2004(平成16)年度

日時 4月17日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 曽我洋介
事件 佐賀地判平成13年11月22日 判例時報1783号132頁
大型ごみ焼却場建設反対の懇談会関係のためになされた町営公民館の使用許可が、公民館長によって取消されたことを違法として求めた損害賠償請求が認容された例
報告者 稲葉 馨
事件 名古屋高判平成14年10月7日 判例時報1823号41頁
費用支給の違法を理由として住民訴訟を提起した住民が、1審で勝訴した ものの、その後1審で認容された額が任意に返還されたとして控訴審では請求棄却の判決を受けた場合に、地方公共団体から当該住民に対する弁護士報酬相当額の支払が命じられた例
東京高判平成15年3月26日 判例時報1826号44頁
改正前の地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく県知事等に対する違法公金返還請求訴訟において、請求額の一部に相当する金員を県に返還することを合意し、住民が同訴訟を取り下げ、県知事等がその金員を県に返還した場合は、同法242条の2第7項の「勝訴(一部勝訴判決を含む。)した場合」に該当せず、住民は、県に対して弁護士費用を請求することができないとされた事例
日時 5月15日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 関沢修子
事件 前橋地高崎支判平成13年10月11日 判例時報1782号95頁
県立高校の生徒会誌に特別寄稿した教諭が、同校の校長からその掲載を拒絶されたことを違法として同校長及び県に対して求めた損害賠償が棄却された事例
報告者 阿部泰雄
事件 東京高判平成13年9月5日 判例時報1786号80頁
(1)パソコン通信ネットワーク上の思想フォーラムの電子会議室における発言が、名誉毀損・侮辱に当たるとして、書き込みをした者に不法行為責任が認められた事例
(2)フォーラム上に名誉毀損・侮辱に当たる発言が書き込まれた場合において、 フォーラムを運営・管理するシステムオペレーターは、一定の場合、この発言を削除すべき条理上の義務を負う
(3)システムオペレーターについて、フォーラム上にされた名誉毀損・侮辱に当たる 発言を削除する義務に違反したとは認められなかった事例
(4)パソコン通信の主催者について、フォーラム上に名誉毀損・侮辱に当たる発言がなされても、規約による安全配慮義務を負わないとされた事例
日時 6月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤雄一郎
事件 最三小判平成14年1月29日 民集56巻1号185頁
通信社からの配信を受けた記事をそのまま掲載した新聞社にその内容を真実と信じるについて相当の理由があるとはいえないとされた事例
報告者 藤田紀子
事件 猿の生息地として天然記念物に指定された地域の公園で散歩中に接近した猿に驚いて受傷した事故につき、市に対して猿害対策を怠ったとして求めた国家賠償請求が棄却された事例
日時 7月17日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 東京地判平成14年1月29日 判例時報1797号16頁・控訴
国内で販売されている写真集をいったん外国に持ち出した者がこれを携行して帰国しようとした際にされた、当該写真集が関税定率法21条1項4号所定の輸入禁制品に該当するとの通知が、当該 写真集は、既に国内において専ら芸術的な書籍として流通し、健全な風俗への影響がないものとの評価が確立しているために取締りの対象になっていなかったものと認められ、これを国内に持ち帰って流通に置いても既に確立したと同様の評価を受けると認められるから、わが国における健全な風俗を害するものとは認め難く、同号所定の物品には該当しないとして取り消された事例
報告者 井坂 正宏
事件 東京地判平成14年5月21日 判例時報1791号53頁・控訴
請願には戸籍上の記載を要するとして、「大統領」との名でされた請願を不受理とした処分が、 請願法2条の「氏名」は戸籍上の氏名に限らず通称も含む趣旨であるから、官公署は、通称による請願がされた際には、通称であることを証する書面の提出を求める等補正を促す義務を負っており、 戸籍上の氏名への訂正を求めるのみでは右義務を尽くしたとはいえないとして、取り消された事例
日時 9月25日 土曜日 午後1時半〜(なお、東北法学会開催の為、10月の公法判例研究会も第4土曜日の10月23日を予定しております。)
場所 多目的演習室(文学部・教育学部棟2階)
報告者 佐藤寛稔(東北学院大学)
事件 大阪地判平成15年2月10日 判例時報1821号49頁
対人恐怖症などで投票所に行けない者に郵便による投票制度を認めない公職選挙法は違憲であり、国会が立法せず、また、内閣が法律案を提出しないため投票できずに精神的苦痛をこうむったとして求めた国家賠償請求が棄却された事例
報告者 和泉田保一(東北大学)
事件 東京高判平成14年6月7日 判例時報1815号75頁
(1)建築物制限条例施行の際、根切り工事中であったマンションについて、建築基準法3条2項の「現に建築・・・の工事中の建築物」に該当し、同条例に適合しない建築物であるが、建築基準法に違反する建物ではないとされた事例
(2)建築指導事務所長が建築基準法9条1項に基づく是正命令権限を行使しないことが違法であることの確認を求める無名抗告訴訟が不適法とされた事例 -国立マンション除去命令等請求事件控訴審判決
日時 10月23日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 阿部 智洋
事件 札幌地判平成14年11月11日 判例時報1806号84頁
公衆浴場を経営する事業者が外国人の入浴を一律に拒否する営業を行う経営方針の下、外国国籍を有するものの、日本に帰化した者の入浴を拒否したことが人種差別に当たるなどとし、右事業者の不法行為が肯定された事例
報告者 高橋 正人
事件 東京地判平成14年12月26日 判例時報1822号75頁
公正取引委員会の勧告において存在するとされた不当な取引制限の事実がその後の審決において認められなかった場合において、被勧告人が当該勧告の違法を理由に提起した国家賠償請求につき、当該勧告は公正取引委員会の職務上の義務に照らしても不相当なものであったとまではいうことができず、国家賠償法上の違法性は認められないとして、請求が棄却された事例
(なお、控訴審判決(東京高判平成15年4月24日・判例集未登載)について、ジュリスト1269号243頁)
日時 11月20日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 戸部 真澄
事件 名古屋地判平成14年10月30日 判例時報1812号79頁
行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づいてなされた、請求者本人の個人情報が記録された公文書の開示請求につき、個人情報の不開示を定めた同法5条1号に該当するとしてされた一部不開示決定が適法とされた事例
日時 12月18日 土曜日 午後1時半〜(1月の研究会は、大学入試センター試験のため、第4土曜日(22日)に開催いたします。)
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 玉蟲 由樹
事件 最二小判平成15年9月22日 民集57巻8号973頁
大学がその主催する講演会に参加を申し込んだ学生の氏名・住所等の情報を警察に開示した行為が不法行為を構成するとされた事例 -早稲田大学江沢民講演会名簿提出事件上告審判決
報告者 高橋 正人
事件 東京地判平成13年9月28日 判例時報1799号21頁
一 血友病患者らが医師から血友病治療薬である非加熱濃縮血液凝固第Ⅷ因子製剤の投与を受けたところ、同製剤にHIVが混入していたためこれに感染し、やがてエイズを発症して死亡した場合につき、同製剤の製造・輸入の承認に関する行政事務を統括する立場にあった厚生省課長の過失責任が否定された事例
二 肝機能障害患者が医師から止血剤として非加熱濃縮血液凝固第IX因子製剤の投与を受けたところ、同製剤にHIVが混入されていたためこれに感染し、やがてエイズを発症して死亡した場合につき、同製剤の製造・輸入の承認等に関する行政事務を統括する立場にあった厚生省課長の過失責任が肯定された事例 他
日時 平成17年1月22日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 鈴木 法日児
事件 最一小判平成15年12月11日 刑集57巻11号1147頁
ストーカー行為等の規制等に関する法律二条一項、二項、一三条一項は、憲法一三条、二一条一項に違反しないとされた事例
報告者 武者 光明
事件 東京地判平成15年5月16日 (判例集未登載)
行政文書不開示決定取消請求事件※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 平成17年2月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 田代 亜紀
事件 最一小判平成16年11月25日 (判例集未登載)
放送法4条1項の規定に基づく訂正放送に関する判例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 松澤 陽明
事件 東京地判平成14年1月22日 判時1809号16頁
弁護士法30条3項に基づく営業の許可申請に対して弁護士会が不許可決定をしたことが違法かつ無効であり、弁護士会は当該申請を許可する義務があったとして、弁護士会に営業許可の意思表示をすることが命じられた事例
日時 平成17年3月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 大石 和彦
事件 最判平成16年10月14日 裁判所時報1373号3頁
民法900条4号但書非嫡出子相続分をH7年決定を踏襲し合憲とした事例
報告者 米田 雅宏
事件 最判平成15年9月4日 判例時報1841号89頁
労働基準監督署長が労働災害者補償保険法(平成10年法律第160号による改正前のもの)23条に基づいて行う労災就業援護費の支給に関する決定と抗告訴訟の対象