東北大学法科大学院メールマガジン

第74号 03/29/2011

◇ご支援・お見舞いに対するお礼と学習環境整備状況のご報告

東北大学法科大学院長 佐藤 隆之

<はじめに>
 今回の巨大地震から、2週間が過ぎようとしております。しかしながら、現時点においても、いまだ被害の全容は明らかにならず、報道される被災地の状況も心が痛むものばかりです。このたび被災されたすべての方に、心よりお見舞いを申し上げます。

 私たちの法科大学院の在学生・修了生の中にも、今回の地震により被災をした者が少なくなく、前のご報告(3月18日付け)以降も、多くの方からお見舞いをいただきました。厚く御礼を申し上げます。

<各法科大学院他からのご支援>
 そして、この間、法科大学院協会の呼び掛けに応じて、会員校である各地の法科大学院から、東北大学法科大学院及び東北学院大学法科大学院の在学生及び修了生に対して、暖かいご支援の手が差し伸べられました。ご支援のお申出については、法科大学院協会(青山善充理事長、中山幸二事務局長代行)のご厚意によって、協会事務局において取り纏めをいただいており、その数は、3月24日付で、22校の法科大学院(新潟東京早稲田首都大学東京成蹊國學院明治学院創価横浜国立信州金沢愛知学院南山名古屋京都京都産業同志社関西大阪神戸福岡鹿児島)に及んでおります(また、法科大学院教員個人の方1名より被災した学生の受け入れを、また、福岡リーセントホテル様からは、修了生に対し宿泊場所の無償でのご提供のお申出をいただいております)。誠にありがたいことです。

 すでに、上記の法科大学院の施設を利用させていただいている学生も複数おり、人の気持ちの温かさと志を同じくする者の連帯に心を打たれております。

 なお、誠に申し訳ないことに、ご支援をお申出いただいた法科大学院の中には、当方よりまだお礼を申し上げていない学校がございます。お礼のご挨拶まで、今しばらくのご猶予を賜りたく、この場を借りて、心よりお詫びとお願いを申し上げる次第です。

<仙台市内の状況>
 仙台市内では、電気・水道の復旧が進み、昨日より、ガスの復旧作業も始まりましたが、物流システムの復旧は緒に就いたばかりです。お米や野菜、果物の入手もできるようになりましたが、スーパーマーケットやコンビニエンス・ストアの営業時間はまだ短く、飲食店の営業も不安定で、なお食事についての不安が解消したとはいえないように思います。まだ、ガソリンスタンドの周辺では、ガソリンや灯油を求める人たちの長い行列ができており、公共交通機関も復旧の途上にあります。このような困難な状況の中で、一心に勉強を続けておられる在学生及び修了生の皆さんには、本当に頭の下がる思いです。

<東北大学法科大学院の学習環境整備状況>
 全国から多大なご支援をいただく一方で、皆さんを応援するため、東北大学法科大学院としましても、学習環境の整備のため、一歩一歩、努力を重ねております。

 現在、法科大学院のある東北大学片平キャンパス・エクステンション教育研究棟の自習室・法政実務図書室は、平日午前9時30分から午後4時30分まで利用可能ですが、今回の震災による被災状況に鑑み、新修了生の方は、4月1日から4月22日までの平日、上記時間帯において、引き続き自習室の現在の座席を利用することができます。

 また、震災後中断していた学習支援(法律基本科目講座)についても、4月上旬の再開に向けて準備を進めております。

 さらに、3月31日をもって、新修了生の方は、在学生用のTKC教育支援システムの利用ができなくなりますが、法科大学院ウェブサイトに修了生向けのページを新設し、引き続き様々な情報提供を行うことといたしました(法科大学院修了生サポートシステムにおいても、引き続き情報提供を行います)。こちらに掲示される情報は、法科大学院の修了年次を問わず、専門職大学院係から付与されるユーザー名とパスワードを入力することにより、アクセスすることが可能です(平成21年度以前の修了生の方は、お手数ですが、専門職大学院係にメールでお問い合わせ下さい。メールアドレスは、law-pro.gif です。また、お電話でのお問い合わせはご遠慮下さい)。

<最後に>
 もとより震災前に比べると不便は残りますが、今後も、法科大学院の教員一同、在学生及び修了生の皆さんの学習環境の再建にいっそう努めて参ります。

 皆さんの抱いている不安はたやすく消えることはないと思いますが、この間に寄せられた、全国各地の方々からのご支援に込められた思いをしっかりと受け止め、法曹を目指す者として、それぞれのいる場所で、充実した時間を過ごされるよう希望します。

 ただ、この2週間、皆さんも強い緊張状態にあったはずです。心身の疲労も相当蓄積していることと思います。いったん休息をとってもいい頃かもしれませんね。根を詰めすぎないよう、そして、くれぐれも身体に気をつけて過ごして下さい。

 最後になりましたが、本法科大学院、本学、そして被災地域の復興に向けて、皆様方の引き続きのご支援とご協力を賜れますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

◇東北大学法科大学院修了生の皆さんへ(学習場所に関するご支援について)

 今回の震災により学習環境を十分に確保できない学生のために、各法科大学院から、施設利用等のご支援の申出を頂きました。

 そして、法科大学院協会事務局長代行の中山幸二先生が、3月24日までに同協会宛てに申出のあった、学習場所に関するご支援の内容をまとめて下さいました。
 問合せ先や具体的な内容については、本学TKC教育支援システムにリストとして掲載されていますので、ご確認下さい。

 今回ご支援をお申し出をいただいた各法科大学院の皆様に心より感謝申し上げたいと思います。
 また、献身的に本情報のとりまとめの作業をして下さっている中山先生に、心より御礼申し上げます。

◇学位記(卒業証書)並びに卒業/修了証明書等の郵送について

 法学部・法学研究科では,郵送事情の復旧状況や学位記(卒業証書)の印刷等の発送準備が整い次第,発送を行いますので,送付先・連絡先を電子メールもしくはFAXでお知らせください。

 なお,発送は4月下旬を予定しておりますが,物流状況により発送時期が変わることがあります。

 また,東北大学も震災で被害を受けたため,証明書の発行は滞っております。通常の証明書の発行も4月下旬を目処に再開する予定ですが,就職先・進学先等で証明書が必要な方は,先方にご理解いただくようご説明ください。

 今後も、安全を確保しつつ、HPの情報を随時確認されるようお願いします。
 http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/

<送付するもの>
 ・学位記(卒業証書)
 ・卒業証明書(学部学生)もしくは修了証明書(大学院学生) 1通
 ・成績証明書 1通

 ※発送は「書留」で行います。受け取りにおいては受領印又はサインが必要です。

<電子メールに記載する事項>
 1.件名「学位記」
 2.学籍番号
 3.氏名
 4.送付先住所・郵便番号(発送時期が早まった場合でも確実に受け取れる住所)
 5.連絡先電話番号(固定電話・携帯電話・FAXなど)
 6.証明書を複数枚希望する場合は,必要な証明書の種類と枚数
 7.実家等自宅以外に送付する場合の受取人の氏名

<電子メール及びFAX送信先>
○学部学生・研究大学院学生:法学部・法学研究科教務係
 Mail:law-kyom.gif
 FAX:022-795-6249

○法科大学院・公共政策大学院:法学部・法学研究科専門職大学院係
 Mail:law-pro.gif
 FAX:022-217-4947

◇東北大学法科大学院入学予定者の方へ

東北大学法科大学院長 佐藤 隆之

 3月11日に発生した巨大地震では、仙台市・宮城県及び近隣の地域で甚大な被害が生じております。お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表します。また、被災をされた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 東北大学法科大学院に入学を予定されている皆さんにおかれても、今回の震災のもたらした事態に、大きな不安を感じていらっしゃることと存じます。

 既発表の情報(http://www.law.tohoku.ac.jp/saigai/)ながら、3月25日現在、法科大学院のある東北大学片平キャンパス・エクステンション教育研究棟の電気・水道・電話は復旧済みです。しかしながら、同棟のエアコンの熱源となっているガスの供給は停止されており、また建物屋上にある機器も損傷していることから、当面、暖房は使用できない状況です(詳しくは、http://www.law.tohoku.ac.jp/saigai/status/20110316/をご参照下さい)。

 また、仙台市内では、電気・水道の復旧が進んでいるとはいえ、物流システムの復旧は緒に就いたばかりで、大学として、帰省できる在校生のみなさんには、この間、帰省していただくなど安全な場所で待機するよう周知しているところです。

 法科大学院では、在校生の一人一人に、自習室内の座席を指定し、学習場所として提供しておりますが、大学の方針により、法科大学院も、4月下旬頃まで休講となることから、来年度の座席割当ては、その頃(4月下旬頃)に行われる新入生オリエンテーションのあとに行う予定にしております。

 皆さんには、およそ1月の間、ご不便をおかけすることとなりますが、この期間を利用して、昨年末に合格通知書と一緒にご送付した、「法学既修者コースに合格された方へ」又は「法学未修者コースに合格された方へ」と題された文書をご確認いただき、法律基本科目の担当教員が推薦する図書、あるいは予習課題に取り組んでみて下さい。

 3月18日に大学より発表されておりますとおり、平成23年度の入学式は、中止となりました(http://www.tohoku.ac.jp/japanese/)。大変残念なことです。

 皆さんを法科大学院にお迎えする新年度は、まさに異例の出発となりますが、法科大学院は、皆さんの受入れに向け、学習環境の再建に全力で取り組んでまいります。また、受入れ体制の整備状況、新年度の学年暦・授業日程等につきましては、随時、本ウェブサイトにてお知らせいたします。

 今後の情勢については予断を許しませんが、入学予定者の皆さんにおかれては、私たちの取組みを見守って下さいますようお願い申し上げます。

 なお、最後になりましたが、被災され、4月下旬頃からの就学が難しい入学予定者の方に対しては、3月24日に東北大学教育・学生支援部 学生支援課 経済支援係より、緊急経済支援に関する情報提供(http://www.tohoku.ac.jp/japanese/keizai_shien.html)が行われております。お手数ですが、ご参照をいただけると幸いです。

◇平成24(2012)年度東北大学法科大学院入学者選抜の変更について

 平成24(2012)年度入学者選抜について、以下の通り変更することを予定しています。

1.第2次選考の日程について
 従来、第2次選考は、首都圏の主要国立大学と同日に実施していましたが、平成24年度は、変更することを予定しています。
 なお、試験会場については、従来通り、仙台会場、東京会場の2か所とする予定です。

2.第3次選考(面接試験)について
 第3次選考(面接試験)は実施しません。

 詳細については、決まり次第、ウェブサイト等でお知らせします。
 http://www.law.tohoku.ac.jp/lawschool/info/110328-notice.html

◆編集後記

 今回の巨大地震により、ここ仙台市でも大きな被害が生じました。
 震災から2週間あまりがたち、街中をみますと、開店しているお店も増えてきており、日々復旧が進んでいることを実感することができます。
 皆さんの復旧へのご努力に頭が下がる思いです。

 私事ではありますが、不肖、実務家教員としての生活は今月いっぱいとなりました。
 このような時期に離任するのは本当に心苦しいのですが、東北大学の復旧は着々と進んでおりますので、別の場所から東北大学の今後のますますのご発展を祈念したいと思います。

 これまでお付き合い頂きましたメールマガジンの購読者の皆様、講演録の掲載にご快諾頂いた皆様、ご寄稿頂いた皆様、東北大学法科大学院の先生方に心から御礼を申し上げたいと思います。
 本当にありがとうございました。

(杉江記)

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発行:東北大学法科大学院広報委員会

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