コメント: probabilistic effect and causation

相談者本人ではないので本当の意図はわかりませんが...

この問題は
要因A(タバコ),B(食生活)、C(過労)、D(遺伝による身体の性質)の4つを結果R(肺がん)の原因と仮定した場合に
一定の喫煙者肺がん患者母集団Yの中に

1.Rの原因がAなのか、Bなのか、Cなのか個別にはわからないが、Yの中でRの原因がAである集団25%、Bが25%、Cが25%、Dが25%という場合に損害賠償をどのように仕組むか、という問題

2.AとBとCとDの4つそろって初めてRという結果が発生する場合の、Aに寄与した集団に損害賠償をどのように仕組むか、という問題

の2つがあって、この2つの問題が錯綜しているのではないですかね?

後者の問題は、Xが街中を歩いていたらビルの4階にいるYが花瓶を落として、丁度真下にいたXが怪我を負った場合に、「Yが花瓶を落としたこと」と「Xが街中を歩くこと」の2つが原因といえば原因なのですが
後者はXに当然に認められている行為であるので損害を負担させるべきではない
というある種のリスク分配的な考慮(ここで経済分析を使うか権利の呪文を唱えるかは問題ではなく)が当然の前提となっている、
といった不法行為法でこれまたよくある話なんだと思います。
ですが、

これがタバコの場合のA,B,C,Dとなると、このリスク分配的な考慮として
乱れた食生活を送る自由があるのか、自分の好きなだけ働く自由があるのか、遺伝的な体質(?)を理由に活動の自由が区別されてはならないかどうか
それに対して、タバコ会社がそういった情報から警告すべきかどうか
をするのではないかと。
そして、個人によって、B,C,Dの程度が異なるのにAに寄与した者への損害賠償の範囲はどうなるの?
というのが御質問の趣旨ではないでしょうか?
これは、大数的に処理するというよりあえてどんぶり勘定にすることで実効的な抑止・救済を図っていくことになる点では同じだと思いますが。


んー,たばこによる癌のケースって,1でも2でもない(というか,エントリに書いたとおり)なのではないかという気が。

つまり,癌って,確率の問題なわけで,人間の体内では遺伝子が傷ついてしまった細胞っていうのは日常的に大量に生まれていて,その中で,運良く成長力があって,かつ,免疫システムから異物と認識されないものが癌として成長するわけであって,発がん性物質っていうのは,そういう以上を引き起こす確率が他の物質よりも高い物質のことなわけでしょ。
だから,1の場合のように,ABCDの4つのいずれかが原因で癌が発生しているという区分もできないし,2の場合のように複数がそろったから癌が発生するという問題でもない。Aという物質の投入によって,other things equalであってもxx%発がん確率が上がった,という確率的なことしか言えない状況,というのがこのケースではないかと。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)