2007(平成19)年度

日時 4月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 曽我 洋介
事件 最一小判平成17年7月14日 民集59巻6号1569頁 判例時報1910号94頁
公立図書館の職員が図書の廃棄について不公正な取扱いをすることと当該図書の著作者の人格的利益の侵害による国家賠償法上の違法
報告者 幸 かおる
事件 最二小判平成17年1月17日 民集59巻1号28頁 判例時報1887号36頁
(1)国税の納税者から申告の委任を受けた者が偽りその他不正の行為を行い納税者が税額の全部又は一部を免れた場合における国税通則法70条5項の適用の有無
(2)税理士に所得税の申告を委任した納税者が脱税を意図しその意図に基づいて行動したとは認められないとした認定に経験則違反の違法があるとされた事例
日時 5月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 最三小判平成19年2月27日 裁時1430号4頁
市立小学校の音楽専科の教諭に対して校長がした入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏を行うことを内容とする職務上の命令が憲法19条に違反しないとされた事例
報告者 高橋 正人
事件 最三小決平成17年10月14日 民集59巻8号2265頁 判例時報1914号84頁
(1)いわゆる災害調査復命書のうち行政内部の意思形成過程に関する情報に係る部分は民訴法220条4号ロ所定の文書に該当するが労働基準監督官等の調査担当者が職務上知ることができた事業者にとっての私的な情報に係る部分は同号ロ所定の文書に該当しないとされた事例ほか
日時 6月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 関沢 修子
事件 東京地判平成18年6月29日(判例集未登載)
一般職国家公務員である被告人が、衆議院議員総選挙に際し、日本共産党を支持する目的で同党の機関誌等を配付した事案について、本件捜査が違法であるとする公訴棄却の主張、国家公務員の政治活動を禁止する国家公務員法が違憲であるとの主張等がいずれも排斥され、被告人が執行猶予付きの罰金刑に処せられた事例
※報告判例は判例集や裁判所HP等には掲載されておりませんが、法律時報増刊(2006年10月)『新たな監視社会と市民的自由の現在』81-112頁に判決文全文が掲載されております。
報告者 松澤 陽明
事件 最二小判平成18年7月14日 民集60巻6号2369頁 判例時報1947号45頁
(1)普通地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する条例の制定行為が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例
(2)普通地方公共団体の住民に準ずる地位にある者による公の施設の利用についての不当な差別的取扱いと地方自治法244条3項他
-高根町簡易水道事業給水条例無効確認等請求訴訟上告審判決-
日時 7月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 寛稔
事件 東京高判平成17年3月24日 判例時報1899号101頁
戸籍の続柄欄において嫡出子と非嫡出子とを区別する記載をすることはプライバシー権を侵害する違法な記載とはいえないとされた事例
報告者 日野 辰哉
事件 最二小判平成19年3月20日 裁判所時報1432号1頁
パチンコ業者らが、風俗営業の許可に係る規制を利用して競業者において購入した出店予定地での営業許可を受けることができないようにする意図の下に、社会福祉法人に児童遊園の土地等を寄付した行為が、不法行為を構成するとされた事例
日時 9月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 高野 修
事件 東京高判平成17年10月20日 判例時報1914号43頁
(1)都市計画法(平成11年法律第87号による改正前のもの)6条1項が定める都市計画に関する基礎調査の結果が勘案されることなく都市計画が決定された場合における当該都市計画決定の適否
(2)都市計画道路を11メートルから17メートルに拡幅するという内容に変更する都市計画の変更決定が、都市計画に関する基礎調査の結果が客観性・実証性を欠くものであったために、不合理な現状の認識及び将来の見通しに依拠したものであり、都市計画法(平成9年法律第50号による改正前のもの)13条1項14号、6号の趣旨に反して違法であるとして、都市計画法53条1項に基づき右変更決定による都市計画道路の区域内に建築物を建築することの許可を申請した者に対してされた不許可処分が取り消された事例
報告者 茂木 洋平
事件 最一判平成18年7月13日 判例時報1946号41頁
平成12年6月に施行された衆議員総選挙までに国会が精神的原因によって投票所に行くことが困難な者の選挙権行使の機会を確保するための立法措置を執らなかったことは国家賠償法一条一項の適用上違法ではないとされた事例
日時 10月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 河北 洋介
事件 最三小判 平成19年9月18日(判例集未登載)
広島市暴走族追放条例(平成14年広島市条例第39号)16条1項1号、17条、19条と憲法21条1項、31条※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 太郎良 留美
事件 最二小決平成16年1月20日 刑集58巻1号26頁
法人税法153条ないし155条にいう質問又は検査の権限の行使により取得収集される証拠資料が後に 犯則事件の証拠として利用されることが想定できる場合と同法156条
日時 11月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 西山 千絵
事件 最三小決平成18年10月3日 民集60巻8号2647頁
(1)民事事件において証人となった報道関係者が民訴法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができるかどうかを判断する基準
(2)民事事件において証人となった報道関係者が民訴法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができる場合
-証言拒絶(NHK記者)事件許可抗告審決定
報告者 荒木 修
事件 名古屋高判平成19年6月15日 (判例集未登載)
景観権、人格権等に基づき民事訴訟上の道路工事の差止めを求める訴えにつき、本件道路工事の一般的停止を求めるもので、行政訴訟の方法によることなく事業認可ないしその事業計画変更の認可に対する不服を申し立てるものであるから民事訴訟として許容されないとして訴えを却下した原判決を取り消し、原裁判所に差し戻した事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 12月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡田 順太
事件 最大判平成19年6月13日 判例時報1977号54頁
(1)衆議院議員選挙区画定審議会三条のいわゆる一人別枠方式を含む衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りの基準を定める規定及び公職選挙法一三条一項、別表第一の上記区割りを定める規定の合憲性
(2)衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に選挙運動を認める公職選挙法の規定の合憲性
報告者 仲野 武志
事件 (1)東京地決平成18年1月25日 判例時報1931号10頁
気管切開手術を受けて喉に障害の残る児童に関し、東京都東大和市に対し、同児童が普通保育園に入園することを仮に承諾することが義務付けられた事例
(2)東京地判平成18年10月25日(本案判決)判例時報1956号62頁
本案判決において、普通保育園への入園を承諾することが義務付けられた事例
(3)徳島地決平成17年6月7日 判例地方自治270号48頁
町立幼稚園への就園を希望する二分脊椎等の障害を有する園児について、町教育委員会が就園不許可処分としたことがその裁量権を逸脱又は濫用したものとして違法であり、就園が許可されないことにより生ずる償うことができない損害を避けるために緊急の必要があるとして、当該幼児の公立幼稚園への就園を仮に許可すべき旨を命じることを求めた仮の義務付けの申し立て(行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第48号)による改正後の行政事件訴訟法37条の5)が認容された事例
日時 1月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐々木 くみ
事件 最一小判 平成19年12月13日
禁錮以上の刑に処せられた後も約26年11か月にわたり事実上勤務を継続した郵政事務官につき,国家公務員法76条,38条2号に基づき失職した旨を主張することが,信義則に反し権利の濫用に当たるということはできないとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 稲葉 馨
事件 最一小判 判平成19年1月25日 民集61巻1号1頁
(1)都道府県による児童福祉法27条1項3号の措置に基づき社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所した児童を養育監護する施設の長及び職員は,国家賠償法1条1項の適用において都道府県の公権力の行使に当たる公務員に該当するとされた事例。
(2)国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても,当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うときは,使用者は民法715条に基づく損害賠償責任を負わないとされた事例。
日時 2月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 早瀬 勝明
事件 (1)大阪地判平成19年8月30日 判例集未登載
政治団体の平成18年分収支報告書の開示請求について,総務大臣が政治資金規正法20条の3第1項の規定に基づき同報告書の要旨が公表される前に同請求に対する処分をしなかったことが違法ではないとされた事例。
(2)大阪地判平成19年9月28日 判例集未登載
未決拘禁者が購読し得る新聞紙(通常紙)を拘置所長の選定した2紙のうちの1紙に限る旨の法務大臣訓令等の規定に基づき,拘置所長の選定した2紙以外の通常紙の定期購読を許可しなかった拘置所長の処分は違憲,違法であるとしてされた国家賠償請求が棄却された事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、(1)事件はこちら(2)事件はこちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 中嶋 直木
事件 最一判平成18年10月5日 判例時報 1952号69頁
法務大臣が出入国管理及び難民認定法49条3項所定の裁決をするに当たり裁決書を作成しなかったことが同裁決及びその後の退去強制令発付処分を取り消すべき違法事由に当たらないとされた事例。
日時 3月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 阿部 恭子
事件 東京高判平成16年8月30日 判例時報1879号 62頁
大学のゼミの招へい講師が、ゼミの懇親会後にホテル内において、同行した女子学生から拒絶されることなく性行為した場合においても、事実経過に照らし不法行為が成立するとして、慰謝料請求が認められた事例。
報告者 三輪 佳久
事件 青森地判平成19年2月23日 判例タイムズ1249号 68頁
(1)暴力団対策法2条6号の「暴力団員」の判断基準。
(2)法人の役員が暴力団員であったことを理由とする当該法人に対する産業廃棄物収集運搬業の許可の取消処分が適法とされた事例。