効率性を考えてペーパー書いている優秀な方(たとえば水元さんの博論とか)はいるんですが,でも一定の分野では,効率性の観点からの議論があり得るのに,それがなくなってしまうのが謎ですね。

先週、水元先生の本(水元宏典「倒産法における一般実体法の規制原理」)を図書館から借りてきました(お恥ずかしい限りですが、論文の存在を知りませんでした)。

現在通勤時に読んでいますが、会社帰りは、副作用のない睡眠薬状態です。

Econ系のjournalに掲載されている読みやすい(難しい数式がでてこない)ものとして(最近のものおよび実証系は不知)、
・Gertner and Scharfstein "A Theory of Workout and the Effects of Reorganization Law" Journal of Finance, Vol.46 No.4(1991) pp1189-1222
・Franks and Nyborg "Control Rights, Debt Structure, and the Loss of Private Benefits: The Case of the U.K. Insolvency Code" Review of Financial Studies, Vol.9 No.4(1996) 1165-1210
なんかがあります。

この分野を分析しようとすると、モデルを設定する際に債権者2人と裁判官をplayerにしたくなります。

ただ、(厳密な表現ではありませんが)3人ゲームは現在のところ解けないため
(解法が見つかっていない、そのそも解法があるのかという状態)、
モデルを作る時に上記設定をすることは不可能です。
したがって、破産法の下での債権者2人の行動を分析する、といったモデルになります
(Franks and Nyborgがこのタイプの分析)。
実証はデータが無い、という話になりそうな気がします。

債権者2人の行動を分析するのであれば、日本の制度を前提にすると
債権者取消権等も射程に入ってくるため、債権総論の後半部分と総合的に分析することになりますね(そうなると水野論文、宮沢・藤澤論文も先行研究に挙げ得ます)。

研究が広まらないのは、端的にロースクールが出来たことが理由だと思います。

倒産をモデル化する際には,債権者2人でモデル化する場合(債権者間の競争に着目するモデル)と,債権者と債務者の2人でモデル化する場合(債務者のインセンティヴと債権者のインセンティヴとの調整)とがありますね。後者は,financial contractingのliteratureの発想です。
倒産法の実証は,米国では結構ありますよ。

ちなみに,詐害行為取消権については,今の債権法改正作業でも,どうやって位置づけるかが議論の対象になっていますね。

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