コメント: conditional probability

ちょっと違いますけど
「東大合格者の3人に1人は代○ミ生」
とか
「司法試験合格者の2人に1人が利用」
とか
も昔からよくわかんないですよね。
よくわかんないにもかかわらず
よく聞く批判は
「無料の模試を受けただけの人までカウントするのはおかしい」
だったりして
突っ込みどころが違くないかい?
と思っていました。

そのケースは,同じなのか違うのか,微妙なところじゃないかな。

まず,大学受験の場合,そもそも,僕たちが知りたいのは,「代ゼミ生のx%が東大に合格」という確率じゃない。「代ゼミ生」の中には,いろんなコースがあるわけで,そもそも東大を目指さない人が行くコースもたくさんある。だとすると,規模の大きな予備校であればあるほど,この確率は低くなる。逆に言えば,初期のSEG(てか,今のSEGはよう知らん)とか規模の小さい塾ほど,この数字は高くなる。普通の予備校は,少数精鋭で行くよりも,たくさんの受講生を集めていった方が経営効率が良くなるから,この数字で競うとなると,「成功している予備校ほどダメに見える」ということになるから,この数字を使うインセンティヴはない。

だとすると,僕たちが知りたいのは,実は「代ゼミの東大進学コース(仮称)のx%が東大に合格」っていう確率か,っていうと,それもよく分からない。その確率は,当該コースのセレクションの仕方でかなり自由自在に変えられる(そういえば,山手線の中でよく見る広告に,「医学部合格率90%」とかいう予備校があったなぁ)。それにそもそも,「予備校での教育じゃなくって地頭で決まるよ」という身も蓋もない発想に立つなら,そういった数字たちはあまり意味を持たないのかもしれない。

という風にこれを合格確率の直接の指標として見ることは,あまりピンと来ないので,ちょっと視点を変えて,「他の受験生たちはどう見てるのか」についての情報だと考えてみる。つまり,「どの予備校がいい予備校か」ということについてみんな情報を集めるんだけれども,自分の収集した情報が本当に正確かどうかは確信が持てないとする。だとすると,「合格者のうちどれだけがその予備校出身者か」という情報は,「合格者のうち,どれだけの人が,その予備校が「いい」と考えていたか」ということを推測させる情報として使えることになる。もちろん,合格者のうちではなくて,受験生のうちの割合でも,同じような情報は得られる。けれども,合格しなかった人の意思決定は,不適切であった可能性があるから,「合格者のうちで」の方が有用な情報になる。
多くの人がこう考えているとすると,「無料の模試を...」という批判は,その予備校のコースを選択した人ではない人を含んだ,ノイジーな情報になってる,ということであたっているのかもしれない。模試を受けるのは,コースを受講するのとは別の理由(同じところを目指す受験生がたくさん受験している方が実力をよりよく測定できるとか,実際の試験をどれだけ忠実に反映しているかとか)で受けるわけだから。

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