コメント: PG-12, R-15

すると、アダルトビデオ(児童ポルノ)は性犯罪を減らすという
実証分析はないんですかね

(暴力的映画によって街に出なくなるのは
被害者ではなく潜在的加害者であること前提に)

AVの場合は,たとえ現実に犯罪抑止効果があるとしても,そのことの実証は難しいんじゃないかと思います。

理由は単純で,いいvariationが見つかりそうにないから。

実証をする際のポイントは,いかにしていいvariation(振れ幅が大きくてできればexogenous)のを見つけるか。Levittはその辺がうまいし,今回のDahl and DellaVingaもその辺のセンスがすばらしい。
つまり,今回の例で言えば,毎週末の映画動員数は,かなり大きく変動するし,その変動の仕方は,その映画の人気によってexogenous(かなりの部分は)に決まってくるわけです。

これに対し,アダルトの場合は,そうはいかない。まずもって,マーケットサイズが小さい。例えば,映画館でアダルト映画が上映されても,そんなに動員は期待できないし(というか,そもそもそういう映画が上映されている映画館を探すのが難しそう),TSUTAYAみたいなレンタルショップでアダルトビデオが頻繁に貸し出しされているかというと,多分,AVの売上寄与度は低いはず(もしも高ければ,もっとレンタルのストックが拡大しているはず)。
さらに,仮に,そういったリアルでのマーケットじゃなくて,ネットの世界でのマーケットの方が大きいんだよ,ということになったとしても,今度はじゃあ,エロサイトの閲覧件数と犯罪件数を結びつけられるかというと,そのマッチングは非常に難しい(この意味で,前に書いたhttp://www.law.tohoku.ac.jp/~hatsuru/hop/2007/02/file_sharing.htmlは目の付け所がうまい)。アクセス元が分からないとどうにもならない(IPが割れても,犯罪地域とマッチングできない)。逆に,犯罪者cohortのネット活動をモニタリングするわけにはいかないしね(それができればそもそも犯罪を直接抑止した方が早い)。

だとすると,何か非常に小さくてremoteなvariationを使って,推定をするしかないわけで,それだと多分無理だろうなぁ,という気がするわけです。

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