2019(令和元年)年度の研究会の報告者・論題

第1回商法研究会

13:30より

日時 2019年5月11日(土)13:30より
場所 東北大学川内キャンパス 法学部・法学研究科棟3階 大会議室
13:30より
報告者 柳 明昌氏(慶應義塾大学)
論 題 「公正な価格の判断枠組みとマーケット・チェックの意義・射程」
参考文献 経済産業省「公正なM&Aの在り方に関する指針(案)―企業価値の向上と公正な手続確保に向けて」(2019年4月5日)
15:30より
報告者 杉田 貴洋氏(慶應義塾大学)
論 題 「自己株式取得規制緩和の意義」
内容 本報告は、自己株式取得禁止から自由化に至る平成前半期の議論をふりかえり、自由化された現行規整の意義を検討することを目的とする。この時期をごく大づかみに振り返ると、経済界からは、株価維持、買収防衛、持合解消の受け皿などを理由に自由化が強く要望されたのに対し、学界は慎重な姿勢を崩さず、結果として議員立法が主導するかたちで自由化が進められたということができる。報告者の結論としては、自由化された現行規整は、積極的に評価して良いものと考える。バブル崩壊後の深刻な不況下の日本企業にとって自己株式取得自由化は必要な立法であったと考えられ、不況を脱した今日においても、ペイアウト手段の一つとして有用な選択肢を企業に与えたものとして評価できる。学説では当時慎重な議論が多かったが、取得手続等を調えることで、懸念された弊害は概ね封殺されたのではないか。
参考文献 久保田安彦「自己株式と平成改正—バブル崩壊とファイナンス理論と規整の整理—」
稲葉威雄=尾崎安央(編)『改正史から読み解く会社法の論点』(平成20年)173頁
佐々木寿記「我が国企業のペイアウト政策の推移―2001年以降の最新データによる分析―」
経営論集(東洋大学)91号(平成30年)25頁
鈴木健嗣=芹田敏夫=花枝英樹「企業のペイアウト政策:再サーベイ調査による分析」経営財務研究38巻1=2号(平成30年)49頁など