公法判例研究会の活動内容

東北大学公法判例研究会は、研究者、実務家、大学院生から成る判例研究会です。原則として、毎月第三土曜日の午後1時半から、公法(憲法、行政法、租税法)に関する判決を2つ取り上げて、研究会を行っています。

2017(平成29)年度

日時 4月15日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(川内南キャンパス・法学研究科棟3階)
報告者 松原 俊介 氏(東北大学大学院博士後期後期)
事件 東京高判平成27年7月1日(平成26(ネ)5258号)判例集未登載性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項に基づき男から女への性別の取扱いの変更の審判を受けた原告(被控訴人)及び同人が代表取締役を務める原告会社が、株主会員制のゴルフ場を経営する被告(控訴人)会社及び同ゴルフ場の運営団体である被告(控訴人)クラブに対し、原告の性別変更を理由とする被告らによる原告会社に対する被告クラブへの入会拒否及び被告会社株式の譲渡承認拒否は、憲法14条1項の趣旨等を包含する公序良俗に反し違法であると主張して、共同不法行為(民法719条1項)に基づき、原告及び原告会社が、被告らに対して損害賠償金の連帯支払を求めたところ、原判決は、原告の請求を一部認容し、その余の請求及び原告会社の請求をいずれも棄却したため、被告らが、原告の請求を一部認容したことを不服として控訴をした事案において、原判決は相当であるとして、控訴をいずれも棄却した事例。一審:静岡地裁浜松支部判平成26年9月8日(平成24年(ワ)627号)判例時報2243号67頁
報告者 髙畑 柊子 氏(東北大学大学院博士後期課程)
事件 ①最二判平成28年7月15日(平成25(行ヒ)533号)判時2316号53頁②最二判平成28年7月15日(平成26(行ヒ)472号)判時2316号58頁鳴門競艇従事員共済会から鳴門競艇臨時従事員に支給される離職せん別金に充てるため、鳴門市が平成22年7月に共済会に対して補助金を交付したことが、給与条例主義を定める地方公営企業法38条4項に反する違法、無効な財務会計上の行為であるなどとして、市の住民である上告人らが、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、被上告人市長を相手に、当時の市長の職にあった者に対する損害賠償請求をすることを求めるとともに、被上告人市公営企業管理者企業局長を相手に、当時の市の企業局長及び企業局次長の各職にあった者らに対する損害賠償請求、当時の市企業局競艇企画管理課長の職にあった者に対する賠償命令並びに共済会に対する不当利得返還請求をすることを、それぞれ求めた住民訴訟で、原判決は、離職せん別金が退職金としての性格を有し、本件補助金の交付が実質的に臨時従事員に対する退職金支給としての性格を有していることは否定できないが、臨時従事員の就労の実態が常勤職員に準じる継続的なものであり、退職手当を受領するだけの実質が存在すること等からすれば、本件補助金の交付が給与法定主義の趣旨に反し、これを潜脱するものとはいえず、本件補助金の交付に地方自治法232条の2の定める公益上の必要性があるとの判断が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものであるとは認められないから、本件補助金の交付が違法であるということはできないとし、上告人らの請求を棄却したため、上告人らが上告した事案において、職権による検討で、原判決のうち請求を棄却すべきものとした部分には明らかな法令の違反があるとし、当該部分につき、原判決を破棄し、第1審判決を取消し、上記請求に係る訴えを却下し、A、B、C及びDの各損害賠償責任の有無並びに共済会の不当利得返還債務の有無につき更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻すこととした事例。①一審:徳島地判平成25年1月28日判例地方自治383号18頁控訴審:高松高判平成25年8月29日判例地方自治383号16頁②一審:徳島地判平成26年1月31日判例地方自治414号28頁

控訴審:高松高判平成26年8月28日判例地方自治414号32頁

 

日時 日時:5月20日(土)13時30分より
場所 場所:東北大学川内南キャンパス 文科系総合講義棟2階 第1小講義室
報告者 千國 亮介 氏(岩手県立大学専任講師)
事件 最三判平成29年3月21日(平成27(行ツ)375号)裁判所ウェブサイト上告人(原告・被控訴人)の妻が、公務により精神障害を発症し自殺したため、上告人が、遺族補償年金の支給請求をするとともに、遺族特別支給金等の支給申請をしたが、いずれも不支給とする旨の決定を受けたため、被上告人(被告・控訴人。地方公務員災害補償基金)に対し、上記処分の取消しを求め、第一審では、上告人の請求を認容したため、被上告人が控訴し、控訴審では、妻について、遺族補償年金を受給できるものとするが、夫について、「一般に独力で生計を維持することが困難である」と認められる一定の年齢に該当する場合に遺族補償年金を受給できるものとする旨の遺族補償年金の受給要件に係る区別は、合理性を欠くということはできないとし、第一審判決を取り消し、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、地方公務員災害補償法32条1項ただし書及び附則7条の2第2項のうち、死亡した職員の夫について、当該職員の死亡の当時一定の年齢に達していることを受給の要件としている部分が憲法14条1項に違反しないとしたうえで、原審の判断は正当として是認することができるとし、上告を棄却した事例。一審:大阪地判平成25年11月25日(平成23(行ウ)178号)判時2216号122頁原審:大阪高判平成27年6月19日(平成25(行コ)211号)判時2280号21頁
報告者 和泉田 保一 氏(山形大学准教授)
事件 前橋地判平成29年3月17日(平成25(ワ)478号)裁判所ウェブサイト東京電力福島第一原発事故において、被告国が規制権限を行使して被告東電に本件事故の結果回避措置を講じさせるべきで被告国の規制権限不行使の違法等を認め、原告住民らに対する損害賠償責任を認めた事例。

 

日時 日時:6月17日(土)13時30分より
場所 場所:東北大学川内南キャンパス 法学研究科棟3階大会議室
報告者 御幸 聖樹 氏(横浜国立大学准教授)
事件 最一判平成27年12月14日(平成26(オ)77号、平成26(受)93号)民集69巻8号2348頁被上告人が昭和49年に電電公社を退職した際に日本電信電話公社共済組合(旧共済組合)から退職一時金として14万1367円を受給したところ、被上告人が満60歳となり旧共済組合の組合員であった期間を計算の基礎とする老齢厚生年金及び退職共済年金の受給権を有するようになったため、旧共済組合の権利義務を承継した上告人が、被上告人に対し、当該退職一時金として支給を受けた上記の額に利子に相当する額を加えた額に相当する金額66万0460円及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原審が、上告人の請求のうち退職一時金利子加算額の利子相当額に係る部分を棄却したため、上告人が上告した事案において、厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う国家公務員共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令4条2項の利率の定めが無効であるとした原審の判断には、憲法解釈の誤り及び結論に影響を及ぼすことが明らかな法令解釈の誤りがあるとし、原判決中上告人敗訴部分は破棄を免れないとし、上告人の請求には理由があるから、これを認容した第1審判決は正当であり、上記部分につき被上告人の控訴を棄却した事例。一審:東京地判平成24年12月26日(平成24(ワ)1499号)民集69巻8号2384頁

原審:東京高判平成25年9月26日(平成25(ネ)1057号)民集69巻8号2391頁

報告者 釼持 麻衣 氏(上智大学大学院博士課程)
事件 最三判平成26年1月28日(平成23(行ヒ)332号)民集68巻1号49頁小浜市長から廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく一般廃棄物収集運搬業の許可及びその更新を受けている上告人が、同市長により同法に基づいて有限会社Bに対する一般廃棄物収集運搬業の許可更新処分並びに被上告補助参加人に対する一般廃棄物収集運搬業及び一般廃棄物処分業の許可更新処分がされたことにつき、被上告人を相手に、上記両名に対する上記各許可更新処分は違法であると主張してそれらの取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めたところ、原審は、上告人は本件各更新処分の取消しを求める原告適格を有しないとしてこれらの取消請求に係る訴えを却下すべきものとし、国家賠償法に基づく損害賠償請求を棄却すべきものとしたため、本件上告人が上告した事案において、原審の判断のうち、本件更新処分1及び本件更新処分2のうち、一般廃棄物収集運搬業の許可更新処分の取消請求並びに損害賠償請求に係る部分には、法令の解釈適用を誤った違法があるが、上告人は、平成25年5月8日に小浜市長に対して廃棄物処理法7条の2第3項に基づき一般廃棄物収集運搬業を廃業する旨を届け出た上で同年6月に廃業したことが明らかであるから、上告人が上記各処分の取消しを求める法律上の利益は失われたものといわざるを得ないとし、本件更新処分2のうち一般廃棄物処分業の許可更新処分の取消請求に係る訴えは当初から原告適格を欠いていたのであるから、本件各更新処分の取消請求に係る訴えをいずれも却下すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができるとし、原判決のうち損害賠償請求に係る以外の部分に係る上告を棄却し、他方、原審の判断のうち損害賠償請求に係る部分に関する部分は破棄し、本件各更新処分の違法性の有無等について更に審理を尽くさせるため、原審に差し戻しを命じた事例。一審:福井地判平成22年9月10日(平成18(行ウ)5号、平成22(行ウ)11号)民集68巻1号77頁

原審:名古屋高判金沢支部判平成23年6月1日(平成22(行コ)16号)民集68巻1号102頁

 

日時 日時:7月21日(土)13時30分より
場所 場所:東北大学川内南キャンパス 法学研究科棟3階大会議室
報告者 今井 健太郎 氏(早稲田大学社会科学研究科研究生)
事件 最大判平成29年3月15日(平成28(あ)442号)裁時1672号1頁車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は令状がなければ行うことができない強制の処分にあたるかどうかについて、車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査であるGPS捜査は,個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによって,合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であり,令状がなければ行うことができない強制の処分にあたるとした事例。

一審:大阪地決平成27年6月5日(平成25(わ)5962号)判時2288号144頁、同平成27年7月10日(平成25(わ)5962号)判時2288号144頁

原審:大阪高判平成28年3月2日(平成27(う)966号)判タ1429号148頁

報告者 千葉 実 氏(岩手県立大学特任准教授)
研究報告 災害対策法制のさらなる体系化の方向性(仮題)

 

日時 日時:9月9日(土)13時30分より
場所 場所:東北大学川内南キャンパス 法学研究科棟2階演習室2番
報告者 松村 芳明 氏(東京工業大学非常勤講師
事件 横浜地裁川崎支部決平成28年6月2日(平成28(ヨ)42号)判例時報2296号14頁

社会福祉法人の認可を受けた債権者が、債務者に対し、いわゆるヘイトデモ禁止仮処分命令を申し立てた事案において、専ら本邦外出身者に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で、公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し、又は本邦外出身者の名誉を毀損し、若しくは著しく侮辱するなどして、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由に本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する、差別的言動解消法2条に該当する差別的言動は、平穏に生活する人格権に対する違法な侵害行為に当たるものとして不法行為を構成すると解され、また、当該法人の事業所において平穏に事業を行う人格権を侵害する違法性が顕著な場合には、当該法人は、自然人の場合と同様に、人格権に基づく妨害予防請求権として、その差別的言動の事前の差止めを求める権利を有するとして、本件申立てを認容した事例。

報告者 高橋 正人 氏(静岡大学准教授)
研究報告 橋本公宣のアメリカ司法審査論

2016(平成28)年度

日時 4月16日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 川口 かしみ 氏(早稲田大学大学院博士課程)
事件 大阪地決平成27年1月27日(平成26(わ)124号他)判例集未登載被告人に対する窃盗、建造物侵入被告事件において、(1)泳がせ捜査については、捜査機関が一連の犯行の後まで被告人らを逮捕しなかったことは適法であり、検察官の公訴提起に裁量権の逸脱はなく、(2)GPS捜査については、令状主義の精神を没却するような重大な違法はないとし、検察官の公訴提起に裁量権の逸脱はなく、弁護人指摘の各証拠の証拠能力も否定されないとし、取調べ済みの証拠のうち一部更新して取調べ、検察官から証拠調べ請求のあった証拠を証拠として採用すると決定した事例。
報告者 飯島 淳子 氏(東北大学教授)
研究報告 「社会」改革と行政法理論

 

日時 5月21日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 菊地 洋 氏(岩手大学准教授)
事件  大阪地判平成26年12月17日(平成24(行ウ)222号)判時2264号103頁大阪市交通局長は、被告大阪市交通局自動車部の職員である原告に対し、同人が入れ墨の有無等を尋ねる調査に所定の書面で回答しなかったことが職務命令違反(地方公務員法32条)に当たるとして、地方公務員法29条1項1ないし3号並びに大阪市職員基本条例28条1項及び別表11号に基づき、懲戒処分としての戒告処分をしたことにつき、前記調査は憲法13条等に違反する違憲・違法な調査であるから、前記調査に回答するよう命じた職務命令及び本件処分も違法であるとして、本件処分の取消しを求めるとともに、前記調査、本件処分等により精神的損害等を被ったとして、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料300万円及び弁護士費用相当額75万円の損害賠償並びに遅延損害金の支払を求める事案において、原告の請求のうち、本件処分の取消しを求める訴えは理由があるとして認容することとし,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求は理由がないとして棄却した事例。
報告者 高橋  正人 氏(静岡大学准教授)
事件 最三小判平成27年3月3日(平成26(行ヒ)225号)民集69巻2号143頁風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条1項7号のぱちんこ屋の営業に該当する風俗営業を営む上告人が、北海道函館方面公安委員会から風営法26条1項に基づく営業停止処分を受けたため、同委員会の所属する被上告人を相手に、同処分は違法であると主張して、その取消しを求めたところ、原審では、上告人が、処分の効果が期間の経過によりなくなった後においてもなお処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者(行政事件訴訟法9条1項)には当たらないとし、本件訴えを却下したため、上告人が上告した事案で、行政手続法12条1項の規定により定められ公にされている処分基準において、先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の不利益な取扱いの定めがある場合には、上記先行の処分に当たる処分を受けた者は、将来において上記後行の処分に当たる処分の対象となり得るときは、上記先行の処分に当たる処分の効果が期間の経過によりなくなった後においても、当該処分基準の定めにより上記の不利益な取扱いを受けるべき期間内はなお当該処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものと解するのが相当であるとし、上告人は、行政手続法12条1項の規定により定められ公にされている処分基準である本件規程の定めにより将来の営業停止命令における停止期間の量定が加重されるべき本件処分後3年の期間内は、なお本件処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものというべきであり、これと異なる見解の下に、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第一審判決を取消し、本件処分の違法事由の有無につき審理させるため、本件を第一審に差し戻すべきであるとした事例。(一審)札幌地判平成25年8月23日(平成24(行ウ)39号)民集69巻2号160頁(控訴審)札幌高判平成26年2月20日(平成25(行コ)28号)民集69巻2号176頁(差戻第一審)札幌地判平成27年6月18日(平成27(行ウ)9号)判例集未登載

 

日時 6月18日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 高橋 勇人 氏(東北大学大学院)
事件  最大判平成27年12月16日(平成26(オ)1023号)判時2284号38頁原告(控訴人、上告人)らが、夫婦が婚姻の際に定めるところに従い夫又は妻の氏を称すると定める民法750条の規定は、憲法13条、憲法14条1項、憲法24条1項及び2項等に違反すると主張し、前記規定を改廃する立法措置をとらないという立法不作為の違法を理由に、被告(被控訴人、被上告人)国に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めたところ、第一審及び控訴審とも原告らの請求が棄却されたため、原告らが上告した事案において、前記規定を改廃する立法措置をとらない立法不作為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではなく、原告らの請求を棄却すべきものとした原審の判断は是認することができるとして、上告を棄却した事例。一審:東京地判平成25年5月29日(平成23(ワ)6049号)判時2196号67頁原審:東京高判平成26年3月28日(平成25(ネ)3821号)判例集未登載
報告者 中嶋  直木 氏(熊本大学専任講師)
事件  仙台高判平成27年7月15日(平成27(行コ)5号)判時2272号35頁目的外に使用された補助金にかかる交付決定を取り消してその返還を求めないことが違法な怠る事実であると主張して提起された住民訴訟において、その取消決定が行われていない時点においても、地方自治法242条1項所定の「財産」に属する補助金返還請求権の管理を怠る行為に該当すると解された事例。一審:盛岡地判平成26年12月19日(平成25(行ウ)4号)判時2272号37頁

 

日時 7月23日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者  成原 慧 氏(東京大学大学院情報学環客員研究員)
事件  大阪高判平成27年2月18日(平成26(ネ)2415号)判例集未登載控訴人(原告)が、インターネット上で検索サービス等を提供するウェブサイトを運営する被控訴人(被告)に対し、同サイトで控訴人の氏名を検索語として検索を行うと、控訴人の逮捕に関する事実が表示されるところ、これにより控訴人の名誉が毀損され、プライバシーが侵害されているとして、不法行為に基づき、損害賠償金の支払いを求めるとともに、控訴人が逮捕された旨の事実の表示および同事実が記載されているウェブサイトへのリンクの表示の各差止めを求めたところ、原審は請求を棄却したため、控訴人が控訴した事案において、控訴人の不利益と公表する理由とを比較すると、後者が前者に優越するから、違法性が阻却され、不法行為は成立しないとして、控訴を棄却した事例。一審:京都地判平成26年8月7日(平成25(ワ)2893号)判例集未登載
報告者  和泉田  保一 氏(山形大学准教授)
事件   最一判平成27年12月14日(平成27(行ヒ)301号)最時1642号26頁鎌倉市長が、都市計画法29条1項による開発許可をしたことについて、開発区域の周辺に居住する被上告人らが、上告人を相手に、上記開発許可の取消しを求め、原審は、上記許可に係る開発行為に関する工事が完了し、検査済証が交付された後においても、本件許可の取消しを求める訴えの利益は失われないと判断し、これが失われるとして被上告人らの訴えを却下した第1審判決を取消して本件を第1審に差し戻すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、原審の判断は、正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。一審:横浜地判平成26年9月10日(平成25年(行ウ)69号)判自406号80頁
原審:東京高判平成27年2月25日(平成26年(行コ)408号)判自406号77頁

 

日時 9月10日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 松村 芳明 氏(専修大学非常勤講師)
事件 高松高判平成28年4月25日(平成27(ネ)144、254号)判例集未登載一審被告在特会の会員らである一審被告らが、一審原告らを抗議対象者とする街頭宣伝活動を行った際、一審原告組合の事務所内に住居侵入の上、一審原告bらの執務する事務所内において、拡声器を用いて大音量による示威活動を行い、一審被告fにおいてその映像をインターネットを通じて公開したことなどについて、一審原告組合が、上記示威活動等やその映像をインターネットで公開する行為は、業務を妨害し、名誉を毀損する不法行為に該当すると主張して、一審被告在特会に対しては民法715条1項に基づき、一審被告dらに対しては民法709条、民法719条1項に基づき、損害賠償を求めた等の事案において、一審原告bは、本件各示威行動等やその映像をインターネット上で公開するという不法行為により、私生活の平穏・人格権を侵害されるとともにその名誉を毀損され、外傷後ストレス障害に罹患した等として、一審原告らの控訴に基づき、原判決を変更した事例。(一審)徳島地判平成27年3月27日(平成25(ワ)282号)判例集未登載
報告者 笹村 恵司 氏(弁護士)
事件 大阪高判平成27年10月13日(平成27(行コ)2号)判時2296号30頁大阪市の公立小中学校等に勤務する教職員によって組織された職員団体である被控訴人(原告)が、主催する教育研究集会の会場として、各小学校の施設の目的外使用許可の申請をしたところ、各校長が不許可とする処分をしたことから、控訴人(被告。大阪市)に対し、各不許可処分の無効確認を求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求め、1審が、無効確認を却下し、国家賠償請求を一部認容した事案において、両校長に国家賠償法上の違法及び過失を認めることはできないとして、原判決中控訴人敗訴部分を取り消し、被控訴人の請求を棄却した事例。(一審)大阪地判平成26年11月26日(平成24(行ウ)164号)判時2259号114頁

 

日時 10月22日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 西山 千絵 氏(琉球大学准教授)
事件 最一判平成27年12月7日(平成26(あ)1118号)裁判所HP旅館業法違反事件の上告審において、被告人本人の上告趣意のうち、旅行業の登録制度に関し、憲法22条1項違反をいう点について、旅行業法29条1号、旅行業法3条、旅行業法2条1項は、憲法22条1項に違反する旨主張するが、旅行業法の上記各規定は、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的として、旅行業を営む者について登録制度を採用し、無登録の者が旅行業を営むことを禁止し、これに違反した者を処罰することにしたものであるため、上記各規定が、憲法22条1項に違反しないとした事例。(原審)東京高判平成26年6月20日(平成26(う)462号)判例集未登載
報告者 稲村 健太郎 氏(福島大学准教授)
事件 最一判平成27年10月8日(平成26(行ヒ)167号)判タ1419号72頁権利能力のない社団の理事長及び専務理事の地位にあった者が当該 社団からの借入金債務の免除を受けることにより得た利益が所得税 法28条1項にいう賞与又は賞与の性質を有する給与に当たるとされた事例。(一審)岡山地判平成25年3月27日(平成24(行ウ)6号)税資263号12184順号(原審)広島高判平成26年1月30日(平成25(行コ)9号)訟月62巻7号1287頁
日時 11月19日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 佐藤 雄一郎 氏(熊本県立大学准教授)
研究報告 政治活動と財政法-政治倫理条例の視点から
報告者 中原 茂樹 氏(東北大学教授)
研究報告 課徴金制度をめぐる最近の動向について参考文献: 中原茂樹「景品表示法上の課徴金について」小早川光郎先生古稀記念『現代行政法の構造と展開』(有斐閣、2016年)793頁独占禁止法研究会「課徴金制度の在り方に関する論点整理(案)」

 

日時 12月17日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 仲野 武志 氏(京都大学教授)
研究報告 武力行使・武器使用の法的規律
報告者 奥田 喜道 氏(跡見学園女子大学助教)
事件 福岡高裁宮崎支部決定平成28年4月6日(平成27(ラ)33号)判例集未登載人格権侵害を理由として九州電力の川内原発の稼働などを差止めることを求める申立が却下されたことに対してなされた即時抗告に対して、主に①リスクの取り扱いにかかわる司法審査のあり方、②地震による原発事故の可能性と人格権侵害およびそのおそれの有無、③火山による原発への影響の可能性と人格権侵害およびそのおそれの有無、④その他の事象(竜巻、テロリズム・戦闘行為)による原発への影響の可能性と人格権侵害およびそのおそれの有無、⑤避難計画等の実効性と人格権侵害およびそのおそれの有無について審査し、いずれにも理由がないとして棄却した事例。
一審:鹿児島地裁決定平成27年4月22日(平成26(ヨ)36号)判例集未登載

 

日時 1月28日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 高橋 勇人 氏(東北大学博士課程後期)
研究報告 フランス憲法判例研究Décision n° 2003-475 DC du 24 juillet 2003 ( Loi portant réforme de l’élection des sénateurs )
報告者 千葉 実 氏(岩手県立大学特任准教授)
事件 公害等調整委員会裁定平成25年3月11日(平成24(ふ)1号)判時2182号34頁申請人が、砂利採取法16条に基づき砂利採取計画の認可申請をしたところ、不認可処分を受けたことから、同処分を取り消すとの裁定を求めた事案において、砂利採取跡地の埋戻しの履行を担保する保証措置を具体的に裏付ける書面を提出することを砂利採取認可の要件とする条例の条項は、当該地方公共団体の砂利採取の実情に適合した有効かつ合理的なものであり、かつ、確実な埋戻しを図るための必要最小限度の規制方法で、それによって砂利採取業者に過大な負担や不当な義務を負わせるものではないときは、砂利採取法及び砂利の採取計画等に関する規則との間に矛盾抵触はなく、適法であるとして、申立人の本件裁定申請を棄却した事例。

 

日時 2月18日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 久村 靖高 氏(東北大学大学院修士課程)
事件 東京高判平成25年2月19日(平成24(ネ)1030号)判時2192号30頁本件総選挙において、帰化により日本国籍を取得したものの、公職選挙法21条1項の3か月記録要件を満たさないとして選挙人名簿へ登録がされず、選挙権を行使できなかった原告(控訴人)が、同項は、憲法前文等に違反し、原告の選挙権を不当に制約・剥奪するものであり、国会による同条の立法行為及び選挙直前3か月以内に帰化した者が選挙権を行使できるような立法措置を怠った不作為により精神的損害を被ったとして、損害賠償を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、3か月という期間は決して短期のものとはいえないが、実効性のある不正投票防止を実現するために要する期間として上記期間を設定したことが、国会に委ねられた裁量を逸脱した合理性を欠く許容しがたいものと断ずることはできないとし、控訴を棄却した事例。一審:東京地判平成24年1月20日判時2192号38頁

上告審:最一判平成26年5月26日判例集未登載

報告者 千國 亮介 氏(岩手県立大学専任講師)
事件 広島地判平成28年7月20日(平成27(行ウ)25号)判例集未登載受刑者である原告が次回の衆議院議員及び参議院議員の総選挙において投票することができる地位にあることの確認を求めるとともに、平成26年12月14日に実施された衆議院議員選挙において選挙権の行使を否定され、精神的苦痛を受けたとして、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を求めた事案において、公職選挙法11条1項2号が受刑者について選挙権及び被選挙権を有しないものと定めたのは、受刑者が、重大な犯罪を犯し、一般社会とは厳に隔離されるべき者として拘禁されていることに着目して、そのような者に対する制裁として選挙人の資格を停止することとし、そのことが選挙が公明かつ適正に行われることに資するとした趣旨と解されると示し、受刑者であることを欠格事由とする上記規定は、立法府の合理的裁量の範囲を逸脱するものではなく、刑罰に伴う制裁として必要かつ合理的なものであるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。

 

日時 3月18日(土)14時~17時
場所 東北大学 片平キャンパス エクステンション教育研究棟 3階301講義室(〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平2丁目1−1)
講演 「持続可能性について、人口減少社会に鑑みて」※講演と質疑の言語はドイツ語になりますが、太田匡彦教授(東京大学)による通訳があります。今回の研究会は、科学研究費助成事業・基盤研究A「人口・復興・地方創生―「人口減少社会」論の構築に向けて」(研究代表者・渡辺達徳)及び同・基盤研究B「行政法の法典化に関する基礎的研究」(研究代表者・山本隆司)との共催となります。
講演者 ヴォルフガング・カール教授(ハイデルベルク大学)(講演者プロフィール)カール教授は1965年生まれ。アウグスブルク大学およびミュンヘン大学で法学・政治学を学んだ後、アウグスブルク大学でライナー・シュミット教授のもと、博士学位(博士論文「環境原理と共同体法」)および教授資格(教授資格申請論文「国家監督」)を取得し、ギーセン大学教授に就任。バイロイト大学教授在任中の2005年、ドイツ国法学者大会で報告(テーマ「文化財・法益としての言語」)。2009年に、エバーハルト・シュミット-アスマン教授の後任として、ハイデルベルク大学教授に就任。基本法ボン版コンメンタールの共編者、Mohr社「行政法叢書」の共同監修者、環境法の代表的な概説書の共著者をつとめるなど、ドイツで憲法、行政法、環境法の分野を代表する公法学者の一人である。

2015(平成27)年度

日時 4月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 松村 芳明 氏(専修大学他非常勤講師)
事件 大阪高判平成27年1月21日(平成26(う)705号)判例集未登載
被告人は、設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせるクラブを経営するものであるが、共犯者と共謀の上、大阪府公安委員会から風俗営業の許可を受けないで、不特定の来店客にダンスをさせ、かつ、酒類等を提供して飲食させ、もって許可を受けないで風俗営業を営んだとして、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)違反として起訴された第一審判決で、風営法2条1項3号に定める「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業」の意義について、形式的にその文言に該当するだけでなく、「その具体的な営業態様から、歓楽的、享楽的な雰囲気を過度に醸成し、わいせつな行為の発生を招くなどの性風俗秩序の乱れにつながるおそれが、単に抽象的なものにととまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められる営業を指す」との限定的な解釈を行った上で、被告人の本件営業はこれに該当しないとして、無罪を言い渡したため、検察官が控訴した事案において、原判決は、3号営業に対する規制目的を性風俗秩序の維持と少年の健全育成に限定し、他の規制目的を考慮していないと解される点で相当でなく、また、3号営業の解釈自体においても、3号営業に対する事前許可性と両立し難い不適当な基準を定めた点で、法令の解釈適用を誤ったものではあるが、ダンスをさせる営業をその態様を問わず一律に規制対象とすることは合理性を欠くと解釈したことは相当であり、本件公訴事実について3号営業を営んだことに当たらないため犯罪の証明がないとして無罪を言い渡した原判決の結論は正当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
(一審)大阪地判平成26年4月25日(平成24(わ)1923号)裁判所HP
報告者 千葉 実 氏(岩手県立大学特任准教授)
事件 最二小判平成24年4月20日(平成21(行ヒ)235号)判時2168号45頁
大阪府大東市の住民である上告人が、市が非常勤職員に退職慰労金を支給していることは給与条例主義を定めた地方自治法204条の2等の規定に違反し違法で あるとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、市長であったAに対する損害賠償請求等をすることを求めるとともに、同項1号に基づき、公金の支 出の差止めを求めたところ、控訴審係属中に市議会が市の損害賠償請求権を放棄する旨の議決をし、これによって当該請求権は消滅したとして控訴審が上告人の 請求を棄却したことから、上告した事案において、退職慰労金の支給に係る違法事由の有無及び性格やAらの故意又は過失等の帰責性の有無及び程度を始め、退 職慰労金の支給の性質、内容、原因、経緯及び影響、上記議決の趣旨及び経緯、当該請求権の放棄又は行使の影響、本件訴訟の経緯、事後の状況などの考慮され るべき事情について審理を尽くすことなく、上記議決が適法であるとした原審の判断には審理不尽の違法があるとして、原判決を一部破棄し、本件を原裁判所に 差し戻した事例。
(第一審)大阪地判平成20年8月7日(平成19(行ウ)232号)判タ1300号172頁
(差戻控訴審)大阪高判平成25年3月27日(平成24(行コ)79号)判例集未登載

 

日時 5月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 菊地 洋 氏(岩手大学准教授)
事件 東京高判平成26年1月30日(平成25(ネ)5975、6802号)判例地方自治387号11頁
原告(被控訴人兼附帯控訴人)が、被告秦野市(控訴人兼附帯被控訴人)の農業委員会及び環境保全課の職員らに対し、秦野市内の原告所有土地について農家用住宅を建築することや井戸を設置することなどを相談したところ、その職員らが違法な説明をしたために、農家用住宅の建築が遅延し、また、水道を敷設せざるを得なくなったなどと主張して、被告に対し国家賠償法1条1項に基づいて損害賠償の支払を求めたところ、請求を一部認容したため、被告が控訴し、原告が附帯控訴をした事案において、被告職員の説明ないし対応が国家賠償法上違法であるとは認めることはできないなどとして、原判決中の被告敗訴の部分を取り消して原告の請求を棄却し、原告の附帯控訴を棄却した事例。
(一審)横浜地裁小田原支部判平成25年9月13日(平成23(ワ)955号)判例地方自治383号9頁
報告者 中原 茂樹 氏(東北大学教授)
事件 大阪地判平成26年5月23日(平成26(行ク)58、59、60、61、62号)裁判所HP
一般乗用旅客自動車運送事業を営む申立人らが、運輸局長に届け出た運賃が、運輸局長が本件公示によって指定するタクシー事業に係る旅客の運賃の範囲内にないことを理由として、輸送施設の当該タクシー事業のための使用の停止又は事業許可の取消しを受けるおそれがあるなどと主張して、本件不利益処分等の差止め等を求める本案事件を提起するとともに、本件不利益処分等の仮の差止めを求めた事案において、本件公示は運輸局長の有する裁量権の範囲を逸脱し又は濫用したものといえるから、運輸局長が申立人らに対して本件運賃変更命令、本件運賃変更命令に違反したことを理由としてする本件自動車等の使用停止処分等をすることもまたその裁量権の範囲を超え又はその濫用となるものといえるとし、申立てを一部認容した事例。
(抗告審)大阪高裁決定平成27年1月7日(平成26(行ス)29号)判例集未登載

 

日時 6月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 西山 千絵 氏(沖縄国際大学専任講師)
事件 東京地判平成26年1月15日(平成23(ワ)15750号,32072号,平成24(ワ)3266号)判時2215号30頁
イスラム教徒である原告らが、警視庁、警察庁及び国家公安委員会は、モスクの監視など、原告らの信教の自由等の憲法上の人権を侵害し、また、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律や東京都個人情報の保護に関する条例に違反する態様で個人情報を収集、保管及び利用し、その後、情報管理上の注意義務違反等により個人情報をインターネット上に流出させた上、適切な拡大防止措置を執らなかったもので、これらの行為は国家賠償法上違法であると主張し、警視庁の責任主体である被告東京都並びに警察庁及び国家公安委員会の責任主体である被告国に対して、国家賠償法1条1項等に基づき、損害賠償等の支払いを求めた事案において、被告東京都の責任を認め、被告東京都に対する請求を一部認容し、その余の請求を棄却した事例。
(控訴審)東京高判平成27年4月14日(平成26(ネ)1619号)判例集未登載
報告者 高橋 正人 氏(静岡大学准教授)
事件 最一小決定平成26年9月25日(平成26(行フ)2号)民集68巻7号781頁
厚生労働大臣が徳島県内に居住する抗告人に対して国民年金法による障害基礎年金の裁定請求を却下する旨の処分をしたため、抗告人が相手方を相手にその取消しを求めて徳島地方裁判所に提起した本案訴訟(徳島地方裁判所平成26年(行ウ)第2号障害基礎年金不支給決定取消請求事件)につき、相手方が、管轄違いを理由に、行政事件訴訟法12条4項により、抗告人の普通裁判籍の所在地を管轄する高松高等裁判所の所在地を管轄する高松地方裁判所に移送することを申し立てたところ、原審は、日本年金機構の下部組織である事務センターは行政機関に当たらないから行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当せず、本案訴訟は徳島地方裁判所の管轄に属しない旨を判示して、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法16条1項により、本案訴訟を高松地方裁判所に移送すべきものとしたため、抗告人が抗告した事案において、原審の判断には、審理不尽の結果、法令の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定は破棄を免れないとし、本件事務センターによる本件裁定請求の審査の方法及び内容や厚生労働大臣に対する審査結果の報告の内容等について審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
(一審)高松地判平成27年3月27日(平成26(行ク)1号)民集68巻7号788頁
(抗告審)高松高判平成26年5月9日(平成26(行ス)2号)民集68巻7号791頁

 

日時 7月18日(土)13時30より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 川口 かしみ 氏(早稲田大学博士後期課程)
事件 最三小判平成27年3月10日(平成25(行ツ)230号)裁判所時報1623号8頁
日本国籍を有する父とフィリピン共和国籍を有する母との間に嫡出子として同国で出生し同国籍を取得した原告(控訴人・上告人)らが、出生後3か月以内に父 母等により日本国籍を留保する意思表示がされず、国籍法12条の規定によりその出生の時から日本国籍を有しないこととなったため、出生により日本国籍との 重国籍となるべき子で、国外で出生したものにつき上記の国籍留保の要件等を定める同条の規定が上記子のうち日本で出生した者等との区別において憲法14条 1項等に違反し無効であると主張して、被告(被控訴人・被上告人。国)に対し、日本国籍を有することの確認を求めた事案の上告審において、国籍法12条は 憲法14条1項に違反するものではないとした同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。
(一審)東京地判平成24年3月23日(平成22(行ウ)38号他)判タ1404号106頁
(控訴審)東京高判平成25年1月22日(平成24(行コ)177号)判タ1404号122頁
報告者 太郎良 留美 氏(山梨学院大学准教授)
事件 最二小判平成25年7月12日(平成24年(行ヒ)79号)民集67巻6号1255頁
区分建物を共有し、その敷地権に係る固定資産税の納税義務を負う上告人が、土地課税台帳に登録された上記敷地権の目的である各土地の価格を不服として、市 固定資産評価審査委員会に対し審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の決定を受けたため、その取消し等を求めた事案の上告審において、土地の基準年度 に係る賦課期日における登録価格が、当該土地に適用される評価基準の定める評価方法に従って決定される価格を上回るとき、あるいは、これを上回るものでは ないが、その評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものではなく、又はその評価方法によっては適正な時価を適切に算定すること のできない特別の事情が存する場合であって、同期日における当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るときは、当該登録価格の決定は違法とな るとした事例。
(一審)東京地判平成22年9月10日(平成22(行ウ)59、119号)民集67巻6号1292頁
(控訴審)東京高判平成23年10月20日(平成22(行コ)336号)民集67巻6号1304頁
(差戻控訴審)東京高判平成26年3月27日(平成25年(行コ)285頁)判例地方自治385号36頁
日時 9月12日(土)13時30より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 池田 弘乃 氏(山形大学専任講師)
事件 静岡地裁浜松支部判平成26年9月8日(平成24(ワ)627号) 判時2243号67頁
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項に基づき女性への性別の取扱いの変更の審判を受けた原告甲及び同人が代表取締役を務める原告会社が、株主会員制のゴルフ場を経営する被告会社及び同ゴルフ場の運営団体である被告クラブに対し、原告甲の性別変更を理由とする被告らの一連の行為は、憲法14条1項の趣旨等を包含する公序良俗に反し違法であると主張して、共同不法行為に基づき、損害賠償金の支払いを求めた事案において、被告らによる入会拒否及び株式譲渡承認拒否は、憲法14条1項及び国際人権B規約26条の趣旨に照らし、社会的に許容し得る限界をこえるものとして違法であるとして、原告甲の請求を一部認容し、その余の請求及び原告会社の請求を棄却した事例。
(控訴審)東京高判平成27年7月1日(平成26(ネ)5258号)判例集未登載
報告者 米田 雅宏 氏(北海道大学教授)
研究報告  「現代法における請求権-「客観法違反の是正を求める権利」の法的位置付け-」
参考文献:「団体訴訟の制度設計」論究ジュリスト12号(2015)所収の各種論文
・千葉恵美子ほか編『集団的消費者利益の実現と法の役割』(商事法務、2014年)所収の各種論文
・山本隆司「客観法と主観的権利」長谷部恭男ほか編『現代法の動態(第1巻:法の生成/創設)』(岩波書店、2014年)
・曽和俊文「法執行システムの展開と行政法理論」公法研究65巻(2003年)(『行政法執行システムの法理論』(有斐閣、2011年)所収)
・仲野武志『公権力の行使概念の研究』(有斐閣、2007年)
・小早川光郎『行政訴訟の構造分析』(東京大学出版会、1983年)

 

日時 10月31日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 関 俊彦 氏(東北大学名誉教授(商法)・弁護士)
研究報告 憲法における財産権の保障に関する異次元説
報告者 和泉田 保一 氏(山形大学准教授)
事件 名古屋高裁金沢支部判平成27年6月24日(平成26(行コ)8号)判例集未登載
原告会社が、処分行政庁たる県公安委員会から風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律に基づく店舗型性風俗特殊営業の廃止命令を受けたため、被告県に対して同処分の取消しを求めた件につき、原告の請求を認容した原判決を不服として被告が控訴した控訴審において、原判決は失当であり、本件控訴に理由があるとして、原判決が取り消され、原告(本件被控訴人)の請求が棄却された事例。
(一審)金沢地判平成26年9月29(平成24(行ウ)1号)判例地方自治396号69頁

 

 

日時 11月28日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 千國 亮介 氏(岩手県立大学専任講師)
事件 大阪地判平成25年4月19日(平成22(行ウ)35号、(ワ)3293号)判時2226号3頁
生活保護を廃止する処分を受けた原告が、再度生活保護の申請を行ったところ、本件第二次申請を却下する処分を受けたことから、被告に対し、本件却下処分が違法であるとして、その取消しを求めるとともに、損害賠償を求めた事案において、原告は、本件指示及び本件廃止処分当時、「障害の状況により利用し得る公共交通機関が全くないか又は公共交通機関を利用することが著しく困難であり、自動車による以外に通院等を行うことが極めて困難であることが明らかに認められる」場合に該当していたと認められ、自動車保有要件をいずれも充足していたものであり、原告に対して本件自動車の処分を指示した本件指示は、生活保護法4条1項の解釈適用を誤った違法なものであり、原告が本件指示に従わないことを理由としてされた本件廃止処分も違法であるとし、請求を一部認容した事例。
報告者 斉藤 徹史 氏(東北公益文科大学専任講師)
事件 札幌高判平成24年5月25日(平成23(行コ)32号)判例地方自治370号10頁
北海道瀬棚郡今金町の住民である控訴人が、被控訴人に対し、地方自治法242条の2第1項2号に基づき、今金町長が平成22年8月13日付けでした、被控訴人の行政財産である本件土地をA社及び有限会社B社に駐車場として使用を許可する旨の処分の取消しを求めた事案の控訴審において、本件使用許可処分と本件使用料減免処分は一体の関係にあり、本件使用料減免処分を含めた本件使用許可処分は住民訴訟の対象となる財務会計行為に該当するが、上記処分に係る今金町長の裁量権の行使に逸脱又は濫用があると認めることはできないから、本件使用料減免処分を含めた本件使用許可処分の取消しを求めた控訴人の請求は理由がなく、控訴人の請求は全体として棄却されるべきであって、本件使用許可処分取消しの訴えを却下した原判決は相当でないとして、これを取り消した事例。
(一審)函館地判平成23年11月11日(平成22(行ウ)4号)判例地方自治370号17頁
日時 12月19日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 杉山 有沙 氏(早稲田大学助教)
事件 大阪高判平成27年6月19日(平成25(行コ)211号)裁判所HP原告(被控訴人)の妻が、公務により精神障害を発症し、自殺したため、原告が、遺族補償年金の支給請求をするとともに、遺族特別支給金等の支給申請をしたが、いずれも不支給とする旨の決定を受けたため、被告(控訴人)地方公務員災害補償基金に対し、上記処分の取消しを求めたところ、請求が認容されたため、被告が控訴した事案において、今日の社会情勢の下においても、妻については、年齢を問わずに「一般に独力で生計を維持することが困難である」と認めて、遺族補償年金を受給できるものとするが、夫については、「一般に独力で生計を維持することが困難である」と認められる一定の年齢に該当する場合に遺族補償年金を受給できるものとする旨の遺族補償年金の受給要件に係る区別を設けた本件区別は、合理性を欠くということはできないとし、原判決を取り消し、原告の請求を棄却した事例。(原審)大阪地判平成25年11月25日(平成23(行ウ)178号)裁判所HP
報告者 須田 守 氏(京都大学准教授)
研究報告 研究報告: ドイツ取消訴訟における事案の成熟性参考文献: 須田守「取消訴訟における『完全な審査』(1)~(3)」法学論叢178巻1~3号

 

日時 1月16日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 高橋 勇人 氏(東北大学大学院博士課程後期)
事件 大阪高判平成26年11月14日(平成26(行コ)107号)判例集未登載死刑確定者として大阪拘置所に収容中の被控訴人(原告)が、被控訴人が書いた原稿が同封された信書の発信の申請をしたところ、不許可処分を受けたことから、控訴人(被告、国)に対し、同処分の取消しを求め、原審は、同処分は裁量権の範囲を逸脱したとして、請求を認容し、処分を取り消したとの事案において、控訴審は、同信書について、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律139条2項所定の「その発受を必要とする事情」があるとは認められないから、同処分には、裁量の範囲を逸脱した違法があるということはできないとして、原判決を取り消し、被控訴人の請求を棄却した事例。(一審)平成26年5月22日(平成25(行ウ)96号)判例集未登載
報告者 高畑 柊子 氏(東北大学大学院博士課程後期)
事件 最一小判平成26年10月9日(平成26(受)771号)民集68巻8号799頁、(平成23(受)2455号)判時1613号13頁大阪府泉南地域に存在した石綿(アスベスト)製品の製造、加工等を行う工場又は作業場において、石綿製品の製造作業等又は運搬作業に従事したことにより、石綿肺、肺がん、中皮腫等の石綿関連疾患にり患したと主張する者又はその承継人である被上告人(原告)らが、上告人(被告)国に対し、上告人が石綿関連疾患の発生又はその増悪を防止するために労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前)及び労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが違法であるなどと主張して、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めたところ、第一審では原告の請求を一部認容・一部棄却したため、双方が控訴し、原審では、上告人は石綿関連疾患にり患した本件元従業員らにつき、各損害の2分の1を限度として、損害賠償責任を負うと判断したため、上告人が上告した事案において、原判決中、被上告人X1に関する上告人敗訴部分は破棄を免れず、同部分につき、同被上告人の請求を棄却した第一審判決は正当であるとして同被上告人の控訴を棄却し、上告人のその余の上告は棄却した事例。(控訴審)大阪高判平成25年12月25日(平成24(ネ)1796号) 民集68巻8号900頁、平成23年8月25日(平成22(ネ)2031号)判時2135号60頁(一審)大阪地判平成24年3月28日(平成21(ワ)14616号他)裁判所HP、平成22年5月19日(平成18(ワ)5235号他)裁判所HP
日時 2月20日(土)13時30分より
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 山岸 喜久治 氏(宮城学院女子大学教授)
事件 大判昭和34年12月16日(昭和34(あ)710号)刑集13巻13号3225頁アメリカ合衆国空軍の使用する飛行場内民営地の測量に反対する集団によって境界柵が破壊されたところ、右集団に参加していた被告人らが、他の参加者と意思相通じて、正当な理由がないのに右境界柵の破壊された箇所から右飛行場に立入った事実につき、被告人らに無罪が言い渡されたため、検察官が上告した事案で、本件安全保障条約は、主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係をもつ高度の政治性を有するものというべきであって、違憲なりや否やの法的判断は、純司法的機能をその使命とする司法裁判所の審査には、原則としてなじまない性質のものであり、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のものであるとした事例(いわゆる砂川事件)。(一審)東京地判昭和34年3月30日(昭和32(特わ)368号、367号)刑集13巻13号3305頁(差戻一審)東京地判昭和36年3月27日(昭和35(特わ)6号)判時255号7頁(差戻控訴審)東京高判昭和37年2月15日(昭和36(う)951号)判タ131号50頁

(差戻上告審)最二小判昭和38年12月25日(昭和37(あ)994号)判時359号12頁

報告者 北島 周作 氏(東北大学教授)
研究報告 「行政上の主体と実定法」
日時 3月12日(土)13時30分より※研究会終了後、年度納めの懇親会を予定しております。
場所 東北大学法学研究科大会議室(法学研究科棟3階)
報告者 御幸 聖樹 氏(横浜国立大学准教授)
事件 最大判平成27年12月16日(平成25(オ)1079)裁判所HP
原告(控訴人、上告人)が、女性について6箇月の再婚禁止期間を定める民法733条1項の規定は、憲法14条1項及び憲法24条2項に違反すると主張し、前記規定を改廃する立法措置をとらなかった立法不作為の違法を理由に、被告(被控訴人、被上告人)に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求め、第一審及び控訴審とも原告の請求が棄却されたため、原告が上告した事案において、平成20年当時、女性について6箇月の再婚禁止期間を定める民法733条1項の規定のうち100日超過部分が憲法に違反するものとなってはいたものの、これを国家賠償法1条1項の適用の観点からみた場合には、憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反することが明白であるにもか
かわらず国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたと評価することはできないとして、立法不作為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないというべきであり、原告の請求を棄却すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができるとし、上告を棄却した事例(意見、補足意見、反対意見がある)。
(一審)岡山地判平成24年10月18日(平成23(ワ)1222号)判時2181号124頁
報告者 松澤 陽明 氏(弁護士)
事件 十和田市立新渡戸記念館廃館処分取消訴訟

 

2014(平成26)年度

日時 4月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 高橋 勇人 氏
報告内容(研究報告) 国家が歴史を語ること-フランスにおける”loi memorielle”の議論と憲法院判例を題材に
報告者 井坂 正宏 氏
事件 横浜地判平成25年3月6日(平成24年(行ウ)59号)判時2195号10頁行政行為の撤回は、法令上の明文の根拠を要しないが、後発的事情をも基礎とした場合、利害関係人の権利ないし利益の保護の必要性が減少し、他方、原処分の効果を消滅させて公益適合性を確保する必要性が発生ないし増大するなどして、私的権利ないし利益よりも当該公益が優先されるべき状況となったと認められる場合でなければ許されないとした事例。
日時 5月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 菊池 洋 氏
事件 東京高判平成25年9月13日(平成24(ネ)4380号)判例集未登載
集会の呼びかけ発起人や集会実行委員会の実行委員である原告らが、集会時に私服警察官らから監視・威圧行為や隠し撮りをされ、それらの行為により集会を妨害されたとして、都道府県に対し、損害の賠償などを求めた件につき、私服警察官らによる監視・威圧行為や隠し撮り行為について違法な公権力の行使に当たらないなどとして原告らの請求を棄却した一審判決が支持され、控訴が棄却された事例。(第一審)東京地判平成24年6月4日(平成20(ワ)35164号)判例集未登載※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 高橋 正人 氏
事件 大阪高判平成24年11月29日(平成23(行コ)165号)判時2185号49頁
原告(被控訴人)が処分行政庁に対し、情報公開法に基づき、大阪労働局管内の各労働基準監督署長が特定の疾患に係る労災補償給付の支給請求に対して支給決定を下した事案について、その処理経過簿の一部の開示を請求したところ、処分行政庁が本件文書の一部は情報公開法5条1号の不開示情報に該当するとして、開示請求に係る行政文書の一部を開示しない旨の決定をしたため、原告が本件決定の一部が違法であるとしてその取消を求めた事案の控訴審において、被災労働者が所属していた事業場名は、情報公開法5条所定の不開示情報に該当するとして、本件一部不開示決定は適法であるとした事例。
(第一審)大阪地判平成23年11月10日(平成20年(行ウ)198号)労働判例1039号5頁
日時 6月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 伊藤 純子 氏
事件 東京高判平成26年3月28日(平成25(ネ)3821号)判例集未登載
原告(控訴人)らが、婚姻に際して夫婦の一方に対して婚姻前の氏の変更を強制する民法750条は、憲法13条により保護されている「氏の変更を強制されない権利」および憲法24条により保護されている「婚姻の自由」を侵害し、憲法に違反しているにもかかわらず、国会は、民法750条を改正して夫婦別氏制度を設けず、立法措置を怠った行為は、国賠法1条1項の適用上違法になり、慰謝料の支払いを求めた事件の控訴審において、原告らの請求を棄却した事例。
(一審) 東京地判平成25年5月29日平成23年(ワ)第6049号判例集未登載※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 稲村 健太郎 氏
事件 東京高判平成25年2月28日(平成24(行コ)124号)裁判所HP
取引相場のない株式について,財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56・直審(資)17・国税庁長官通達,平成17年5月17日付け課評2-5による改正前)189(2)にいう株式保有特定会社の株式に該当するとして,同株式の価額を,大会社についての原則的評価方式である類似業種比準方式ではなく,同通達189-3に定めるS1+S2方式によって評価してした相続税の更正処分が違法とされた事例。
(一審)東京地判平成24年3月2日(平成21(行ウ)28号)判時2180号18頁
日時 7月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 千國 亮介 氏
事件 原告の妻(地方公務員)が、公務に因り精神障害を発症し、自殺したため、原告が被告(地方公務員災害補償基金)大阪府支部長に対し、地方公務員災害補償法に基づき、遺族補償年金、遺族特別支給金、遺族特別援護金及び遺族特別給付金の支給請求をしたところ、処分行政庁がいずれも不支給とする処分をしたため、原告が、被告に対し、各処分の取消しを求めた事案において、遺族補償年金の第一順位の受給権者である配偶者のうち、夫についてのみ60歳以上との年齢要件を定める地方公務員災害補償法32条1項但書の規定は、憲法14条1項に違反する不合理な差別的取扱いとして違憲・無効であるとして、原告の請求を全部認容した事例。
報告者 飯島 淳子 氏
事件 最二小判平成24年4月20日(平成21(行ヒ)235号)判時2168号45頁
大阪府大東市の住民である上告人が、市が非常勤職員に退職慰労金を支給していることは給与条例主義を定めた地方自治法204条の2等の規定に違反し違法であるとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、市長であったAに対する損害賠償請求等をすることを求めるとともに、同項1号に基づき、公金の支出の差止めを求めたところ、控訴審係属中に市議会が市の損害賠償請求権を放棄する旨の議決をし、これによって当該請求権は消滅したとして控訴審が上告人の請求を棄却したことから、上告した事案において、退職慰労金の支給に係る違法事由の有無及び性格やAらの故意又は過失等の帰責性の有無及び程度を始め、退職慰労金の支給の性質、内容、原因、経緯及び影響、上記議決の趣旨及び経緯、当該請求権の放棄又は行使の影響、本件訴訟の経緯、事後の状況などの考慮されるべき事情について審理を尽くすことなく、上記議決が適法であるとした原審の判断には審理不尽の違法があるとして、原判決を一部破棄し、本件を原裁判所に差し戻した事例。
(第一審)大阪地判平成20年8月7日(平成19(行ウ)232号)判タ1300号172頁
(差戻控訴審)大阪高判平成25年3月27日(平成24(行コ)79号)判例集未登載
日時 9月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 佐藤 雄一郎 氏
事件 最三小判平成26年5月27日(平成24(オ)888号)裁判所時報1604号1頁
上告人(広島県府中市。被控訴人・被告)の市議会議員であった被上告人(控訴人・原告)が、府中市議会議員政治倫理条例4条3項(平成20年府中市条例第26号)に違反したとして、議員らによる審査請求、市議会による警告等をすべき旨の決議、議長による警告等を受けたため、同条1項及び3項の規定のうち、議員の2親等以内の親族が経営する企業は上告人の工事等の請負契約等を辞退しなければならず、当該議員は当該企業の辞退届を徴して提出するよう努めなければならない旨を定める部分(本件規定)は、議員の議員活動の自由や企業の経済活動の自由を侵害するものであって違憲無効であり、当該条例4条3項違反を理由としてされた上記審査請求等の一連の手続は違法であるなどと主張して、上告人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求めたところ、原審は、本件審査請求等及び上記審査結果の公表が違法であるとしてされた慰謝料等の請求を一部認容すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、2親等規制を定める本件規定が違憲無効であるとした原審の判断は、憲法21条1項並びに憲法22条1項及び憲法29条の解釈適用を誤ったものというべきで、原判決中、上告人敗訴の部分は破棄し、被上告人が主張するその他の違法事由の有無等について更に審理を尽くさせるため,上記破棄部分につき本件を原審に差し戻した事例。
(第一審)広島地裁平成22年11月9日(平成20(ワ)2499号)判例地方自治353号36頁
(控訴審)広島高裁平成23年10月28日(平成22(ネ)536号)判例地方自治353号25頁
報告者 和泉田 保一 氏
事件 大阪高判平成25年8月30日(平成25(行コ)1号)判例地方自治379号68頁
本件パチンコ屋に関し、G社が営業許可を受けたことについて、原告ら(被控訴人)が、本件営業許可処分は無効である等と主張して、被告(控訴人)に対し、その取消しを求めたところ、請求が認容されたため、被告が控訴した事案において、原告らが本件営業許可処分の違法性に関して主張する違法事由は、本件小学校からの距離制限違反に関するものであるが、原告らが本件営業許可処分の取消しを求める訴えについて原告適格を有するのは、同人らが本件店舗について、規制を超える値の騒音・振動等の被害を受けないという具体的利益を有することによるのであって、距離制限違反に関する違法事由を主張することは、行政事件訴訟法10条1項に違反して許されないとし、原判決を取り消した事例。
(第一審)大阪地判平成24年11月27日(平成21年(行ウ)239号)判例地方自治379号79頁
日時 10月25日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部第2演習室(法学部棟2階)
報告者 西山 千絵 氏
事件 最一小判平成26年1月16日(平成23(あ)1343号)刑集68巻1号1頁
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律7条1項、32条1号所定の罰則を伴う届出制度は、正当な立法目的を達成するための手段として必要かつ合理的なものというべきであり、憲法21条1項に違反するものではないとして、本件上告を棄却した事例。
(第一審)東京地判平成22年12月16日(平成21(特わ)1858号)刑集68巻1号71頁
(控訴審)東京高判平成23年6月14日(平成23(う)264号)刑集68巻1号59頁
報告者 斉藤 徹史 氏
事件 東京高判平成23年9月15日(平成23(行コ)143号)判例集未登載
住民が、市がした委員会の委員らに対する謝礼の支払は、違法な公金の支出にあたり、各委員は、市に対して、受領した謝礼相当額を不当利得として返還する義務があるとして、市長に対し、各委員らに不当利得返還請求権を行使するよう求めた件につき、委員会を要綱で設置したことは違法・無効であり、各委員の委嘱に瑕疵があったというべきであるが、各委員の謝礼の受領は法律上原因がない利得にあたらないとして、一審判決が支持され、控訴が棄却された事例。
(第一審)横浜地判平成23年3月23日(平成21(行ウ)71号) 判例地方自治358号55頁※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 11月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 淡路 智典 氏
事件 大阪高判平成26年7月8日(平成25(ネ)3235号)判例集未登載
在日朝鮮人の学校を設置・運営する原告(被控訴人)が、被告ら(控訴人)が本件学校の近辺等で示威活動を行ったこと及びその映像をインターネットを通じて公開したことが不法行為に該当するとして、損害賠償の支払及び原告を非難、誹謗中傷するなどの演説等の差止めを求めたところ、請求が一部認容されたため、被告らが控訴した事案において、本件活動は、本件学校が無許可で本件公園を使用していたことが契機となったとはいえ、本件発言の主眼は、在日朝鮮人を嫌悪・蔑視してその人格を否定し、在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴え、我が国の社会から在日朝鮮人を排斥すべきであるとの見解を声高に主張することにあったというべきであり、主として公益を図る目的であったということはできないとし、控訴を棄却した事例。
(第一審)京都地判平成25年10月7日(平成22(ワ)2655号) 裁判所HP※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 稲葉 馨 氏
事件 大阪地判平成26年9月10日(平成24(行ウ)49号(第1事件)、平成25(行ウ)75号(第2事件)、平成26(行ウ)59号(第3事件))判例集未登載
被告(大阪市)の職員が加入する労働組合等である原告らが、被告の市長に対し、3回にわたり、市庁舎の一部を組合事務所として利用するため、その目的外使用許可を申請したところ、いずれも不許可処分を受けたことから、各不許可処分について、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償及び遅延損害金を求め(第1事件、第3事件)、また、平成26年度の不許可処分について、その取消しを求めた事案において、不許可処分の取消し及び許可処分の義務付けを認め、市庁舎の一部に係る目的外使用許可処分の義務付けを求めた(第3事件)事案において、損害賠償請求を一部認容、一部棄却した事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。

合同研究会(稲葉科研・東北大学公法判例研究会)

日時 12月20日 土曜日 13時半〜17時半(予定)
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
(1)憲法判例研究 午後13時〜14時20分
報告者 岡本 寛 氏
事件 大阪地判平成23年8月24日(平成20(行ウ)176号)労働判例1036号30
被告が本件改正条例を制定したことによって、職員の給与から職員団体費の控除を許す旨の条例文言が削除され、その結果、それまで行われてきたチェック・オフができないこととなったため、原告組合及びその組合員である個人原告らが、同改正条例により憲法28条で保障された団結権を侵害されたとして、主位的に、被告に対し、大阪市議会の同改正条例の制定(議決)処分及び大阪市長の同改正条例の公布処分の各取消しを求めた等の事案において、条例制定に係る議会の議決及び長の公布は、いずれもそれ自体で国民の具体的な権利義務ないし法的地位に影響を及ぼすものでないから、それらはいずれも法律上の争訟性に欠けるため、抗告訴訟の対象となる処分とはいえないとして、原告らの訴えのうち、本件制定処分及び同条例公布処分の取消しを求める訴えをいずれも却下し、同条例の無効確認を求める訴えを却下し、原告らの金員支払請求をいずれも棄却した事例。
(1)稲葉科研「大規模災害と法」― 研究報告
報告者 午後14時30分〜16時 生田 長人 氏「災害予防施策のあり方と防災責任(仮題)」
報告者 午後16時〜17時30分 深澤 泰弘 氏「地震と保険:東日本大震災から生じた地震免責条項における諸問題の検討」
※研究会終了後、忘年会を予定しております。詳細は こちら をご覧ください。
日時 1月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 川口 かしみ 氏
事件 最三小決平成25年12月10日(平成25(許)5号)民集67巻9号1847頁
同一性障害者の性別の取扱いの特\例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた抗\告人X1及びその後抗告人X1と婚姻をした女性である抗告人X2が、抗告人X2が婚\姻中に懐胎して出産した男児であるAの、父の欄を空欄とする等の戸籍の記載につき,\
戸籍法113条の規定に基づく戸籍の訂正の許可を求めた事案の上告審で、Aについて\
民法772条の規定に従い嫡出子としての戸籍の届出をすることは認められるべきあり\
、Aが同条による嫡出の推定を受けないことを理由とする本件戸籍記載は法律上許され\
ないものであって戸籍の訂正を許可すべきであるとし、原審の判断には、裁判に影響を\
及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原決定を破棄し、本件戸籍記載の訂正の許可\
申立ては理由があるから、これを却下した原々審判を取消し、同申立てを認容すること\
とした事例。
(第一審)東京家裁(審判)平成24年10月31日(平成24年(家)3027号) 民集67巻9号1897頁
(抗告審(即時抗告))東京高裁(決定)平成24年12月26日(平成24年(ラ)2637号) 民集67巻9号1900頁
報告者 松澤 陽明 氏
事件 最二小判平成26年7月18日(平成24(行ヒ)45号)判例地方自治386号78頁
永住者の在留資格を有する外国人\である被上告人(原告・控訴人)が、生活保護法に基づく生活保護の申請をしたところ\、却下処分を受けたとして、上告人(大分市。被告・被控訴人)に対し、その取消を求\めた事案の上告審において、生活保護法の適用の対象につき定めた生活保護法1条及び\生活保護法2条にいう「国民」とは、日本国民を意味するものであって、外国人はこれ\に含まれないと解されることなどからすると、外国人は、行政庁の通達等に基づく行政\措置により事実上の保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象\となるものではなく、同法に基づく受給権を有しないものというべきであるとし、当該\却下処分は、生活保護法に基づく受給権を有しない者による申請を却下するものであり\
適法であるとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、上告人敗訴部分につき、被上告\人の控訴を棄却した事例。
(第一審)大分地判平成22年10月18\日(平成21(行ウ)9号)判例地方自治386号83頁
(控訴審)福岡高判平成23年11月15日(平成22(行コ)38号)判例地方自治386号88頁
日時 2月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 茂木 洋平 氏
事件 最大判平成26年11月26日(平成26(行ツ)78・79号)裁判所HP
平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙について、岡山県選挙区の選挙人である被上告人らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の事案の上告審において、本件選挙当時、本件定数配分規定の下で、選挙区間における投票価値の不均衡は、平成24年改正法による改正後も前回の平成22年選挙当時と同様に違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものではあるが、本件選挙までの間に更に本件定数配分規定の改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとして、原審各判決を破棄し、被上告人らの請求を棄却した事例。
(一審)広島高裁岡山支部判平成25年11月28日(平成25(行ケ)1号)裁判所HP
報告者 北島 周作 氏
報告内容(研究報告) 行政法における一般法と個別法
参考文献 ・北島周作「行政手続法制定後の理由提示-行政手続法下の下級審判例における諸問題」訟務月報60巻1号別冊105-124頁 ・北島周作「行政手続法立案過程における理由提示規定」訟務月報59巻1号別冊126-141頁
・北島周作「行政手続法立案過程と行政法学」塩野宏・小早川光郎編『行政手続法制定資料(1)議事録編Ⅰ』(信山社、2012)71-98頁 ・北島周作「理由提示法理の形成と発展-行政手続法以前の判例法理の形成」訟務月報58巻1号別冊160-171頁
・北島周作「理由提示の程度と処分基準」法学教室373号49-57頁
日時 3月14日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部演習室2番(法学部棟2階)
報告者 小池 洋平 氏
事件 京都地判平成26年2月25日(平成23(行ウ)42号)裁判所HP
京都府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和34年京都府条例第2号)別表所定の第3種地域において風俗案内所を営んでいた原告 が、京都府風俗案内所の規制に関する条例(平成22年京都府条例第22号、本件条例)の規制は憲法に違反すると主張して、主位的に、原告が、(1)第3種 地域において風俗案内所を営む法的地位を有すること、(2)風俗案内所において営業をする法定地位を有することの確認を求め、予備的に、第3種地域の内 の、本件条例に係る保護対象施設の敷地から70mの範囲に含まれない場所において、上記主位的請求と同様の法的地位を有することの確認を求めた事案におい て、第3種地域のうち、保護対象施設(学校、児童福祉施設、病院、無床のものを含む診療所及び図書館)の敷地から少なくとも70mを超える区域において接 待飲食等営業の情報提供を行う風俗案内所の営業を全面的に禁止する本件条例の規定は、府民の営業の自由を立法府の合理的裁量の範囲を超えて制限するものと して、憲法22条1項に違反し無効であるとして、(2)に係る訴えをいずれも却下し、主位的請求(1)を棄却し、予備的請求(1)を一部認容した事例。
報告者 三輪 佳久 氏
報告内容(研究報告) 東京高判平成26年6月26日(平成26(行コ)76号)判タ1406号83頁
被控訴人(第一審原告)が、横浜市空き缶等及び吸殻等の散乱の防止等に関する条例11条の2第1項に基づく喫煙禁止地区内で喫煙をしたことで、同条例30 条に基づき2000円の過料に処する本件処分を受け、市長に対する異議申立てをしたが棄却され、さらに県知事に対する審査請求を棄却する旨の本件裁決を受 けたことから、本件処分及び本件裁決の取消しを求めたところ、被控訴人の横浜市に対する請求が認容されたため、控訴人(第一審被告)横浜市が控訴した事案 において、喫煙者が路上喫煙禁止地区と認識しなかったことについて過失がなかった場合には、注意喚起が十分にされていなかったことになるから、過料の制裁 を科すことはできないとした上で、被控訴人には、路上喫煙禁止地区に侵入するに当たって路面表示により路上喫煙禁止場所であることを認識すべきであったの にこれを見落とした過失があるとし、被控訴人の請求は理由がないから棄却すべきところ、これを認容した原判決は失当であるとして、原判決を取り消した事 例。
(第一審)横浜地判平成26年1月22日(平成25(行ウ)30号) 判タ1406号90頁

 

2013(平成25)年度

日時 4月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 鈴木 法日児 氏
報告判例 大阪高決平成23年8月24日(平成23年(ラ)第578号)判時2140号19頁
非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法900条4号を前提として行った遺産分割審判に対する抗告審において、本件相続開始時(平成20年12月27日)においては、国内的、国際的な環境の変化が著しく、相続平等化を促す事情が多く生じており、法律婚を尊重するとの本件規定の立法目的と嫡出子と非嫡出子の相続分を区別することが合理的に関連するとはいえず、このような区別を放置することは、立法府に与えられた合理的な裁量判断の限界を超えているというべきであり、本件規定を合憲とした最高裁平成7年7月5日大法廷決定、最高裁平成12年1月27日判決、同平成15年3月28日判決、同平成15年3月31日判決、同平成16年10月14日判決、同平成21年9月30日決定は、いずれも本件の相続開始よりも8年以上前に開始した相続に関するものであり、本件相続開始時においては状況が変化しており、本件とは事案を異にするとして、民法900条4号を憲法14条1項、13条及び24条2項に違反して無効と判断したうえで、非嫡出子と嫡出子の法定相続分が平等であることを前提にして遺産分割の処分が行われた事例。
原審 平成23年4月20日大阪家判(審判/平成22年(家)第4805号)判時2140号22頁
報告者 中嶋 直木 氏
報告内容(研究報告) 地方自治体の「主観的(な)」法的地位の構造-現代ドイツ法理論の検討を中心として-
参考文献 (1)人見剛「行政権の主体としての地方公共団体の出訴資格」法律時報81巻5号(2009)65頁以下、(2)斎藤誠「地方自治の手続的保障」都市問題96巻5号(2005)48頁以下(同『現代地方自治の法的基層』(有斐閣・2012)125頁以下所収)
日時 5月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 菊地 洋 氏
事件 東京地判平成25年3月14日(平成23(行ウ)63号)判例集未登載
成年被後見人となった原告が、成年被後見人は選挙権を有しないとする公職選挙法11条1項 1号の規定により選挙権を付与しないとされたため、同規定は違憲であるとして、原告が次回の衆議院議員及び参議院議員の選挙で投票することのできる地位にあることの確認を求めた事案において、本件訴えが裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」に該当しないとはいえないとして、同訴えを適法とした上で、成年被後見人から選挙権を剥奪しなければ、選挙の公正を確保しつつ選挙を行うことが事実上不能ないし著しく困難であるとは認め難く、また、選挙権を行使するに足る判断能力を有する成年被後見人から選挙権を奪うことは成年後見制度が設けられた趣旨に反することなどからすると、公職選挙法11条1項1号は選挙権に対する「やむを得ない」制限とはいえず、同号のうち成年被後見人の選挙権を否定した部分は違憲であり無効であるとして、請求を全部認容した事例。
報告者 稲葉 馨 氏
事件 最三小判平成25年3月26日 (平成22(受)2101号)裁時1576号8頁
1 建築士の設計に係る建築物の計画についての建築主事による建築確認が国家賠償法1条1項の適用上違法となる場合。
2 一級建築士により構造計算書に偽装が行われていた建築物の計画についての建築主事による建築確認が国家賠償法1条1項の適用上違法となるとはいえないとされた事例。
(一審)京都地判平成21年10月30日(平成19(ワ)2302号)判時2080号54頁
(控訴審)大阪高判平成22年7月30日(平成21(ネ)3080号)判例集未登載
日時 6月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 山岸 喜久治 氏
事件 最二小判平成24年12月07日(平成22(あ)762)国家公務員法違反被告事件
裁時1569号2頁,判時2174号21頁,判タ1385号94頁
管理職的地位になく、その職務の内容や権限に裁量の余地のない一般職国家公務員が、職務と全く無関係に、公務員により組織される団体の活動としての性格を有さず、公務員による行為と認識し得る態様によることなく行った本件の政党の機関紙及び政治的目的を有する文書の配布は、公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものとはいえず、国家公務員法102条1項、人事院規則14-7第6項7号、13号により禁止された行為に当たらないとされた事例。
(一審)東京地判平成18年6月29日(平成16(特わ)973)
(控訴審)東京高判平成22年03月29日(平成18(う)2351) 判タ1340号105頁
報告者 稲村 健太郎 氏
事件 最判平成25年3月21日(平成22年(行ヒ)242)裁時1576号2頁
資本金等が一定額以上の法人の事業活動に対し臨時特例企業税を課すことを定める神奈川県臨時特例企業税条例(平成13年神奈川県条例第37号)の規定と地方税法72条の23第1項本文(平成15年法律第9号による改正前は72条の14第1項本文)。
(一審)横浜地判平成20年3月19日(平成17年(行ウ)第55号)判時2020号29頁
(控訴審)東京高判平成22年2月25日(平成20年(行コ)第171号)判時2074号32頁
日時 7月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 千國 亮介 氏
事件 東京地判平成23年7月21日(平成19年(ワ)4657号)第二次大戦戦没犠牲者合祀絶止等請求
訟務月報58巻10号3405頁
原告ら(被告神社において合祀されている戦没者の親族)が、被告国が憲法20条3項及び憲法89条に反して原告らに無断で戦没者の情報を被告神社に提供し、被告神社が原告らの意思に反して戦没者を合祀した結果、原告らの有する追悼の自由等の人格権が侵害され、精神的苦痛を被ったとして、被告らそれぞれに対し、損害賠償を請求した事案において、合祀行為自体により、原告らの信教の自由が侵害されたとか、その他の法的利益が侵害されたとは認められないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
報告者 中原 茂樹 氏
報告内容 「大規模災害と補償」
日時 9月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 伊藤 純子 氏
事件 東京地判平成25年5月29日平成23年(ワ)第6049号損害賠償請求事件
原告らが、婚姻に際して夫婦の一方に氏の変更を強いる民法750条は、憲法13条及び憲法24条1項2項により保障されている権利を侵害し、また女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約16条1項に違反することが明白であるから、国会は民法750条を改正し、夫婦同氏制度に加えて夫婦別氏制度という選択を新たに設けることが必要不可欠であるにもかかわらず、なんら正当な理由なく長期にわたって立法措置を怠ってきたことから、当該立法不作為は国家賠償法1条1項上の違法な行為に該当すると主張して、慰謝料の支払いを求めた事案において、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
報告者 和泉田 保一 氏
事件 最一小判平成25年3月21日(平成23(行ツ)406号)裁時1576号1頁
普通地方公共団体が締結した支出負担行為たる契約が違法であるとしても私法上無効ではない場合における、当該契約に基づく債務の履行としてされた支出命令の適法性。
(一審)福岡地判平成23年4月19日(平成21(行ウ)53号)判例地方自治357号33頁
(控訴審)福岡高判平成23年9月21日(平成23(行コ)24号)判例地方自治357号18頁
日時 10月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 高橋 勇人 氏
事件 名古屋高判平成24年5月11日(平成22(ネ)1281号)判時2163号10頁
発声障害のある控訴人市議会議員が、市議会において第三者の代読による発言を求めたが、第三者の代読を認めず、市議会および被控訴人(一審被告)議員らは、音声変換装置を用いて発言するよう求めたとして、被控訴人(一審被告)市に対しては国家賠償法1条1項により、被控訴人議員らに対しては民法709条、719条により慰謝料を請求し、原審が、市に対する請求のうち慰謝料10万円を認めた事案において、原判決を変更し、被控訴人市に対し、控訴人へ300万円及び遅延損害金の支払いを認めた事例。
(一審)岐阜地判平成22年9月22日(平成18(ワ)892号)判時2099号81頁
報告者 藤波 英也 氏
事件 最二小判平成23年9月30日(平成21(行ツ)173号)判時2132号39頁
所得税に係る長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額につき他の各種所得の金額から控除する損益通算を認めないこととした平成16年4月1日施行に係る平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定を,同年1月1日以後に個人が行う同条1項所定の土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項の規定は,憲法84条の趣旨に反しない」とされた事例。
(一審)東京地判平成20年2月14日(平成18(行ウ)603号、604号、606号、607号)訟月56巻2号197頁
(控訴審)東京高判平成21年3月11日(平成20(行コ)110号)訟月56巻2号176頁
日時 11月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 淡路 智典 氏
事件 京都地判平成25年10月7日 (平成22(ワ)2655号)裁判所HP
原告が設置運営する朝鮮学校に対し,隣接する公園を違法に校庭として占拠していたことへの抗議という名目で3回にわたり威圧的な態様で侮蔑的な発言を多く伴う示威活動を行い,その映像をインターネットを通じて公開した被告らの行為は,判示の事実関係の下では,原告の教育事業を妨害し,原告の名誉を毀損する不法行為に該当し,かつ,人種差別撤廃条約上の「人種差別」に該当するとして被告らに対する損害賠償請求を一部認容し,また,一部の被告が上記学校の移転先周辺において今後同様の示威活動を行うことの差止め請求を認容した事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 松澤 陽明 氏
報告内容 1)東京高判平成24年3月28日(平成24(行コ)9号)判例地方自治372号11頁(控訴審)
2)東京地判平成23年12月13日(平成22(行ウ)507号)判例地方自治372号12頁(一審)
寺院敷地内の動物用墓地が地方税法348条2項3号の境内地に該当しないとされた事例。
日時 12月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 河合 正雄 氏
事件 大阪高判平成25年9月27日(平成25(行コ)45号)判例集未登載
控訴人(原告)が、公職選挙法11条1項2号が憲法に違反していることの確認及び控訴人が次回の衆議院議員の総選挙において選挙権を有していることの確認を求めるとともに、選挙権を違法に否定されたことにより精神的苦痛を受けたとして、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を請求した事案の控訴審において、公職選挙法11条1項2号が受刑者の選挙権を一律に制限していることについてやむを得ない事由があるということはできず、同号は、憲法15条1項及び3項、憲法43条1項並びに憲法44条ただし書に違反するとした上で、国家賠償法上、その廃止立法不作為が違法であるということはできないとして、控訴を棄却した事例。
(一審)大阪地判平成25年2月6日(平成22(行ウ)230号)裁判所ホームページ掲載判例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 太郎良 留美 氏
事件 大阪地判平成25年5月23日(平成23(わ)625号)判例集未登載
馬券購入行為から生じた所得は、原則として、一時所得に該当するが、本件の馬券購入行為については、回数、金額が極めて多数、多額に達しており、その態様も機械的、網羅的なものであること等から、これにより生じた所得は雑所得に該当し、外れ馬券を含めた全馬券の購入費用などが必要経費に当たるとした事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 1月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 鈴木 法日児 氏
事件 最二小判平成25年1月11日(平成24(行ヒ)279号)民集67巻1号1頁
薬事法施行規則等の一部を改正する省令により、郵便等販売を行う場合は、第一類・第二類医薬品の販売又は授与は行わない旨の規定が設けられたことについて、インターネットを通じた医薬品販売を行う事業者である被上告人らが、上記改正省令は、新薬事法の委任の範囲外の規制を定めるものであって違法である等として、上告人らが第一類・第二類医薬品につき郵便等販売をすることができる権利の確認等を求めた事案の上告審で、上記改正省令は、いずれも上記各医薬品に係る郵便等販売を一律に禁止することとなる限度において、新薬事法の趣旨に適合するものではなく、新薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効であるとして、本件上告を棄却した事例。
(一審)東京地判平成22年3月30日(平成21(行ウ)256号)民集67巻1号45頁
(控訴審)東京高判平成24年4月26日(平成22(行コ)168号)民集67巻1号221頁
報告者 三輪 佳久 氏
事件 大阪地判平成24年6月14日(平成22(ワ)9431号)判時2158号84頁
原告Aが、被告Cから暴行を加えられ、これにより加療1か月間を要する右肩甲骨骨折等の傷害を負い、また、同傷害事件の刑事裁判において、検察庁の担当者から公判期日の通知を受けなかったため、被害者等通知制度により公判期日の通知を受ける利益等を侵害されたところ、被告らは共同不法行為責任を負うなどと主張し、被告Cに対しては不法行為に基づき、被告国に対しては国家賠償法1条1項に基づき、連帯して損害賠償の支払を求めたなどの事案において、被告Cの原告らに対する不法行為責任を認め、また、大阪地方検察庁の検察官が原告らに本件刑事事件の公判期日を通知しなかったことによって、同検察官は、原告らの被害者等通知制度により公判期日の通知を受ける法的利益を違法に侵害したものと認められるとした上で、被告らによる共同不法行為の成立については否定しつつ、原告A及びその法定代理人親権者である原告Bの請求をそれぞれ一部認容した事例。
日時 3月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 松村 芳明 氏
事件 最大決平成25年9月4日(平成24(ク)984号 平成24(ク)985号)判時2197号10頁
平成13年7月に死亡したAの遺産につき、Aの嫡出子(その代襲相続人を含む。)である相手方らが、Aの嫡出でない子である抗告人らに対し、遺産の分割の審判を申し立てた事件で、原審は、民法900条4号ただし書の規定のうち、嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分(本件規定)は、憲法14条1項に違反しないと判断した事案で、A相続が開始した平成13年7月当時においては、立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたとして、本件規定は、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反し無効であるとし、本決定の違憲判断は、Aの相続の開始時から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではないと解するのが相当であるとした事例。
(第一審)東京家裁(審判)平成24年3月26日(平成22(家)3942号)判例集未登載
(抗告審)東京高判平成24年6月22日(平成24(ラ)955号)判例集未登載
報告者 大竹 隆 氏
事件 東京地判平成25年7月26日(平成24(行ウ)354号)判例集未登載
原告が、相続により夫から取得した不動産の譲渡に係る所得を分離長期譲渡所得の金額に計上して平成21年分所得税の確定申告をした後、譲渡所得のうち既に相続税の課税対象となった経済的価値と同一の経済的価値(相続税評価額)は所得税法9条1項15号の本件非課税規定により非課税とすべきであることなどを主張して、上記不動産に係る譲渡所得を零円とする平成21年分所得税の本件更正請求をしたところ、税務署長から、平成22年11月15日付けで、上記主張を容れない内容の減額更正処分を受けたため、被告国に対し、本件更正処分の一部の取消しを求めている事案において、本件各譲渡に係る譲渡所得のうち既に相続税の課税対象となった経済的価値と同一の経済的価値について、本件非課税規定により譲渡収入金額から排除すべきであることを理由とする本件更正請求は理由がないとし、原告は、争点に関する部分のほかに本件更正処分の根拠及び適法性を争っていないことからすれば、平成21年分所得税について原告の納付すべき税額は別紙記載のとおりであると認められ、本件更正処分における原告の納付すべき税額はこれと同額であるから、本件更正処分は適法であるとして、原告の請求を棄却した事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。

2012(平成24)年度

日時 4月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 伊藤 純子 氏
事件 名古屋高判平成23年12月21日(平成23年(ネ)第866号)
父である被相続人の非嫡出子として出生した控訴人が,遺産のすべてを控訴人出生後に婚姻した妻に遺贈したことについて,遺留分減殺請求をし,その遺留分について非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1と定める民法900条4号ただし書及びこれを準用する同法1044条は憲法14条1項に違反して無効であるから,嫡出子と同じ割合の遺留分を有すると主張して,上記妻の相続人である被控訴人らに対し,遺留分減殺請求権に基づく土地所有権の一部移転登記手続等を求めた訴訟において,被相続人が1度も婚姻したことがない状態でその非嫡出子として出生した子について,被相続人がその後婚姻した者との間に出生した嫡出子との関係で民法900条4号ただし書を準用する民法1044条を適用することは,その限度で憲法14条1項に違反して無効であるとして,嫡出子と同じ割合による遺留分減殺請求権に基づく請求を認めた事案。裁判所データ(一審)名古屋地方裁判所豊橋支部判平成23年6月24日(平成19年(ワ)第312号)

裁判所データ

報告者 中原 茂樹 氏
事件 大阪高判平成23年8月25日(平成22年(ネ)第2031号)判時2135号60頁
アスベスト(石綿)工場の元労働者が石綿肺等に罹患したことにつき国の規制権限不行使を理由とする国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求が棄却された事案
(一審)大阪地判平成22年5月19日(平成18年(ワ)第5235号ほか)判時2093号3頁
日時 5月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 西山 千絵 氏
報告判例 最一小判平成23年4月28日(平成21(受)2057 )民集65巻3号1499頁
新聞社が通信社からの配信に基づき自己の発行する新聞に記事を掲載するに当たり当該記事に摘示された事実を真実と信ずるについて相当の理由があるといえる場合。
(一審) 東京地判平成19年9月18日、判タ1279号262頁
(控訴審)東京高判平成21年7月28日(平成19(ネ)5006 )判タ1304号98頁
報告者 和泉田 保一 氏
報告判例 最一小判平成23年10月27日(平成22(行ツ)463)判時2133号3頁
市の住民が市長に対し損失補償契約に基づく金融機関等への公金の支出の差止めを求める訴えが不適法とされた事例。
(一審) 長野地判平成21年8月7日(平成19年(行ウ)24ほか)判タ1334号68頁
(控訴審)東京高判平成22年8月30日(平成21年(行コ)298)判タ1334号58頁
日時 6月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 菊池 洋 氏
報告判例 最一小判平成平成24年2月2日(平成21(受)2056)判時2143号72頁
1)人の氏名,肖像等を無断で使用する行為がいわゆるパブリシティ権を侵害するものとして不法行為法上違法となる場合。
2)歌手を被写体とする写真を同人に無断で週刊誌に掲載する行為がいわゆるパブリシティ権を侵害するものではなく不法行為法上違法とはいえないとされた事例。
(原審)知的財産高判 平成21年08月27日(平成20(ネ)10063)判時2060号137頁
(原々審)東京地判 平成20年7月4日(平成19年(ワ)第20986)判時2023号152頁
報告者 松澤 陽明 氏
報告判例 研究報告-福井地判平成23年10月5日及び東京高判平成平成24年4月26日を素材として―
1)福井地判平成23年10月5日(平成21(行ウ)8号)判例地方自治353号99頁
2)東京高判平成24年4月26日(平成22(行コ)168号)判例集未搭載
日時 7月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 伊藤 純子 氏
事件 最大判平成18年3月1日(平成12(行ツ)62号;平成12(行ヒ)66号)民集60巻2号587頁
1)市町村が行う国民健康保険の保険料については,これに憲法84条の規定が直接に適用されることはないが,同条の趣旨が及ぶと解すべきであるところ,国民健康保険法81条の委任に基づき条例において賦課要件がどの程度明確に定められるべきかは,賦課徴収の強制の度合いのほか,社会保険としての国民健康保険の目的,特質等をも総合考慮して判断する必要がある。
2)旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)が,8条(平成6年旭川市条例第29号による改正前のもの及び平成10年旭川市条例第41号による改正前のもの)において,国民健康保険の保険料率の算定の基礎となる賦課総額の算定基準を定めた上で,12条3項において,旭川市長に対し,保険料率を同基準に基づいて決定して告示の方式により公示することを委任したことは,国民健康保険法81条に違反せず,憲法84条の趣旨に反しない。
3)旭川市長が旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)12条3項の規定に基づき平成6年度から同8年度までの各年度の国民健康保険の保険料率を各年度の賦課期日後に告示したことは,憲法84条の趣旨に反しない。
4)旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)19条1項が,当該年において生じた事情の変更に伴い一時的に保険料負担能力の全部又は一部を喪失した者に対して国民健康保険の保険料を減免するにとどめ,恒常的に生活が困窮している状態にある者を保険料の減免の対象としていないことは,国民健康保険法77条の委任の範囲を超えるものではなく,憲法25条,14条に違反しない。
(1〜3につき補足意見がある。)
(一審)旭川地判平成10年4月21日(平成7(行ウ)1号)民集60巻2号672頁
(控訴審)札幌高判平成11年12月21日(平成10(行コ)8号)民集60巻2号713頁
報告者 飯島 淳子 氏
報告判例 「公法における人の属性―住民」
日時 9月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 山岸 喜久治 氏
事件 最大決平成23年5月31日(平成23(す)220号)刑集65巻4号373頁
最高裁判所長官として裁判員制度の実施に係る司法行政事務に関与したことが同制度の憲法適合性を争点とする事件についての忌避事由に当たるか
報告者 稲村 健太郎 氏
事件 1)最二小判平成24年1月13日(平成21(行ヒ)404号)民集66巻1号1頁(判時2149号52頁)
2)最一小判平成24年1月16日(平成23(行ヒ)104号、平成23(行ヒ)105号)判時2149号58頁
1、所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」の支出の主体
2、会社が保険料を支払った養老保険契約に係る満期保険金を当該会社の代表者らが受け取った場合において,上記満期保険金に係る当該代表者らの一時所得の金額の計算上,上記保険料のうち当該会社における保険料として損金経理がされた部分が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとされた事例(以上、事件①について)
3、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとした原審の判断に違法があるとされた事例(以上、事件②について)
(下級審省略)
日時 10月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 茂木 洋平 氏
報告内容 非嫡出子の相続分差別の違憲性について
参照判例 1)大阪高決平成23年8月24日(平成23(ラ)578号)判時2140号19頁
2)最大決平成7年7月5日(平成3(ク)143号)民集49巻7号1789頁
報告者 茂木 洋平 氏
事件 最三小判平成22年3月2日(平成19行(ヒ)105号)民集64巻2号420頁
ホステスの業務に関する報酬の額が一定の期間ごとに計算されて支払われている場合における、所得税法施行令322条にいう「当該支払金額の計算期間の日数」の意義
(一審)東京地判平成18年3月23日(平成17行(ウ)8号)民集64巻2号453頁
(控訴審)東京高判平成18年12月13日(平成18行(コ)103号)民集64巻2号487頁
日時 11月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 西山 千絵 氏
事件 最一小判平成24年2月16日‐差戻上告審‐(平成23(行ツ)122号)民集66巻2号673頁
市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為の違憲性を解消するための手段として,氏子集団による上記神社施設の一部の移設や撤去等と併せて市が上記市有地の一部を上記氏子集団の氏子総代長に適正な賃料で賃貸することが,憲法89条,20条1項後段に違反しないとされた事例。
(差戻控訴審)札幌高判平成22年12月6日(平成22(行コ)4号)民集66巻2号702頁
報告者 三輪 佳久 氏
事件 東京高判平成23年9月29日(平成22(行コ)183号)判時2142号3頁
「琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」の締結に至るまでの日本政府と米国政府との間の交渉において,日本が米国に対して同協定で規定した内容を超える財政負担等を国民に知らせないままに行う合意があったとして,外務大臣及び財務大臣に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律4条1項に基づき,当該合意を示す行政文書及びこれに関連する行政文書の開示をそれぞれ請求したところ,いずれの行政文書についても保有していないこと(不存在)を理由とする各不開示決定を受けたため,開示請求者がした当該各不開示決定の取消しを求める請求が,棄却された事例。
(一審)東京地判平成22年4月9日(平成21(行ウ)120号)判時2076号19頁
日時 12月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 石澤 淳好 氏
事件 最二小判平成21年11月30日(平成20(あ)13)刑集63巻9号1765頁
1)分譲マンションの各住戸にビラ等を投かんする目的で,同マンションの共用部分に立ち入った行為につき,刑法130条前段の罪が成立するとされた事例
2)分譲マンションの各住戸に政党の活動報告等を記載したビラ等を投かんする目的で,同マンションの共用部分に管理組合の意思に反して立ち入った行為をもって刑法130条前段の罪に問うことが,憲法21条1項に違反しないとされた事例。
(一審)東京地判平成18年8月28日(平成17(刑わ)61号)刑集63巻9号18846頁
(控訴審)東京高判平成19年12月11日(平成18(う)2754)刑集63巻9号1880頁
報告者 大沼 洋一 氏
事件 最一小判平成21年12月17日(平成21(行ヒ)145)民集63巻10号2631頁
東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号)4条3項に基づく安全認定が行われた上で建築確認がされている場合に,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することの可否。
(一審)東京地判平成20年4月18日(平成19(行ウ)336号;平成19(行ウ)638号)民集63巻10号2657頁
(控訴審)東京高判平成21年1月14日(平成20(行コ)217)民集63巻10号2724頁
日時 1月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 河北 洋介 氏
事件 最大判平成24年10月17日(平成23(行ツ)64号)
公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の下で,平成22年7月11日施行の参議院議員通常選挙当時,選挙区間における投票価値の不均衡は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたが,上記選挙までの間に上記規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず,上記規定が憲法14条1項等に違反するに至っていたということはできない。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 生田 長人 氏
報告タイトル 「災害関係法制の課題と改革の方向」(仮題)
日時 2月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 佐藤 雄一郎 氏
事件 福岡地判平成24年6月13日(平成22(ワ)1608号)
福岡県警が防犯協議会に暴力団関係書籍の撤去を要請したことで、コンビニから漫画本が撤去されたことにより、精神的苦痛を被ったとして、原作者が福岡県に対し行った国賠請求が棄却された事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 高橋 正人 氏
事件 最二小判平成24年2月3日(平成23(行ヒ)18号)民集66巻2号148頁
土壌汚染対策法3条2項の通知が抗告訴訟の対象になる行政処分であるとされた事例。
(一審)旭川地判平成21年9月8日(平成20(行ウ)9号)民集66巻2号158頁
(控訴審)札幌高判平成22年10月12日(平成21(行コ)14号)民集66巻2号176頁
日時 3月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 松村 芳明 氏
事件 大阪高判平成22年12月21日(平成21(ネ)792号)判時2104号48頁
靖国神社に合祀されている戦没者の遺族が、本件合祀及びその継続行為は、遺族が戦没者との家族的なつながりによって感じる敬愛追慕の情を機軸とする人格権を侵害すると主張したことにつき、遺族が、靖国神社への合祀継続により戦没者に対する遺族としての敬愛追慕の情が害され、耐え難い苦痛を感じているからといって、直ちに遺族の権利又は利益が侵害されたことにはならず、本件では敬愛追慕の情を機軸とする人格権が、損害賠償や差止請求の根拠となるような法的利益であると解するのは相当でないとされた事例。
(一審)大阪地判平成21年2月26日(平成18(ワ)8280号/平成19(ワ)9419号)判時2063号40頁
報告者 前川 勤 氏
報告内容 租税法規の解釈における検討課題
1)最一小判平成21年12月3日(平成20(行ヒ)43号)民集63巻10号2283頁、および、2)最一小判平成22年6月3日(平成21年(受)第1338号)民集64巻4号1010頁を素材として-

2011(平成23)年度

日時 5月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 荒木 修 氏
事件 最三小判平成22年4月13日(平成21(行ヒ)110号)民集64巻3号791頁
都市計画法55条1項所定の事業予定地内の土地の所有者が具体的に建築物を建築する意思を欠き,都道府県知事等による当該土地の買取りが外形的に同法56条1項の規定による買取りの形式を採ってされたにすぎない場合には,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの。以下同じ。)33条1項3号の3所定の「都市計画法第56条第1項の規定に基づいて買い取られ,対価を取得する場合」に当たるということはできず,当該所有者は当該買取りの対価につき租税特別措置法33条の4第1項1号所定の長期譲渡所得の特別控除額の特例の適用を受けることができない。
(原審)名古屋高判平成20年12月18日(平成19(行コ)22号)民集64巻3号890頁
(原々審)名古屋地判平成19年5月17日(平成16(行ウ)75号)民集64巻3号820頁
報告者 菊池 洋 氏
事件 大分地判平成22年10月18日(平成21(行ウ)9号)賃金と社会保障1534号22頁
永住者の在留資格を有する外国人である原告が、夫とともに駐車場や建物の賃料収入等で生活を送っていたところ、原告宅に引っ越してきた義弟から暴言を吐かれる、預金通帳等を取り上げられるなどの虐待を受け生活に困窮したことから、生活保護を申請したが、却下処分を受けたため、主位的にその取消しと保護開始の義務付けを求め、予備的に保護の給付を求め、さらに予備的に保護を受ける地位の確認を求めた事案で、生活保護法の適用対象を日本国籍を有する者に限り、永住資格を有する外国人を保護の対象に含めなかった生活保護法の規定が憲法25条及び14条1項に反するとはいえないとして、原告の訴えを一部却下し、請求を一部棄却した事例
日時 6月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 曽我 洋介 氏
事件 岐阜地判平成22年11月10日(平成19(ワ)996号)判時2100号119頁
小学校の統廃合に反対する各会の会員として、統廃合反対の署名活動を行ってその署名簿を被告町長に提出した原告らが、被告町は、署名者らの住居を個別に訪問し、署名に関して質問調査を行ったが、この個別訪問調査により、違法に表現の自由および請願権を侵害されたなどとして、損害賠償を求めた事案で、本件個別訪問調査は、署名者に対して署名の真正や請願の趣旨の確認という目的を超えた質問も行われており、本件個別訪問調査を受けた署名者や署名活動者に対して不当に圧力を加えるものであったと認められるとされた事例
報告者 三輪 佳久 氏
事件 最三小判平成21年4月28日(平成20(行ヒ)97号)判時2047号113頁
市の発注した工事に関し談合をしたとされる業者らに対して市長が不法行為に基づく損害賠償請求権を行使しないことが違法な怠る事実に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
(一審)神戸地判平成18年11月16日(平成12年(行ウ)第52号)判例集未登載
(控訴審)大阪高判平成19年11月30日(平成18年(行コ)134号、平成19(行コ)47号)判例集未登載
日時 7月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 河北 洋介 氏
報告 判決/最高裁判所大法廷 (上告審)平成23年3月23日(平成22年(行ツ)第207号)
平成 21年衆議院議員総選挙に係る選挙無効請求事件(東京都)
掲載文献 裁判所ウェブサイト、裁判所時報1528号1頁、官報号外第84号36頁、判例タイムズ1344号70頁、判例地方自治342号11頁、判例時報2108号3頁
報告者 杉江 渉 氏
報告 知財高判平成22年1月28日(平成21年(行ケ)10175号)判タ1329号218頁
―行政訴訟における弁論主義及び法的観点指摘義務について―
参考判例 東京高判昭和46年3月30日判タ264号214頁
参考文献 判タ1329号218〜225頁、判タ264号214〜215頁、小室直人「審決取消訴訟における自白と擬制自白」特許管理27巻8号809〜819頁、小橋馨「特許無効手続における当事者支配」六甲台論集31巻4号(1985)189〜215頁、小林秀之「証拠法の基本問題」判タ674号14〜32頁、阿多麻子「法的観点指摘義務-裁判官の行為準則として」判タ1004号26 〜42頁。
日時 9月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 伊藤 純子 氏
事件 最二小判平成23年5月30日(平成22(行ツ)54号)裁時1532号2頁
公立高等学校の校長が同校の教諭に対して卒業式における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じた職務命令が憲法19条に違反しないとされた事例
(一審)東京地判平成21年1月19日(平成19(行ウ)767号)判時2065号148頁
(控訴審)東京高判平成21年10月15日(平成21(行コ)62号)判時2063号147頁
報告者 大竹 隆 氏
報告 非営利法人に関わる課税判断-3件の裁判事例より-
参考判例 (1)千葉地判平成16年4月2日(平成14(行ウ)32号)判例地方自治262号74頁
(NPO法人が行う「ふれあいサービス事業」が、請負業に該当し、収益事業であるとして課税された事例)
(2)仙台高判平成16年3月12日(平成15(行コ)15号)税務訴訟資料254号順号9593
(社会福祉法人理事長が同法人の資金を不正に引き出した経済的利益は、給与に該当するとされ、源泉徴収義務違反として重加算税が課税された事例)
(3)最二小判平成22年7月16日(平成20(行ヒ)241号)判時2097号28頁
(社団医療法人の出資額の評価を財産評価基本通達で行うことに合理性があるとされた事例)
日時 10月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 飯島 滋明 氏
報告判例 大阪地判22年10月19日判例時報2117号37頁
日刊新聞紙で脅迫・威力業務妨害の罪の容疑者として警察で取調べを受け立件される可能性があるとして実名で報道された者が、発行元の新聞社に対し求めた名誉棄損を理由とする損害賠償請求が認められた事例。大阪地判22年10月19日判例時報2117号37頁
報告者 前川 勤 氏
報告判例 最二小判平成22年7月16日(平成20年(行ヒ)第304号)民集64巻5号1450頁
住民訴訟における共同訴訟参加の申出につき、これと当事者、請求の趣旨及び原因が同一である別訴において適法な住民監査請求を前置していないことを理由に訴えを却下する判決が確定している場合における当該申出の許否。
(一審)大阪地判平成19年7月12日(平成17年(行ウ)第99、100、215号)民集64巻5 号1454頁
(控訴審)大阪高判平成20年5月22日(平成19年(行コ)第92号)民集64巻5号1470頁
日時 11月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 松村 芳明 氏
報告判例 最高裁判所第二小法廷判決/平成19(あ)第1594号、福島県青少年健全育成条例違反被告事件
平成21年3月9日
(1)有害図書類に係る本件販売機は,監視カメラで撮影した客の画像を監視センターに送信し,監視員がモニターでこれを監視する等の機能を備えていても,「販売の業務に従事する者と客とが直接対面する方法によらずに販売を行うことができる設備を有する機器」として,福島県青少年健全育成条例16条1項にいう「自動販売機」に該当し、
(2)有害図書類の自動販売機(販売の業務に従事する者と客とが直接対面する方法によらずに販売を行うことができる設備を有する機器)への収納を禁止し,その違反を処罰する福島県青少年健全育成条例21条1項,34条2項(平成19年福島県条例第16号による改正前のもの),35条の規定は,憲法21条1項,22条1項,31条に違反しないとされた事例。
刑集63巻3号27頁、判例時報2064号157頁。
報告者 稲村 健太郎 氏
報告判例 最高裁判所第二小法廷判決平成23年2月18日/平成20年(行ヒ)第139号
香港に赴任しつつ国内にも相応の日数滞在していた者が,国外財産の贈与を受けた時において,相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)1条の2第1号所定の贈与税の課税要件である国内(同法の施行地)における住所を有していたとはいえないとされた事例。
判時2111号3頁、集民第236号71頁。
日時 12月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 佐藤 寛稔 氏
報告判例 最大判平成23年11月16日(平成22(あ)第1196号)
憲法は、刑事裁判における国民の司法参加を許容しており、
(1)憲法の定める適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り,その内容を立法政策に委ねており、
(2)裁判員制度は,憲法31条,32条,37条1項,76条1項,80条1項に違反しない とされた事例。
裁判所データ
報告者 太郎良 留美 氏
報告判例 最二小判平成22年10月15日(平成21年(行ヒ)第65号)
被相続人が生前に提起して相続人が承継していた所得税更正処分等の取消訴訟において同処分等の取消判決が確定した場合,被相続人が同処分等に基づき納付していた所得税等に係る過納金の還付請求権は相続税の課税財産となるか 。
判時2099号3頁、民集64巻7号1764頁
日時 1月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 中島 宏 氏
報告判例 京都地裁平成22年5月27日(平成20年(行ウ)第39号)
障害補償給付支給処分取消請求事件
障害等級表に定められた醜状障害について男女に差を設けることは憲法14条1項で明示的に禁止されている性差別による差別的取扱いに当たるか。
労働者災害補償保険法による障害補償給付と憲法14条
重判平成22年度版11頁、判例タイムズ1331号107頁、判例時報2093号72頁、労判1010号11頁
報告者 仲野 武志 氏
報告判例 最決平成22年11月25日(平成22(行ト)63)
検察審査会法41条の6第1項所定の検察審査会による起訴をすべき旨の議決の適否につき行政事件訴訟を提起して争い,これを本案とする行政事件訴訟法25条2項の執行停止の申立てをすることができるか 。 判時2127号3頁、民集64巻8号1951頁
日時 2月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 佐藤 雄一郎 氏
報告判例 広島高裁平成23年10月28日(平成22年(ネ)536号)
市議会議員の2親等以内の親族が経営する企業は市が発注する工事の契約を辞退しなければならず,当該議員は当該企業の辞退届を提出するように努めなければならない旨を定めた市条例の規定は,憲法上保障された当該企業の経済活動の自由及び当該議員の議員活動の自由を制限できる合理性や必要性を欠いているものであり,無効であるとされた事例。
裁判所データ
報告者 高橋 正人 氏
報告内容 「住民訴訟における政策的判断の審査」
日時 3月10日 土曜日 13時半〜(今月に限り、第二土曜日に行われますので、ご注意ください。)
場所 文学部棟2F法学部多目的演習室
報告者 安原 陽平 氏
報告判例 懲戒処分取消等請求事件 最一小判平成24年01月16日(平成23(行ツ)263)(平成23(行ヒ)294)
裁判所データ
(1)公立の高等学校又は養護学校の教職員らが卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の各校長の職務命令に従わなかったことを理由とする戒告処分が,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用するものではないとして違法とはいえないとされた事例。
(2)公立養護学校の教職員が卒業式において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱することを命ずる旨の校長の職務命令に従わなかったことを理由とする減給処分が,裁量権の範囲を超えるものとして違法とされた事例。
(一審)東京地判平21・3・26(平成19(行ウ)68)
(控訴審)東京高判平23・3・10(平成22(行コ)181)
報告者 中嶋 直木 氏
報告判例 最二小判平成23年1月14日(平成20年(行ヒ)第348号)判時2106号33頁
町がその所有する普通財産である土地を町内の自治会に対し地域集会所の建設用地として無償で譲渡したことにつき地方自治法232条の2所定の公益上の必要があるとした町長の判断に裁量権の範囲の逸脱又は濫用による違法があるとはいえないとされた事例。
(一審)奈良地判平成19年2月28日(平成16年(行ウ)第3号)判タ1278号171頁
(控訴審)大阪高判平成20年6月27日(平成19年(行コ)第26号)判例地方自治348号25頁

2010(平成22)年度

日時 4月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 前川 勤 氏
研究報告 「捜査の目的でする写真・ビデオ撮影の適法性について―肖像権を捜査のために制限できる基準についての判例の変遷―」
参考判例 最大判昭和44年12月24日(刑集23巻12号1625頁、判時577号18頁)
最二小判昭和61年2月14日(刑集40巻1号48頁、判時1186号149頁)
最二小決平成20年4月15日(刑集62巻5号1398頁、判時2006号159頁)
東京高判昭和63年4月1日(判時1278号158頁)
報告者 仲野 武志 氏
事件 最三小判平成22年2月23日(平成18(行ヒ)79、損害賠償請求事件)判例集未登載
市営と畜場の廃止に当たり市が利用業者等に対してした支援金の支出が国有財産法19条、24条2項の類推適用又は憲法29条3項に基づく損失補償金の支出として適法なものであるとはいえないとされた事例
(原々審)熊本地判平成16年7月16日(判例地方自治279号103頁)
(原審)福岡高判平成17年11月30日(判例地方自治279号88頁)※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 5月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部3階 大会議室
報告者 堀見 裕樹 氏
事件 最二小決平成21年9月30日(平成20(ク)1193)
家月61巻12号55頁、判時2064号61頁
民法900条4号ただし書前段と憲法14条1項
(※重判3事件・遺産分割申立て事件の審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件)
(原審)福岡高那覇支決平成20年11月6日(平成19年(ラ)第34号、判例集未登載、LEX/DB番号25451547
(原々審)那覇家名護支審平成19年11月12日(平成19年(家)第15号)、判例集未登載、LEX/DB番号25451826
報告者 稲葉 馨 氏
事件 最二小判平成21年10月23日(平成20(受)1043)
裁時1494号1頁
市町村立中学校の教諭が生徒に与えた損害を国家賠償法1条1項、3条1項に従い賠償した都道府県は、同条2項に基づき、その全額を当該中学校を設置する市町村に対して求償することができるとされた事例
(原審)仙台高判平成20年3月19日(平成19(ネ)468)、判タ1283号110頁
(原々審)福島地判平成19年10月16日(平成18(ワ)32)、判タ1283号114頁
日時 6月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部3階 大会議室
報告者 佐藤 雄一郎 氏
事件 最大判平成22年1月20日(平成19年(行ツ)第260号)判時2070号21頁
(1)市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法89条,20条1項後段に違反するとされた事例
(2)市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法の定める政教分離原則に違反し,市長において同施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして,市の住民が怠る事実の違法確認を求めている住民訴訟において,上記行為が違憲と判断される場合に,その違憲性を解消するための他の合理的で現実的な手段が存在するか否かについて審理判断せず,当事者に対し釈明権を行使しないまま,上記怠る事実を違法とした原審の判断に違法があるとされた事例
(原審)札幌高判平成19年6月26日(平成18年(行コ)第4号)判例集未登載
(原々審)札幌地判平成18年3月3日(平成16年(行ウ)第8号)判例集未登載
報告者 稲村 健太郎 氏
事件 最一小判平成21年12月10日(平成20年(行ヒ)第177号)判時2066号14頁
(1)遺産分割協議は国税徴収法39条にいう第三者に利益を与える処分に当たり得るか
(2)滞納者に詐害の意思のあることは国税徴収法39条所定の第二次納税義務の成立要件か
(原審)東京高判平成20年2月27日(平成19(行コ)375)判例集未登載
(原々審)東京地判平成19年10月19日(平成19(行ウ)290)判例集未登載
日時 7月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 中村 英 氏
事件 仙台高判平成17年12月20日(平成17年(行ケ)4号・5号)判例集未登載
(1)市議会議員一般選挙の投票場所において,選挙事務従事者が誤って市長選挙の投票用紙を交付したことが,公職選挙法205条所定の「選挙の規定に違反することがあるとき」に当たるとされた事例
(2)市議会議員一般選挙の投票場所において,選挙事務従事者が誤って市長選挙の投票用紙を交付したことが,公職選挙法205条1項に定める「選挙の結果に異動を及ぼすおそれ」があるとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
原裁決 宮城県選挙管理委員会平成17年8月12日裁決(石巻市議会議員一般選挙に係る選挙の効力及び当選の効力の審査に関する申立てに対する裁決)本文はこちら
報告者 高橋 司 氏
事件 最一小判平成21年12月3日(平成20年(行ヒ)43号)判例時報2070号45頁
内国法人によりチャネル諸島ガーンジーに設立された子会社において,0%超30%以下の範囲で税務当局に申請し承認された税率が適用税率になるとの制度に基づき26%の税率でガーンジーに納付した所得税が,法人税法(平成13年法律第6号による改正前のもの,平成14年法律第79号による改正前のもの及び平成21年法律第13号による改正前のもの)69条1項,法人税法施行令141条1項にいう外国法人税に該当しないとはいえないとされた事例
(原審)東京高判平成19年10月25日(平成18年(行コ)252号)訟務月報54巻10号2419頁
(原々審)東京地判平成18年9月5日(平成16年(行ウ)271号)訟務月報54巻10号2463頁
日時 9月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部3階大会議室
報告者 西山 千絵 氏
事件 最一小判平成22年7月22日(平成20年(行ツ)第202号、白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭奉賛会損害賠償請求事件)判例集未掲載
神社の鎮座2100年を記念する大祭に係る諸事業の奉賛を目的とする団体の発会式に地元の市長が出席して祝辞を述べた行為が、憲法20条3項に違反しないとされた事例
(原審)名古屋高金沢支判平成20年4月7日(平成19年(行コ)第11号)判時2006号53頁
(原々審)金沢地判平成19年6月25日(平成18年(行ウ)第2号)判時2006号61頁※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 中嶋 直木 氏
事件 最一小判平成21年11月26日(平成21年(行ヒ)第75号)判時2063号3頁
市の設置する特定の保育所を廃止する条例の制定行為が抗告訴訟の対象となる行政処分に当るとされた事例
(原審)東京高判平成21年1月29日(平成18年(行コ)第169号)判時2057号6頁
(原々審)横浜地判平成18年5月22日(平成16年(行ウ)第4号)判タ1262号137頁
日時 10月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部3階 大会議室
報告者 関沢 修子 氏
事件 大阪高判平成20年11月27日(判例時報2044号86頁)
マイノリティの教育権なるものに具体的権利性はなく、市が市立小中学校で実施していた在日外国人向け多文化共生・国際理解教育事業を廃止・縮小したことはマイノリティの教育権を侵害するものとはいえないとして、外国籍の生徒らが市に対して求めた損害賠償請求が棄却された事例
(原審)大阪地判平成20年1月23日(判例時報2010号93頁)
報告者 和泉田 保一 氏
事件 大阪高判平成22年4月27日(判例地方自治331号53頁)
県の労働委員会、収用委員会、選挙管理員会の各委員に対して月額報酬を支給することが、選挙管理委員会委員長に対する場合を除いては、いずれも違法であるとされた事例
(原審)大津地判平成21年1月22日(判例地方自治316号20頁)
日時 11月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学片平キャンパス:エクステンション教育研究棟講義室303
報告者 伊藤 純子 氏
事件 最一小決平成22年3月15日(平成21年(あ)第360号)判時2075号160頁
(1)インターネットの個人利用者による名誉毀損と摘示事実を真実と誤信したことについての相当の理由
(2)インターネットの個人利用者による名誉毀損行為につき,摘示事実を真実と誤信したことについて相当の理由がないとされた事例
(原審)東京高判平成21年1月30日(平成20年(う)第1067号)判タ1309号91頁
(原々審)東京地判平成20年2月29日(平成16年(刑わ)第5630号)判例時報2009号151頁
報告者 前川 勤 氏
事件 最一小判平成22年6月3日(平成21年(受)第1338号)裁時1509号2頁
固定資産の価格を過大に決定されたことによって損害を被った納税者が地方税法432条1項本文に基づく審査の申出及び同法434条1項に基づく取消訴訟等の手続を経ていない場合における国家賠償請求訴訟の許否
(原審)名古屋高判平成21年3月13日(平成20年(ネ)第732号)判例地方自治332号40頁
(原々審)名古屋地判平成20年7月9日(平成19年(ワ)第1317号)判例地方自治332号43頁
日時 12月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 山岸 喜久治 氏
事件 最二小判平成19年7月13日(平成18(受)347号)判時1982号152頁
最二小判平成19年7月13日(平成18(受)347号)判時1982号152頁
(1)学校法人が被用者である大学教授に対し同教授の地元新聞紙上における発言等を理由としてした戒告処分が無効とされた事例
(2)学校法人が被用者である大学教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請の無効確認を求める訴えが適法とされた事例
(3)学校法人が被用者である大学教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請が無効とされた事例
(原審)名古屋高判平成17年11月15日(平成16(ネ)982号)判例集未登載
(原々審)津地判平成16年9月16日(平成13(ワ)179号)
裁判所データ
報告者 中原 茂樹 氏
事件 最二小判平成21年7月10日(平成19(受)1163号)判時2058号53頁
町とその区域内に産業廃棄物処理施設を設置している産業廃棄物処分業者とが締結した公害防止協定における,上記施設の使用期限の定め及びその期限を超えて産業廃棄物の処分を行ってはならない旨の定めは,これらの定めにより,廃棄物処理法に基づき上記業者が受けた知事の許可が効力を有する期間内にその事業又は施設が廃止されることがあったとしても,同法の趣旨に反しない、とされた事例
(原審)福岡高判平成19年3月22日(平成18(ネ)547号)判例地方自治304号35頁
(原々審)福岡地判平成18年5月31日(平成16(ワ)568号)判例地方自治304号45頁
日時 1月22日 土曜日 13時半〜(なお、今月は第4土曜日(22日)に研究会を開催いたしますのでご注意ください。)
場所 東北大学法学部大会議室(法学部棟3階)
報告者 石澤 淳好 氏
事件 最三小判平成21年7月14日(平成20(あ)1575号)刑集63巻6号623頁
(1)刑訴法403条の2第1項と憲法32条
(2)即決裁判手続の制度が虚偽の自白を誘発するか
(原審)東京高判平成20年7月10日(平成20(う)923号)刑集63巻6号637頁
(原々審)千葉地木更津支判平成20年3月12日(平成20(わ)37号)刑集63巻6号636頁
裁判所データ
報告者 太朗良 留美 氏
事件 最三小判平成22年7月6日(平成20(行ヒ)16号)判時2079号20頁
(1)相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)3条1項1号の規定によって相続により取得したものとみなされる生命保険契約の保険金であって年金の方法により支払われるもののうち有期定期金債権に当たる年金受給権に係る年金の各支給額は,そのすべてが所得税の課税対象となるか
(2)所得税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)207条所定の生命保険契約等に基づく年金の支払をする者は,当該年金が同法の定める所得として所得税の課税対象となるか否かにかかわらず,その年金について所得税の源泉徴収義務を負うか
(原審)福岡高判平成19年10月25日(平成18(行コ)38号)訟月54巻9号2090頁
(原々審)長崎地判平成18年11月7日(平成17(行ウ)6号)訟月54巻9号2110頁
日時 2月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 山崎 暁彦 氏
事件 最一小判平成21年4月23日(平成20年(オ)第1298号)判時2045号116頁
建物の区分所有等に関する法律70条と憲法29条
(原審)大阪高判平成20年5月19日(平成19年(ネ)第3386号)判例集未登載
(原々審)大阪地判平成19年10月30日(平成17年(ワ)第8415号)判例集未登載
報告者 高橋 正人 氏
研究報告 「公安情報(公共安全情報)該当性の司法審査について―参考判例:最判平成21年7月9日(判時2057号3頁)」
(参考判例)最一小判平成21年7月9日(平成19年(行ヒ)第270号)判時2057号3頁
(原審)東京高判平成19年6月13日(平成18年(行コ)第337号)判例地方自治329号72頁
(原々審)新潟地判平成18年11月17日(平成17年(行ウ)第13号)判タ1248号203頁

2009(平成21)年度

日時 4月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 中島 宏 氏(山形大学)
事件 名古屋高判平成20年4月17日(平成18(ネ)499) 判例集未登載
イラクにおいて航空自衛隊が行っている空輸活動は,武力行使を禁止したイラク特措法2条2項,活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し,かつ,憲法9条1項に違反する活動を含むものではあるが,これによる控訴人らの平和的生存権に対する侵害は認められないとして,控訴人らによる自衛隊のイラク派遣に対する違憲確認の訴え及び派遣差止めの訴えを却下し,国家賠償請求を棄却した原判決を維持した事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 稲葉 馨 氏(東北大学)
事件 最大判平成20年9月10日(平成17(行ヒ)397) 民集62巻8号2029頁
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとされた事例
日時 5月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 茂木 洋平 氏(東北大学大学院)
事件 「Affirmative Action の司法審査基準」
報告者 飯島 淳子 氏(東北大学)
事件 最一判平成20年11月27日(平成19(行ヒ)215) 判例時報2028号26頁、判例タイムズ1286号96頁
県が職員の退職手当に係る源泉所得税を法定納期限後に納付し,加算税等を徴収された場合において,納付に必要な出納長に対する払出通知が遅滞したことにつき,同通知に関する専決権限を有する職員に重大な過失はなく,同職員は県に対して地方自治法(平成18年法律第53号による改正前のもの)243条の2第1項後段の規定による損害賠償責任を負わないとされた事例。
日時 6月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科片平第1号棟 第3講義室2階(会場が通例とは異なっております。会場の地図はこちらをご覧ください。)
報告者 西山 千絵 氏(東北大学大学院)
事件 名古屋高判平成20年4月7日(平成19(行コ)11)
白山市長が来賓として白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭の奉賛会発会式に出席し白山市長として祝辞を述べた行為が憲法20条3項の禁止する宗教的活動に当たり、これに関する費用等につき公金を支出することは違法であるとされた事例(白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭奉賛会損害賠償請求控訴事件)
掲載誌 判例時報2006,P53
報告者 三輪 佳久 氏(弁護士)
事件 横浜地判平成20年10月10日(平成20(行ク)41)
横浜市中区長が、申立人に対し、平成20年9月16日付けで横浜市公会堂条例2条に基づき同年10月14日及び同月16日における横浜市開港記念会館講堂の使用を許可したものの、同月1日付けで本件使用許可を取り消す旨の処分をしたため、申立人が本件取消処分の取消しを求めて訴訟を提起するとともに、同処分の効力を停止することを求めた事案。
掲載誌 未登載※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 7月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階大会議室
報告者 原田 いずみ 氏
事件 東京地判平成20年6月26日 判時2014号48頁
厚生労働大臣の定めた生活保護基準(昭和38年厚生省告示第158号)の改定により70歳以上で生活保護を受けている者に対する老齢加算が廃止されることに伴い,福祉事務所長が生活保護法25条2項に基づいてした保護費を減額する旨の保護変更決定が,適法とされた事例
報告者 稲村 健太郎 氏
事件 福岡高判平成20年11月27日 判例集未登載
被相続人が生前に提訴していた課税処分取消訴訟の地位を継承した相続人に取消判決の確定を受けて還付された過納金が、相続財産を構成するとされた事例
掲載誌 未登載※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 9月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室(今回の報告は行政法側、憲法側という順番で行われます。通常と逆になっておりますのでご注意ください。)
報告者 高野 修 氏(岩手大学)
事件 東京高判平成19年11月28日(平成18(ネ)3454) 判例時報2002号149頁
(1)地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものの勤務関係
(2)地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものに任用された者の再任用拒否と解雇権濫用法理の類推
(3)地方公共団体が地方公務員法3条3項3号所定の職に属する非常勤職員で任用期間の定めのあるものに任用された者を再任用しなかったことが国家賠償法上違法であるとされた事例
報告者 河北 洋介 氏(東北大学大学院)
事件 最一判平成20年3月5日(平成18(あ)2339) 判例タイムズ1266号149頁、 集刑293号689頁
殺人、銃砲刀剣類所持等取締違反被告事件について、被害者等から被害者特定事項の秘匿の申出があったという事案で、被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることが憲法37条1項の定める公開裁判を受ける権利を侵害し、ひいては、憲法32条の裁判を受ける権利そのものを空洞化するおそれがあるとの弁護人の主張を斥け、同決定は裁判を非公開で行う旨のものではないことは明らかであって、公開裁判を受ける権利を侵害しないとして、被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしないことを決定した事例。
日時 10月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室
報告者 小島 達也 氏(東北大学大学院)
事件 民集第62巻2号445頁
最三小判平成20年2月19日(平成15(行ツ)157)
(1)我が国において既に頒布され,販売されているわいせつ表現物を関税定率法(平成17年法律第22号による改正前のもの)21条1項4号による輸入規制の対象とすることと憲法21条1項
(2)輸入しようとした写真集が,関税定率法(平成17年法律第22号による改正前のもの)21条1項4号にいう「風俗を害すべき書籍,図画」等に該当しないとされた事例
報告者 中嶋 直木 氏(東北大学大学院)
事件 判例時報2013号61頁
東京地判平成20年2月29日(平19(行ウ)227号)
(1)出入国管理及び難民認定法50条1項4号の在留特別許可の義務付けを求める訴えが行政事件訴訟法3条6項2号にいう申請型義務付けの訴えと解された事例
(2)日本人との内縁関係にあった外国人の在留を特別に許可しなかった法務大臣等の判断が、裁量権の逸脱、濫用にあたるとして、原告の在留を特別に許可すべきことが命じられた事例
日時 11月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室
報告者 曽我 洋介 氏(東北学院大学)
事件 判例地方自治316号60頁
東京高判平成21年1月29日(平成18年(行コ)第169号)
横浜市保育所条例の一部を改正する条例(平成15年横浜市条例第62号)の制定によって市立保育所が廃止民営化されたことが、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例
報告者 高橋 司 氏(東北大学大学院)
事件 民集59巻10号2964頁
最二小判平成17年12月19日(平成15年(行ヒ)第215号)
外国税額控除の余裕枠を利用して利益を得ようとする取引に基づいて生じた所得に対して課された外国法人税を法人税法(平成10年法律第24号による改正前のもの)69条の定める外国税額控除の対象とすることが許されないとされた事例
日時 12月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室
報告者 荒木 修 氏(東北学院大学)
事件 最判平成20年10月3日(平成19(行ヒ)137)
判時2026号11頁
都市公園内に不法に設置されたキャンプ用テントを起居の場所としている者につき,同テントの所在地に住所を有するものとはいえないとされた事例。
報告者 佐藤 雄一郎 氏(長崎総合科学大学)
事件 東京地裁平成21年7月28日判決(平成19(ワ)13179)
判例タイムズ1303号81頁
(1)放送法32条及び日本放送協会放送受信料規約9条は、自由な意思に基づいて本件各放送受信契約を締結した被告らとの関係においては、憲法19条に反しないとした事例。
(2)放送法32条及び日本放送協会放送受信規約9条は、憲法21条1項並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約19条1項に違反しないとした事例。
(3)放送法32条及び日本放送協会受信規約9条は、憲法13条後段に違反しないとした事例。
(4)日本放送協会が負担する「豊かでよい放送を行う義務」は、法送受信契約の相手方個々人に対する義務ではないから、法送受信契約の相手方が負担する放送受信料支払義務とは牽連関係にないとした事例
日時 1月23日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学文系総合研究棟11階 大会議室
報告者 岡本 寛 氏(東北大学)
事件 判例タイムズ1306号101頁
最大判平成21年9月30日(平成20(行ツ)第209号)
公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は、平成19年7月29日施行の参議院議員通常選挙当時、憲法14条1項に違反していたものということはできないとされた事例
報告者 大竹 隆 氏(東北大学大学院)
事件 判例地方自治262号74頁
東京高判平成16年11月17日(平成16(行コ)第166号)
市から受託した福祉事業や介護保険事業などを行っているNPO法人(特定非営利活動法人)がこれらの事業に加えて行った高齢者への有償ボランティア事業について、法人税法に規定する収益事業に当たり、これにより生じた所得は法人税の課税対象となるとした税務署長の処分が適法であるとされた事例
日時 2月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科棟3階 大会議室
報告者 岡田 順太 氏
事件 刑集62巻3号250頁
最決平成20年3月27日(平成18(あ)第348号)
参議院議員が、本会議における代表質問においてある施策の実現のため有利な取り計らいを求める質問をされたい旨の請託を受け、さらに、他の参議院議員を含む国会議員に対し国会審議の場において同旨の質疑等を行うよう勧誘説得されたい旨の請託を受けて金員を受領したことが、その職務に関し賄賂を収受したものとされた事例
報告者 高橋 正人 氏
事件 判例集未登載
最一判平成21年12月17日(平成20(行ヒ)第386号)
政務調査費の使途を問題とする住民監査請求に係る監査に際し、監査委員が区議会における会派から任意に提出を受けた文書に記録された政務調査活動の目的、性格、内容等に係る情報が、品川区情報公開・個人情報保護条例(平成9年品川区条例第25号)8条6号ア所定の非公開情報に当たるとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 3月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学研究科棟3階 大会議室
報告者 佐藤 寛稔 氏
事件 判例時報1986号91頁
大阪地判平成19年2月16日(平成17(ワ)2726)
大阪市政記者クラブに所属しないフリージャーナリストに対し大阪市議会の委員会の傍聴を不許可とした委員長の処分が憲法21条1項、14条1項等に違反しないとされた事例
報告者 太郎良 留美 氏
事件 判例集未登載
名古屋高判平成17年10月27日(平成16(行コ)48)
航空機リース事業を目的とする組合契約を締結し、同事業による所得を不動産所得として、その減価償却費等を必要経費に算入した上で所得税の確定申告を行った者らに対し、同契約は民法上の組合契約ではなく、実質的には利益配当契約であり、これによる所得は雑所得であるから損益通算は許されないとして税務署長がした更正処分等の取消請求が、認容された事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら原審はこちら )をクリックして頂ければ入手できるようになっております。

2008(平成20)年度

日時 4月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 曽我 洋介
事件 東京地判平成18年10月3日 判例集未登載
総務省の後援するコンピュータネットワークセキュリティに関する国際セミナーにおける講演につき,総務省の担当職員が,後援者として,主催者に対し,上記講演の問題点や懸念される点を指摘し,その解消を求めた行為が検閲に当たらず,表現の自由を侵害する違法行為にも当たらないとされた事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 和泉田 保一
事件 東京高判平成18年9月27日 判時1961号45頁
(1)河川区域が廃川敷地となったと認定され、河川管理権限に基づいて行なわれた工事請負契約等が違法とされた事例。
(2)先行する原因行為を前提としてなされた当該職員の行為自体は違法なものとはいえないとして、当該職員に対して賠償命令をすることを求める請求が棄却された事例。
日時 5月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 雄一郎
事件 札幌高裁判決 平成19年6月26日 判例集未登載
市がその所有する土地上に、神社の建物等を設置することを許し、土地を同神社の敷地として無償で使用させるなどしていることは、政教分離原則に違反する行為であり、当該使用貸借契約を解除し、前記神社建物等の撤去を請求しないことは、違法に財産の管理を怠るものであるとして、市の住民である原告らが市長である被告に対し、上記怠る事実の違法確認を求めた事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 高橋 正人
事件 長野地裁判決 平成17年2月4日 判例タイムズ1229号221頁
薬事法に基づく医療用具の回収命令処分について、弁明の機会の付与(行政手続法13条1項2号)の手続が執られず、その手続の省略が許される緊急の必要性(同条2項1号)があるとも認められないから違法であるとして、医療用具の回収命令処分が取り消された事例。
日時 6月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 早川 のぞみ
事件 最二小判平成19年9月28日 民集第61巻6号2345頁
(1)国民年金法(平成元年法律第86号による改正前のもの)が,同法所定の学生等につき国民年金の強制加入被保険者とせず,任意加入のみを認め,強制加入被保険者との間で加入及び保険料免除規定の適用に関し区別したこと,及び立法府が上記改正前に上記学生等を強制加入被保険者とするなどの措置を講じなかったことと憲法25条,14条1項。
(2)立法府が,平成元年法律第86号による国民年金法の改正前において,初診日に同改正前の同法所定の学生等であった障害者に対し,無拠出制の年金を支給する旨の規定を設けるなどの措置を講じなかったことと憲法25条,14条1項。
報告者 大沼 洋一
事件 大阪高判平成20年3月6日 判例集未登載
場外車券発売施設設置許可処分取消請求訴訟における周辺住民の原告適格。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 7月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 寛稔
事件 東京地判平成18年3月31日 判例タイムズ1209号60頁
(1)有名芸能人がテレビ番組等で公開していた性的趣向と同一性を有する記事についてプライバシーの権利の侵害を認めなかった事例
(2)被写体が原告本人であるか否かにかかわらず、写真の説明と併せ読むと読者が原告であると考えるような場合に、肖像権侵害と同様に、その人格的利益を侵害したといえるか(積極)
(3)防犯ビデオの映像を写真週刊誌に掲載した場合に、防犯ビデオの設置目的を超えて違法に肖像権を侵害するものであるとされた事例
報告者 稲村 健太郎
事件 福岡高判平成19年10月25日
相続の対象である生命保険契約に基づく年金受給権に基づき毎年受け取る個々の年金に所得税を課すことの可否※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 9月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 西山 千絵
事件 最二小判平成20年4月15日 判時2006号159頁
(1)捜査機関が公道上及びパチンコ店内にいる被告人の容ぼう,体型等をビデオ撮影した捜査活動が適法とされた事例。
(2)捜査機関が公道上のごみ集積所に不要物として排出されたごみを領置することの可否。
報告者 荒木 修
事件 東京地判平成19年10月3日 判例集未登載
建築基準法上のいわゆる「2項道路」に該当するにもかかわらず、被告区役所の職員から該当しない旨の誤った回答により損害を被ったとして提起された国賠訴訟において、その損害賠償請求が棄却された事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 10月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 阿部 智洋
事件 最大判平成20年6月4日 判時2002号3頁
(1)国籍法3条1項が,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子につき,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した場合に限り日本国籍の取得を認めていることにより国籍の取得に関する区別を生じさせていることは,遅くとも平成17年当時において,憲法14条1項に違反する 。
(2)日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子は,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得したという部分を除いた国籍法3条1項所定の国籍取得の要件が満たされるときは,日本国籍を取得する。
報告者 太郎良 留美
事件 (1)福岡地判平成20年01月29日 判時2003号43頁
原告が、住宅を譲渡したことにより長期譲渡所得の計算上損失が生じたとして、所得税に係る更正の請求をしたところ、法律の改正により損益通算できなくなったとして、更正すべき理由がない旨の通知処分を受けたことから、本件通知処分の取消しを求めた事案で、本件改正で遡及適用を行う必要性・合理性は一定程度認められはするものの、本件改正の遡及適用が、国民に対してその経済生活の法的安定性又は予見可能性を害しないものであるということはできず、本件改正は、特例措置の適用もなく、損益通算の適用を受けられなくなった原告に適用される限りにおいて、租税法規不遡及の原則(憲法84条)に違反し、違憲無効というべきであるとし、請求を認容した事例。
(2)東京地判平成20年02月14日 判例集未登載
原告らが、平成16年分の所得税につき、同年2月に不動産を譲渡したことに伴う譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を所得税法69条1項の規定に従い他の各種所得の金額から控除すべきであるとして更正の請求をしたところ、理由がない旨の通知処分を受けたことから、その取消を求めた事案で、平成16年改正所得税法附則27条1項により平成16年改正租税特別措置法31条1項後段の規定を平成16年1月1日から同年12月31間での間に行われた土地等又は建物等の譲渡について適用することは、その個々の譲渡についてみれば納税者が一定の不利益を受け得ることは否定できないものの、納税者の平成16年分所得税の納税義務の内容自体を不利益に変更するのではなく、遡及適用することに合理的必要性が認められ、かつ、納税者においても、既に平成15年12月の時点においてその適用を予測できる可能性がなかったとまではいえないのであるから、平成16年改正所得税法附則27条1項が租税法律主義に反するということはできないとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 11月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 石澤 淳好
事件 東京地判平成18年10月12日 判時1966号63頁
宗教法人の代表役員等の地位にあることの確認を求める訴えにおいて、その地位にかかわる懲戒処分は、当該処分が全く事実上の根拠に基づかない場合、当該処分の手続が著しく正義に反する場合、処分内容が社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を逸脱したと認められる場合にのみ無効と判断すべきであり、当該処分についてこれらの無効事由は認められないとされた事例。
報告者 佐々木 洋一
事件 (1)最小三判平成18年10月24日 民集第60巻8号3128頁
(2)最小一判平成18年11月16日 判時1955号37頁
(3)最小二判平成19年7月6日 裁時1439号4頁
納税者が所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したことにつき国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとされた事例。
日時 12月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 最二小判平成19年2月2日(平成16(受)1787) 民集第61巻1号86頁
従業員と使用者との間において従業員が特定の労働組合に所属し続けることを義務付ける内容の合意がされた場合において,同合意のうち,従業員に上記労働組合から脱退する権利をおよそ行使しないことを義務付けて脱退の効力そのものを生じさせないとする部分は,公序良俗に反し無効である、とされた事例。
報告者 日野 辰哉
事件 (1)大阪地決平成19年8月10日(平成19年行ク第40号)賃金と社会保障1451号38頁
市町村の教育委員会が当該市町村の区域内に住所を有する児童生徒等について,就学すべき学校として当該市町村の設置する特別支援学校を指定した上,児童生徒等の保護者に対し,当該学校の入学期日を通知する行為の行政処分性
(2)大阪高決平成20年3月28日(平成19行ス第25号)
未成年の子の母親が,行政事件訴訟法37条の5第1項に基づいてした市教育委員会が前記未成年の子を市の設置する特別支援学校である養護学校に就学させるべき旨の指定通知をすべきことの仮の義務付けを求める申立てが,認容された事例※(2)判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 1月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 山岸 喜久治
事件 最二小判平成18年11月27日(平成17(受)1158 民集 第60巻9号3437頁
(1)大学と当該大学の学生との間の在学契約の性質。
(2)大学の入学試験の合格者が納付する入学金の性質。
(3)大学と在学契約等を締結した者が当該在学契約等を任意に解除することの可否。
(4)大学の入学試験の合格者による書面によらない在学契約の解除の意思表示の効力。
(5)大学の入学試験の合格者が当該大学との間で在学契約等を締結して当該大学に入学金を納付した後に同契約等が解除された場合等における当該大学の入学金返還義務の有無。
(6)大学の入学試験の合格者と当該大学との間の在学契約における納付済みの授業料等を返還しない旨の特約の性質。
(7)大学の入学試験の合格者と当該大学との間の在学契約等の消費者契約該当性。
(8)大学の入学試験の合格者と当該大学との間の在学契約における納付済みの授業料等を返還しない旨の特約に関する消費者契約法9条1号所定の平均的な損害等の主張立証責任。
(9)大学の入学試験の合格者と当該大学との間の在学契約における納付済みの授業料等を返還しない旨の特約に対する消費者契約法9条1号の適用の効果。
(10)専願等を出願資格とする大学の推薦入学試験等の合格者と当該大学との間の在学契約における納付済みの授業料等を返還しない旨の特約に対する消費者契約法9条1号の適用の効果
報告者 松澤 陽明
事件 広島地決平成20年2月29日 判例集未登載
公有水面埋立法2条に基づく公有水面の埋立免許付与処分の仮の差止めが、一部の申立人に対しては「償うことのできない損害を避けるための緊急の必要性」があるとは言えないとの理由で、一部の申立人に対しては申立人適格を有しないとの理由で却下された事案。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 2月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 山元 一
事件 平成17年12月28日大阪高裁判決(京都大学事件)判例タイムズ1223号145頁
(1)平成15年法律第117号による改正前の大学の教員等の任期に関する法律(任期法)による任期及び同法3条1項を受けて定められた当該大学の規則等による任期制は、いずれも憲法23条に違反しないとされた事例。
(2)国立大学の学長が、任期法に基づき任期付き教授として任用された者に対して行なった任期満了の通知は、再任をしないとの決定をしたことと併せて考慮しても、行政事件訴訟法3条2項の処分に当たらないとされた事例。
報告者 高橋 正人
事件 千葉地判平成19年8月21日 判時2004号62頁、判タ1260号107頁
(1)産業廃棄物処理施設の設置許可処分の取消訴訟と周辺住民の原告適格。
(2)県知事が事業者に対してした産業廃棄物処理施設の設置許可処分につき、周辺住民が生命、身体等に係る重大な被害を直接に受けるおそれのある災害等が想定される程度に事業者の経理的基礎を欠く違法があるとして、右許可が取り消された事例。
日時 3月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 新井 誠
事件 平成18年9月26日東京地裁判決 判時1952号105頁
平成19年10月31日東京高裁判決 判時2009号90頁
(1)私立学校の教育内容の変更が生徒の保護者の学校選択の自由を違法に侵害するとして、学校側の損害賠償請求が認められた事例。
報告者 中嶋 直木
事件 大阪地判平成19年6月6日(大和都市管財事件一審) 判時1974号3頁・判タ1263号71頁。
大阪高判平成20年9月26日(控訴審) 判例集未登載
(1)抵当証券業者に対して財務局長が行なった更新登録が、登録更新居比重の存在を看過してなされた違法なものであったとして、更新登録後に抵当証券業者から抵当証券を購入した顧客に対して、国賠法一条一項に基づいて国が責任を負うとされた事例。
本報告では、主に各判決の以下の部分が扱われます。
一審は、『第四 争点に対する判断 1 争点1について』(判時30〜37頁;判タ166〜173頁)、『5 争点5について(1)、(2)、(4)〜(7)』(判時68〜72頁、108〜126頁;判タ206〜210頁、249〜268頁)、『6 争点6について』(判時 126〜128頁 判タ268〜270頁)。
控訴審は、『第3 2 本件登録更新について国賠法上の違法性の判断基準』(公判HP5〜11頁)、『3 本件登録更新時・・・近畿財務局長も認識し又は認識しえたといえるか (1)、(5)〜(6)』(公判HP11頁、56〜60頁)、『4 近畿財務局長・・・その裁量逸脱の程度〜7 本件更新登録の国賠法上の違法性の有無(まとめ)』(公判HP60〜67頁)、『9 近畿財務局長の故意、過失の有無について』(公判HP68頁)。」※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。

2007(平成19)年度

日時 4月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 曽我 洋介
事件 最一小判平成17年7月14日 民集59巻6号1569頁 判例時報1910号94頁
公立図書館の職員が図書の廃棄について不公正な取扱いをすることと当該図書の著作者の人格的利益の侵害による国家賠償法上の違法
報告者 幸 かおる
事件 最二小判平成17年1月17日 民集59巻1号28頁 判例時報1887号36頁
(1)国税の納税者から申告の委任を受けた者が偽りその他不正の行為を行い納税者が税額の全部又は一部を免れた場合における国税通則法70条5項の適用の有無
(2)税理士に所得税の申告を委任した納税者が脱税を意図しその意図に基づいて行動したとは認められないとした認定に経験則違反の違法があるとされた事例
日時 5月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 最三小判平成19年2月27日 裁時1430号4頁
市立小学校の音楽専科の教諭に対して校長がした入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏を行うことを内容とする職務上の命令が憲法19条に違反しないとされた事例
報告者 高橋 正人
事件 最三小決平成17年10月14日 民集59巻8号2265頁 判例時報1914号84頁
(1)いわゆる災害調査復命書のうち行政内部の意思形成過程に関する情報に係る部分は民訴法220条4号ロ所定の文書に該当するが労働基準監督官等の調査担当者が職務上知ることができた事業者にとっての私的な情報に係る部分は同号ロ所定の文書に該当しないとされた事例ほか
日時 6月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 関沢 修子
事件 東京地判平成18年6月29日(判例集未登載)
一般職国家公務員である被告人が、衆議院議員総選挙に際し、日本共産党を支持する目的で同党の機関誌等を配付した事案について、本件捜査が違法であるとする公訴棄却の主張、国家公務員の政治活動を禁止する国家公務員法が違憲であるとの主張等がいずれも排斥され、被告人が執行猶予付きの罰金刑に処せられた事例
※報告判例は判例集や裁判所HP等には掲載されておりませんが、法律時報増刊(2006年10月)『新たな監視社会と市民的自由の現在』81-112頁に判決文全文が掲載されております。
報告者 松澤 陽明
事件 最二小判平成18年7月14日 民集60巻6号2369頁 判例時報1947号45頁
(1)普通地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する条例の制定行為が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例
(2)普通地方公共団体の住民に準ずる地位にある者による公の施設の利用についての不当な差別的取扱いと地方自治法244条3項他
-高根町簡易水道事業給水条例無効確認等請求訴訟上告審判決-
日時 7月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 寛稔
事件 東京高判平成17年3月24日 判例時報1899号101頁
戸籍の続柄欄において嫡出子と非嫡出子とを区別する記載をすることはプライバシー権を侵害する違法な記載とはいえないとされた事例
報告者 日野 辰哉
事件 最二小判平成19年3月20日 裁判所時報1432号1頁
パチンコ業者らが、風俗営業の許可に係る規制を利用して競業者において購入した出店予定地での営業許可を受けることができないようにする意図の下に、社会福祉法人に児童遊園の土地等を寄付した行為が、不法行為を構成するとされた事例
日時 9月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 高野 修
事件 東京高判平成17年10月20日 判例時報1914号43頁
(1)都市計画法(平成11年法律第87号による改正前のもの)6条1項が定める都市計画に関する基礎調査の結果が勘案されることなく都市計画が決定された場合における当該都市計画決定の適否
(2)都市計画道路を11メートルから17メートルに拡幅するという内容に変更する都市計画の変更決定が、都市計画に関する基礎調査の結果が客観性・実証性を欠くものであったために、不合理な現状の認識及び将来の見通しに依拠したものであり、都市計画法(平成9年法律第50号による改正前のもの)13条1項14号、6号の趣旨に反して違法であるとして、都市計画法53条1項に基づき右変更決定による都市計画道路の区域内に建築物を建築することの許可を申請した者に対してされた不許可処分が取り消された事例
報告者 茂木 洋平
事件 最一判平成18年7月13日 判例時報1946号41頁
平成12年6月に施行された衆議員総選挙までに国会が精神的原因によって投票所に行くことが困難な者の選挙権行使の機会を確保するための立法措置を執らなかったことは国家賠償法一条一項の適用上違法ではないとされた事例
日時 10月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 河北 洋介
事件 最三小判 平成19年9月18日(判例集未登載)
広島市暴走族追放条例(平成14年広島市条例第39号)16条1項1号、17条、19条と憲法21条1項、31条※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 太郎良 留美
事件 最二小決平成16年1月20日 刑集58巻1号26頁
法人税法153条ないし155条にいう質問又は検査の権限の行使により取得収集される証拠資料が後に 犯則事件の証拠として利用されることが想定できる場合と同法156条
日時 11月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 西山 千絵
事件 最三小決平成18年10月3日 民集60巻8号2647頁
(1)民事事件において証人となった報道関係者が民訴法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができるかどうかを判断する基準
(2)民事事件において証人となった報道関係者が民訴法197条1項3号に基づいて取材源に係る証言を拒絶することができる場合
-証言拒絶(NHK記者)事件許可抗告審決定
報告者 荒木 修
事件 名古屋高判平成19年6月15日 (判例集未登載)
景観権、人格権等に基づき民事訴訟上の道路工事の差止めを求める訴えにつき、本件道路工事の一般的停止を求めるもので、行政訴訟の方法によることなく事業認可ないしその事業計画変更の認可に対する不服を申し立てるものであるから民事訴訟として許容されないとして訴えを却下した原判決を取り消し、原裁判所に差し戻した事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 12月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡田 順太
事件 最大判平成19年6月13日 判例時報1977号54頁
(1)衆議院議員選挙区画定審議会三条のいわゆる一人別枠方式を含む衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りの基準を定める規定及び公職選挙法一三条一項、別表第一の上記区割りを定める規定の合憲性
(2)衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に選挙運動を認める公職選挙法の規定の合憲性
報告者 仲野 武志
事件 (1)東京地決平成18年1月25日 判例時報1931号10頁
気管切開手術を受けて喉に障害の残る児童に関し、東京都東大和市に対し、同児童が普通保育園に入園することを仮に承諾することが義務付けられた事例
(2)東京地判平成18年10月25日(本案判決)判例時報1956号62頁
本案判決において、普通保育園への入園を承諾することが義務付けられた事例
(3)徳島地決平成17年6月7日 判例地方自治270号48頁
町立幼稚園への就園を希望する二分脊椎等の障害を有する園児について、町教育委員会が就園不許可処分としたことがその裁量権を逸脱又は濫用したものとして違法であり、就園が許可されないことにより生ずる償うことができない損害を避けるために緊急の必要があるとして、当該幼児の公立幼稚園への就園を仮に許可すべき旨を命じることを求めた仮の義務付けの申し立て(行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第48号)による改正後の行政事件訴訟法37条の5)が認容された事例
日時 1月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐々木 くみ
事件 最一小判 平成19年12月13日
禁錮以上の刑に処せられた後も約26年11か月にわたり事実上勤務を継続した郵政事務官につき,国家公務員法76条,38条2号に基づき失職した旨を主張することが,信義則に反し権利の濫用に当たるということはできないとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 稲葉 馨
事件 最一小判 判平成19年1月25日 民集61巻1号1頁
(1)都道府県による児童福祉法27条1項3号の措置に基づき社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所した児童を養育監護する施設の長及び職員は,国家賠償法1条1項の適用において都道府県の公権力の行使に当たる公務員に該当するとされた事例。
(2)国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても,当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うときは,使用者は民法715条に基づく損害賠償責任を負わないとされた事例。
日時 2月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 早瀬 勝明
事件 (1)大阪地判平成19年8月30日 判例集未登載
政治団体の平成18年分収支報告書の開示請求について,総務大臣が政治資金規正法20条の3第1項の規定に基づき同報告書の要旨が公表される前に同請求に対する処分をしなかったことが違法ではないとされた事例。
(2)大阪地判平成19年9月28日 判例集未登載
未決拘禁者が購読し得る新聞紙(通常紙)を拘置所長の選定した2紙のうちの1紙に限る旨の法務大臣訓令等の規定に基づき,拘置所長の選定した2紙以外の通常紙の定期購読を許可しなかった拘置所長の処分は違憲,違法であるとしてされた国家賠償請求が棄却された事例。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、(1)事件はこちら(2)事件はこちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 中嶋 直木
事件 最一判平成18年10月5日 判例時報 1952号69頁
法務大臣が出入国管理及び難民認定法49条3項所定の裁決をするに当たり裁決書を作成しなかったことが同裁決及びその後の退去強制令発付処分を取り消すべき違法事由に当たらないとされた事例。
日時 3月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 阿部 恭子
事件 東京高判平成16年8月30日 判例時報1879号 62頁
大学のゼミの招へい講師が、ゼミの懇親会後にホテル内において、同行した女子学生から拒絶されることなく性行為した場合においても、事実経過に照らし不法行為が成立するとして、慰謝料請求が認められた事例。
報告者 三輪 佳久
事件 青森地判平成19年2月23日 判例タイムズ1249号 68頁
(1)暴力団対策法2条6号の「暴力団員」の判断基準。
(2)法人の役員が暴力団員であったことを理由とする当該法人に対する産業廃棄物収集運搬業の許可の取消処分が適法とされた事例。

2006(平成18)年度

日時 4月22日 土曜日 13時半〜(当月の研究会開催日は第4土曜日となっておりますので、ご留意ください。)
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 東京高裁平成17年3月25日 判例時報1899号46頁
国民年金法が学生を強制適用の対象から除外したこと及び是正措置を講じなかったことについて、立法的検討作業の積み重ねの結果であり、立法裁量の範囲内のものであるとして、違憲とはいえず、国家賠償法上違法な立法不作為にも当たらないとされた事例 - いわゆる学生無年金障害者東京訴訟控訴審判決
報告者 小野寺 信一
事件 最二判平成16年12月24日 民集58巻9号2536頁、判例時報1882号3頁
紀伊長島町水道水源保護条例(平成6年紀伊長島町条例第六号)の規定に基づき指定された水源保護地域内に設置予定の施設が設置の禁止される事業場に当たるとした町長の認定は当該施設の設置を予定する事業者の地位を不当に害することのないよう配慮する義務に違反してされた場合には違法になるとされた事例
日時 5月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 阿部 智洋
事件 東京高判平成18年2月28日 (判例集未登載)
3月報告事件(東京地判平成17年4月13日:国籍法3条1項は、伝来的国籍取得の対象を父母が法律上の婚姻関係にある準正子に限定している点で憲法14条1項に反するなどとされた事例)の控訴審判決※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 阿部 泰雄
事件 最二判平成16年10月15日 民集58巻7号1802頁、判例時報1876号3頁
(1)国が水俣病による健康被害の拡大防止のためにいわゆる水質二法に基づく規制権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例
(2)熊本県が水俣病による健康被害の拡大防止のために同県の漁業調整規則に基づく規制権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例
(3)水俣病による健康被害につき加害行為の終了から相当期間を経過した時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例
日時 6月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 寛稔
事件 最二判平成16年6月28日 判例時報1890号41頁
(1)県知事及び県議会議長が即位礼正殿の儀に参列した行為が憲法二〇条三項に違反しないとされた事例
(2)県議会議長が大嘗祭に参列した行為が憲法二〇条三項に違反しないとされた事例
報告者 藤田 紀子
事件 高松地判平成17年4月20日 判例時報1897号55頁
無認可保育所で乳幼児が園長の虐待行為により死亡したことにつき、園長の不法行為に基づく損害賠償責任と、県知事の右保育所に対する指導監督権限不行使に基づく県の賠償責任が認められた事例
日時 7月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 原田 いづみ
事件 最二判平成18年3月17日 (判例集未登載)
(1)入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格要件を一家の代表者としての世帯主に限定する部分と民法九〇条
(2)入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格を原則として男子孫に限定し同入会部落の部落民以外の男性と婚姻した女子孫は離婚して旧姓に復しない限り入会権者の資格を認めないとする部分と民法九〇条
(2月報告事件の上告審判決)※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 稲葉 馨
事件 東京高判平成17年6月23日 判例時報1904号83頁
太平洋戦争中に中国から日本へ強制連行されて強制労働に従事させられ、逃走して約一三年間北海道の山野での逃走生活を余儀なくされた中国人の遺族から国に対する損害賠償請求が否定された事例(相互保証主義を中心として)
日時 9月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 斉藤 綾希子
事件 東京高決平成16年3月31日 判例時報1865号12頁
政治家長女の離婚に関する記事を掲載した週刊誌について、プライバシーの侵害による販売差止めの仮処分命令の申立てが認められなかった事例- 週刊文春販売差止仮処分命令申立事件保全抗告審決定
報告者 稲村 健太郎
事件 最一判平成18年1月19日 裁判所時報1404号4頁
(1)国税徴収法三九条所定の第二次納税義務者は、本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法七五条に基づく不服申立てをすることができる
(2)国税徴収法三九条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき不服申立てをする場合の不服申立期間の起算日は、当該第二次納税義務者に対する納付告知がされた日の翌日である
日時 10月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部多目的演習室(文学部・教育学部研究棟2階)(会場が通例とは異なっておりますのでご留意下さい)
報告者 河北 洋介
事件 最一判平成17年4月14日 刑集59巻3号259頁、判タ1187号147頁
刑訴法157条の3、157条の4と憲法82条1項、37条1項、2項。
報告者 三輪 佳久
事件 東京地判平成16年6月24日、東京高判平成17年2月9日 判時1917号29頁
(1)最高裁判所の裁判官会議の議事録に対する開示の申出を拒絶した不開示措置の違法を理由とする国家賠償請求につき、その一部の違法を認め、請求が一部認容された事例(第一審)
(2)最高裁判所の裁判官会議の議事録に対する開示の申出を拒絶した不開示措置の違法を理由とする国家賠償請求につき、その違法を認めず、請求が棄却された事例(控訴審)
日時 11月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 伊藤 純子
事件 東京高判平成16年7月14日 判例タイムズ1179号190頁
国立大学の構内に神社を存置することは憲法89条の精神に反するが、私人の信教の自由を侵害するものではないなどとして、私人の大学に対する損害賠償請求が棄却された事例。
報告者 高橋 正人
研究報告 「行政解釈と法的拘束力」
参考判例 東京地判平成17年5月19日 判例時報1900号3頁
東京高判平成17年6月21日 判例時報1912号135頁(資産査定通達及び決算経理基準について)
参考文献 ・平成17年度重要判例解説・商法1事件(片木晴彦)104頁
・常岡孝好「解釈規則(interpretive rule)について」塩野宏先生古稀記念『行政法の発展と変革』(有斐閣、2001年)上巻511頁以下
・黒川哲志「法解釈における行政裁量論」同『環境行政の法理と手法』(成文堂、2004年)239頁以下
・紙野健二「アメリカにおける謙譲的司法審査理論の展開(1)・(2)」大阪経済法科大学法学論集28号17頁以下・29号135頁以下(1992年)
日時 12月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部多目的演習室(文学部・教育学部研究棟2階)(会場が通例とは異なっておりますのでご留意下さい)
報告者 早瀬 勝明
事件 東京地判平成18年9月21日 (公刊物未登載)
都立高校の入学式、卒業式等の式典会場において、通達に基づく校長の職務命令により、教職員に対して国旗に向かって起立し、国歌を斉唱すること等を強制することは、思想・良心の自由を侵害するとして、国歌斉唱等の義務のないこと及び義務違反を理由とする処分の事前差止めを認めると共に、被告都に対し原告らの精神的損害に対する慰謝料の支払を命じた事案。※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 荒木 修
事件 (1)長崎地判平成17年3月15日 判例時報1915号10頁
町が、公共下水道整備事業を計画・推進するに当たり、そのことにより影響を受ける既存の廃棄物処理業者に対する計画等の説明、周知義務を怠った違法があるとして、その国家賠償責任が認められた事例(第一審)
(2)福岡高判平成17年12月22日 判例時報1935号53頁
町が、公共下水道整備事業を計画・推進するに当たり、既存業者に対して計画内容を具体的に説明せず、指導、助言しなかったとしても、国家賠償法上の義務違反があるとはいえないとされた事例(第二審)
日時 1月20日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 大石 和彦
事件 最大判平成18年10月4日 裁時1421号1頁
公職選挙法(平成18年法律第52号による改正前のもの)14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の定数配分は、平成16年7月11日に施行された参議院議員選挙当時、憲法に違反しない。
報告者 武者 光明
事件 (1)最二判平成17年7月15日 判例時報1909号25頁
1.土地開発公社が個人から買収した土地の買収価格に関する情報が名古屋市公文書公開条例所定の非公開情報(所得,財産等に関する個人識別情報のうち通常他人に知られたくないと認められるもの)に当たらないとされた事例。
2.土地開発公社が個人に対して支払った建物,工作物,立木,動産等に係る補償金の額に関する情報が名古屋市公文書公開条例所定の非公開情報(所得,財産等に関する個人識別情報のうち通常他人に知られたくないと認められるもの)に当たるとされた事例。
(2)最三判平成17年10月11日 判例時報1913号45頁
1.土地開発公社が個人から買収した土地の買収価格に関する情報が,「公表することを目的として実施機関が作成し,又は取得した情報」に当たり,旧奈良県情報公開条例所定の個人に関する非開示情報に当たらないとされた事例。
2.土地開発公社が個人に対して支払った建物,工作物,動産,植栽等に係る補償金の額に関する情報が旧奈良県情報公開条例所定の個人に関する非開示情報に当たるとされた事例。
日時 2月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 雄一郎
事件 最一判平成18年12月7日 公刊物未登載
医療法69条1項および70条1項並びに医療法施行令5条の11の規定は、憲法21条及び22条1項に反しない
※本判決の判決文の入手につきまして、よこはま と胃腸の病院 総務課様ならびに嵯峨・高須法律事務所 嵯峨清喜弁護士のご助力を賜りました。心より感謝申し上げます。
報告者 仲野 武志
事件 最三判平成18年2月7日 判例時報1936号63頁
(1)公立学校施設の目的外使用の許否の判断と管理者の裁量権
(2)学校教育法85条に定める学校教育上の支障の意義
(3)公立学校施設の目的外使用の許否の判断の適否に関する司法審査の方法
(4)公立小中学校等の教職員の職員団体が教育研究集会の会場として市立中学校の学校施設を使用することを不許可とした市教育委員会の処分が裁量権を逸脱したものであるとされた事例
日時 3月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 菅原 真
事件 大阪地判平成18年1月27日 判例自治280号22頁、判タ1214号160頁
都市公園内に設置したテントを起居の場所として日常生活を営んできた者が提出した前記テントの所在地を住所とする転居届について、区長がした不受理処分が違法であるとしてした前記処分の取消請求が、認容された事例
報告者 和泉田 保一
事件 最一判平成17年11月17日 判例時報1917号25頁
地方自治法237条2項の議会の議決があったというためには、当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上当該譲渡等を行うことを認める趣旨の議決がされたことを要する

2005(平成17)年度

日時 4月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 菅原 真
事件 最大判平成17年1月26日 (判例集未登載)
(1)地方公共団体が,公権力の行使に当たる行為を行うことなどを職務とする地方公務員の職を包含する一体的な管理職の任用制度を設け,日本国民に限って管理職に昇任することができることとすることは,労働基準法3条,憲法14条1項に違反しない
(2)東京都が,管理職に昇任すれば公権力の行使に当たる行為を行うことなどを職務とする地方公務員に就任することがあることを前提とする一体的な管理職の任用制度を設け,日本の国籍を有することをその昇任の資格要件としたことは,労働基準法3条,憲法14条1項に違反しない - 管理職選考受験資格確認等請求事件※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 和泉田保一
事件 東京高判平成16年10月27日 判例時報1877号40頁
国立市の大学通り周辺の住民の景観侵害を理由とする高層マンションの撤去請求が認められなかった事例 - 国立の高層マンション訴訟(民事)控訴審判決
日時 5月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 最大判平成16年1月14日 判例時報1849号3頁(民集58巻1号登載予定)
(1)公職選挙法が参議院(比例代表選出)議員選挙につき採用している非拘束名簿式比例代表制の合憲性
(2)公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
報告者 三輪 佳久
事件 (1)名古屋高裁金沢支判平成15年2月19日 判例タイムズ1141号166頁
1.小学2年生が市の設置した箱ブランコで遊戯中に転倒して、箱ブランコの底部と地面との間に頭部を挟まれて負傷した事故につき、箱ブランコの設置又は管理に瑕疵があったとして市の損害賠償責任を肯定した事例
2.右事故において、被害者である小学2年生(満7歳)の男子に過失があったとして過失相殺(2割減額)を適用した事例
(2)東京高判平成14年8月7日 判例時報1795号110頁
市の公園に設置されたゆりかご型ブランコを揺らして遊んでいた低学年の児童が転倒し、その底部に挟まれて負傷した事故につき、ブランコの製造・販売業者の不法行為責任、ブランコを設置した市の営造物責任が認められなかった事例
日時 6月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 関沢 修子
事件 東京地判平成15年12月3日 判例時報1845号135頁
入学式の国家斉唱に際してピアノ伴奏をするよう校長から職務命令を受けたにもかかわらず従わなかった音楽教師が東京と教育委員会から戒告処分を受けたためその取り消しを求めた事例
報告者 川原 眞也
事件 東京地判平成15年2月7日 判例時報1837号25頁
死刑確定者の私本購入不許可処分の合法性
日時 7月16日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 河北 洋介
事件 最二判平成15年9月5日 判例時報1850号61頁
在監者の信書の発受に関する制度を定めた監獄法50条、監獄法施行規則130条の規定と憲法21条、34条、37条3項
報告者 飯島 淳子
事件 最一判平成16年4月26日 民集58巻4号989頁、判例時報1860号42頁
食品衛生法16条(平成15年法律第55号による改正前のもの)に基づき食品等の輸入の届出をした者に対して検疫所長が行う当該食品等が同法6条に違反する旨の通知は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる
日時 9月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 山岸 喜久治
事件 最二判平成16年11月29日 判例時報1879号58頁(※本判決に確定しました)
(1)財産および請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(昭和四〇年条約第二七号)の締結後大韓民国在住の韓国人である旧軍人軍属等において戦傷病者戦没者遺族等援護法附則2項、恩給法9条1項3号を存置したことと憲法14条1項
(2)財産および請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第2条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律と憲法17条、29条2項、3項
報告者 高橋 正人
事件 最一判平成17年3月10日 判例時報1894号3頁
(1)全国都道府県議会議員軟式野球大会に参加する県議会議員の応援等の用務を目的として県職員に対して発せられた旅行命令が違法であるとされた事例
(2)全国都道府県議会議員軟式野球大会に参加する県議会議員の応援等の用務を目的として県職員に対する旅行命令が発せられたことに伴い県財務会計職員がした旅費の支出命令が違法ではないとされた事例
日時 10月15日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 寛稔
事件 東京地判平成14年11月28日 判例タイムズ1114号93頁
(1)公職選挙法にALS患者の選挙権行使を可能とする制度が設けられていなかったことが憲法十五条一項、同条三項、一四条一項及び四四条ただし書に違反する状態であったとされたが、国家賠償法上の違法性は認められないとされた事例
(2)憲法上の損失補償請求権が否定された事例
(3)公職選挙法改正不作為の違憲確認の訴えの適法性
報告者 澁谷 雅弘
事件 最三判平成16年11月2日 判例時報1883号43頁
(1)親族が居住者と別に事業を営む場合における所得税法五六条の適用の有無
(2)親族が居住者と別に事業を営む場合に所得税法五六条を適用してされた課税処分と憲法一四条一項
日時 11月19日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 石澤 淳好
事件 最三判平成16年4月13日 刑集58巻4号247頁、判例時報1861号140頁
(1)医師法二一条にいう死体の「検案」の意義
(2)死体を検案して異状を認めた医師がその死因等につき診療行為における業務上過失致死等の罪責を問われるおそれがある場合の医師法二一条の届出義務と憲法三八条一項
報告者 仲野 武志
事件 最一判平成17年4月14日 民集59巻3号491頁、判例時報1897号5頁
(1)過大に登録免許税を納付して登記等を受けた者が登録免許税法(平成一四年法律第一五二号による改正前のもの)三一条二項所定の請求の手続によらないで過誤納金の還付を請求することの可否
(2)登記等を受けた者が登録免許税法(平成一四年法律第一五二号による改正前のもの)三一条二項に基づいてした請求に対する登記機関の拒否通知と抗告訴訟の対象
日時 12月17日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡田 順太
事件 最大判平成17年9月14日 裁判所時報1396号395頁
(1)平成10年法律第47号による改正前の公職選挙法が、平成8年10月20日に実施された衆議院議員の総選挙当時、在外国民(国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民)の投票を全く認めていなかったことは、憲法15条1項、3項、43条1項、44条ただし書に違反する
(2)公職選挙法附則8項の規定のうち、在外国民に国政選挙における選挙権の行使を認める制度の対象となる選挙を当分の間両議院の比例代表選出議員の選挙に限定する部分は、遅くとも本判決言渡し後に初めて行われる衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の時点においては、憲法15条1項、3項、43条1項、44条ただし書に違反する
他 判示事項多数
報告者 高野 修
事件 最三判平成16年6月29日 判時1869号17頁
環境影響評価書等が公表され、対象事業につき既に都市計画変更決定がされていたなど判示の事実関係の下においては、上記各文書の成案前の案は、情報公開条例所定の非公開事由(事務事業の意思形成に著しい支障が生ずると認められる情報が記録された公文書)に当たらない
日時 1月21日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 曽我 洋介
事件 大阪地判平成16年3月9日 判例時報1858号79頁
弁護士が拘置所に勾留中の被告人と刑事事件で採用された証拠物のビデオテープを再生しながら接見することを申し入れたのを拘置所職員がテープの内容を検査しなければ接見は認められないとして拒絶したことが違法であるとして求めた国賠請求が認容された事例
報告者 生田 長人
事件 最三判平成17年11月1日 (判例集未登載)
昭和13年に決定された都市計画における道路に含まれる土地に建築の制限が課せられることによる損失について,憲法29条3項に基づく補償請求をすることができないとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 2月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 原田 いづみ
事件 福岡高裁那覇支判平成16年9月7日 判例時報1870号39頁
軍用地林野に入会権を有する部落民の女子孫が入会権者により組織された部落民会に対し、その会則により会員資格を原則として男子孫に限るとしたのは男女平等の原則に反し無効であるとして求めた会員の地位確認等の請求を認容した第一審判決を取消し、請求が棄却された事例
報告者 和泉田 保一
事件 最一判平成17年11月10日 (判例集未登載)
市と外国都市との間の高速船運航事業を目的として設立された第3セクターに対する市の補助金の交付が地方自治法232条の2所定の「公益上必要がある場合」に当たるとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 3月18日 土曜日 13時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 阿部 智洋
事件 東京地裁平成17年4月13日 判例タイムズ1175号106頁
(1)国籍法3条1項は、伝来的国籍取得の対象を父母が法律上の婚姻関係にある準正子に限定している点で憲法14条1項に反するとされた事例
(2)外国人を母とし、日本人父から認知を受けた非嫡出子について、父母が内縁関係にあることを理由に国籍法3条1項に基づく日本国籍の取得が認められた事例
報告者 下井 康史
研究報告 「公務員の任用昇進法制に関する日仏比較研究--日本の職階制とフランスの任官補職制--」
参考判例 ・下井康史「公務員の勤務形態多様化政策と公法理論」日本労働法学会編『雇用政策法の基本原理』日本労働法学会誌103号(法律文化社、2004年)36-51頁
・同「公務員法と労働法の距離-公務員身分保障のあり方について」日本労働研究雑誌2002年12月号21-30頁
・同「公務員制度の射程-フランス公役務理論と官吏概念-」川上宏二郎先生古稀記念論文集『情報社会の公法学』(信山社、2002年)49-75頁
・同「フランス公務員法制の概要-任用・昇進システムを中心に-」『欧米の公務員制度と日本の公務員制度』((財)日本ILO協会、2003年)30-37頁

2004(平成16)年度

日時 4月17日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 曽我洋介
事件 佐賀地判平成13年11月22日 判例時報1783号132頁
大型ごみ焼却場建設反対の懇談会関係のためになされた町営公民館の使用許可が、公民館長によって取消されたことを違法として求めた損害賠償請求が認容された例
報告者 稲葉 馨
事件 名古屋高判平成14年10月7日 判例時報1823号41頁
費用支給の違法を理由として住民訴訟を提起した住民が、1審で勝訴した ものの、その後1審で認容された額が任意に返還されたとして控訴審では請求棄却の判決を受けた場合に、地方公共団体から当該住民に対する弁護士報酬相当額の支払が命じられた例
東京高判平成15年3月26日 判例時報1826号44頁
改正前の地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく県知事等に対する違法公金返還請求訴訟において、請求額の一部に相当する金員を県に返還することを合意し、住民が同訴訟を取り下げ、県知事等がその金員を県に返還した場合は、同法242条の2第7項の「勝訴(一部勝訴判決を含む。)した場合」に該当せず、住民は、県に対して弁護士費用を請求することができないとされた事例
日時 5月15日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 関沢修子
事件 前橋地高崎支判平成13年10月11日 判例時報1782号95頁
県立高校の生徒会誌に特別寄稿した教諭が、同校の校長からその掲載を拒絶されたことを違法として同校長及び県に対して求めた損害賠償が棄却された事例
報告者 阿部泰雄
事件 東京高判平成13年9月5日 判例時報1786号80頁
(1)パソコン通信ネットワーク上の思想フォーラムの電子会議室における発言が、名誉毀損・侮辱に当たるとして、書き込みをした者に不法行為責任が認められた事例
(2)フォーラム上に名誉毀損・侮辱に当たる発言が書き込まれた場合において、 フォーラムを運営・管理するシステムオペレーターは、一定の場合、この発言を削除すべき条理上の義務を負う
(3)システムオペレーターについて、フォーラム上にされた名誉毀損・侮辱に当たる 発言を削除する義務に違反したとは認められなかった事例
(4)パソコン通信の主催者について、フォーラム上に名誉毀損・侮辱に当たる発言がなされても、規約による安全配慮義務を負わないとされた事例
日時 6月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤雄一郎
事件 最三小判平成14年1月29日 民集56巻1号185頁
通信社からの配信を受けた記事をそのまま掲載した新聞社にその内容を真実と信じるについて相当の理由があるとはいえないとされた事例
報告者 藤田紀子
事件 猿の生息地として天然記念物に指定された地域の公園で散歩中に接近した猿に驚いて受傷した事故につき、市に対して猿害対策を怠ったとして求めた国家賠償請求が棄却された事例
日時 7月17日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 東京地判平成14年1月29日 判例時報1797号16頁・控訴
国内で販売されている写真集をいったん外国に持ち出した者がこれを携行して帰国しようとした際にされた、当該写真集が関税定率法21条1項4号所定の輸入禁制品に該当するとの通知が、当該 写真集は、既に国内において専ら芸術的な書籍として流通し、健全な風俗への影響がないものとの評価が確立しているために取締りの対象になっていなかったものと認められ、これを国内に持ち帰って流通に置いても既に確立したと同様の評価を受けると認められるから、わが国における健全な風俗を害するものとは認め難く、同号所定の物品には該当しないとして取り消された事例
報告者 井坂 正宏
事件 東京地判平成14年5月21日 判例時報1791号53頁・控訴
請願には戸籍上の記載を要するとして、「大統領」との名でされた請願を不受理とした処分が、 請願法2条の「氏名」は戸籍上の氏名に限らず通称も含む趣旨であるから、官公署は、通称による請願がされた際には、通称であることを証する書面の提出を求める等補正を促す義務を負っており、 戸籍上の氏名への訂正を求めるのみでは右義務を尽くしたとはいえないとして、取り消された事例
日時 9月25日 土曜日 午後1時半〜(なお、東北法学会開催の為、10月の公法判例研究会も第4土曜日の10月23日を予定しております。)
場所 多目的演習室(文学部・教育学部棟2階)
報告者 佐藤寛稔(東北学院大学)
事件 大阪地判平成15年2月10日 判例時報1821号49頁
対人恐怖症などで投票所に行けない者に郵便による投票制度を認めない公職選挙法は違憲であり、国会が立法せず、また、内閣が法律案を提出しないため投票できずに精神的苦痛をこうむったとして求めた国家賠償請求が棄却された事例
報告者 和泉田保一(東北大学)
事件 東京高判平成14年6月7日 判例時報1815号75頁
(1)建築物制限条例施行の際、根切り工事中であったマンションについて、建築基準法3条2項の「現に建築・・・の工事中の建築物」に該当し、同条例に適合しない建築物であるが、建築基準法に違反する建物ではないとされた事例
(2)建築指導事務所長が建築基準法9条1項に基づく是正命令権限を行使しないことが違法であることの確認を求める無名抗告訴訟が不適法とされた事例 -国立マンション除去命令等請求事件控訴審判決
日時 10月23日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 阿部 智洋
事件 札幌地判平成14年11月11日 判例時報1806号84頁
公衆浴場を経営する事業者が外国人の入浴を一律に拒否する営業を行う経営方針の下、外国国籍を有するものの、日本に帰化した者の入浴を拒否したことが人種差別に当たるなどとし、右事業者の不法行為が肯定された事例
報告者 高橋 正人
事件 東京地判平成14年12月26日 判例時報1822号75頁
公正取引委員会の勧告において存在するとされた不当な取引制限の事実がその後の審決において認められなかった場合において、被勧告人が当該勧告の違法を理由に提起した国家賠償請求につき、当該勧告は公正取引委員会の職務上の義務に照らしても不相当なものであったとまではいうことができず、国家賠償法上の違法性は認められないとして、請求が棄却された事例
(なお、控訴審判決(東京高判平成15年4月24日・判例集未登載)について、ジュリスト1269号243頁)
日時 11月20日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 戸部 真澄
事件 名古屋地判平成14年10月30日 判例時報1812号79頁
行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づいてなされた、請求者本人の個人情報が記録された公文書の開示請求につき、個人情報の不開示を定めた同法5条1号に該当するとしてされた一部不開示決定が適法とされた事例
日時 12月18日 土曜日 午後1時半〜(1月の研究会は、大学入試センター試験のため、第4土曜日(22日)に開催いたします。)
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 玉蟲 由樹
事件 最二小判平成15年9月22日 民集57巻8号973頁
大学がその主催する講演会に参加を申し込んだ学生の氏名・住所等の情報を警察に開示した行為が不法行為を構成するとされた事例 -早稲田大学江沢民講演会名簿提出事件上告審判決
報告者 高橋 正人
事件 東京地判平成13年9月28日 判例時報1799号21頁
一 血友病患者らが医師から血友病治療薬である非加熱濃縮血液凝固第Ⅷ因子製剤の投与を受けたところ、同製剤にHIVが混入していたためこれに感染し、やがてエイズを発症して死亡した場合につき、同製剤の製造・輸入の承認に関する行政事務を統括する立場にあった厚生省課長の過失責任が否定された事例
二 肝機能障害患者が医師から止血剤として非加熱濃縮血液凝固第IX因子製剤の投与を受けたところ、同製剤にHIVが混入されていたためこれに感染し、やがてエイズを発症して死亡した場合につき、同製剤の製造・輸入の承認等に関する行政事務を統括する立場にあった厚生省課長の過失責任が肯定された事例 他
日時 平成17年1月22日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 鈴木 法日児
事件 最一小判平成15年12月11日 刑集57巻11号1147頁
ストーカー行為等の規制等に関する法律二条一項、二項、一三条一項は、憲法一三条、二一条一項に違反しないとされた事例
報告者 武者 光明
事件 東京地判平成15年5月16日 (判例集未登載)
行政文書不開示決定取消請求事件※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
日時 平成17年2月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 田代 亜紀
事件 最一小判平成16年11月25日 (判例集未登載)
放送法4条1項の規定に基づく訂正放送に関する判例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
報告者 松澤 陽明
事件 東京地判平成14年1月22日 判時1809号16頁
弁護士法30条3項に基づく営業の許可申請に対して弁護士会が不許可決定をしたことが違法かつ無効であり、弁護士会は当該申請を許可する義務があったとして、弁護士会に営業許可の意思表示をすることが命じられた事例
日時 平成17年3月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 大石 和彦
事件 最判平成16年10月14日 裁判所時報1373号3頁
民法900条4号但書非嫡出子相続分をH7年決定を踏襲し合憲とした事例
報告者 米田 雅宏
事件 最判平成15年9月4日 判例時報1841号89頁
労働基準監督署長が労働災害者補償保険法(平成10年法律第160号による改正前のもの)23条に基づいて行う労災就業援護費の支給に関する決定と抗告訴訟の対象

2003(平成15)年度

日時 4月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 玉蟲 由樹
事件 大阪高判平成12年2月29日 判例時報1710号121頁・上告
少年犯罪の実名報道を違法として報道機関側に損害賠償責任を許容した原判決が取消され請求が棄却された事例
報告者 松澤 陽明
事件 名古屋高金沢支判平成12年2月16日 判例時報1726号111頁・上告
県立美術館が収蔵作品を非公開とする等の措置をとり、観覧希望者の特別観覧許可申請を不許可とし、作品を収録した図録の閲覧申請を拒否することが、正当な理由があるとして県に対する損害賠償請求が認められなかった事例
日時 5月17日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 曽我 洋介
事件 最一小判平成14年4月25日 判例時報1785号31頁
阪神・淡路大震災により被災した兵庫県司法書士会に復興支援金を寄付するために特別に負担金を徴収する旨の群馬司法書士会の総会決議の効力が同会の会員に対して及ぶとされた事例
報告者 川原 眞一
事件 最三小判平成13年12月18日 民集55巻7号1823頁
公職選挙法施行令63条3項に違反して投票箱に入れられなかったために無効票と確定された不在者投票の内容を取り調べて公職選挙法205条1項に定める選挙の結果に異動を及ぼすおそれの有無を判断することの許否
日時 6月21日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 関沢 修子
事件 東京高判平成14年1月16日 判例時報1772号17頁・上告
1.外国要人による講演会を企画した大学が講演会参加申込者の氏名、学籍番号、住所及び電話番号が記載された参加者名簿をその同意を得ないで講演会の警備に当たる警視庁に提出したことが、プライバシーの権利を侵害する行為に当たり、違法であるとされた事例
2.プライバシーの権利の侵害を理由とする損害賠償請求が、いわゆる名目的な損害賠償で足りるとして、一人につき慰謝料一万円の限度で認容された事例
報告者 三輪 佳久
事件 (1)最三判平成14年7月2日 判例時報1797号3頁
1.実体法上の請求権の行使を怠る事実に係る住民監査請求について監査委員が監査を遂げるために特定の財務会計上の行為の違法を判断しなければならない関係にはない場合における地方自治法242条2項の適用
2.県の実施した指名競争入札において談合をした指名業者らに対する不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実に係る住民監査請求に地方自治法242条2項の規定が適用されないとされた事例
(2)最一判平成14年7月18日 判例時報1798号71頁
1.市から建設の委譲を受けた施設について日本下水道事業団が発注した設備工事に関し談合をした業者らに対する不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実に係る住民監査請求に地方自治法242条2項の規定が適用されないとされた事例
日時 7月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 雄一郎
事件 大阪地判平成13年7月25日 判例時報1777号85頁・確定
市立中学校の校長及び教諭が、生徒が提出した作文を無断で削除したり、個人名をアルファベットに直したりして文集に掲載したことが、生徒の人格権を侵害するとして、市の国家賠償責任が認められた事例
報告者 大貫 裕之
事件 東京地判平成13年10月3日 判例時報1764号3頁・控訴
(1)都市計画事業としての鉄道連続立体交差事業と鉄道に沿った付属街路事業とについて事業認可がされた場合において、後者の事業地内の不動産につき権利を有する者は双方の事業認可の取消しを求める原告適格を有するとされた事例
(2)都市計画事業認可につき、事業地の表示及び事業施行期間についての判断の二点において、都市計画法61条に適合しないと判断された事例
(3)都市計画の変更決定があった場合、変更後の都市計画は、変更された部分のみならず、全体として新たな都市計画となるか(積極)
(4)事業認可の前提となる都市計画決定につき、都市計画決定に当たっての考慮要素及び判断内容の双方につき著しい過誤欠落があったとして、都市計画変更決定が違法とされた事例
(5)既に相当程度工事が進行した都市計画事業の認可取消訴訟において、認可が取消されても、既になされた工事について現状回復の義務等の法的効果が発生するものではなく、その他認可の取消しにより公の利益に著しい障害を生ずるものとは認められないとして、認可が違法である旨の判断をするに当たり、行政事件訴訟法31条1項(事情判決)を適用せず、事業認可が取消された事例―小田急線連続立体交差(高架化)事業認可取消訴訟第一審判決
日時 9月20日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 河北 洋介
事件 最三小判平成13年9月25日 判例時報1768号47頁
生活保護法が不法残留者を保護の対象としていないことと憲法25条、14条1項
報告者 加藤 慎介
事件 (1)東京高裁平成14年10月22日 判例時報1806号3頁
1.料金変更を内容とする簡易水道事業給水条例は、行政処分性を有し、抗告訴訟の対象となる。
2.地方自治体の定める別荘には原則として水道の休止を認めない内容の内規の無効確認は、民事訴訟としても行政訴訟としても不適格である。
3.地方自治体の簡易水道事業の料金変更にも、原価主義及び差別的取扱いの禁止を定める旧水道法14条4項1号、4号、地方公営企業法21条2項が準用される。
4.水道の基本料金について別荘と別荘以外の住民とを区別し、別荘に対してより高額の基本料金を課す内容に変更する簡易水道事業給水条例が憲法14条1項、旧水道法14条4項
(2)1号、4号、地方公営企業法21条2項に違反し無効とされた事例
1.高根町(山梨県)簡易水道事業給水条例無効確認等請求訴訟控訴審判決
日時 10月18日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 新村 とわ
事件 最二判平成14年9月27日 判例時報1802号45頁
御嵩町における産業廃棄物処理施設の設置についての住民投票に関する条例(平成9年御嵩町条例第1号)が投票の資格を有する者を日本国民たる住民に限るとしたことと憲法14条1項、21条1項
報告者 田中 清久
事件 最二判平成14年4月12日 民集56巻4号729頁
外国国家の主権的行為と民事裁判権の免除
日時 11月22日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 西村 枝美
事件 最三判平成14年1月22日 判例時報1776号58頁
いわゆる寺院墓地を経営する宗教法人がその属する宗派を離脱した墓地使用者に対して当該宗派の方式と異なる宗教的方式による墓地の設置を拒むことができるとされた事例
報告者 高橋 正人
事件 最三判平成14年6月11日 民集56巻5号968頁
土地収用法71条と憲法29条3項
日時 12月20日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 大石 和彦
事件 最大判平成14年9月11日 民集56巻7号1439頁
1.郵便法68条及び73条のうち書留郵便物について不法行為に基づく国の損害賠償責任を免除し又は制限している部分と憲法17条
2.郵便法68条及び73条のうち特別速達郵便物について国家賠償法に基づく国の損害賠償責任を免除し又は制限している部分と憲法17条
報告者 小野寺 信一
事件 東京高判平成14年6月5日 判例時報1796号87頁・上告
ごみ焼却炉メーカーによる地方公共団体のごみ焼却炉発注のための入札における談合により、損害を被ったとして、住民訴訟により地方公共団体が有する損害賠償請求権を代位請求している住民は、右談合に関する審判事件記録の閲覧等をすることのできる独占禁止法69条の「利害関係人」に該当しないとされた事例
日時 1月31日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学文学部・教育学部棟多目的演習室
報告者 石澤 淳好
事件 佐賀地判平成14年4月12日 判例時報1789号113頁・確定
自治会費に含まれる特定宗教費(神社関係費)の支払を拒絶した自治会員に対して、自治会員としての取扱をしなかった自治会の行為は、神社神道を信仰しない自治会員の信教の自由を侵害し違法であるとして、自治会員の地位確認請求が認容されたが、不法行為による慰謝料請求は棄却された事例
報告者 佐々木 洋一
事件 東京高判平成14年10月29日 判例時報1801号60頁・上告
(1)固定資産税評価基準と固定資産評価審査委員会及び裁判所の認定に対する拘束力
(2)固定資産税評価額の上限となる収益還元価格の算定方法
(3)固定資産評価審査決定の一部取消判決の可否及び当否
日時 2月21日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学文学部・教育学部棟多目的演習室
報告者 中村 英
事件 最一判平成14年7月30日 民集56巻6号1362頁
村長選挙において現職の村長が他の立候補予定者の立候補を妨害して自ら無投票当選を果たした行為が公職選挙法205条1項にいう選挙の規定の違反に当たるとされた事件
報告者 大沼 洋一
事件 最一判平成14年10月3日 民集56巻8号1611頁
(1)財務会計上の行為の準備行為が違法であることに基づいて発生する損害賠償請求権の行使を怠る事実に係る住民監査請求と地方自治法242条2項の適用
(2)財務会計上の行為の補助行為が違法であることに基づいて発生する損害賠償請求権の行使を怠る事実に係る住民監査請求と地方自治法242条2項の適用
日時 3月27日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学文学部・教育学部棟多目的演習室
報告者 原田いずみ
事件 大阪高判平成14年7月3日 判例時報1801号38頁・確定
阪神・淡路大震災の被災女性が結婚によって世帯主でなくなった場合に、被災者に対する自立支援支給金の支給等を行う財団法人が、被災者が世帯主でないことのみを理由として支援金の支給を行わないとすることは、合理性のない世帯間差別及び男女間差別にあたり、このような支給要件は公序良俗に違反し無効であるとされた事例
報告者 高野 修
事件 最三判平成14年7月9日 民集56巻6号1134頁
(1)国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の請求を求める訴訟の適否
(2)地方公共団体が建設工事の中止命令の名宛人に対して同工事を続行してはならない旨の裁判を求める訴えが不適法とされた事例―宝塚市パチンコ店等建築規制条例事件上告審判決

2002(平成14)年度

日時 4月20日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 藤田 紀子
事件 仙台高裁平成12年3月17日判決 判例地方自治204号10頁
宮城県議会の議員及び職員の出張に関する資料、宮城県警察本部総務課職員の出張に関する資料及び宮城県議会各会派に対する県政調査費交付に関する資料が、宮城県情報公開条例にいう公文書に該当するとして、これを非開示とした県知事の決定が違法とされた事例
報告者 佐々木 洋一
事件 福岡地裁平成10年3月31日判決 判例時報1669号40頁・確定
(1)権利能力なき社団に就いて住民訴訟の原告適格が否定された事例
(2)別訴禁止規定に反する訴えが、共同訴訟参加の申立てに当たるとされた事例
(3)市の港湾等整備事業に係る公有水面埋立免許が違法であり、これに関する一切の公金の支出等も違法であるとしてされた公金の支出の差止請求、市長個人に対する損害賠償請求が棄却された事例
日時 5月18日土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 生田 長人
事件 浦和地裁平成10年3月23日判決 判例時報1689号58頁
(1)建築基準法51条但し書きに基づく許可申請について、特定行政庁が不許可処分を相当とするときは、都市計画地方審議会の議を経ずして処分をしても違法ではないとされた事例
(2)建築基準法51条但し書きに基づく許可申請に対する処分について、同法6条3項の迅速処理義務に関する規定は、適用、準用されないとされた事例
(3)建築基準法51条但し書きに基づく許可申請に対する処分について、当該処分の際に付した処分理由とは異なる事実を当該処分の取消訴訟で追加して主張することは許されるとされた事例
(4)建築基準法51条但し書きに基づく許可申請に対する処分について、裁量権の逸脱はないとされた事例
(5)建築基準法51条但し書きに基づく許可申請に対する不許可処分について、平等原則違反は認められないとされた事例
(6)特定行政庁が、当該敷地に右施設を建築することは都市計画上支障があると判断してこれを不許可とする場合には、当該地域の都市計画に影響を与えることはないから、都市計画地方審議会の議を経るまでもないということができる。
(7)被告が不許可通知書に処分理由を記載した場合においても、右記載に法的拘束力があると解すべき根拠はないから、右不許可処分の取消訴訟が提起された場合、当該訴訟において、被告が右処分が適法である理由として、処分通知書に記載した以外の処分理由を主張することも妨げないものと解される。
報告者 小野寺 信一
事件 最高裁平成13年3月27日判決 民集55巻2号530頁
(1)大阪府知事の交際費に係る公文書で交際の相手方及び内容が不特定の者に知られ得る状態でされる交際に関する情報が記録されているものの大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)8条4号、5号、9条1号該当性
(2)大阪府知事の交際費に係る公文書で交際の相手方が識別され得る情報が記録されているものの一部が大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)8条4号、5号及び9条1号のいずれにも該当しないが他の一部は同条例8条4号、5号又は9条1号に該当するとされた事例
(3)大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)所定の非公開事由に該当する独立した一体的な情報を同条例10条に基づき更に細分化しその一部のみを非公開としその余の部分を公開すべきものとすることの可否
(4)大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)所定の非公開事由があるとして実施機関が全部を非公開と決定した大阪府知事の交際費に係る公文書のうち交際の相手方記載部分を除いた部分は同条例10条に基づき公開すべきであるとして同決定を一部取り消した原審の判断に違法があるとされた事例
日時 6月15日土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐々木 くみ
事件 大阪高裁平成13年4月18日判決 判例時報1755号79頁
指紋押捺を拒否した在日外国人を逮捕・留置したことを理由とする国及び都道府県に対する国家賠償請求が棄却された事例
(原審もあわせて行います。大阪地裁平成10年3月26日判決判例時報1652号3頁)
報告者 倉島 安司
事件 熊本地裁平成13年5月11日判決 判例時報1748号30頁・確定
(1)昭和35年以降、ハンセン病は隔離が必要な疾患ではなく、らい予防法の隔離規定の違憲性は明白になっていたにもかかわらず、厚生省が平成8年の同法廃止まで隔離政策の抜本的な変換などを怠り、国会も遅くとも昭和40年以降同法の隔離規定を改廃しなかったのは国家賠償法上の違法性及び過失があると判断された事例
(2)除斥期間の起算点となる民法七二四条後段の「不法行為ノ時」につき、違法行為と損害の特質から、平成八年の法律廃止時を起算点と解すべきであるとされた事例
日時 7月27日土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 稲葉 馨
事件 最高裁平成12年12月19日 判例タイムズ1053号87頁
禁固以上の刑に処せられたため失職した地方公務員に対して一般の退職手当を支給しないこととしている香川県職員退職手当条例(昭和29年条例第38号)6条1項2号と憲法13条、14条1項、29条1項
報告者 蟻川 恒正
事件 東京高裁平成13年4月11日判決 判例時報1754号89頁
日刊新聞の記事が、その見出しのみを読む一般の読者に対し、地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教を承継する団体が今なおサリン製造の研究を継続しているかのような印象を与えるもので、同団体の名誉を毀損するものであるとした上、損害賠償及び同新聞への謝罪公告の掲載の請求に対し、損害賠償に代えて同新聞に訂正記事を掲載することを命ずる限度で請求が認容された事例
日時 9月21日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 中林 暁生
事件 大阪地裁平成13年1月23日判決 判例時報1755号101頁
市とその外郭団体主催のパネル展に女性の市民団体が展示した物品を市らが撤去したことが違法であるとして求めた損害賠償請求が認められた事例
報告者 斉藤徹史
事件 東京高判平成12年10月25日判決 判例時報1753号50頁・確定
(1)犯罪捜査に当たった警察官が、被疑者の弁護士の所属団体及び所属政党を調査し、これを捜査報告書に記載した行為が、当該弁護士のプライバシーを侵害する違法な行為に当たるものとすることはできないとされた事例
(2)検察官が右の捜査報告書を略式命令を請求する際の資料として裁判所に提出した行為が、当該弁護士のプライバシーを侵害する違法な行為に当たるものとされた事例
日時 10月26日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 米田 雅宏
事件 (1)東京地裁平成13年5月30日判決 判例時報1762号6頁・控訴
1.市内の多数の小学校で学校給食がO-157に汚染され、多数の学童等が下痢等の食中毒になった事故について、国が原因を疫学等によって調査し、調査結果を公表し、原因として指摘された食材の売上が激減した場合、公表につき法律の明示の根拠を要しない。
2.集団下痢症が発生し、国民が植物全般に不安を感じる等している状況においてされた右公表について、公表の必要性、相当性があった等とし、国家賠償法上違法ではないとされた事例-大阪O-157食中毒損害賠償訴訟第一審判決
(2)大阪地裁平成14年3月15日判決 判例時報1783号97頁・控訴
市内の多数の小学校で学校給食がO-157により汚染され、多数の学童等が下痢等の食中毒になった事故について、国が疫学等によって調査し、特定の生産施設(匿名)から特定の期間に出荷された食材が原因である可能性が高い等の報告を公表した場合、公表が相当性を欠く等として違法であったとし、右施設に対する国の損害賠償責任が肯定された事例
報告者 佐藤 寛稔
事件 仙台地裁平成11年12月22日判決 判例時報1727号158頁・控訴
(1)私立大学側の大学教員に対する当分の間教授会への出席を停止する処分及び授業の担当からはずす処分に関する訴えが司法審査の対象となるとされた事例
(2)私立大学側の大学教員に対する当分の間教授会への出席を停止する処分が違法であるとして、教授会への出席妨害に対する妨害排除請求が認められた事例
(3)私立大学側の大学教員に対する当分の間教授会への出席を停止する処分及び授業の担当からはずす処分が違法であるとして、慰謝料請求が認められた事例
日時 11月16日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 阿部 智洋
事件 最二小判平成14年2月22日
最三小判平成14年1月29日 判例時報1779号22頁
宗教法人の所有する建物の明渡しを求める訴えが法律上の争訟に当たらないとされた事例
報告者 下山 憲治
事件 東京高判平成13年7月4日 判例時報1754号35頁・上告/上告受理申立
(1)原子炉設置許可処分の取消訴訟について、当該原子炉施設から約20キロメートルの範囲内に居住している者については原告適格を認めることができるが、その後100キロメートル余りもの遠隔地に転居するに至った者については原告適格を認めることができないとされた事例
(2)原子炉設置許可処分の取消訴訟の係属中に当該原子炉について設置変更許可処分が行われた場合について、原子炉の安全性の問題に関しては、後の変更許可処分に存する実体的な違法事由の有無をも当該訴訟において審理、判断することができるとされた事例
(3)原子炉設置許可処分における原子炉施設の安全性に関する審査に不合理な点があるものとすることはできないとされた事例―東海第二原発訴訟控訴審判決
日時 12月21日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 山岸 喜久治
事件 最三小決平成11年12月16日 刑集53巻9号1327頁
平成11年法律第138号による刑訴法222条の2の追加前において検証許可状により電話傍受を行うことの適否
報告者 大沼 洋一
事件 神戸地判平成12年1月31日 判例時報1726号20頁・控訴
(1)主に自動車排煙によって形成された尼崎市内の国道43号線及びその真上に設置された阪神高速道路(大阪西宮線)沿道50メートル以内の大気汚染と住民の健康被害(気管支 息及び 息性気管支炎)の発症及び増悪との間の因果関係が肯定された事例
(2)右被告について、国道43号線の道路管理者である国及び大阪西宮線の道路管理者である阪神高速道路公団の共同不法行為に基づく損害賠償義務が肯定された事例
(3)一定レベル以上の大気汚染を形成してはならないとの趣旨の請求が、国道43号線及び大阪西宮線沿道50メートル以内に居住する気管支 息患者の居住地において、浮遊粒子状物質につき一時間値の一日平均値0.15ミリグラム・立法メートルを超える数値が測定される大気汚染を形成してはならないとの限度で認容された事例
日時 1月25日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 澁谷 雅弘
事件 大阪高判平成12年10月24日 判例タイムズ1068号171頁
(神戸地判平成12年3月28日 訟務月報48巻6号141頁)
(神戸地裁尼崎支部平成12年3月23日 訟務月報48巻6号1頁)
登録免許税法31条2項の請求を拒否する登記機関の通知は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例
報告者 佐藤 浩也
事件 大阪地判平成13年10月12日
名古屋地判平成13年12月12日
東京地判平成13年12月14日
東京地判平成13年12月17日
東京地判平成13年12月27日 判例時報1776号3頁・控訴
(1)転出届の不受理処分が違法とされた事例
(2)住民票削除処分が違法とされた事例
日時 2月15日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 田代 亜紀
事件 東京高判平成13年7月18日 判例時報1761号55頁・上告
妻からの反対取材をすることなく、専ら夫のみからの取材に基づき、妻から離縁状という事実に反する内容の番組を放送した行為が、妻に対する名誉毀損等に当たるとして、慰謝料請求のほか、訂正放送請求が認められた事例
報告者 幸田 将寿
事件 東京高判平成13年5月30日 判例時報1778号34頁・上告
県立高校の卒業式に「日の丸」を掲揚することに反対し、生徒に「日の丸」掲揚に反対する旨記載した印刷物を配布したうえ、卒業式の前日に予定されていた予行演習及び生徒指導を行わなかった教諭の行為が、地方公務員法33条及び35条に該当するとされた事例
日時 3月15日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 (1)最三小判平成14年7月9日 判例時報1799号101頁
県の知事等が主基斎田抜穂の儀に参列した行為が憲法上の政教分離原則及び憲法20条に違反しないとされた事例
(2)最一小判平成14年7月11日 判例時報1799号99頁
県の知事が大嘗祭に参列した行為が憲法上の政教分離原則及び憲法20条に違反しないとされた事例
報告者 松戸 浩
事件 最一小判平成14年1月17日 民集56巻1号1頁
告示により一括して指定する方法でされた建築基準法42条2項所定のいわゆるみなし道路の指定と抗告訴訟の対象

2001(平成13)年度

日時 4月21日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 大貫 裕之
事件 最高裁平成9年1月28日判決 民集51巻1号287頁
(1)財務会計上の行為が違法、無効であることに基づく実体法上の請求権が右行為の時点では発生しておらず又はこれを行使することができない場合における右請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求と地方自治法二四二条二項の適用
(2)市長の違法な土地転売行為により市が被った和解金相当額の損害の賠償請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求につき和解の日を基準として地方自治法二四二条二項の規定を適用すべきであるとされた事例
報告者 新村 とわ
事件 旭川地裁平成10年4月21日判決 判例時報1641号29頁・控訴
旭川市国民健康保険条例八条の保険料の賦課総額規定が、憲法九二・八四条、国民健康保険法八一条に違反するとされた事例
日時 5月19日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 中村 英
事件 最高裁平成9年3月13日判決 民集51巻3号1453頁
(1)公職選挙法二五一条の三と憲法前文、一条、一五条、二一条、三一条
(2)公職の候補者を当選させる目的で会社の指揮命令系統を利用して選挙運動を行った右会社の代表取締役等が公職選挙法二五一条の三第一項に規定する組織的選挙運動管理者に当たるとされた事例
報告者 米田 雅宏
事件 大阪高裁平成10年2月27日判決 判例時報1633号37頁・確定
強姦、殺人等で起訴されたものの無罪が確定した者が捜査及び公訴提起の違法を理由に国家賠償を求めた事案に就いて取調べに当たった警察官が暴行等により自白を強要したとして捜査の違法性を認めたが、検察官の公訴提起には違法性がないとされた事例
日時 6月16日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部棟2階大会議室
報告者 井坂 正宏
事件 最高裁平成8年7月12日判決 民集50巻7号1477頁
(1)普通河川からのいっ水によって生じた水害につき河川管理の瑕疵がないとされた事例
(2)設置済みの河川管理施設の瑕疵の有無の判断基準
報告者 楊 桐
事件 東京地裁平成9年4月23日判決 判例時報1651号39頁・控訴
(1)厚生大臣のした食品の成分規格の規定及び食品添加物の指定は、法規範の定立行為であって取消訴訟の対象となる行政処分に当たらないとして、右行為の取消を求める訴えが却下された事例
(2)厚生大臣の食品の成分規格の規定及び食品添加物の指定により残留農薬基準が緩やかになった結果、身体の安全健康への不安に脅かされることなく平穏に生活する権利(健康権)が侵害されたとしてなされた国家賠償請求が棄却された事例
日時 7月21日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 鈴木 法日児
事件 最高裁平成9年11月17日判決 刑集51巻10号855頁
外国人登録原票の登録事項の確認制度を定めた外国人登録法一八条一項一号(平成四年法律第六六号による改正前のもの)、一一条一項(昭和六二年法律第一〇二号による改正前のもの)と憲法一三条、一四条
報告者 三輪 佳久
事件 仙台地裁平成一〇年一月二七日判決 判例時報一六七六号四三頁・控訴
(1)廃棄物の処理及び清掃に関する法律一四条四項に基づく産業廃棄物処理業の許可申請及び同法一五条一項に基づく産業廃棄物処理施設の許可申請書の返戻行為を申請の受理拒否処分であるとしてした右処分取消請求(主位的請求)が却下された事例
(2)廃棄物の処理及び清掃に関する法律一四条四項に基づく産業廃棄物処理業の許可申請及び同法一五条一項に基づく産業廃棄物処理施設の許可申請の後相当な期間を経過しても何ら処分をしないのは違法であるとしてした不作為の違法確認請求(予備的請求)が認容された事例
日時 9月22日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 藤田宙靖
事件 最高裁平成11年2月17日判決 刑集53巻2号64頁
警察官による拳銃の発砲が違法とされた事例
報告者 高野 修
事件 東京地裁平成10年7月16日判決 判例時報1654号41頁・控訴
(1)行政事件訴訟法三四条一項にいう「判例に影響を及ぼすべき攻撃または防御の方法」の意義
(2)裁判所は取消判決によって権利を害される第三者に対し訴訟継続を通知すべき義務を負うか(消極)
日時 10月20日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 田代 亜紀
事件 東京高裁平成13年2月15日判決 判例時報1741号68頁・上告
小説中の記述がモデルとされた障害者のプライバシー等を侵害するとして、その作者及び出版社等に損害賠償金の支払を将来の出版等の差止めが命じられた事例
報告者 武者 光明
事件 秋田地裁平成9年3月21日判決 判例時報1667号23頁・控訴
(1)県の一般会計から県の工業用水事業会計(特別会計)への補助が違法であるとしてされた公金の差止請求(地方自治法242条の2第1項1号)が一部認容された事例
(2)市から誘致企業に対する補助金の支出が違法であるとしてされた公金の差止請求(地方自治法242条の2第1項1号)が一部認容された事例
(3)県知事がした産業廃棄物処理場設置許可処分が違法であり、同処分を前提として県が支払った同処分場設置工事の代金の支出が違法であるとしてされた県知事個人に対する損害賠償請求(地方自治法242条の2第1項4号後段)が棄却された事例
日時 11月17日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 石澤 淳好
事件 最高裁平成10年9月2日判決 民集52巻6号1373頁
(1)公職選挙法14条、別表第三の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
(2)同一選挙区内の複数の選挙人が提起する選挙の効力に関する訴訟と類似必要的共同訴訟
報告者 近藤 裕之
事件 東京高裁平成11年9月21日判決 判例時報1701号56頁
免除が先行する場合の固定資産税の賦課及び徴収を怠る事実に係る監査請求と地方自治法242条2項の期間制限
日時 12月15日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 岡本 寛
事件 最高裁平成12年9月6日判決 民集54巻7号1997頁
公職選挙法14条、別表第三の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
報告者 奈良 明嘉
事件 最高裁平成13年7月13日判決
民法上の組合の組合員の事業に係る作業に従事して労務費の名目で支払いを受けた金員が給与所得に当たるとされた事例※本件判決は、未だ判例集未登載であり、裁判所のホームページにも掲載されておりませんので、郵送で通知を受けている方については判決文を同封いたしますが、そうでない方については、こちら をクリックして頂ければ入手できるようになっております。
※また、本件事件については、原審仙台高裁平成11年10月27日判決(訟務月報46巻9号138頁)も併せて取り扱います。
日時 1月26日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 仲野 武志
事件 最高裁平成13年3月13日 判例時報1747号81頁 判例集民事登載予定
林地開発許可の取消訴訟と開発区域の周辺住民の原告適格
報告者 佐藤 寛稔
事件 東京地裁平成12年10月5日判決 判例時報1741号96頁・控訴
司法記者クラブに加盟していないジャーナリストが刑事事件の判決要旨の交付を受けられなかったことが、報道の自由ないし取材の自由を侵害されたものとはいえず、平等原則に違反したものともいえないとされた事例
日時 2月16日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 関沢 修子
事件 最高裁平成11年1月21日判決 判例時報1675号48頁 判例集民事登載予定
(1)市町村長が住民票に世帯主との続柄を記載する行為と抗告訴訟の対象
(2)市長が住民票に非嫡出子の世帯主との続柄を「子」と記載した行為に国家賠償法1条1項にいう違法がないとされた事例
報告者 曽我 洋介
事件 東京高裁平成11年3月10日判決 判例時報1677号22頁
司法書士会がした阪神淡路大震災復興支援のための拠出金として3000万円を寄付する旨及びこのため会員から登記申請一件当たり50円の復興支援特別負担金(復興支援証紙)徴収を行う等の決議が司法書士会の目的の範囲外とはいえないから無効とはいえず、右決議の強制力が会員に及ぶとされた事例
日時 3月16日 土曜日 午後1時半〜
場所 東北大学法学部大会議室
報告者 佐藤 雄一郎
事件 最高裁平成12年2月29日判決 民集54巻2号582頁
(1)「エホバの証人」の信者である患者に対して輸血の方針に関し説明をしないで手術を施行して輸血をした医師が不法行為責任を負うとされた事例
(2)宗教上の信念からいかなる場合には輸血を受けることは拒否するとの固い意思を有している患者に対して医師はほかに救命手段がない事態に至った場合には輸血するとの方針を採っていることを説明しないで手術を施行して輸血をした場合において右医師の不法行為責任が認められた事例