2022(令和4年)年度の研究会の報告者・論題
第6回商法研究会
日時 | 2023年3月25日(土) 13:30より |
場所 | 対面開催:東北大学法学研究科3Fの大会議室 場所:https://goo.gl/maps/wXD5EqqSZ2gTzTCF9 オンライン:zoomオンライン上(ZOOMで参加ご希望の方には、再度URLをお送り致します。) |
13:30より | |
報告者 | 石川 真衣氏(東北大学) |
論題 | 欧州における株式上場制度の見直しに向けた取り組みとその課題 |
報告要旨 | わが国においては、2022年4月に東証が市場区分の見直しを行い、上場会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上・国内外の投資家から支持される魅力的な市場の提供が目指された。制度改革の実効性の検証が今後なされるなか、本報告は現在進行中の欧州の上場制度の見直しに向けた動きに目を向け、魅力ある市場の構築に向けた取り組みの課題を検討する。 |
参考文献 | ・Targeted consultation on the listing act: making public capital markets more attractive for EU companies and facilitating access to capital for SMEs finance-2021-listing-act-targeted (europa.eu) ・UK Listing Review UK_Listing_Review_3_March.pdf (publishing.service.gov.uk) |
15:00より | |
報告者 | 温 笑侗氏(東北大学) |
論題 | 株主名簿閲覧謄写請求の拒否事由 |
報告要旨 | 株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、会社に対して株主名簿の閲覧又は謄写請求をすることができる(会社法125条2項)。ただし、一定の事由に該当する場合、会社がこれを拒絶することができるとされており(同条3項)、基本的に株主がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求した場合に拒絶事由がある。具体的に、判例は、委任状勧誘や公開買付勧誘を目的とする株主名簿の閲覧謄写請求は、正当な理由があり拒絶できないとしているが、それは株主権利の確保または行使に関する調査の目的に基づくものか、やや説明しにくい部分があり、また、委任状勧誘や公開買付は望ましくない買収者によってなされた場合、会社が企業価値の毀損を理由に株主名簿の閲覧謄写請求を拒絶できるか、色々考えさせられる問題がある。本報告は、これらの疑問を踏まえ、アメリカの判例法理と比較して、株主名簿の閲覧請求権の拒絶事由について少し議論を深めることができたら幸いに思う。 |
参考文献 | ・東京地決平成24年12月21日金判1408号52頁 ・E. L. Bruce Co. v. State, 51 Del. 252, 144 A.2d 533, 1958 Del. LEXIS 102 (Del. 1958). |
第5回商法研究会
日時 | 2023年2月18日(土) 13:30より |
場所 | オンラインのみ:zoomオンライン上(ZOOMで参加ご希望の方には、再度URLをお送り致します。) |
13:30より | |
報告者 | 賴奕成氏(滋賀大学) |
判例評釈 | 上場企業の株式保有構造と機関投資家のスチュワードシップ責任 |
報告要旨 | 日本企業のコーポレートガバナンスにおいて,どのような機関投資家が,どのような役割を果たしているのかを明らかにした上で,機関投資家がコーポレートガバナンスにおける適切な機能を発揮するために,どのようなスチュワードシップ責任の構成が望ましいかについて,多面的に考察する。 |
参考文献 | なし |
※第5回の報告は,1件のみを予定しています。 |
第4回商法研究会
日時 | 2022年12月17日(土) 13:30より |
場所 | 対面開催:東北大学法学研究科3Fの大会議室 場所:https://goo.gl/maps/wXD5EqqSZ2gTzTCF9 オンライン:zoomオンライン上(ZOOMで参加ご希望の方には、再度URLをお送り致します。) |
13:30より | |
報告者 | 王 孫博氏(東北大学博士後期) |
論題 | NFTの法的属性およびそのリスクマネジメント |
報告要旨 | NFT(Non-Fungible Token)はブロックチェーン技術の重要なイノベーションである、未来も芸術、文化など領域に無限の可能性がある。NFTの法的属性を議論して、さらにNFTのリスクおよび可能的なリスクマネジメントも分析している。 |
参考文献 | ・福島直央・澤紫臣編『NFTゲーム・ブロックチェーンゲームの法制』(商事法務、2022年) ・天羽健介・増田雅史編著『NFTの教科書 ー ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来』(朝日新聞出版、2021年) |
15:00より | |
報告者 | 森田 果氏(東北大学) |
論 題 | Gender Role in Corporate Scandal Press Conference: An Experimental Evidence from Japan |
報告要旨 | While Morita and Ono (2022) found that the public in Japan has a different fairness perception toward court decisions depending on the gender of e judge, we could not reveal the mechanism lying behind such a difference. In order to clarify the mechanism of the public’s fairness perception, we run another online survey experiment, where participants are required to read a vignette on a corporate scandal. The experiment randomizes the gender of corporate speak persons, and we measure the difference in evaluation by the participants. |
参考文献 | ・ Morita and Ono (2022), Immutable attributes of judges and the public’s perception of their rulings in Japan. |
第3回商法研究会
日時 | 2022年9月17日(土) 13:30より |
場所 | 対面開催:東北大学法学研究科3Fの大会議室 場所:https://goo.gl/maps/wXD5EqqSZ2gTzTCF9 オンライン:zoomオンライン上(ZOOMで参加ご希望の方には、再度URLをお送り致します。) |
13:30より | |
報告者 | 栗 小焱氏(東北大学博士後期) |
判例評釈 | 東京高判令和3・1・21 労働判例1239号38頁 |
参考文献 | ・宮村信郎「安全配慮義務違反と会社法429条1項による取締役の責任について: 昭和44年最高裁大法廷判決の少数意見にもとづく再検討」龍谷大学大学院法学研究19号(2017年)63頁。 |
15:00より | |
報告者 | 前越 俊之氏(福岡大学) |
論 題 | 証券不実開示事例における代表取締役のリスク管理体制構築義務とその民事責任の範囲について」 |
報告要旨 | 重要な虚偽記載等のある開示書類の提出・公表を法人の不法行為として、代表取締役の民事責任の範囲について検討する。 |
参考文献 | ・最高裁平成21年7月9日判決(金法1887号111頁) ・髙橋美加「会社の不法行為責任と内部統制システム構築義務」 『企業法の進路(江頭先生古稀記念論文集)』271頁(有斐閣・2017年) |
第2回商法研究会
日時 | 2022年7月30日(土) 13:30より |
場所 | zoomオンライン上(参加ご希望の方には、再度URLをお送り致します。) |
13:30より | |
報告者 | 徐 敏怡氏(東北大学博士前期) |
判例評釈 | 東京地裁平ニ七(ワ)二八二九号、平28・7・14民八部判決、判例時報2351号69頁。 |
参考文献 | ・田中綾「代表取締役に対する社外取締役と監査役の監視・監査義務」ジュリスト1534号114頁 ・長畑周史「株式会社の代表取締役の違法行為に対する社外取締役の監視義務と常勤監査役の監査義務について違反がないとされた事例」法学研究92巻6号69頁 ・吉行幾真「代表取締役の違法行為に対する社外取締役・常勤監査役の善管注意義務」金判1596号2頁 |
15:00より | |
報告者 | 龍 鉄氏 (東北大学大学院博士後期) |
論 題 | 組織再編における対価の不公正に関する株主保護―事後救済を中心に |
報告要旨 | 合併比率の著しく不公正の場合に、現行会社法において不利益を受けた(おそれ)株主に対する保護について、株式買取請求権制度がその主な役割をになっているといえよう。しかし、株式買取請求権は、会社にとって金銭の流出になり、株主にとって合併自体に賛成であるが合併比率だけを是正したいものに対する救済にならない、かつ、財源規制の制約にも受けないから債権者の利益を害するおそれがあるとの問題がある。 また、組織再編条件の不公正について、取締役などの役員の429条1項の規定する対第三者責任を追求するとも解釈しているものの、これは役員の悪意または重過失を要求している。株主がこれを立証するのは極めて困難である。 これに対して、ドイツ法では、不利益を受けた株主が会社に対して追加の金銭支払いの請求権を認めている。更に、ドイツの議論では、金銭の代わりに追加の株式による補償を検討している。 今回は、組織再編対価の不公正の場合にドイツの金銭追加支払いおよび追加の株式による補償の議論を中心とする博士論文の中間報告である。 |
参考文献 | ・早川勝「迅速な裁判手続による少数株主保護の確保―ドイツにおけるSpruchverfahrensneuordnungsgesetzの制定」同志社法学 55巻7号(2004) ・受川環大『組織再編の法理と立法ー利害関係者の保護と救済』(中央経済社、2017) |
第1回商法研究会
日時 | 2022年5月8日(土) 13:30より |
場所 | zoomオンライン上(参加ご希望の方には、再度URLをお送り致します。) |
13:30より | |
報告者 | 張 琛氏(東北大学博士後期) |
判例評釈 | 東京高判平成30•6•27〔平成30年(ネ)第677号〕 |
参考文献 |
・金融商事判例No.1566、59頁
・林 孝宗「判批」金融商事判例No1590、17頁。
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15:00より | |
報告者 | 脇田 将典氏(東北大学) |
論 題 | 多人数から株式取得に対する法規制 |
報告要旨 | 金融商品取引法27条の2第1項1号によって、市場外で多数の株主から5%以上の株式を取得する場合、公開買付規制が課される。本報告では、この規制を出発点としながら、多数の株主から株式を取得する際の問題点を検討し、その問題点に対する法規制のあり方を検討する。 |
参考文献 | ・脇田 将典「公開買付規制の総合的検討―序論」神田秀樹編『企業法制の将来展望(2022年度版)』247頁(財経詳報社、2021) |