コメント: eating Nagoya 2

冷水報告のポイントは、
「困窮者が扶養義務者に扶養請求するのではなく、国家が(いわば立替払した後)
償還請求(という形で扶養義務者に扶養請求)するべきではないか」ということだと思います。したがって「財源」は問題にならず(せいぜい取立費用(これとて本来給付されるべきなのにされていない公的扶助の額から
見れば小額)が増加する程度)、「国家観」
(吉田質問)も「モラルハザード」(水野質問)も「的外れ」という気がします。
しかも、日独でルールは全く同じであり、
違うのは「きっちり償還請求する」という
運用だけ(=日本法でも今すぐ始められる)と
いうことを明らかにした点も功績だと思います。ただ、先生の仰る通り、報告者にその自覚が(恐らく)ないことはかなり問題だと思います。それにしても10万euroが高すぎるとの質問に、「扶養義務者は一人とは限らない」
に(報告者も含め)誰も気づかない(=新堂報告における能見先生のような方がいらっしゃらない)のには驚きました。

ご意見ありがとうございます。
森田先生のご質問は引っ張りすぎたでしょうか?
確かにもりた先生のおっしゃるとおり、私の報告は、「株式持合い」論で従来問題にしていたことは
private benefit規制(規整)がどうあるべきかの問題に帰着するというところまで論じただけで
肝心要のprivate benefit規制(規整)論そのものには立ち入っていません。
そして、それこそが森田先生が「もっとリスクをとれ」とおっしゃっていただいた研究方向なのだと思います。
(昨年夏の札幌合宿で撃沈した報告はこの方向をどう取り扱えばいいのかの暗中模索の中の失敗作です・・・)
アメリカの文献を見ても、なぜ株式所有構造が分散しているのか
法規制が所有構造の原因になるか(なるとはいえない)というテーマの研究が多く
それでは、株式所有構造が分散したほうがよいのか
どういう場合に分散したほうがよいのかについて
純粋理論系の経済学者の議論を除いて
なかなか見当たらないのです...
このテーマを念頭に何か解決策を見つけるべく留学したいのですが。

同僚のよしみ(+報告原稿を事前に読ませていただいたご恩で)S先生のディフェンスをしますと...
S先生は、日本国内で
「イギリスの不法行為法は純粋経済損失をカバーしない」という理解が通説だけど
純粋経済損失概念は、企業損害などを主に念頭において、不法行為訴訟を簡単に起こさせると訴訟の洪水がおこり司法資源が持たない事を懸念して(水門理論)、損害の要保護性があまり高くない場面に限って不法行為訴訟を絞る意図でイギリス裁判所の作ったドグマーティクで、
一旦作ってしまった純粋経済損失ドグマーティクが、訴訟の大量発生が起こらないような場面でもイギリス判例法理の硬直性(?)から適用せざるを得ないので
制定法で解決を図ったということを紹介することで、
「純粋経済損失」ドグマーティクが現実のイギリスの法実践では限定的であることを示すという報告(なはず)です。
(私の読んだ事前原稿段階ではですが)
さらに、純粋経済損失概念による司法資源の節約・有効活用の観点が不法行為法の判断に含まれるというのは
平井理論以来の日本の不法行為法の過失要件または相当因果関係要件の話にはなく
これが日本の不法行為法の要件判断にも取り入れる余地があるのではないか、
現に企業損害類型において日本の裁判例が他の不法行為領域とは異質な判断枠組を採用しているのはこの観点からではないのか
という方向で日本法への示唆を得ようという方向だったはずです。
後段は企業損害について分析が進んでいないので報告には入っていませんし、またほかの先生の最近の議論(米村先生とか?)で既にカバーされているのかもしれませんが...

↑のS先生の報告の理解はあくまで私の理解です。
S先生の理解が私のと100%一致しているわけではありません。
(業界視聴率が高いので念のため)

いつも議論しているのに,お邪魔してしまいました…

すみません…

松岡先生を近くで見てみたかったんです~

以前のワークショップでは,参加する人は受付のところで申込書に名前を記入するっていう方式だったこともありましたが.今回は,申込書あったか分からないです~でも,参加していた方,覚えているので,メールで送ります☆

何か突然すごい量のコメントで,びびってますが(明示的にリンクは貼ってないのに,業界視聴率高いのね....)

とりあえず,冷水報告について補足しますと:
- 公的扶養+償還請求という主張があった点は確かで(そして,それは日本以外の多くの国で行われている),その主張自体はもっともだと思いますが,それと同時に,償還請求の引き起こす問題点を指摘しつつ,基礎保証制度の導入も唱えているので,やはり財源問題にまでたどり着くのぢゃないかと思います
- また,仮に「「きっちり償還請求する」という運用だけ(=日本法でも今すぐ始められる)」が主張だとしても,それは「今すぐ始められる」という訳にはいきません。実際に償還請求するのは,行政の担当者(社会保険庁?)ですから,その担当者に関するインセンティヴスキームをどう組み立てるか,という重大な問題が発生します。たとえば,償還請求の成功率を,行政担当者の業績評価に組み込むと,成功率の低下を恐れてそもそも公的扶養の給付率が下がったり(e.g., 検察官の起訴率),かといってそれを業績評価に組み込まないと償還請求率が下がって財政負担が増えたり,とか,いろいろと考えなきゃ行けないことがあって,その辺のドイツの実態を調べてくれないと,きちんとした比較法とは言えないように思います

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