教授
秋田 将行/AKITA Masayuki
実務家(特許庁審査官)

秋田 将行 顔写真
実務家(特許庁審査官)

学生へのメッセージ

 知的財産、土地、お金は、どれも皆、財産です。

 知的財産というと、なにやら特別なもののように感じるかもしれませんが、知的財産は、現代社会の中で普通に取り扱われている財産です。土地やお金などの財産と知的財産とでは違うところが多いように見えるかもしれませんが、そもそも、土地とお金も相当違うところがありますよね。

 土地やお金などの財産を社会的・経済的に活用する場面では、法学を学ぶ皆さんが身に着ける法的知識が必要とされます。そしてそれは、知的財産という財産を活用する場面でも例外ではありません。

 知的財産権、物権、債権は、どれも皆、権利です。

 知的財産権は、知的財産を保護するために、法律によって定められた権利です。知的財産権という権利を持つ権利者が、どのような法的根拠をもとに、第三者に対してどのような権利主張を行うことができるのかという問題は、物権や債権を持つ権利者が、どのような権利主張を行えるのかという問題に共通する面があると思います。

 こうしてみると、知的財産や知的財産権を取り扱う場面は、財産や権利を取り扱うための法的知識を学ぶ皆さんの出番であると言えることがわかると思います。財産や権利の成り立ちが違うだけです。

 法学を学び、財産や権利の取り扱いの基本を身に着ける皆さんは、実は、知的財産の世界にあと一歩の所まで来ていると言えます。皆さんがほんの少し知的財産の特色を掴めば、自由に知的財産を取り扱えるようになるのではないかと思います。

 ぜひ一度、知的財産法の世界に触れてみてください。

学歴および職歴

学歴

1993年 京都大学理学部(物理)卒

職歴

1993年 特許庁 入庁(審査第二部計測)
1997年 審査官昇任(審査第二部計測(測定))
1998年 カーネギーメロン大学客員研究員
1999年 審査第二部審査官(応用物理)
2000年 総務部国際課総括班総括係長
2001年 特許審査第一部審査官(計測(距離測定))
2002年 特許審査第一部調整課長補佐
2003年 特許審査第一部審査官(材料分析)
2003-05年 外務省 経済局国際機関第一課(現、国際貿易課)
2007年 審判官昇任(審判部第2部門)
2008年 特許審査第一部上席審査官(ナノ物理(ナノ光学))
2011年 特許審査第一部先任上席審査官(ナノ物理(ナノ光学))
2012年 特許審査第一部主任上席審査官(材料分析)
2013年 審査第一部上席総括審査官(ナノ光学技術担当室長)

 特許審査・審判では、カーナビ、計測技術、走査型プローブ顕微鏡、自動分析装置、リソグラフィ装置、車両試験などの技術分野を担当

研究業績等に関する事項

評釈
1.WTOパネル報告書(知的財産権の保護及び執行に影響する中国の措置)の分析(第1回)(平成21年11月)(知財研フォーラム)(79号34−45頁)(共著:尾島明、杉浦淳、秋田将行、岡 輝雄、今浦陽恵、佐藤高之、村川雄一)

報告
1.国際的な特許保護の動向について(平成12年3月)(特技懇)(210号4−15頁)
2.特許情報からみた新技術(17) カーナビゲーションシステム(平成7年11月)(発明 The Invention)(92巻11号42−49頁)

講演
1.平成20年度特許出願技術動向調査「フォトマスク」について(平成21年7月)(応用物理学会次世代リソグラフィ(NGL)技術研究会『NGL 2009』)(基調講演)(予稿集4−5頁)

その他
1.Editor says −少し長めの編集後記− 平成21年度特技懇編集委員長(平成22年5月)(特技懇)(257号25−26頁)